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第16話 計画の起点
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県警本部庁舎の一階ロビーに差し込む夕日。鶴樹と並んで椅子に座る式村憲明は、両手で顔を隠していた。こんなところを知り合いに見られたら、何と説明すればいいのだろうかと。しかし天網恢恢疎にして漏らさずと言うべきか、隠れたいと思うときほど見つかるものなのだ。
「あれ、式村主任?」
名前を呼ばれて思わず顔を上げると、少年課の若い婦警、柳がファイルを抱えて立っていた。
「明日まで有休じゃありませんでしたっけ。何してるんです」
丸いタヌキ顔をキョトンとさせて式村を見つめている。しかし何をしているのか式村にもよくわからないのだ、問われても答えようなどない。
「あ、いや、これは、イロイロあってね、その」
そのとき柳の視線が式村の隣の鶴樹を捉えた。初めて見る顔、だが雰囲気は間違いなく刑事。柳の頭に稲妻の如くひらめきが。慌てて式村に顔を寄せ、小さな声で話しかける。
「もしかして、極秘任務か何かですか」
「え、ご、極秘?」
意味がわからず呆気に取られている式村を尻目に、柳は何やら勝手に納得すると、笑顔で小さくOKサインを出した。
「それでは私は職務に戻りますので」
そう一礼すると、柳はまるでスキップでもしそうな勢いでエレベーターに向かって行った。
「何か思いっきり誤解されてますね」
鶴樹の言葉に式村は頭を抱える。
「あの子はもう、おっちょこちょいで」
とは言ったものの、自分もさして変わらないのかもなとも思う。
いまこの段階になって冷静に考えれば、やはり五十坂の言ったように秋嶺山荘はインチキである。何故これが自分の目には見えなかったのだろう。どうして沙良の入院を断ってまで、あんなところに連れて行ってしまったのだろう。
もう自分の目も判断力もまるで信用できないのだが、もしかしたらそれに気付いただけマシなのかも知れない。そうでも思わないとやってられない。式村憲明はため息を繰り返した。
「何故ですか! 捜索令状の請求ができないとはどういう意味です!」
顔を真っ赤にした亀森は、頭から湯気を出しそうだ。
一方、その視線の先で机に腰かけている男は、驚くほどに冷静だった。少し上等な市役所の中間管理職であるかのように地味な佇まい。ただしメガネの奥に輝く目だけは、見つめる者の背筋を凍り付かせる冷たさがある。
「どうもこうもない」
捜査一課長の古暮は、まるで感情のこもらない声でこう答えた。
「なるほど、殺人事件の起きた山荘の近くにある炭焼き小屋は怪しいだろう。だがその小屋の持ち主の名前も住人の人数も性別すらもわからない、まして状況証拠すら揃えず、徹頭徹尾空想と妄想と思い込みで令状の請求などされてしまっては、県警の信用に関わる。令状は作文のご褒美ではない。話の辻褄さえ合っていれば請求できるものではないのだ、まずは手順を踏みたまえ」
「しかし、証拠隠滅の恐れが」
「そう思うのなら急ぐことだ。現場には部下もいるのだろう、効果的に運用すればいい。私は君を現場責任者として送り込んだ。使いっ走りを任せたつもりはない」
ここまで言われてしまっては、亀森も黙るしかなかった。無言で頭を下げると踵を返し、課長室から出て行く。その姿がドアの向こうに消えるのを待っていたかのように、古暮課長は小さくため息をついた。
「……辻褄は合ってるんだ、確かに」
そうつぶやいて。
真っ暗な部屋でデスクトップPCが立ち上がる。マウスカーソルがタスクバーに移動し、ブラウザが起動した。検索窓に「ピロロ三世」と打ち込みエンターキーを叩けば、表示されるのはよく似た名前のアニメキャラや、三世がつく歴史上の人物の情報ばかり。そこでブラウザを閉じ、別のブラウザを開く。
すべてではないが、ブラウザが変われば搭載される検索エンジンも変わる場合が多い。つまり同じ単語で検索しても、違うブラウザなら出て来る情報も違うのだ。
市場シェアの小さいマイナーなブラウザでピロロ三世を検索すれば、今度はそのものズバリ、ピロロ三世という単語がサイトの中にある掲示板や動画投稿サイトがヒットした。
さて、問題はこれからだ。
一覧の一番上に来ているのはアングラな掲示板、果たしてこれを開いたものかどうか。まあいい、とりあえず当たってみよう。リンクをクリックしてみると、その瞬間画面に赤い警告文字。セキュリティソフトが反応したのだ。思わず鼻先で笑い、ブラウザをバックさせる。
いまどきこんな閲覧数の少ない掲示板に「マジモノ」のウイルスやマルウェアを仕込んでいるとも考えにくいが、それでも気分がいいものではない。
一覧の二番目には、これまた久しく名前を聞かない過疎った動画投稿サイト。開いてみれば、動画はすでに削除されていた。だがコメント欄に「ピロロ」が散見される。もっともコメントの投稿日時は一年以上前。いま欲しい情報はここにはないようだ。
暗い部屋の中、突然浮かんだ光はライターの炎。その明かりがタバコを咥えた五十坂の顔を照らす。
五十坂がピロロ三世の名前を知ったのは偶然だった。それ以前から目をつけていた秋嶺山荘の情報をいまのように掘り返していたとき、日和義人に関する情報の提供を求めるピロロ三世の動画を見つけたのだ。
人の口には戸を立てられない。動画のコメント欄には日和に関する――ただしその大半は根拠薄弱極まりないものだったが――様々な話が書き込まれており、そこから五十坂が二十年前の事件にたどり着くのに、さして時間はかからなかった。
そもそも、ピロロ三世とは何者か。本人はダークウェブインフルエンサーを名乗っている。まあ本来的な意味でのダークウェブに入れるような知識や技術やコネクションがあるとはとても思えないのだが、自称するだけならタダである。
とにかくネットで情報を集め、集めた情報からまとめ上げたモノをネットで拡散させるマッチポンプ式手法。それで収益を上げてはいないようだが、ネット上の取り巻き連中を操り煽って誰か個人や企業などのSNSアカウントを炎上させたりするのだ。要はタチの悪いネット放火魔といったところだろう。
動画の特徴は黒。画面にはキャラクターなど動かさず、真っ黒い闇だけが映し出される。確かにダークなウェブなのは間違いない。
その闇の中でささやくような小さな声が聞こえる。顔を見た者は誰もいないはずだ。しかも動画の投稿は不定期で、すぐに削除される。しかしだからこそ取り巻き連中は見逃しがないよう毎日動画サイトをチェックし、見つけた者はあちこちの掲示板にピロロ三世の名前を書き込むのだ。
こうしてネットのアングラな界隈に根を張ったピロロ三世は、何度も日和義人に関する情報を集めた。だが秋嶺山荘のサイトが攻撃を受けたという話は聞こえてこない。それを疑問に思う取り巻きもいたようで、コメントを追うと、何故炎上させないのかといった批判の声も見つかっている。だがそれでもピロロ三世は、秋嶺山荘を攻撃しろとは言わなかった。
理由は二つあるのでは、いま五十坂はそう考えている。
まず一つには、唐島源治の存在。ピロロ三世は唐島源治が日和義人を殺すよう、状況をコントロールしたかったのではないか。
秋嶺山荘の公式サイトが攻撃され炎上したりすれば、細かな情報操作がやりにくくなる。目的を達成するまでは静かな状態を保ちたい、ピロロ三世がそう考えたとしても不思議はなかろう。
その一方で、日和義人に狭庭真一郎の情報を流したのもピロロ三世ではなかったか。狭庭真一郎を最初から知っていたとも思えないが、もしかしたら日和義人の情報を集めている段階で行き着いた可能性はある。
順序としてはまず日和義人に対して唐島源治が空葉匠であることに気付かせ、次に狭庭真意一郎の居場所を教える。そして最後に唐島源治に、目撃者の正体が日和義人であると伝えたのではないか。いかにも収まりが良く、それだけに作為的である。ご都合主義的とも言える。
日和を空葉匠と狭庭真一郎に対する復讐に燃えさせれば、自分の命が狙われていたとしても逃げないだろう。まず日和義人の居場所を固定したかったのかも知れない。もしそうなら、どこまでも用意周到なことだ。
ただ疑問なのは、唐島源治こと空葉匠が、日和義人に返り討ちに遭う可能性を予測できなかったはずはないという点だ。
仮に日和が生き残り、唐島が殺されてしまう展開となっても構わなかったのだろうか。もしそうなら、ここまで計算しておきながら、何が何でも日和を殺すのだという意志は感じられない。すなわち、日和に対する殺意はさして強くないことになる。
あらゆる殺害計画の起点が殺意とは限らない事実は理解できるが、ではこの場合、いったい目的は何だ。
無論、人間のやることだ、失敗は付き物だろう。事前にそこまで完璧な想定ができるとも考えにくい。どれだけ利口なヤツが頭を振り絞ったところで、現実の複雑怪奇さを上回れる訳がない。計画が画竜点睛を欠くのは、ほぼ様式と言ってもいい。
それでも、だ。何となくそこはかとない気持ち悪さ、不自然さを五十坂は感じ取っていた。
そして同じくらい気持ちの悪さを感じるのが、ピロロ三世から秋嶺山荘を攻撃しろという命令が出なかった二つ目の理由だ。これは簡単に考えつく。誰にでもすぐ思いつくだろう。そう、たとえば子どもにでも。
おそらくは秋嶺山荘を攻撃されると、ピロロ三世自身が困ってしまうのだ。
「あれ、式村主任?」
名前を呼ばれて思わず顔を上げると、少年課の若い婦警、柳がファイルを抱えて立っていた。
「明日まで有休じゃありませんでしたっけ。何してるんです」
丸いタヌキ顔をキョトンとさせて式村を見つめている。しかし何をしているのか式村にもよくわからないのだ、問われても答えようなどない。
「あ、いや、これは、イロイロあってね、その」
そのとき柳の視線が式村の隣の鶴樹を捉えた。初めて見る顔、だが雰囲気は間違いなく刑事。柳の頭に稲妻の如くひらめきが。慌てて式村に顔を寄せ、小さな声で話しかける。
「もしかして、極秘任務か何かですか」
「え、ご、極秘?」
意味がわからず呆気に取られている式村を尻目に、柳は何やら勝手に納得すると、笑顔で小さくOKサインを出した。
「それでは私は職務に戻りますので」
そう一礼すると、柳はまるでスキップでもしそうな勢いでエレベーターに向かって行った。
「何か思いっきり誤解されてますね」
鶴樹の言葉に式村は頭を抱える。
「あの子はもう、おっちょこちょいで」
とは言ったものの、自分もさして変わらないのかもなとも思う。
いまこの段階になって冷静に考えれば、やはり五十坂の言ったように秋嶺山荘はインチキである。何故これが自分の目には見えなかったのだろう。どうして沙良の入院を断ってまで、あんなところに連れて行ってしまったのだろう。
もう自分の目も判断力もまるで信用できないのだが、もしかしたらそれに気付いただけマシなのかも知れない。そうでも思わないとやってられない。式村憲明はため息を繰り返した。
「何故ですか! 捜索令状の請求ができないとはどういう意味です!」
顔を真っ赤にした亀森は、頭から湯気を出しそうだ。
一方、その視線の先で机に腰かけている男は、驚くほどに冷静だった。少し上等な市役所の中間管理職であるかのように地味な佇まい。ただしメガネの奥に輝く目だけは、見つめる者の背筋を凍り付かせる冷たさがある。
「どうもこうもない」
捜査一課長の古暮は、まるで感情のこもらない声でこう答えた。
「なるほど、殺人事件の起きた山荘の近くにある炭焼き小屋は怪しいだろう。だがその小屋の持ち主の名前も住人の人数も性別すらもわからない、まして状況証拠すら揃えず、徹頭徹尾空想と妄想と思い込みで令状の請求などされてしまっては、県警の信用に関わる。令状は作文のご褒美ではない。話の辻褄さえ合っていれば請求できるものではないのだ、まずは手順を踏みたまえ」
「しかし、証拠隠滅の恐れが」
「そう思うのなら急ぐことだ。現場には部下もいるのだろう、効果的に運用すればいい。私は君を現場責任者として送り込んだ。使いっ走りを任せたつもりはない」
ここまで言われてしまっては、亀森も黙るしかなかった。無言で頭を下げると踵を返し、課長室から出て行く。その姿がドアの向こうに消えるのを待っていたかのように、古暮課長は小さくため息をついた。
「……辻褄は合ってるんだ、確かに」
そうつぶやいて。
真っ暗な部屋でデスクトップPCが立ち上がる。マウスカーソルがタスクバーに移動し、ブラウザが起動した。検索窓に「ピロロ三世」と打ち込みエンターキーを叩けば、表示されるのはよく似た名前のアニメキャラや、三世がつく歴史上の人物の情報ばかり。そこでブラウザを閉じ、別のブラウザを開く。
すべてではないが、ブラウザが変われば搭載される検索エンジンも変わる場合が多い。つまり同じ単語で検索しても、違うブラウザなら出て来る情報も違うのだ。
市場シェアの小さいマイナーなブラウザでピロロ三世を検索すれば、今度はそのものズバリ、ピロロ三世という単語がサイトの中にある掲示板や動画投稿サイトがヒットした。
さて、問題はこれからだ。
一覧の一番上に来ているのはアングラな掲示板、果たしてこれを開いたものかどうか。まあいい、とりあえず当たってみよう。リンクをクリックしてみると、その瞬間画面に赤い警告文字。セキュリティソフトが反応したのだ。思わず鼻先で笑い、ブラウザをバックさせる。
いまどきこんな閲覧数の少ない掲示板に「マジモノ」のウイルスやマルウェアを仕込んでいるとも考えにくいが、それでも気分がいいものではない。
一覧の二番目には、これまた久しく名前を聞かない過疎った動画投稿サイト。開いてみれば、動画はすでに削除されていた。だがコメント欄に「ピロロ」が散見される。もっともコメントの投稿日時は一年以上前。いま欲しい情報はここにはないようだ。
暗い部屋の中、突然浮かんだ光はライターの炎。その明かりがタバコを咥えた五十坂の顔を照らす。
五十坂がピロロ三世の名前を知ったのは偶然だった。それ以前から目をつけていた秋嶺山荘の情報をいまのように掘り返していたとき、日和義人に関する情報の提供を求めるピロロ三世の動画を見つけたのだ。
人の口には戸を立てられない。動画のコメント欄には日和に関する――ただしその大半は根拠薄弱極まりないものだったが――様々な話が書き込まれており、そこから五十坂が二十年前の事件にたどり着くのに、さして時間はかからなかった。
そもそも、ピロロ三世とは何者か。本人はダークウェブインフルエンサーを名乗っている。まあ本来的な意味でのダークウェブに入れるような知識や技術やコネクションがあるとはとても思えないのだが、自称するだけならタダである。
とにかくネットで情報を集め、集めた情報からまとめ上げたモノをネットで拡散させるマッチポンプ式手法。それで収益を上げてはいないようだが、ネット上の取り巻き連中を操り煽って誰か個人や企業などのSNSアカウントを炎上させたりするのだ。要はタチの悪いネット放火魔といったところだろう。
動画の特徴は黒。画面にはキャラクターなど動かさず、真っ黒い闇だけが映し出される。確かにダークなウェブなのは間違いない。
その闇の中でささやくような小さな声が聞こえる。顔を見た者は誰もいないはずだ。しかも動画の投稿は不定期で、すぐに削除される。しかしだからこそ取り巻き連中は見逃しがないよう毎日動画サイトをチェックし、見つけた者はあちこちの掲示板にピロロ三世の名前を書き込むのだ。
こうしてネットのアングラな界隈に根を張ったピロロ三世は、何度も日和義人に関する情報を集めた。だが秋嶺山荘のサイトが攻撃を受けたという話は聞こえてこない。それを疑問に思う取り巻きもいたようで、コメントを追うと、何故炎上させないのかといった批判の声も見つかっている。だがそれでもピロロ三世は、秋嶺山荘を攻撃しろとは言わなかった。
理由は二つあるのでは、いま五十坂はそう考えている。
まず一つには、唐島源治の存在。ピロロ三世は唐島源治が日和義人を殺すよう、状況をコントロールしたかったのではないか。
秋嶺山荘の公式サイトが攻撃され炎上したりすれば、細かな情報操作がやりにくくなる。目的を達成するまでは静かな状態を保ちたい、ピロロ三世がそう考えたとしても不思議はなかろう。
その一方で、日和義人に狭庭真一郎の情報を流したのもピロロ三世ではなかったか。狭庭真一郎を最初から知っていたとも思えないが、もしかしたら日和義人の情報を集めている段階で行き着いた可能性はある。
順序としてはまず日和義人に対して唐島源治が空葉匠であることに気付かせ、次に狭庭真意一郎の居場所を教える。そして最後に唐島源治に、目撃者の正体が日和義人であると伝えたのではないか。いかにも収まりが良く、それだけに作為的である。ご都合主義的とも言える。
日和を空葉匠と狭庭真一郎に対する復讐に燃えさせれば、自分の命が狙われていたとしても逃げないだろう。まず日和義人の居場所を固定したかったのかも知れない。もしそうなら、どこまでも用意周到なことだ。
ただ疑問なのは、唐島源治こと空葉匠が、日和義人に返り討ちに遭う可能性を予測できなかったはずはないという点だ。
仮に日和が生き残り、唐島が殺されてしまう展開となっても構わなかったのだろうか。もしそうなら、ここまで計算しておきながら、何が何でも日和を殺すのだという意志は感じられない。すなわち、日和に対する殺意はさして強くないことになる。
あらゆる殺害計画の起点が殺意とは限らない事実は理解できるが、ではこの場合、いったい目的は何だ。
無論、人間のやることだ、失敗は付き物だろう。事前にそこまで完璧な想定ができるとも考えにくい。どれだけ利口なヤツが頭を振り絞ったところで、現実の複雑怪奇さを上回れる訳がない。計画が画竜点睛を欠くのは、ほぼ様式と言ってもいい。
それでも、だ。何となくそこはかとない気持ち悪さ、不自然さを五十坂は感じ取っていた。
そして同じくらい気持ちの悪さを感じるのが、ピロロ三世から秋嶺山荘を攻撃しろという命令が出なかった二つ目の理由だ。これは簡単に考えつく。誰にでもすぐ思いつくだろう。そう、たとえば子どもにでも。
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