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しおりを挟む「ほう!!これが噂の木か!」
ある春の終わり、立派な馬車が私の居る所に来た。
その男は、馬車を降りる時に、足元に敷物をして踏み台を置いて、馬車から降りて言った。
「立派な花を咲かすそうだが、花が無いぞ!?」
「はっ、住民によりますと、既に咲き終わったとの事です。」
「なんだつまらん。」
「なんでも、花の咲く間は短く1週間位だとか。」
「なんだと!そんなに短いのか!」
「お父様、お花が無いわ。」
男の後から、可愛らし女の子が出てきた。
しかし、とても不機嫌な様子で、私を見ている。いや、睨み付けている・・・かな?
ドリュアス様、あいつら、やっつけてもいい?
うーん・・・どうだろう?
「ねぇ、こんな木、切っちゃって!」
ザワザワザワザワ
女の子の言葉に、私の周りの精霊達がざわめき立つ。
「おぉ!そうだな!こんな役立たずの大きいだけの木は、屋敷の扉位しか役に立たないだろう!早速、木こりを呼んで、伐採しよう!」
それを聞いていた、この町の住民達は、顔色を変えて、嘆願しだした。
「お願いします。この木を伐るのだけはお止め下さい。御貴族様!!この木はこの町が出来る前からここにあって、この町の象徴なのです。お願いします!!」
「ほう!この町の象徴だと?只の象徴で、役立たずでは無いか!尚更こんな木は要らぬ!直ぐにでも、切ってしまえ!」
そう言うと、腰に差していた、剣をさらりと抜き、私に突き立てた。
が・・・その剣は私に刺さる前に・・・
ザザザザザザァ─────!!
いきなり、強風が吹き男と女の子を取り囲んだと、男と女の子の体がふわりと浮いたと思ったら、あっという間に私よりも高く吹き上げられた。
この人達、捨てて良い?
元の家に帰して。
わかった──
そのまま空高く吹き上げられたまま西の方へ消えていった。
あぁ、死なないようにして。
──────わかった─────
私の下には、馬車と、貴族の連れと、住民が残った。
皆は呆然と貴族親子を見ていたが、連れの連中は、あたふたと、飛んで行った方へ追いかけて行き、残された住民も、何が起こったのかわからない様子で、暫くは私の側にいたが、町長と、名乗る者が私に膝間付いた。
「どうか、御許しください。精霊様。」
町長がそう言うと、見物していた住民達も膝間付いて、私に許しを乞う。
私は別に怒って無いのだけれど、このままでは埒が空かないので、葉を揺らした。
「おぉ・・・ありがとうございます。」
何がありがたいのかさっぱりわからないが、怒っていない事はわかったみたいで良かった。
それから、何故か貴族の男が度々来るようになったが、その度に精霊達に追い返されていた。
空を飛ぶのが、気に入ったらしい。
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