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第二章
第二十三話 作戦
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「これより、チームの発表をする。まず、わたしの側近になるもの。セノン殿、征也殿、梅乃殿。このチームが一番実力の高い者のだ! そして次のチーム――……」
政宗公の声はスピーカーを通して、和室中に響き渡る。
そして、彼の口からはどんどんチームが発表されていく。
ユリカは強さで言うと、上から三番目のチーム。
政次と一香は八番目のチームだった。
瑠美はというと、回復担当のチームに入っていた。
チームには名前が付けられており一番上から[将軍][上士][下士][陪臣][郷士][若党][足軽][中間][小者]。
それと別に[治療]があった。
「皆はこれからチームに分かれてもらう。チームの拠点は、この国のどこかにあると思ってもらえるといい。これより、チームに一人、この国の忍びを付かせ、拠点に案内してもらうとする。そこで、役割などの説明は受けると思う。それでは解散してくれ。セノン殿、征也殿、梅乃殿はここに集合してくれ。以上解散!」
政宗公はこれを言い切ると、和室の前でどっしりと座り込んだ。
「それでは、私たちも離れ離れになってしまいますね。この後はお互い頑張っていきましょう」
ユリカはメンバーに別れを告げると、忍者に付いて行った。
「それでは、。わたしたちも行きますね!」
「頑張ってくださいね!」
セノンは一香、政次にお別れを言う。
「瑠美さんも、周りから、いろいろ学べるように頑張ってください。もちろん、自分も頑張ってきますので」
「はい!」
セノンはメンバーと別れると、政宗公のもとへ向かった。
すると、そこにはもう征也も梅乃もいた。
征也はさっきかっこよく退場したと思ていたが、また、師匠にあってしまい、少し、俯く。
「さて、皆さん集合しましたね。それでは私についてきてください」
政宗はその場で立ち上がり、その和室から出ていく。
三人はその政宗に続く。
階段を上り、ある部屋に入る。
その部屋の中は金色の壁、その壁には松の木や虎などが描いてある。
「そこに座ってください」
政宗は小さな声で三人に話しかける。
三人は少し顔を見合わせてから真ん中にあった畳に正座する。
「三人とも、よくぞ私の国にやってきてくれた。心より感謝申し上げる」
政宗は三人よりも少し高い位置に、黒い小さな椅子に座っていった。
そして、深々と三人に礼をする。
三人も政宗に礼を返した。
「三人は私のもとへ来てくれたプレイヤーの中でずば抜けて強い。忍びたちは君たちのランクで言えば三十五ぐらいであったと思う。しかし、そなたらはそんなことものともせず、圧勝して見せた。ほかにも忍びに勝った者がいた。彼らはチーム二にいると思う。ほかのチームは皆、忍びが手加減していると思う。まぁ、他のプレイヤーの情報はここまでとして、君たちにはチームとして働くのではなく、合戦中、他のチームの指揮官として働いてもらいたい。そして、チームはそれぞれ、二チームずつ持ってもらう。その中で、作戦を言い渡し、敵陣に侵入。そして、首をはねてきてもらいたい。このときの注意点を言う。敵のプレイヤーの命、味方のプレイヤーの命はできるだけ減らしてはダメだ。人数を増やし、最後には人数で圧倒できるように、そうしたいと思っていおる」
政宗公は三人に髪を渡した。
それは巻物尾のようになっており、三人はそれを広げると、そこにはだれがどのチームを持つのかが書いてあった。
そして、そこにはもう決められた、合戦の日時も書いてあった。
*****
セノン→[上士][下士]
征也→[陪臣][郷士]
梅乃→[若党]「足軽]
合戦の日時:七月二日
合戦相手;上杉軍
合戦場所:現在の山形県
*****
「戦いはその巻物に乗っている通りである。戦い方はセノンさんには上杉謙信温首を。征也さんにはサポートを。梅乃さんには正面からぶつかり合う相手との戦いをしていただきたいのです」
政宗公は三人が座っていたところの真ん中に日本の立体図のようなものを出した。
そしてその上にはまるでチェスの駒のような勢力の表す駒があった。
政宗はそれを使い、三人に説明をしている。
「説明はここまでだ。三人ともいいですか?」
「わかりました」
セノンは自分の軍の作戦を頭の中で、すべて構築して、返事をした。
「かしこまりました」
梅乃も大体は作戦を構築していた。
「いや、納得できないな~。それには」
しかしm、征也は違った。
「なんで、俺のチームはサポートに回らなければならないんだよ。もっと暴れさせてくれてもいいだろ! 大体、サポートは梅乃って決まっているんだよ!」
征也はその場を立ち上がり、政宗に強く当たる。
「そんなこと言われても……」
政宗は少し気弱な声になってしまう。
「征也、いい加減にしろ! これが政宗公が決めた作戦なんだ!」
これにはセノンも少し、立腹した様子であった。
「いいよな! 師匠は。相手の首を狙えてよぉ! それに、梅乃は相手の戦力を正面から突破できてよぉ! それに対して、俺たちのチームは何なんだよ! ほかのやつのサポート。特に治療チームの安全を確保って、俺は子の武器を使って暴れるんだよ!」
「いい加減にして!」
これには物静かそうな梅乃も、怒りを眉に這わせていた。
「……」
征也は少し落ち着いた。
「なら、この作戦に至った経緯を説明してもらおうか」
征也はムッとなった。
これには政宗公は一度咳ばらいをして答える。
「この作戦になった理由は、まず、セノンさんには優秀なチームをつけて敵陣に勝利する条件をクリアしてもらおうと思っていました。そして、次に梅乃さんには[聖夜星]という技を使ってもらい、相手を一掃してもらおうと思っています」
「ちょっと待て! さっき、あんた、できるだけ相手を殺すな! って言ってたよな! なんでこんなところで矛盾を言っているんだ?」
「おっと、これは説明不足でしたね。先ほどは相手プレイヤーをできるだけ殺すな、と言いました。しかし、相手は上杉軍。相手は正面からぶつかってくるのはNPCが多いのです。彼らはわたしたちのNPCとは違い、強さはそこまでです。しかし、本当に人数が多いのです。そのため、梅乃さんの持つ技に頼りたいのです」
「相手を一掃することぐらい俺にだってできるぞ!」
「まぁまぁ、征也さん落ち着いてください。少し早まりすぎです。それでは、話を元に戻しますね。最後に征也さんの詳しい説明です。上杉謙信はああ見えて、頭が回ります。せっかく皆さんのような強いプレイヤーが来てくれるのです。その人達に正面は任せず、裏から、直接私を狙うでしょう。あなたにはそれを阻止。そして、[治療]チームのサポートなど、こういたことを裏でしてほしいのです」
「な、何だよ。そういうことかよ! でも、裏って言ったって、俺は派手にやることしかできない。それでもいいのか?」
「はい、かまいません。やり方なんてどうでもいいのです。大事なことは結果ですら」
「なんだよ~! いいこと言うじゃねーか! わかった。こうなったら、派手にやってくれるわ!」
「それは頼もしいです。それでは皆さんにはこの後、明日の作戦会議をしてもらいたいと思います。その後、自分のチームに作戦を伝えてください」
「政宗公、失礼ながら、その必要はありません。理由は私たち、実は師弟の関係にありまして……そのため、彼らは僕の考えがわかっているはずなのです」
セノンが言っているときに後ろでは征也と梅乃が大きくうなずいていた。
「なんと! それは頼もしい!」
政宗公は合理主義であったため、こういうことには賛同した。
「それは、ありがとうございます。それでは私たちは自分の担当するチームに作戦を伝えてきますね」
この後、三人は忍者に連れられ、自分のチームに自分の思ている作戦を告げるのであった。
政宗公の声はスピーカーを通して、和室中に響き渡る。
そして、彼の口からはどんどんチームが発表されていく。
ユリカは強さで言うと、上から三番目のチーム。
政次と一香は八番目のチームだった。
瑠美はというと、回復担当のチームに入っていた。
チームには名前が付けられており一番上から[将軍][上士][下士][陪臣][郷士][若党][足軽][中間][小者]。
それと別に[治療]があった。
「皆はこれからチームに分かれてもらう。チームの拠点は、この国のどこかにあると思ってもらえるといい。これより、チームに一人、この国の忍びを付かせ、拠点に案内してもらうとする。そこで、役割などの説明は受けると思う。それでは解散してくれ。セノン殿、征也殿、梅乃殿はここに集合してくれ。以上解散!」
政宗公はこれを言い切ると、和室の前でどっしりと座り込んだ。
「それでは、私たちも離れ離れになってしまいますね。この後はお互い頑張っていきましょう」
ユリカはメンバーに別れを告げると、忍者に付いて行った。
「それでは、。わたしたちも行きますね!」
「頑張ってくださいね!」
セノンは一香、政次にお別れを言う。
「瑠美さんも、周りから、いろいろ学べるように頑張ってください。もちろん、自分も頑張ってきますので」
「はい!」
セノンはメンバーと別れると、政宗公のもとへ向かった。
すると、そこにはもう征也も梅乃もいた。
征也はさっきかっこよく退場したと思ていたが、また、師匠にあってしまい、少し、俯く。
「さて、皆さん集合しましたね。それでは私についてきてください」
政宗はその場で立ち上がり、その和室から出ていく。
三人はその政宗に続く。
階段を上り、ある部屋に入る。
その部屋の中は金色の壁、その壁には松の木や虎などが描いてある。
「そこに座ってください」
政宗は小さな声で三人に話しかける。
三人は少し顔を見合わせてから真ん中にあった畳に正座する。
「三人とも、よくぞ私の国にやってきてくれた。心より感謝申し上げる」
政宗は三人よりも少し高い位置に、黒い小さな椅子に座っていった。
そして、深々と三人に礼をする。
三人も政宗に礼を返した。
「三人は私のもとへ来てくれたプレイヤーの中でずば抜けて強い。忍びたちは君たちのランクで言えば三十五ぐらいであったと思う。しかし、そなたらはそんなことものともせず、圧勝して見せた。ほかにも忍びに勝った者がいた。彼らはチーム二にいると思う。ほかのチームは皆、忍びが手加減していると思う。まぁ、他のプレイヤーの情報はここまでとして、君たちにはチームとして働くのではなく、合戦中、他のチームの指揮官として働いてもらいたい。そして、チームはそれぞれ、二チームずつ持ってもらう。その中で、作戦を言い渡し、敵陣に侵入。そして、首をはねてきてもらいたい。このときの注意点を言う。敵のプレイヤーの命、味方のプレイヤーの命はできるだけ減らしてはダメだ。人数を増やし、最後には人数で圧倒できるように、そうしたいと思っていおる」
政宗公は三人に髪を渡した。
それは巻物尾のようになっており、三人はそれを広げると、そこにはだれがどのチームを持つのかが書いてあった。
そして、そこにはもう決められた、合戦の日時も書いてあった。
*****
セノン→[上士][下士]
征也→[陪臣][郷士]
梅乃→[若党]「足軽]
合戦の日時:七月二日
合戦相手;上杉軍
合戦場所:現在の山形県
*****
「戦いはその巻物に乗っている通りである。戦い方はセノンさんには上杉謙信温首を。征也さんにはサポートを。梅乃さんには正面からぶつかり合う相手との戦いをしていただきたいのです」
政宗公は三人が座っていたところの真ん中に日本の立体図のようなものを出した。
そしてその上にはまるでチェスの駒のような勢力の表す駒があった。
政宗はそれを使い、三人に説明をしている。
「説明はここまでだ。三人ともいいですか?」
「わかりました」
セノンは自分の軍の作戦を頭の中で、すべて構築して、返事をした。
「かしこまりました」
梅乃も大体は作戦を構築していた。
「いや、納得できないな~。それには」
しかしm、征也は違った。
「なんで、俺のチームはサポートに回らなければならないんだよ。もっと暴れさせてくれてもいいだろ! 大体、サポートは梅乃って決まっているんだよ!」
征也はその場を立ち上がり、政宗に強く当たる。
「そんなこと言われても……」
政宗は少し気弱な声になってしまう。
「征也、いい加減にしろ! これが政宗公が決めた作戦なんだ!」
これにはセノンも少し、立腹した様子であった。
「いいよな! 師匠は。相手の首を狙えてよぉ! それに、梅乃は相手の戦力を正面から突破できてよぉ! それに対して、俺たちのチームは何なんだよ! ほかのやつのサポート。特に治療チームの安全を確保って、俺は子の武器を使って暴れるんだよ!」
「いい加減にして!」
これには物静かそうな梅乃も、怒りを眉に這わせていた。
「……」
征也は少し落ち着いた。
「なら、この作戦に至った経緯を説明してもらおうか」
征也はムッとなった。
これには政宗公は一度咳ばらいをして答える。
「この作戦になった理由は、まず、セノンさんには優秀なチームをつけて敵陣に勝利する条件をクリアしてもらおうと思っていました。そして、次に梅乃さんには[聖夜星]という技を使ってもらい、相手を一掃してもらおうと思っています」
「ちょっと待て! さっき、あんた、できるだけ相手を殺すな! って言ってたよな! なんでこんなところで矛盾を言っているんだ?」
「おっと、これは説明不足でしたね。先ほどは相手プレイヤーをできるだけ殺すな、と言いました。しかし、相手は上杉軍。相手は正面からぶつかってくるのはNPCが多いのです。彼らはわたしたちのNPCとは違い、強さはそこまでです。しかし、本当に人数が多いのです。そのため、梅乃さんの持つ技に頼りたいのです」
「相手を一掃することぐらい俺にだってできるぞ!」
「まぁまぁ、征也さん落ち着いてください。少し早まりすぎです。それでは、話を元に戻しますね。最後に征也さんの詳しい説明です。上杉謙信はああ見えて、頭が回ります。せっかく皆さんのような強いプレイヤーが来てくれるのです。その人達に正面は任せず、裏から、直接私を狙うでしょう。あなたにはそれを阻止。そして、[治療]チームのサポートなど、こういたことを裏でしてほしいのです」
「な、何だよ。そういうことかよ! でも、裏って言ったって、俺は派手にやることしかできない。それでもいいのか?」
「はい、かまいません。やり方なんてどうでもいいのです。大事なことは結果ですら」
「なんだよ~! いいこと言うじゃねーか! わかった。こうなったら、派手にやってくれるわ!」
「それは頼もしいです。それでは皆さんにはこの後、明日の作戦会議をしてもらいたいと思います。その後、自分のチームに作戦を伝えてください」
「政宗公、失礼ながら、その必要はありません。理由は私たち、実は師弟の関係にありまして……そのため、彼らは僕の考えがわかっているはずなのです」
セノンが言っているときに後ろでは征也と梅乃が大きくうなずいていた。
「なんと! それは頼もしい!」
政宗公は合理主義であったため、こういうことには賛同した。
「それは、ありがとうございます。それでは私たちは自分の担当するチームに作戦を伝えてきますね」
この後、三人は忍者に連れられ、自分のチームに自分の思ている作戦を告げるのであった。
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