世界樹の詩

茶々

文字の大きさ
3 / 12

2

しおりを挟む
 

 彼らはあっという間に丸太の“家”と言う物を作り、その中で、寝たり、食事をしたりして、生活という事をしている。家の周りに“畑”というものを作り植物を植えている。
 時々、皆で私の元に訪れ、私の下で “ピクニック”と、いうものをしている。


 彼らが、私の元へ来て楽しそうにしているのを、見るのは悪く無い。

 双子達はすくすく育ち、男の子は大人しく私の幹に寄りかかり “本”をよく読んでいる。女の子は丘をよく走り回り、何かを見つけた、と言っては、“父”に見せている。

 そして、商人家族の“親戚”が丘の麓へと来てまた“家”を建てた。
 商人家族の“友人”が“家”を建てた。

 あっという間に6の家が出来て“集落”が出来た。



 秋の終わりに商人の男が、自分たちの作った“雑貨”や“農産物”を荷馬車一杯に載せ近くの街へ行く。そして冬が始まる前に“冬支度”の“商品”を荷馬車に積んで帰って来る。

 その繰り返しの中、双子達や後から生まれた子達も、すくすくと成長している。

 ここの冬は、人には“厳しい”らしい。雪が人の腰辺り迄積もり、寒く作物も育たない。
 だからといって、“家”で過ごして居るからと、暇な訳ではなさそうだ。
 
 右手にナイフ、左手には木の板。一生懸命に木の板を削って居る。角を削り、なだらかな楕円形の“器”だそうだ。
 勿論、動けない私は見る事は出来ないが、私の友、精霊達の目を通して教えてくれる。

 その“器”をどうするのだろうと思うが、また同じ事の繰り返しをし、沢山の“器”を作っている。
 それが終わったと思うと、今度は何やら細長く削り先が楕円形の物と3つの短い串がついた様な物を、また沢山作っている。
 何を作っているのかわからないまま、夕方になり夕食の時に気が付く。楕円形の器に“スープ”があり、平たい板の上には“パン”と“肉”そして細長いく先に工夫を凝らした“フォーク”と“スプーン”
 

 なるほど、なるほど。人というのは、色々工夫するのだな。面白いな。




 「ねぇ!この木っていつからここにあるのかなぁ?」
 「おっきいよね!」

 ここで生まれた双子と、その他の子達が私を見上げながら話をしている。

 「登れるかなぁ?」
 「あぶないよ・・・」

 そう言いながら、1番背の高い双子の女の子が私に足をかけた。

 精霊達がそれを見て不機嫌になった。

 若様に登るなんて・・・・!


 良いんだよ。どうするか、見てみたいな。


 初めての木登りとは思えないほど、するすると登って行く。そして中程迄登り下を見た。
 そして女の子はガクガクと震え動け無くなった。

 「・・・・たかい・・・・!」
 「ねぇ!どうしたの!」
 「・・・!こわい・・・」
 「だから、あぶないって!」
 「フエエエ、、、」
 「とーさん呼んで来るから!!」

 双子の男の子は残り、その他の子達は走って行く。

 「じっとして、動いちゃ駄目だよ!」

 一生懸命下から、励ます姿に微笑ましく思っていた。

 ズルッ!

 「・・・あっ!!!」


 私は咄嗟に、枝を伸ばし女の子の落下を防いだ。

 「・・・え?」
 「あぁ!良かった!たまたま枝の上に引っ掛かって!怪我は無い!?」
 「・・・・ちがう?・・・・だって・・」



 「アメリア!ジミー!」
 「「パパ!」」
 「何で、この木に登ったんだ!?」
 「だって・・・・」
 「もう登っては駄目だよ、この木にはパパとママとお前達の大切な思い出が沢山あるんだ。だからとても大切に思っているんだよ。俺が大切に思っているんだから、子供のお前達も大切に思って欲しい。」

 商人の男は、双子の頭を手でポンポンと2回置いて、「さぁ帰ろう。」と一緒に立ち去った。

 


 若様、あんな事しなくて良かったのに。


 そうだね、でも、落ちて怪我したら嫌だなぁ


 ・・・・・・





しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

【完結】父が再婚。義母には連れ子がいて一つ下の妹になるそうですが……ちょうだい癖のある義妹に寮生活は無理なのでは?

つくも茄子
ファンタジー
父が再婚をしました。お相手は男爵夫人。 平民の我が家でいいのですか? 疑問に思うものの、よくよく聞けば、相手も再婚で、娘が一人いるとのこと。 義妹はそれは美しい少女でした。義母に似たのでしょう。父も実娘をそっちのけで義妹にメロメロです。ですが、この新しい義妹には悪癖があるようで、人の物を欲しがるのです。「お義姉様、ちょうだい!」が口癖。あまりに煩いので快く渡しています。何故かって?もうすぐ、学園での寮生活に入るからです。少しの間だけ我慢すれば済むこと。 学園では煩い家族がいない分、のびのびと過ごせていたのですが、義妹が入学してきました。 必ずしも入学しなければならない、というわけではありません。 勉強嫌いの義妹。 この学園は成績順だということを知らないのでは?思った通り、最下位クラスにいってしまった義妹。 両親に駄々をこねているようです。 私のところにも手紙を送ってくるのですから、相当です。 しかも、寮やクラスで揉め事を起こしては顰蹙を買っています。入学早々に学園中の女子を敵にまわしたのです!やりたい放題の義妹に、とうとう、ある処置を施され・・・。 なろう、カクヨム、にも公開中。

卒業パーティーのその後は

あんど もあ
ファンタジー
乙女ゲームの世界で、ヒロインのサンディに転生してくる人たちをいじめて幸せなエンディングへと導いてきた悪役令嬢のアルテミス。  だが、今回転生してきたサンディには匙を投げた。わがままで身勝手で享楽的、そんな人に私にいじめられる資格は無い。   そんなアルテミスだが、卒業パーティで断罪シーンがやってきて…。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

元公爵令嬢は年下騎士たちに「用済みのおばさん」と捨てられる 〜今更戻ってこいと泣きつかれても献身的な美少年に溺愛されているのでもう遅いです〜

日々埋没。
ファンタジー
​「新しい従者を雇うことにした。おばさんはもう用済みだ。今すぐ消えてくれ」  ​かつて婚約破棄され、実家を追放された元公爵令嬢のレアーヌ。  その身分を隠し、年下の冒険者たちの身の回りを世話する『メイド』として献身的に尽くしてきた彼女に突きつけられたのは、あまりに非情な追放宣告だった。  ​レアーヌがこれまで教育し、支えてきた若い男たちは、新しく現れた他人の物を欲しがり子悪魔メイドに骨抜きにされ、彼女を「加齢臭のする汚いおばさん」と蔑み、笑いながら追い出したのだ。 ​ 地位も、居場所も、信じていた絆も……すべてを失い、絶望する彼女の前に現れたのは、一人の美少年だった。 ​「僕とパーティーを組んでくれませんか? 貴方が必要なんです」  ​新米ながら将来の可能性を感じさせる彼は、レアーヌを「おばさん」ではなく「一人の女性」として、甘く狂おしく溺愛し始める。  一方でレアーヌという『真の支柱』を失った元パーティーは、自分たちがどれほど愚かな選択をしたかを知る由もなかった。  ​やがて彼らが地獄の淵で「戻ってきてくれ」と泣きついてきても、もう遅い。  レアーヌの隣には、彼女を離さないと誓った執着愛の化身が微笑んでいるのだから。

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

ちゃんと忠告をしましたよ?

柚木ゆず
ファンタジー
 ある日の、放課後のことでした。王立リザエンドワール学院に籍を置く私フィーナは、生徒会長を務められているジュリアルス侯爵令嬢アゼット様に呼び出されました。 「生徒会の仲間である貴方様に、婚約祝いをお渡したくてこうしておりますの」  アゼット様はそのように仰られていますが、そちらは嘘ですよね? 私は最愛の方に護っていただいているので、貴方様に悪意があると気付けるのですよ。  アゼット様。まだ間に合います。  今なら、引き返せますよ? ※現在体調の影響により、感想欄を一時的に閉じさせていただいております。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

処理中です...