世界樹の詩

茶々

文字の大きさ
11 / 12

10

しおりを挟む

 静かだね・・・・

 人がいなくなったから・・・・

 ドリュアス様、寂しい?


 どうかな?寂しいとは思わないかなぁ
 此処から動け無くても、精霊君たちが、頑張ってくれたお陰で世界の事がわかる。


 私が眠りについている千年の間、私を守ってくれた精霊達には、もう1つ役割があった。
 それは、私の若葉や、花、葉に乗った朝露等を、世界中の様々の生き物、植物に贈るという祝福。
 私の祝福を受けたそれらには、私の加護が与え守られるが、それらは、そのお返しに命の耀き・・・オーラを私に届けてくれる。そのオーラと共にそれらの記憶も一緒に送られえ来る。

 世界の動向が、手に取る様にわかる。勿論、ここを去った森人エルフの事も・・・




 ドリュアス様、どうして森人エルフ達の祝福を取らないの?


 うん、どうしてだろう?私にもわからない。でも、こんなに寿命を伸ばしてしまって、『では、ここで終わり。』では可哀想かなと。


 そうなの?


 緩やかに寿命を全うしてくれば良い。








この樹海から、若い森人がいなくなり、私と、年寄りが残った。
 寂しく無いと言うと嘘になるが、私は世界樹、ドリュアス様の側から離れたくなかった。

 只々、そこにいるだけだと思っていた前世、魂だけになった時に会いに行くと、優しく包む様な気配と共に、ドリュアス様の声を聞く事が出来た。そして・・・このまま、ドリュアス様の側で只々空気の様に漂い消え去るのだろうと思っていた。
 眩い光に包まれ、次に目覚めればまた只人であった。勿論その時は前世の記憶等無く、皇帝が支配する1兵士となって、何の疑いも無く命令されるがままに生きていた様に思う。
 
 そうして、何回かの産まれ変わりを経て、再びこのドリュアス様がいる街に産まれた。何度か産まれ変わっても、やはり前世の記憶等、1度も思い出す事は無かったのに・・・

 ドリュアス様の祝福が私の記憶を甦らせた。


 本当に特別な樹だ。
 私の全てを捧げても足りない。

 ・・・この私の思いがドリュアス様に届くとは思わない。
  いいや、むしろ届かない方が良い。こんなどろどろとした人の欲。
 私を見て、私だけに祝福を与えて欲しい。
 ああ、でも出来るなら、この身が動かなくなった時には、この身をドリュアス様の根元に埋めてドリュアス様の養分になり、ドリュアス様の1部になりたい。

 そんな醜い胸の内、知られたく無い。




しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

【完結】父が再婚。義母には連れ子がいて一つ下の妹になるそうですが……ちょうだい癖のある義妹に寮生活は無理なのでは?

つくも茄子
ファンタジー
父が再婚をしました。お相手は男爵夫人。 平民の我が家でいいのですか? 疑問に思うものの、よくよく聞けば、相手も再婚で、娘が一人いるとのこと。 義妹はそれは美しい少女でした。義母に似たのでしょう。父も実娘をそっちのけで義妹にメロメロです。ですが、この新しい義妹には悪癖があるようで、人の物を欲しがるのです。「お義姉様、ちょうだい!」が口癖。あまりに煩いので快く渡しています。何故かって?もうすぐ、学園での寮生活に入るからです。少しの間だけ我慢すれば済むこと。 学園では煩い家族がいない分、のびのびと過ごせていたのですが、義妹が入学してきました。 必ずしも入学しなければならない、というわけではありません。 勉強嫌いの義妹。 この学園は成績順だということを知らないのでは?思った通り、最下位クラスにいってしまった義妹。 両親に駄々をこねているようです。 私のところにも手紙を送ってくるのですから、相当です。 しかも、寮やクラスで揉め事を起こしては顰蹙を買っています。入学早々に学園中の女子を敵にまわしたのです!やりたい放題の義妹に、とうとう、ある処置を施され・・・。 なろう、カクヨム、にも公開中。

卒業パーティーのその後は

あんど もあ
ファンタジー
乙女ゲームの世界で、ヒロインのサンディに転生してくる人たちをいじめて幸せなエンディングへと導いてきた悪役令嬢のアルテミス。  だが、今回転生してきたサンディには匙を投げた。わがままで身勝手で享楽的、そんな人に私にいじめられる資格は無い。   そんなアルテミスだが、卒業パーティで断罪シーンがやってきて…。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

元公爵令嬢は年下騎士たちに「用済みのおばさん」と捨てられる 〜今更戻ってこいと泣きつかれても献身的な美少年に溺愛されているのでもう遅いです〜

日々埋没。
ファンタジー
​「新しい従者を雇うことにした。おばさんはもう用済みだ。今すぐ消えてくれ」  ​かつて婚約破棄され、実家を追放された元公爵令嬢のレアーヌ。  その身分を隠し、年下の冒険者たちの身の回りを世話する『メイド』として献身的に尽くしてきた彼女に突きつけられたのは、あまりに非情な追放宣告だった。  ​レアーヌがこれまで教育し、支えてきた若い男たちは、新しく現れた他人の物を欲しがり子悪魔メイドに骨抜きにされ、彼女を「加齢臭のする汚いおばさん」と蔑み、笑いながら追い出したのだ。 ​ 地位も、居場所も、信じていた絆も……すべてを失い、絶望する彼女の前に現れたのは、一人の美少年だった。 ​「僕とパーティーを組んでくれませんか? 貴方が必要なんです」  ​新米ながら将来の可能性を感じさせる彼は、レアーヌを「おばさん」ではなく「一人の女性」として、甘く狂おしく溺愛し始める。  一方でレアーヌという『真の支柱』を失った元パーティーは、自分たちがどれほど愚かな選択をしたかを知る由もなかった。  ​やがて彼らが地獄の淵で「戻ってきてくれ」と泣きついてきても、もう遅い。  レアーヌの隣には、彼女を離さないと誓った執着愛の化身が微笑んでいるのだから。

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

ちゃんと忠告をしましたよ?

柚木ゆず
ファンタジー
 ある日の、放課後のことでした。王立リザエンドワール学院に籍を置く私フィーナは、生徒会長を務められているジュリアルス侯爵令嬢アゼット様に呼び出されました。 「生徒会の仲間である貴方様に、婚約祝いをお渡したくてこうしておりますの」  アゼット様はそのように仰られていますが、そちらは嘘ですよね? 私は最愛の方に護っていただいているので、貴方様に悪意があると気付けるのですよ。  アゼット様。まだ間に合います。  今なら、引き返せますよ? ※現在体調の影響により、感想欄を一時的に閉じさせていただいております。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

処理中です...