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第2章
11約束 ③
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帰ってしまった。
兄さんは不満なのか、ムスッとしたまま何も言わない。こっそり何か王子と話してたみたいだけど、父さんは優しく見守ってくれている感じだ。母さんは、何か考えている。こういう時の母さんは、話しかけない方がきっといいはずだ。
王子がくれたネックレスは、繊細な銀細工で緑色の小さな石が付いている。
王子のは金色だったけど、石はついて無かったと思う。こんなの……どう返していいのか分からない。誰かに預ける?でも、悪用されたら心配だし、どうしたらいいのだろう?
「───高級な感じ。似合わないんじゃ?」
今は、いつものように女の子の格好をしているので、バッチリ銀のネックレスが見えてしまう。指で緑色の石を触ってみた。外してマジックバックに入れておこうかな?腰ベルトに付いている小さなバッグは、兄が作った大収納仕様だ。
緊急時の生活用品がほぼ収まってる。この中に通信機能の物が何点かあったよね。駄目だ……すぐ捜索されてしまう。通信機能を外したら、逃げるってバレるよね。
やっぱり、父さん達に黙って出ていくのは、無理だな。それにずっと育ててもらったのに……黙って消えるのは、やっぱり嫌だ。
意を決して、王子から逃げたいことを伝えようと……そう思った時に母さんと目が合った。
「────ライラ。逃げきれないわよ?」
「え?」
母さんが、真顔でそばに来た。
「だって、そのネックレス……」
これ?これが何かあるの?思わず指先に力が入る。
「王子しか、外せないでしょう?色々、つけてくれたわね」
何?何が付いてるの?思わず兄を見ると、ものすごく不機嫌な顔をしている。
「ライラがヒート中……それ、あいつから無理やり付けられてない?本人に確認していいって、同意の上だって自信満々に言ってきた」
同意の上……確かに頷いた。
「う、ん。確かに頷いたし、つけてもらった時……意識はしっかりしてたよ」
兄さんの魔力が膨れ上がる。父さんが横に来て、バチーンと手で頭を叩いた。
すると一気に魔力が飛散した。
「店を潰す気か?」
「俺が、約束したんだ。ライラを守るって……ダンジョンで、ずっと一緒だって誓ったんだ」
「知っている。見てたからな……運命を変えれるなら、変えてみたらどうだ?ライラを見つけたのは、お前なんだから。すぐに諦めずに」
何の話をしてるの?
「諦め悪過ぎじゃない?嫌われるわよ」
「あの、兄さんを嫌いになったりしない!実の兄って思えるのは、ロイド兄さんだけだから」
その場が静かになった。なんか変なこと言った?思わず皆の顔を見る。
「あの?本当に、実の兄って思ってる……ロイド兄さんは、特別なんだよ」
目の前に来た兄さんに、抱きしめられる。優しく包み込まれて、顔が見えない。
「簡単に王子に渡さないからな」
嬉しい。大切にしてもらってる。ずっと、一緒に生きてきたんだ。黙って消えたりしないよ。思わず背中のシャツを掴んだ。
「───ありがと。王子に迷惑をかけたくないんだ。だから、ここから逃げる気だったんだけど……ネックレスやばいんでしよ?居場所ばれちゃう?どうしたらいいか教えて」
「───ライラ……もしかして、本気であいつの事、思ってる?」
顔を見せられない。
「ライラ……耳まで、真っ赤だ」
あの、クソ王子……
「あの。兄さん?」
「───ネックレスを外す方法を探してやる。せいぜい困らせてやろうぜ。それでも、ライラが好きなら見つけ出せるはずだ」
えっ、どう言うこと?
「やだ。面白い……それ、乗るわ」
母さん?まで……お父さんの方を見る。
「王子も──災難だな」
一体何をする気、嫌な予感しかしない。
兄さんは不満なのか、ムスッとしたまま何も言わない。こっそり何か王子と話してたみたいだけど、父さんは優しく見守ってくれている感じだ。母さんは、何か考えている。こういう時の母さんは、話しかけない方がきっといいはずだ。
王子がくれたネックレスは、繊細な銀細工で緑色の小さな石が付いている。
王子のは金色だったけど、石はついて無かったと思う。こんなの……どう返していいのか分からない。誰かに預ける?でも、悪用されたら心配だし、どうしたらいいのだろう?
「───高級な感じ。似合わないんじゃ?」
今は、いつものように女の子の格好をしているので、バッチリ銀のネックレスが見えてしまう。指で緑色の石を触ってみた。外してマジックバックに入れておこうかな?腰ベルトに付いている小さなバッグは、兄が作った大収納仕様だ。
緊急時の生活用品がほぼ収まってる。この中に通信機能の物が何点かあったよね。駄目だ……すぐ捜索されてしまう。通信機能を外したら、逃げるってバレるよね。
やっぱり、父さん達に黙って出ていくのは、無理だな。それにずっと育ててもらったのに……黙って消えるのは、やっぱり嫌だ。
意を決して、王子から逃げたいことを伝えようと……そう思った時に母さんと目が合った。
「────ライラ。逃げきれないわよ?」
「え?」
母さんが、真顔でそばに来た。
「だって、そのネックレス……」
これ?これが何かあるの?思わず指先に力が入る。
「王子しか、外せないでしょう?色々、つけてくれたわね」
何?何が付いてるの?思わず兄を見ると、ものすごく不機嫌な顔をしている。
「ライラがヒート中……それ、あいつから無理やり付けられてない?本人に確認していいって、同意の上だって自信満々に言ってきた」
同意の上……確かに頷いた。
「う、ん。確かに頷いたし、つけてもらった時……意識はしっかりしてたよ」
兄さんの魔力が膨れ上がる。父さんが横に来て、バチーンと手で頭を叩いた。
すると一気に魔力が飛散した。
「店を潰す気か?」
「俺が、約束したんだ。ライラを守るって……ダンジョンで、ずっと一緒だって誓ったんだ」
「知っている。見てたからな……運命を変えれるなら、変えてみたらどうだ?ライラを見つけたのは、お前なんだから。すぐに諦めずに」
何の話をしてるの?
「諦め悪過ぎじゃない?嫌われるわよ」
「あの、兄さんを嫌いになったりしない!実の兄って思えるのは、ロイド兄さんだけだから」
その場が静かになった。なんか変なこと言った?思わず皆の顔を見る。
「あの?本当に、実の兄って思ってる……ロイド兄さんは、特別なんだよ」
目の前に来た兄さんに、抱きしめられる。優しく包み込まれて、顔が見えない。
「簡単に王子に渡さないからな」
嬉しい。大切にしてもらってる。ずっと、一緒に生きてきたんだ。黙って消えたりしないよ。思わず背中のシャツを掴んだ。
「───ありがと。王子に迷惑をかけたくないんだ。だから、ここから逃げる気だったんだけど……ネックレスやばいんでしよ?居場所ばれちゃう?どうしたらいいか教えて」
「───ライラ……もしかして、本気であいつの事、思ってる?」
顔を見せられない。
「ライラ……耳まで、真っ赤だ」
あの、クソ王子……
「あの。兄さん?」
「───ネックレスを外す方法を探してやる。せいぜい困らせてやろうぜ。それでも、ライラが好きなら見つけ出せるはずだ」
えっ、どう言うこと?
「やだ。面白い……それ、乗るわ」
母さん?まで……お父さんの方を見る。
「王子も──災難だな」
一体何をする気、嫌な予感しかしない。
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