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終わりの始まり
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教団が生まれたとき
僕は十歳
母さんが一人で立ち上げた
母さんは子供の頃から
神様の声が聞こえた
それを人々に知らせるために
たった一人で教団を作った
みんなに神様の声を伝えれば
世界は平和になる
母さんはいつもそう言っていた
でも世間は誰も
母さんの話を聞いてはくれなかった
陰で笑い、唾を吐き
僕には石をぶつけた
そんなとき
あの男が現われた
男は母さんの話を聞いた
そして最初の信者になった
男は教団を変えた
お言葉のフォーマットを作り
教祖と運営を分けた
すると段々人が集まるようになり
信者の数は数十人になった
僕が十三歳になった頃
母さんは男の物になった
男は僕たちと一緒に住むようになった
二人の娘を連れて
一人は僕と同い年の朝陽
一人は生まれたばかりの夕月
僕たちは何とか上手くやっていた
他に選択肢はなかったから
いや、それだけではないのだけれど
やがて二年が経ったとき
母さんが死んだ
首を吊って死んだ
そのとき僕は学校にいた
家に居たのは母さんと男だけ
男は母さんの様子がおかしい事に
気付かなかったという
母さんの葬儀は教団で行った
死因は心臓発作という事になった
誰にも言うな
男は僕に口止めをした
葬儀が終わった夜
僕は親戚の家に行く事を決めた
もう男とは暮らしたくなかったから
以前から声をかけてくれていた親戚に電話し
僕は小さな荷物だけを持って
何も言わずに家を出た
夜の暗い道
人気のない道路を駅に向かっていたとき
僕は何かにぶつかった
それが何なのかはわからない
ただその直後
僕の体は道の真ん中にまで飛ばされていた
走って来るトラックのライトの明るさを
いまでも覚えている
僕は一命を取り留めた
けれども音を失ってしまった
車椅子に乗る僕を見て
親戚は「引き取れない」と首を振った
結局僕は元通り
男と暮らす事になった
もしあのとき朝陽が居なければ
彼女の笑顔と慰めがなければ
僕は気が狂っていたかも知れない
彼女の手の温かさだけが
僕をこの世界につなぎ止めていたのだ
男は信者たちに向かって言ったという
いつか「そのとき」が来れば
この子に教祖を継がせたいと
僕は教団のお飾りになった
永劫の静寂の中で
永遠に来ないであろう「そのとき」まで
男が二代目教祖になり
教団は大きくなった
けれど、もういいだろう
本来なら母さんが死んだとき
教団も終わるべきだったのだ
終わらせよう
ここですべてを終わらせよう
悲しい秘密と共に
幾つかの命を道連れにして
私は結論に近づいていた。そのはずだ。犯人が誰なのかはまだわからない。でも父様が誰のために予言をしたのかはわかる気がする。ただ自信が持てない。やっぱり五味さんに聞いてもらおう。そう思って部屋から出たとき、人の歩く気配がした。通路を曲がってみると、そこには人影が四つ。
「五味さん?」
和馬叔父様の部屋の前に、五味さんとジロー君、築根さんと原樹さんの四人が立っていた。
「おう」
五味さんは振り返ると、小さく答えた。
「どうしたんですか、こんな所で」
「イロイロと行き詰まってるもんでな。何か見つからないか、現場に戻ってみた訳だ」
不満げに髪の毛をくしゃくしゃとかき回す。
「でも入れないんじゃないですか」
「ああ、ドアは開かねえな」
「マスターキー借りてきましょうか」
中には和馬叔父様の死体が安置されている。見たくはないけど、捜査のためなら仕方ない。しかし。
「構わんよ。入ったところで何もわからん。虫眼鏡は持ってないからな」
五味さんはそう言うと、大階段の方に向かった。
大階段から見下ろすロビーには、スキンヘッドの道士の人たちがたくさん蠢き、玄関を封鎖している。イカロスとヘカテーを描いた日月図は、まだ裏返されたまま床にあった。もうあの絵は駄目だろう。
「下臼聡一郎が殺されたのは、どの辺だ」
「ちょうど真ん中辺りです」
私が指をさすと、五味さんはちょっと顔を前に出して、ロビーの真ん中辺りを見つめた。
「何かわかりますか」
「サッパリだな。ストーカーはどこから入って来たんだ」
「それは誰も見てないんです。検察の人たちと一緒に玄関から入って来たのかも」
「そうかも知れないし、そうじゃないかも知れないって事か」
「そう、ですね」
五味さんは築根さんを振り返った。
「そう言えば、結局ストーカーの写真は受け取ったんだっけか」
「ああ、一応は受け取ったんだが」
築根さんはジャケットの内ポケットから封筒を取り出し、中から写真を抜き出した。
「人らしき物は写ってる。でもこれがあのストーカーかどうかは判断できない」
見てみると確かに。ブレが酷くて、私が見ても撮影した場所すらわからないのだから、誰が写ってるのかなんて判断しようがないだろう。
五味さんはしばらく写真を眺めると、「なるほどね」とだけ言ってエレベーターに向かった。
私が六階に着くと、先に着いていた五味さんは、小梅さんが殺された消火栓の前にいた。ホースはもう片付けられている。小梅さんの死体も、五階の小梅さんの部屋に安置されているはずだ。封鎖されていたときには、給孤独者会議の道士の人たちが見張りに立っていたのだが、いまはその姿もない。
五味さんは立ち止まって考え込んでいる。
「何かわかりましたか」
「全然」
即答した。そして一呼吸置いて、こう言う。
「一つわからないのは、和馬も小梅も、何で後ろから首を絞められてるのかって事だ」
「何でって、犯人が後ろに回り込んだからだろう」
原樹さんが真面目な顔で答えた。五味さんは小さく溜息をつく。
「アンタ、オレがいきなり後ろに回ったら、気持ち悪くないか」
「そりゃ気持ちは悪いが」
「だが和馬にとって犯人は、後ろに回られても気にならない相手だった。小梅にとってもだ。そんな人間は限られている。限られているはずだ。なのに、何故犯人が見当たらない。おかしいだろ」
「それを俺に言われてもな」
原樹さんは困惑している。五味さんはウロウロと周囲を歩き回っていた。
「犯人は透明人間か? それとも本当に呪いか祟りの類いか? そんな訳があるか。犯人は普通の人間だ。ならオレの目に見えなきゃおかしい。それが見えないのは、オレの目が曇ってるって事だ。どうすればその曇りが晴れる」
そして不意に立ち止まった。
「次に行くか」
三階に吹き込む風は冷たい。外は雨が降っているようだ。エレベーターと反対側の廊下の突き当たり、大きく割れたガラス窓から、五味さんは暗くなりつつある外をのぞいていた。ここにも見張りはいない。
「何かわかりますか」
「まるでわからん」
五味さんが退いた窓をのぞこうと私が近づくと、「外は見るな」と言われた。
「オレは最初、柴野碧の体は、ガラスを突き破って落ちて行ったんじゃないかと思ったんだが」五味さんは廊下の隅にしゃがみ込んだ。「死体を確認しなきゃわからん事だが、碧も首を絞められてるんじゃないのか」
そして赤い消火器を指でコンコンと叩いた。
「先に殺しておいて、次に窓ガラスを割って、最後に窓から投げ捨てられた」
「何のためにそんな事を」
築根さんは嫌悪感を顔に滲ませている。でも五味さんは平然と返した。
「遊び心じゃねえか」
「おい、五味」
「死に方にバリエーションが欲しいんだろうな。『一と一と三』の『三』を際立たせるために。次に殺した死体にも何か小細工をするはずだ、おそらくは」
「その『次に殺した死体』に、我々がなるかも知れないんだぞ」
そう言う築根さんに、五味さんは即答した。
「ああ、それならオレは大丈夫だ」
そこに居た五味さん以外は絶句した。ジロー君は変わらなかったけれど。
「……何で大丈夫って言えるんだ」
築根さんの言葉に私はうなずく。何でそんな事が言えるのか。でも五味さんは表情を変える事なく――どちらかと言えば、ちょっと面倒臭そうに――こう答えた。
「オレとジローは犯人にとって、イレギュラーな存在だからだ。ここに居りゃ、いずれは殺されるのかも知れん。だが少なくとも次ではない。『一と一と三』で殺すメンバーは、オレたちが来る前に、もう決まっていたはずだからな」
驚いた。本当に驚いた。何故こんな状況で、そんなに自信たっぷりに言い切れるんだろう。自分の命がかかっているというのに。やっぱり五味さんは凄い。もしかしたら、私に見えていない世界が見えているんじゃないだろうか。
唖然としている私たちを放置して、五味さんは歩き出した。
「さて、部屋に戻るか」
しかしその足が止まった。そして私を見る。
「そういや夕月、おまえ何か用事があったんじゃないのか。付き合わせて悪かったな」
「あ、あのっ」
声がうわずった。でもそんな事は気にしていられない。聞いてもらわなきゃ。
「私、聞いて欲しい事があります、五味さんに!」
僕は十歳
母さんが一人で立ち上げた
母さんは子供の頃から
神様の声が聞こえた
それを人々に知らせるために
たった一人で教団を作った
みんなに神様の声を伝えれば
世界は平和になる
母さんはいつもそう言っていた
でも世間は誰も
母さんの話を聞いてはくれなかった
陰で笑い、唾を吐き
僕には石をぶつけた
そんなとき
あの男が現われた
男は母さんの話を聞いた
そして最初の信者になった
男は教団を変えた
お言葉のフォーマットを作り
教祖と運営を分けた
すると段々人が集まるようになり
信者の数は数十人になった
僕が十三歳になった頃
母さんは男の物になった
男は僕たちと一緒に住むようになった
二人の娘を連れて
一人は僕と同い年の朝陽
一人は生まれたばかりの夕月
僕たちは何とか上手くやっていた
他に選択肢はなかったから
いや、それだけではないのだけれど
やがて二年が経ったとき
母さんが死んだ
首を吊って死んだ
そのとき僕は学校にいた
家に居たのは母さんと男だけ
男は母さんの様子がおかしい事に
気付かなかったという
母さんの葬儀は教団で行った
死因は心臓発作という事になった
誰にも言うな
男は僕に口止めをした
葬儀が終わった夜
僕は親戚の家に行く事を決めた
もう男とは暮らしたくなかったから
以前から声をかけてくれていた親戚に電話し
僕は小さな荷物だけを持って
何も言わずに家を出た
夜の暗い道
人気のない道路を駅に向かっていたとき
僕は何かにぶつかった
それが何なのかはわからない
ただその直後
僕の体は道の真ん中にまで飛ばされていた
走って来るトラックのライトの明るさを
いまでも覚えている
僕は一命を取り留めた
けれども音を失ってしまった
車椅子に乗る僕を見て
親戚は「引き取れない」と首を振った
結局僕は元通り
男と暮らす事になった
もしあのとき朝陽が居なければ
彼女の笑顔と慰めがなければ
僕は気が狂っていたかも知れない
彼女の手の温かさだけが
僕をこの世界につなぎ止めていたのだ
男は信者たちに向かって言ったという
いつか「そのとき」が来れば
この子に教祖を継がせたいと
僕は教団のお飾りになった
永劫の静寂の中で
永遠に来ないであろう「そのとき」まで
男が二代目教祖になり
教団は大きくなった
けれど、もういいだろう
本来なら母さんが死んだとき
教団も終わるべきだったのだ
終わらせよう
ここですべてを終わらせよう
悲しい秘密と共に
幾つかの命を道連れにして
私は結論に近づいていた。そのはずだ。犯人が誰なのかはまだわからない。でも父様が誰のために予言をしたのかはわかる気がする。ただ自信が持てない。やっぱり五味さんに聞いてもらおう。そう思って部屋から出たとき、人の歩く気配がした。通路を曲がってみると、そこには人影が四つ。
「五味さん?」
和馬叔父様の部屋の前に、五味さんとジロー君、築根さんと原樹さんの四人が立っていた。
「おう」
五味さんは振り返ると、小さく答えた。
「どうしたんですか、こんな所で」
「イロイロと行き詰まってるもんでな。何か見つからないか、現場に戻ってみた訳だ」
不満げに髪の毛をくしゃくしゃとかき回す。
「でも入れないんじゃないですか」
「ああ、ドアは開かねえな」
「マスターキー借りてきましょうか」
中には和馬叔父様の死体が安置されている。見たくはないけど、捜査のためなら仕方ない。しかし。
「構わんよ。入ったところで何もわからん。虫眼鏡は持ってないからな」
五味さんはそう言うと、大階段の方に向かった。
大階段から見下ろすロビーには、スキンヘッドの道士の人たちがたくさん蠢き、玄関を封鎖している。イカロスとヘカテーを描いた日月図は、まだ裏返されたまま床にあった。もうあの絵は駄目だろう。
「下臼聡一郎が殺されたのは、どの辺だ」
「ちょうど真ん中辺りです」
私が指をさすと、五味さんはちょっと顔を前に出して、ロビーの真ん中辺りを見つめた。
「何かわかりますか」
「サッパリだな。ストーカーはどこから入って来たんだ」
「それは誰も見てないんです。検察の人たちと一緒に玄関から入って来たのかも」
「そうかも知れないし、そうじゃないかも知れないって事か」
「そう、ですね」
五味さんは築根さんを振り返った。
「そう言えば、結局ストーカーの写真は受け取ったんだっけか」
「ああ、一応は受け取ったんだが」
築根さんはジャケットの内ポケットから封筒を取り出し、中から写真を抜き出した。
「人らしき物は写ってる。でもこれがあのストーカーかどうかは判断できない」
見てみると確かに。ブレが酷くて、私が見ても撮影した場所すらわからないのだから、誰が写ってるのかなんて判断しようがないだろう。
五味さんはしばらく写真を眺めると、「なるほどね」とだけ言ってエレベーターに向かった。
私が六階に着くと、先に着いていた五味さんは、小梅さんが殺された消火栓の前にいた。ホースはもう片付けられている。小梅さんの死体も、五階の小梅さんの部屋に安置されているはずだ。封鎖されていたときには、給孤独者会議の道士の人たちが見張りに立っていたのだが、いまはその姿もない。
五味さんは立ち止まって考え込んでいる。
「何かわかりましたか」
「全然」
即答した。そして一呼吸置いて、こう言う。
「一つわからないのは、和馬も小梅も、何で後ろから首を絞められてるのかって事だ」
「何でって、犯人が後ろに回り込んだからだろう」
原樹さんが真面目な顔で答えた。五味さんは小さく溜息をつく。
「アンタ、オレがいきなり後ろに回ったら、気持ち悪くないか」
「そりゃ気持ちは悪いが」
「だが和馬にとって犯人は、後ろに回られても気にならない相手だった。小梅にとってもだ。そんな人間は限られている。限られているはずだ。なのに、何故犯人が見当たらない。おかしいだろ」
「それを俺に言われてもな」
原樹さんは困惑している。五味さんはウロウロと周囲を歩き回っていた。
「犯人は透明人間か? それとも本当に呪いか祟りの類いか? そんな訳があるか。犯人は普通の人間だ。ならオレの目に見えなきゃおかしい。それが見えないのは、オレの目が曇ってるって事だ。どうすればその曇りが晴れる」
そして不意に立ち止まった。
「次に行くか」
三階に吹き込む風は冷たい。外は雨が降っているようだ。エレベーターと反対側の廊下の突き当たり、大きく割れたガラス窓から、五味さんは暗くなりつつある外をのぞいていた。ここにも見張りはいない。
「何かわかりますか」
「まるでわからん」
五味さんが退いた窓をのぞこうと私が近づくと、「外は見るな」と言われた。
「オレは最初、柴野碧の体は、ガラスを突き破って落ちて行ったんじゃないかと思ったんだが」五味さんは廊下の隅にしゃがみ込んだ。「死体を確認しなきゃわからん事だが、碧も首を絞められてるんじゃないのか」
そして赤い消火器を指でコンコンと叩いた。
「先に殺しておいて、次に窓ガラスを割って、最後に窓から投げ捨てられた」
「何のためにそんな事を」
築根さんは嫌悪感を顔に滲ませている。でも五味さんは平然と返した。
「遊び心じゃねえか」
「おい、五味」
「死に方にバリエーションが欲しいんだろうな。『一と一と三』の『三』を際立たせるために。次に殺した死体にも何か小細工をするはずだ、おそらくは」
「その『次に殺した死体』に、我々がなるかも知れないんだぞ」
そう言う築根さんに、五味さんは即答した。
「ああ、それならオレは大丈夫だ」
そこに居た五味さん以外は絶句した。ジロー君は変わらなかったけれど。
「……何で大丈夫って言えるんだ」
築根さんの言葉に私はうなずく。何でそんな事が言えるのか。でも五味さんは表情を変える事なく――どちらかと言えば、ちょっと面倒臭そうに――こう答えた。
「オレとジローは犯人にとって、イレギュラーな存在だからだ。ここに居りゃ、いずれは殺されるのかも知れん。だが少なくとも次ではない。『一と一と三』で殺すメンバーは、オレたちが来る前に、もう決まっていたはずだからな」
驚いた。本当に驚いた。何故こんな状況で、そんなに自信たっぷりに言い切れるんだろう。自分の命がかかっているというのに。やっぱり五味さんは凄い。もしかしたら、私に見えていない世界が見えているんじゃないだろうか。
唖然としている私たちを放置して、五味さんは歩き出した。
「さて、部屋に戻るか」
しかしその足が止まった。そして私を見る。
「そういや夕月、おまえ何か用事があったんじゃないのか。付き合わせて悪かったな」
「あ、あのっ」
声がうわずった。でもそんな事は気にしていられない。聞いてもらわなきゃ。
「私、聞いて欲しい事があります、五味さんに!」
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