警察案件――双頭の死神

柚緒駆

文字の大きさ
14 / 17

開幕

しおりを挟む
「ご夕食をお持ちしました」

 蚊の鳴くような、ななみの声。二つの漆塗りの箱膳に乗せられているのは、カレーライスと小鉢のサラダ。それだけ。

「え、これだけ?」

 千香の言葉に悪意はなかったのかも知れない。だがななみは、怯えたように手を付いた。

「申し訳ございません。どうしても一人では手が回らなくて。明日はちゃんとやります」

 いまにも声を上げて泣き出しそうだ。精神的に限界が来ているのだろう。そんな彼女を見ていて、僕はふと、ある事が気になった。

 ひとついいかな。

 僕の言葉に、ななみは恐る恐る顔を上げる。何と言って叱られるのだろう、そんな顔だった。僕は精一杯の作り笑顔を浮かべてこうたずねた。

 ここの屋敷では、ゴミって毎日出してるの?

 ななみは当惑している。何を問われているのか理解できない、という顔だ。仕方ないので補足した。

 僕らの住んでるところでは、月曜日と木曜日が可燃ゴミを出す日なんだけど、ここは何曜日なのかな。

 すると、ななみはようやく理解したように小さな声で答えた。

「可燃ゴミは、火曜日と金曜日です」

 三太郎が死んだのは水曜日の午前一時頃、同じく水曜日の昼に僕らがここに到着して、夜に四界が死んだ。戸女が死んだのは木曜日の夜、そして今日が金曜日。

 つまり、今日ゴミを出したんだね。

 そうたずねると、ななみは「あっ」と口を開けた。慌てて立ち上がろうとするのを、僕は手で制する。

 待つんだ。ゴミは出してないのか。

「はい……出そうと思って物置に入れたまま、忘れてました」

 叱られると思ったのか、ななみは泣きそうな顔をしている。けれど僕が口にした言葉で、その顔が一気に明るく輝いた。

 そのゴミが、君のお母さんを助けてくれるかも知れないよ。



「殺人事件の証拠だと」

 数坂は若い制服警官の言葉に困惑を見せた。殺人事件の証拠が見つかるかも知れない、八乃野いずるがそう言い出したらしい。どうしましょうと警官は言うが、数坂たちは警護任務でここにいるのだ。捜索令状は出ていない。しかし振り返る数坂に、築根はこう告げた。

「我々には、この屋敷で証拠を探す権限はないが、我々以外が証拠を探すのをやめさせる権限もない。そう思わないか、探偵さん」

 そう言って鍵を見つめる。探偵は、やれやれとため息をつきながら立ち上がった。

「いいですよ。ダシに使われましょう」



 外はもう日も落ち、暗い。小さな門灯の照らす、玄関の南側にある勝手口。その入ってすぐ右手の物置の前に、八乃野いずると馬雲千香が立っている。少し離れた隣には、ななみの姿。

「何の冗談じゃな、いずるよ」

 祈部豊楽が、静かに怒りをたたえて三和土たたきに立つ。後ろには警官が、さらに隣には霜松市松と九南がいた。

「冗談ではないですよ。これから証拠を探すんです」

 笑顔のいずるを、豊楽は切り裂くような視線で見つめた。

「何の証拠だ」

 そこにやって来る、鍵と笹桑と刑事たち。そちらをチラリと見ていずるは言う。

「もちろん、ここで起こった一連の事件の、です」
「ふざけるな!」

 怒髪天を衝く勢いの豊楽に、一同は皆たじろいだ。平然としているのは八乃野いずる一人だけ。

「警察でも探偵でもないただの子供に、何がわかると言うのか!」
「わかりますよ。だって、ただの子供にも解決できるレベルの事件ですから」

 豊楽に向かってそう微笑むと、いずるは怯えるななみに声をかけた。

「じゃあ、出してください」
「は、はい」

 ななみは震える手で物置の戸を開けた。すぐ足下に置かれたゴミ袋が二つ。豊楽は、ななみをにらみつける。

「何でそんな物がここにある」
「す、すみません、忙しくて出し忘れてました」

 震え上がるななみを励ますように、いずるは笑顔を向けた。

「いいじゃないですか、そのおかげで事件が解決するんですから。さあ、中を調べてください」

 ななみは涙目でうなずくと、ゴミ袋の中に手を突っ込んだ。築根は小さな声で鍵にたずねる。

「どう思う」
「何が見つかるか、知ってて探してる感じですね」

 集まった周りの刑事や制服警官たちも、興味津々で様子を眺めている。彼らに聞こえるようにいずるは言う。

「たぶん、犯人はゴミの日をちゃんと知ってたんじゃないかと思うんです。だって、いつまでも証拠をこの家に置いておけませんし、かと言って、自分で外に持ち出そうとするより、誰かに処分してもらった方がリスクは小さいですから」

 しかし。

「……ないです」

 ななみは泣きそうな顔をいずるに向けた。目当ての物は見つからなかったようだ。だがこれは想定内だったのだろう、いずるは平然と二つ目のゴミ袋を指さす。

「なら、もう一つの袋ですね。探して下さい」

 ななみは、二つ目のゴミ袋を開き、また中に手を突っ込んでかき回す。そして、すぐ。

「あっ」

 その声と共に、ななみがゴミから持ち上げた物は、折り畳まれた和菓子屋の紙袋。その中に手を入れて取り出したのは、薄いベージュ色の軍手。いずるはごま塩頭の数坂を見つめた。

「この軍手をはめていたのは誰か、この軍手で誰の体に触れたのか、調べられますよね」

 数坂は一瞬躊躇したが、結局うなずいた。

「百パーセントは保証できないがね」

 手袋には皮膚組織の断片が残留している可能性がある。もしそれがあれば、DNA鑑定で使用者がわかるのだ。そしていずるは豊楽に視線を移す。

「警察に渡していいですよね、お館様」
「そんな軍手一つで、何の証拠になる」

 ムッとした顔でにらむ豊楽に対し、いずるは苦笑した。

「一つじゃないかも知れませんよ。あと三つくらいは出るかも。まあ何にせよ、説明はみんなのいる場所でした方がいいでしょう。その方が面倒臭くなくていい。どこかに集まりませんか」

 それを聞いて、鍵の表情が変わった。目を見開き、愕然としている。

「ああ……なるほど。そうか、そういう事か」



 怒り狂いそうだ。祈部豊楽はその思いを顔に出さないよう、必死で堪えていた。

 おのれ、おのれ、おのれ。

 警察どもが居座らなければ、いずるを殺し、探偵を自殺に見せかけて殺すだけですべてが終わったものを。

 いずれ警察には思い知らせてやる。だがその前に、まず目の前のピンチを乗り切らねばならない。

 豊楽は先頭に立ち、早足で廊下を進んだ。



 午後八時前、家中の者が「応接間」に集まった。一段高くなった場所に豊楽が着座し、つい昨日まで戸女が座っていた部屋の隅には十瑠がいる。広間の中央には八乃野いずると馬雲千香が正座し、周囲を九南や霜松市松、鍵と笹桑、そして刑事や警官たちが取り囲む。その向こう側には、ポツンと一人、ななみが座っていた。

「いったいどういう事だ、いずる。何で十瑠まで引っ張り出して来た」

 憤懣やる方ないといった風な九南に、いずるは平然とこう返す。

「だって自分の行く末に関わる問題ですよ。仲間はずれは可哀想じゃないですか」
「そーだそーだ」

 十瑠は拳を振り上げた。九南は苦虫を噛み潰したような顔である。

「もうええ、さっさと始めんか」

 見下ろす視線の豊楽は、実際の体格よりも大きく見えた。

「残念じゃよ、いずる。いずれは十瑠の婿にでもと考えておったに」

 これを聞いて頭に血を上らせたのは、馬雲千香。

「何ですって!」
「まあまあ、抑えて抑えて」

 いずるは苦笑しながら千香をなだめた。そして豊楽に向き直る。

「でも、その可能性が消えたのは、僕にとってありがたい話ですよ。それじゃ始めますか。と言うか、結論から言いましょう」

 いずるは九南を指さした。

「この屋敷では自殺なんて起こっていません。すべては殺人です。一連の事件の実行犯は、あなた、九南さんだ」

 次に豊楽を指さす。

「そして計画を立てたのは、豊楽さんですね」
「馬鹿馬鹿しい。何の証拠がある」

「軍手以外の証拠なら、これから警察が見つけてくれますよ。だから僕は動機を挙げるだけです」
「動機などあるものか」

 吐き捨てるように言う豊楽へ、いずるは冷たい微笑みを向けた。

「豊楽さんは、以前から苦々しく思っていました。自分の息子たちについてです。家の跡を継がせるのは九南さんがいるから大丈夫ですが、その足を引っ張る者が多すぎる。これは何とかしなければならない」

「憶測じゃな」

「そんなとき、新聞で奇妙な自殺が話題になった。タコ焼きピックで自分の首の後ろを突き刺したという事件です。これを知ったとき、豊楽さんは思いました。うちの馬鹿息子どもも自殺してくれないだろうかと」

「そんな事を思うはずがない」

「しかし豊楽さんは気付きました。このやり方なら、自殺でなくとも自殺扱いになるのではと。後は言うまでもないでしょう。豊楽さんは、九南さんに命じて三太郎さんと四界さんを殺し、それに気付いた戸女さんをも殺したんです」

「デタラメだ!」

 怒鳴ったのは九南。豊楽もうなずいた。

「ただのこじつけじゃな。そんな屁理屈で殺人犯にされては、たまったものではないわ」
「屁理屈かどうかは、軍手を調べればわかりますよ」

 その指摘は痛いところだったのだろう、豊楽も九南も押し黙ってしまった。沈黙の静寂、勝ち誇るいずるの顔。それをしばらく見つめていた築根は、隣で正座する探偵に目をやった。

「鍵、どう思う」

 その声に、いずるは振り返る。見つめる鍵と視線が合った。

「……警察がこれでいいと思うのなら、それでいいんじゃないですか」

 探偵のこの返答は予想外だったのか、いずるの眉が不審げに寄る。築根も驚いたのだろう、珍しく少し慌てた。

「おい鍵、こんなときにふざけるな」
「別にふざけてはいませんよ。ただ、ウンザリしてるだけです」

 そして天井を見つめ、何かを探すように視線を動かすと、落胆したかのようにため息をついて、十瑠に視線を向けた。

「君は呪ったのかい」
「は?」

 さしもの十瑠も呆気に取られている。意味がわからないのだ。いずるもキョトンとしているが、鍵は気にせず続ける。

「死神様は、この祈部の家に仇なす者に取り憑いて殺すんだよね。でも、祈部の家って何だろう。家長の豊楽さんを指すのか、それとも、まったく別のところにこの家の意思が存在しているのか。私は後者じゃないかと思うんだ。だからこの一連の事件は起きたのかも知れない。そしてそのトリガーになったのが、君なんじゃないかな」

「僕の主張を支持してくれるという事でしょうか」

 やや呆れたような薄っぺらい笑顔を見せるいずるの言葉に、鍵は首を横に振る。

「じゃ、何が言いたいの」

 怪訝な顔で馬雲千香が振り返っている。鍵は重苦しげに口を開き、答えた。

「事件の真相なんか、もうどうでもいいって事です」
「それはつまり」

 数坂が瞠目した。

「事件の真相が見えてるって事か」
「おい首吊り屋、どうでもいいって、どういう事だ!」

 原樹の大声を、鍵は無視した。ただ、暗い目で八乃野いずるを見つめている。いずるは見つめ返し、挑戦的に微笑んだ。

「へえ、わかってるなら教えて下さいよ。聞きたいですね、その事件の真相とやらを」

 しかし、鍵は陰鬱につぶやく。

「嘘をつくんじゃない。こんな事件の真相なんか、聞きたい訳ないだろ」

 いずるの表情は変わらない。なのに空気が冷たくなる。

「それでも聞きたいと言ったら?」

 いずると千香が見つめる。豊楽と九南が見つめる。霜松市松が、ななみと十瑠が、そして笹桑と築根と原樹が、それ以外の警官の目が鍵を見つめた。探偵は一つため息をつくと、膝に置かれた手に目を落とした。

「出て来い」

 周囲の不思議そうな顔。いまのはいったい誰に向けての言葉なのだろう。

「どうせ私では、上手くまとめられないと思っているんだろう。その通りだ。こんなクソッタレな真相なんか話したくもない。おまえが話せ」
「おい、鍵。どうした」

 隣の心配げな築根を無視して、鍵はつぶやく。

「おまえが思い出せと書いた事を、私は思い出した。そして答を出した。なら、次はおまえの番だ。聞こえてるんだろう、ジョウ・クロード」

 そのとき築根は見た。目の前の鍵蔵人が、一瞬で別人に変わるのを。顔かたちが変わった訳ではない。服装が変わった訳でもない。しかし目の鋭さが、口元に浮かぶ笑みが、身にまとう空気が、まったく別人のそれへと変化したのだ。鍵蔵人であって彼ではない人物は、足を崩し胡座をかいた。その視線が築根に向かう。

「まったく、珍しい事もあるもんだ」
「え?」

「自分の知り合いを俺に会わせるのは、嫌がると思ってたんだがね」

 混乱して返事ができない築根に、鍵蔵人の顔をした謎の男はこう告げた。

「死神には、頭が二つある」

 あまりにも唐突な言葉。築根はさらに困惑した。築根だけではない。おそらくはこの探偵以外の、部屋にいた全員が困惑していた。

「頭が二つ? どういう意味だ」

 数坂の言葉に探偵は一つうなずく。

「結論を言えば、別々の理由、別々の目的のために、二組の犯人が同じ手口で人を殺した。ここで起きたのはそういう事件だ」

 そしていまいましげに続けた。

「まず、さっきの八乃野いずるの話には一つ問題点がある。幾谷いつみが俺を襲った件が説明されていない」

 ななみがビクリと反応したが、探偵はそちらを見ない。いずるは平然と答えた。

「いつみさんなら、何らかの理由で豊楽さんたちの殺人を知ったんでしょう。恩のある豊楽さんたちを殺人犯にはできない。だからそれを隠すために、探偵さんを殺そうとした。それによって、自分がすべての罪をかぶろうとしたんです」

「こじつけにしたって、強引に過ぎないか、それは」
「そうでしょうか。あのまま探偵さんが殺されてたら、警察もいつみさんが真犯人だと信じたかも知れない」

「だったら聞くが」

 探偵は問う。

「その『何らかの理由』って何だ」

 いずるの表情に僅かな動揺が見て取れた。探偵はさらに問う。

「つまり、幾谷いつみにあれこれ吹き込んで、けしかけた人間がいるって事だよな。誰だそれは」

 いずるは口をつぐんでいる。焦れた築根が鍵に――鍵と同じ顔をした誰かに――問うた。

「誰なんだ、それは」

 だがすぐには答えず、探偵は視線を移動させる。蒼白な顔でこちらを見つめる男に。

「……霜松さん、あんただよな」
「な、馬鹿な」

 普段は無表情な霜松市松の顔に、似合わない感情的な動きがあった。

「何故、私がそんな事を」
「霜松先生、本当なんですか」

 ななみが目を見開き立ち尽くしている。霜松市松は慌てて首を振った。

「違う! 私は断じてそんな事はしていない!」

 しかし探偵は断言した。

「いいや、したんだよ。何故ならあんたが大枚はたいて私立探偵をここに呼んだのは、幾谷いつみに殺させるためだからだ」
「何じゃと」

 豊楽が反応した。九南も唖然としている。霜松市松は震えるようにまた首を振った。

「そんな、そんな事をするはずがない。私に、いったい何のメリットがあると言うのか」

 しかし抗う言葉に力はなく、みるみる憔悴して行く。その姿こそが何より雄弁な証拠と言えた。

 探偵は一度大きく息をつくと、また天井に顔を向けた。

「とりあえず、ここしばらくの間に起きた事を、一つ目の頭の視点で時系列順に話そう。まず最初に」

 そして探偵は馬雲千香を見つめた。次の言葉に、千香の両目は見開かれ、築根たちは身を乗り出す。

「祈部六道が殺された件からだ」



――どっちなんだ、わかってるんだろう

 何故だろう、あのときの父さんの声を思い出す。

――わからないって言ったら?

 母さんは、こうなる事がわかっていたのだろうか。

――殺してやる、おまえも、あいつらも

 僕はいま砂上の楼閣に立っている。足下に大きな波が押し寄せていた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【純愛百合】檸檬色に染まる泉【純愛GL】

里見 亮和
キャラ文芸
”世界で一番美しいと思ってしまった憧れの女性” 女子高生の私が、生まれてはじめて我を忘れて好きになったひと。 雑誌で見つけた、たった一枚の写真しか手掛かりがないその女性が…… 手なんか届くはずがなかった憧れの女性が…… いま……私の目の前にいる。 奇跡みたいな出会いは、優しいだけじゃ終わらない。 近づくほど切なくて、触れるほど苦しくて、それでも離れられない。 憧れの先にある“本当の答え”に辿り着くまでの、静かな純愛GL。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

その人事には理由がある

凪子
ミステリー
門倉(かどくら)千春(ちはる)は、この春大学を卒業したばかりの社会人一年生。新卒で入社した会社はインテリアを専門に扱う商社で、研修を終えて配属されたのは人事課だった。 そこには社長の私生児、日野(ひの)多々良(たたら)が所属していた。 社長の息子という気楽な立場のせいか、仕事をさぼりがちな多々良のお守りにうんざりする千春。 そんなある日、人事課長の朝木静から特命が与えられる。 その任務とは、『先輩女性社員にセクハラを受けたという男性社員に関する事実調査』で……!? しっかり女子×お気楽男子の織りなす、人事系ミステリー!

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

滝川家の人びと

卯花月影
歴史・時代
勝利のために走るのではない。 生きるために走る者は、 傷を負いながらも、歩みを止めない。 戦国という時代の只中で、 彼らは何を失い、 走り続けたのか。 滝川一益と、その郎党。 これは、勝者の物語ではない。 生き延びた者たちの記録である。

処理中です...