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39 机上の空論
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「不信、疑心、恐慌、それはすべて必要な段階だ。人類を一方向に向けるためにはな」
3Jはそう言った。ならば、それを信じてみる。
先般エリア・エージャンで起きたセキュリティシステムの機能停止と、イ=ルグ=ルを関連付けたストーリーを作成、ネットワークに流した。
「どんな反応があるだろう」
ジュピトルのつぶやきに、ナーガは応える。
「オカルト、陰謀論、怪文書、そんなところではないかと」
「まあ百年前の怪物が、いまも生きているなんて考えはしないよね、普通」
ジュピトルは苦笑した。自分のやっている事に自信が持てないのだ。
「ですが、セキュリティが停止した事実に気付いている者も居るのではないでしょうか」
ナーギニーはそう言ってくれたが、あまり慰めにはならない。
「確かに、ある程度の信憑性を感じてくれる人も居るかも知れないけど、やっぱり言葉だけでは弱いよ」
首元のネクタイピンが振動している。
「アキレス、反応はあった?」
ジュピトルの視界に青い髪の青年が現われる。微妙な表情だ。
「ネットワークに反応は幾つか上がっているが」
「どんな風に受け止められてるんだろう」
「平たく言えば、『狂人の戯言』だな」
「それは酷いな」
ジュピトルは腕を組んで天井を見上げた。あえて恐怖を撒き散らす事に、後ろめたさもある。だが何もしない訳には行かない。3Jは、いますぐにでも戦いを始めたいと考えているのだ。
「これから、どうしたものだろう」
するとアキレスは、まるで有名人の座右の銘のような言葉を持ち出した。
「ミュルミドネスの総意としては、『継続は力なり』だ」
巨大並列コンピューター群は、思っているよりベタが好きなのかも知れない。
「継続しなきゃならないのか、これを」
ジュピトルはあまり乗り気ではないようだ。しかしアキレスはこう言う。
「人間集団の意識を、ボタン一つで一度に変える事は不可能だ。まずはそういう情報が出るのを当たり前の状態とする。信奉者を増やす方法を考えるのは、その後だろう」
「何だか悪巧みしてるみたいで、正直気持ちが良くないんだけどね」
「他人の思考を支配しようと企んでいるのだ。それは悪巧み以外の何物でもないぞ、主」
そうアキレスに言い切られて、ジュピトルは反省した。なるほど、自分は正義の味方気取りで居たのかも知れない。3Jの前でこんな顔を見せたら、立ち直れなくなるくらいに痛罵されるのではないか。ちょっと背筋が寒くなった。
「……世界征服でもするつもりで、やるしかないのかな」
大事なのは結果なのだ。他人からどう見えるかではない。ジュピトル・ジュピトリスは新たなストーリーを考え始めた。いまはとにかく、思いつく事をやってみよう。目指すべき結果に導かれると信じて。
「イ=ルグ=ルの居場所はつかんだ。なるべく早い段階で、地球の核から引きずり出す」
3Jはそう言った。魔人ウッドマン・ジャックはパイプを咥え、静かに煙を吐いた。
「それなら、さっさとそうすれば良いように思うのだけれど」
3Jはにらむように見つめている。
「イ=ルグ=ルとの戦いは、地球全土に広がるだろう」
「そりゃあ、そうなるだろうね」
「そのとき、おまえはデルファイから出て戦うつもりはあるか」
「ないね」
ジャックは即答した。ロッキングチェアが揺れる。
「だがイ=ルグ=ルと戦う事は否定しないはずだ」
「ぬほほほほっ」
ジャックは笑う。
「我ら四魔人とイ=ルグ=ルは、お互い天敵同士だからね。同じ空間に放り込まれれば戦うし、相手を殲滅しようとはするのだけれど、デルファイから出るつもりがあるかないかを問われれば、ないとしか言えないのだね」
3Jは小さくため息をついた。
「それは人類に対する意識の問題か」
「それは確かにあるね。我々は人類からデルファイに捨てられた存在。そこから出てまで人間世界のために戦ってあげないといけない理由はないのだね。それに」
ジャックはまたパイプを咥える。丸い煙をポンポンと吐き出した。
「少なくとも我が輩は、人間に背を向けて、このデルファイの森の奥に引きこもって、それなりに幸せであったからね。その点は他の魔人も、似たり寄ったりではないだろうかと思うのだけれど」
「イ=ルグ=ルが目覚めれば、そんな幸せなど消し飛ぶ」
「それは現実なのだけれど」
ジャックは微笑む。どこか悲しげな笑顔だった。
「現実がそうだからといって、割り切れるものではないのだね。それどころか、最後までその幸せに拘泥したいという気持ちの方が強いのだね。『心』とは、誰しもそういう矛盾を抱えているシステムなのだと思うのだけれど」
「それではイ=ルグ=ルに勝てない」
「それもまた、現実なのではないのかね」
一呼吸置いて、3Jはつぶやくように、抑揚のない感情のこもらぬ声で言った。
「おまえたち四魔人の力をフルに発揮できれば、イ=ルグ=ルを倒せるはずだ」
「それは机上の空論と言うヤツだね」
「無論、おまえ一人では倒せない」
その言葉に、ジャックの目は細まって見えた。けれど3Jは気にせず続けた。
「だがおまえの能力なら、イ=ルグ=ルの足を止める事は出来る。思念波攻撃はガルアムが軽減出来るし、物理攻撃はダラニ・ダラが居ればかわせる。そしてリキキマならイ=ルグ=ル本体に直接攻撃が可能だ。上手くすれば、デルファイの中で倒す事も出来るかも知れん」
ウッドマン・ジャックはパイプを吸う事を忘れていた。驚きの目で3Jを見つめている。
「……しかし、それこそ机上の空論だ」
3Jは言う。
「想定外の事は必ず起こる。失敗したからといって、やり直しは利かない。戦うからには、必ず勝てる状況を作っておく必要がある。その状況があって初めて、勝てるかどうかは五分五分になる。だからイ=ルグ=ルと戦うには、人類の総合力が絶対に必要だ。そしてそれを生かすためには、おまえたち四魔人がデルファイの外でも戦えなければならない」
ジャックは呆れていた。もっとも、同時に感心もしていたのだが。
「3Jは話を聞かないのだね」
「俺に必要なのは、話を聞く能力ではない」
「そうかも知れないし、そうではないかも知れないね」
魔人ウッドマン・ジャックはロッキングチェアを揺らした。その様子は、どこか楽しげでもあった。
切断された指は元通りになった。エリア・エージャンの端、貧困地区にある機械工場。ヤミでサイボーグの修理も請け負っている。アシュラは言い値の『治療費』を支払うと、工場を後にした。
深夜の街。死人のような静寂。いまなら工場にいる連中を皆殺しにしても、朝までバレないかも知れない。だが、この先まだ何度も修理を依頼せねばならない可能性もある。疾風のジンライ。アイツを殺すまでは、まだこの工場は残しておかなければ。
さて、今夜の寝場所はどうするか。マフィアの下っ端でもウロついていれば、殺して塒を奪うのだが。ホテルに泊まるのはもったいない。何らかの必要性でもない限り、そんな事はしたくなかった。
音を立てずに夜を歩く足が、不意に止まった。目には見えぬ殺気が周囲に満ちる。
「私だ」
その声がなければ、振り向きざまに斬りつけていただろう。聞き覚えのある声。振り向けば、見覚えのある長身痩躯の黒人の男。
「立ち話も不用心だ。我々のホテルに来てくれ」
そう言うナイトウォーカーに、アシュラはうなずいた。
暗い。何故こんなに暗いのだろう。決まっている、夜だからだ。だが不思議な夜だ。明かりもないのに、自分の手足はハッキリ見える。
どこに行くのだろう。自分はどこに向かっているのだろう。一人で。一人。いけない。プロミスを一人にしてはいけない。
それに気付いたと同時に、闇の中から聞こえる声。
「ハーキイ」
誰だ。プロミス?
「いいえ、違いますよ」
声のする方を見つめると、何かが見えてきた。明かりもないのに、人の姿が浮かび上がる。それは黒い僧衣を着た、白い髪の少女。金星教団の教祖、ヴェヌ。
アンタは。何故ここに。ハーキイは口を動かしたが、声が出せない。
「ハーキイ・ハーキュリーズ、時が迫っています」
ヴェヌは言う。
「思い出さねばなりません。あなたの使命を」
使命? アタシの使命だって?
「そうです。あなたが何故プロミス・ターンを守っているのか、その理由を」
そんなのは決まってる。アタシは……アタシは、何故プロミスを守っているんだろう。何故?
「さあ、いまこそ蘇らせたまえ、我らが聖なる戦士を!」
目が開いた。夜の闇。二段ベッドの下。ハーキイは自分の息が震えている事に気付いた。汗でシャツがへばりついている。上のベッドからは、プロミスの寝息が聞こえる。いまの夢は何だったんだ。
……夢? 自分は夢を見ていたのか? どんな夢だっけ。ハーキイは一つため息をつき、口元に笑いを浮かべた。くだらない。どうせ何かの悪夢だ。殺人鬼にでも追いかけられたんだろう。喉が渇いた。水を飲んで、もう一度寝直すか。ハーキイはベッドから起き上がった。明日は朝から買い出しだ。体力勝負になる。たっぷり眠っておかないとな。
3Jはそう言った。ならば、それを信じてみる。
先般エリア・エージャンで起きたセキュリティシステムの機能停止と、イ=ルグ=ルを関連付けたストーリーを作成、ネットワークに流した。
「どんな反応があるだろう」
ジュピトルのつぶやきに、ナーガは応える。
「オカルト、陰謀論、怪文書、そんなところではないかと」
「まあ百年前の怪物が、いまも生きているなんて考えはしないよね、普通」
ジュピトルは苦笑した。自分のやっている事に自信が持てないのだ。
「ですが、セキュリティが停止した事実に気付いている者も居るのではないでしょうか」
ナーギニーはそう言ってくれたが、あまり慰めにはならない。
「確かに、ある程度の信憑性を感じてくれる人も居るかも知れないけど、やっぱり言葉だけでは弱いよ」
首元のネクタイピンが振動している。
「アキレス、反応はあった?」
ジュピトルの視界に青い髪の青年が現われる。微妙な表情だ。
「ネットワークに反応は幾つか上がっているが」
「どんな風に受け止められてるんだろう」
「平たく言えば、『狂人の戯言』だな」
「それは酷いな」
ジュピトルは腕を組んで天井を見上げた。あえて恐怖を撒き散らす事に、後ろめたさもある。だが何もしない訳には行かない。3Jは、いますぐにでも戦いを始めたいと考えているのだ。
「これから、どうしたものだろう」
するとアキレスは、まるで有名人の座右の銘のような言葉を持ち出した。
「ミュルミドネスの総意としては、『継続は力なり』だ」
巨大並列コンピューター群は、思っているよりベタが好きなのかも知れない。
「継続しなきゃならないのか、これを」
ジュピトルはあまり乗り気ではないようだ。しかしアキレスはこう言う。
「人間集団の意識を、ボタン一つで一度に変える事は不可能だ。まずはそういう情報が出るのを当たり前の状態とする。信奉者を増やす方法を考えるのは、その後だろう」
「何だか悪巧みしてるみたいで、正直気持ちが良くないんだけどね」
「他人の思考を支配しようと企んでいるのだ。それは悪巧み以外の何物でもないぞ、主」
そうアキレスに言い切られて、ジュピトルは反省した。なるほど、自分は正義の味方気取りで居たのかも知れない。3Jの前でこんな顔を見せたら、立ち直れなくなるくらいに痛罵されるのではないか。ちょっと背筋が寒くなった。
「……世界征服でもするつもりで、やるしかないのかな」
大事なのは結果なのだ。他人からどう見えるかではない。ジュピトル・ジュピトリスは新たなストーリーを考え始めた。いまはとにかく、思いつく事をやってみよう。目指すべき結果に導かれると信じて。
「イ=ルグ=ルの居場所はつかんだ。なるべく早い段階で、地球の核から引きずり出す」
3Jはそう言った。魔人ウッドマン・ジャックはパイプを咥え、静かに煙を吐いた。
「それなら、さっさとそうすれば良いように思うのだけれど」
3Jはにらむように見つめている。
「イ=ルグ=ルとの戦いは、地球全土に広がるだろう」
「そりゃあ、そうなるだろうね」
「そのとき、おまえはデルファイから出て戦うつもりはあるか」
「ないね」
ジャックは即答した。ロッキングチェアが揺れる。
「だがイ=ルグ=ルと戦う事は否定しないはずだ」
「ぬほほほほっ」
ジャックは笑う。
「我ら四魔人とイ=ルグ=ルは、お互い天敵同士だからね。同じ空間に放り込まれれば戦うし、相手を殲滅しようとはするのだけれど、デルファイから出るつもりがあるかないかを問われれば、ないとしか言えないのだね」
3Jは小さくため息をついた。
「それは人類に対する意識の問題か」
「それは確かにあるね。我々は人類からデルファイに捨てられた存在。そこから出てまで人間世界のために戦ってあげないといけない理由はないのだね。それに」
ジャックはまたパイプを咥える。丸い煙をポンポンと吐き出した。
「少なくとも我が輩は、人間に背を向けて、このデルファイの森の奥に引きこもって、それなりに幸せであったからね。その点は他の魔人も、似たり寄ったりではないだろうかと思うのだけれど」
「イ=ルグ=ルが目覚めれば、そんな幸せなど消し飛ぶ」
「それは現実なのだけれど」
ジャックは微笑む。どこか悲しげな笑顔だった。
「現実がそうだからといって、割り切れるものではないのだね。それどころか、最後までその幸せに拘泥したいという気持ちの方が強いのだね。『心』とは、誰しもそういう矛盾を抱えているシステムなのだと思うのだけれど」
「それではイ=ルグ=ルに勝てない」
「それもまた、現実なのではないのかね」
一呼吸置いて、3Jはつぶやくように、抑揚のない感情のこもらぬ声で言った。
「おまえたち四魔人の力をフルに発揮できれば、イ=ルグ=ルを倒せるはずだ」
「それは机上の空論と言うヤツだね」
「無論、おまえ一人では倒せない」
その言葉に、ジャックの目は細まって見えた。けれど3Jは気にせず続けた。
「だがおまえの能力なら、イ=ルグ=ルの足を止める事は出来る。思念波攻撃はガルアムが軽減出来るし、物理攻撃はダラニ・ダラが居ればかわせる。そしてリキキマならイ=ルグ=ル本体に直接攻撃が可能だ。上手くすれば、デルファイの中で倒す事も出来るかも知れん」
ウッドマン・ジャックはパイプを吸う事を忘れていた。驚きの目で3Jを見つめている。
「……しかし、それこそ机上の空論だ」
3Jは言う。
「想定外の事は必ず起こる。失敗したからといって、やり直しは利かない。戦うからには、必ず勝てる状況を作っておく必要がある。その状況があって初めて、勝てるかどうかは五分五分になる。だからイ=ルグ=ルと戦うには、人類の総合力が絶対に必要だ。そしてそれを生かすためには、おまえたち四魔人がデルファイの外でも戦えなければならない」
ジャックは呆れていた。もっとも、同時に感心もしていたのだが。
「3Jは話を聞かないのだね」
「俺に必要なのは、話を聞く能力ではない」
「そうかも知れないし、そうではないかも知れないね」
魔人ウッドマン・ジャックはロッキングチェアを揺らした。その様子は、どこか楽しげでもあった。
切断された指は元通りになった。エリア・エージャンの端、貧困地区にある機械工場。ヤミでサイボーグの修理も請け負っている。アシュラは言い値の『治療費』を支払うと、工場を後にした。
深夜の街。死人のような静寂。いまなら工場にいる連中を皆殺しにしても、朝までバレないかも知れない。だが、この先まだ何度も修理を依頼せねばならない可能性もある。疾風のジンライ。アイツを殺すまでは、まだこの工場は残しておかなければ。
さて、今夜の寝場所はどうするか。マフィアの下っ端でもウロついていれば、殺して塒を奪うのだが。ホテルに泊まるのはもったいない。何らかの必要性でもない限り、そんな事はしたくなかった。
音を立てずに夜を歩く足が、不意に止まった。目には見えぬ殺気が周囲に満ちる。
「私だ」
その声がなければ、振り向きざまに斬りつけていただろう。聞き覚えのある声。振り向けば、見覚えのある長身痩躯の黒人の男。
「立ち話も不用心だ。我々のホテルに来てくれ」
そう言うナイトウォーカーに、アシュラはうなずいた。
暗い。何故こんなに暗いのだろう。決まっている、夜だからだ。だが不思議な夜だ。明かりもないのに、自分の手足はハッキリ見える。
どこに行くのだろう。自分はどこに向かっているのだろう。一人で。一人。いけない。プロミスを一人にしてはいけない。
それに気付いたと同時に、闇の中から聞こえる声。
「ハーキイ」
誰だ。プロミス?
「いいえ、違いますよ」
声のする方を見つめると、何かが見えてきた。明かりもないのに、人の姿が浮かび上がる。それは黒い僧衣を着た、白い髪の少女。金星教団の教祖、ヴェヌ。
アンタは。何故ここに。ハーキイは口を動かしたが、声が出せない。
「ハーキイ・ハーキュリーズ、時が迫っています」
ヴェヌは言う。
「思い出さねばなりません。あなたの使命を」
使命? アタシの使命だって?
「そうです。あなたが何故プロミス・ターンを守っているのか、その理由を」
そんなのは決まってる。アタシは……アタシは、何故プロミスを守っているんだろう。何故?
「さあ、いまこそ蘇らせたまえ、我らが聖なる戦士を!」
目が開いた。夜の闇。二段ベッドの下。ハーキイは自分の息が震えている事に気付いた。汗でシャツがへばりついている。上のベッドからは、プロミスの寝息が聞こえる。いまの夢は何だったんだ。
……夢? 自分は夢を見ていたのか? どんな夢だっけ。ハーキイは一つため息をつき、口元に笑いを浮かべた。くだらない。どうせ何かの悪夢だ。殺人鬼にでも追いかけられたんだろう。喉が渇いた。水を飲んで、もう一度寝直すか。ハーキイはベッドから起き上がった。明日は朝から買い出しだ。体力勝負になる。たっぷり眠っておかないとな。
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