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しおりを挟む彼らはあっという間に丸太の“家”と言う物を作り、その中で、寝たり、食事をしたりして、生活という事をしている。家の周りに“畑”というものを作り植物を植えている。
時々、皆で私の元に訪れ、私の下で “ピクニック”と、いうものをしている。
彼らが、私の元へ来て楽しそうにしているのを、見るのは悪く無い。
双子達はすくすく育ち、男の子は大人しく私の幹に寄りかかり “本”をよく読んでいる。女の子は丘をよく走り回り、何かを見つけた、と言っては、“父”に見せている。
そして、商人家族の“親戚”が丘の麓へと来てまた“家”を建てた。
商人家族の“友人”が“家”を建てた。
あっという間に6の家が出来て“集落”が出来た。
秋の終わりに商人の男が、自分たちの作った“雑貨”や“農産物”を荷馬車一杯に載せ近くの街へ行く。そして冬が始まる前に“冬支度”の“商品”を荷馬車に積んで帰って来る。
その繰り返しの中、双子達や後から生まれた子達も、すくすくと成長している。
ここの冬は、人には“厳しい”らしい。雪が人の腰辺り迄積もり、寒く作物も育たない。
だからといって、“家”で過ごして居るからと、暇な訳ではなさそうだ。
右手にナイフ、左手には木の板。一生懸命に木の板を削って居る。角を削り、なだらかな楕円形の“器”だそうだ。
勿論、動けない私は見る事は出来ないが、私の友、精霊達の目を通して教えてくれる。
その“器”をどうするのだろうと思うが、また同じ事の繰り返しをし、沢山の“器”を作っている。
それが終わったと思うと、今度は何やら細長く削り先が楕円形の物と3つの短い串がついた様な物を、また沢山作っている。
何を作っているのかわからないまま、夕方になり夕食の時に気が付く。楕円形の器に“スープ”があり、平たい板の上には“パン”と“肉”そして細長いく先に工夫を凝らした“フォーク”と“スプーン”
なるほど、なるほど。人というのは、色々工夫するのだな。面白いな。
「ねぇ!この木っていつからここにあるのかなぁ?」
「おっきいよね!」
ここで生まれた双子と、その他の子達が私を見上げながら話をしている。
「登れるかなぁ?」
「あぶないよ・・・」
そう言いながら、1番背の高い双子の女の子が私に足をかけた。
精霊達がそれを見て不機嫌になった。
若様に登るなんて・・・・!
良いんだよ。どうするか、見てみたいな。
初めての木登りとは思えないほど、するすると登って行く。そして中程迄登り下を見た。
そして女の子はガクガクと震え動け無くなった。
「・・・・たかい・・・・!」
「ねぇ!どうしたの!」
「・・・!こわい・・・」
「だから、あぶないって!」
「フエエエ、、、」
「とーさん呼んで来るから!!」
双子の男の子は残り、その他の子達は走って行く。
「じっとして、動いちゃ駄目だよ!」
一生懸命下から、励ます姿に微笑ましく思っていた。
ズルッ!
「・・・あっ!!!」
私は咄嗟に、枝を伸ばし女の子の落下を防いだ。
「・・・え?」
「あぁ!良かった!たまたま枝の上に引っ掛かって!怪我は無い!?」
「・・・・ちがう?・・・・だって・・」
「アメリア!ジミー!」
「「パパ!」」
「何で、この木に登ったんだ!?」
「だって・・・・」
「もう登っては駄目だよ、この木にはパパとママとお前達の大切な思い出が沢山あるんだ。だからとても大切に思っているんだよ。俺が大切に思っているんだから、子供のお前達も大切に思って欲しい。」
商人の男は、双子の頭を手でポンポンと2回置いて、「さぁ帰ろう。」と一緒に立ち去った。
若様、あんな事しなくて良かったのに。
そうだね、でも、落ちて怪我したら嫌だなぁ
・・・・・・
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