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第二章
第二十四話 初めての合戦
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山形県では至る所で法螺貝の音が響き渡っていた。
そう、[伊達]対[上杉]が初めっていたのだ。
場所は庄内平野というところで、遠くに見えている山は、空気が澄んでいたこともあり、きれいに見えていた。
しかし、戦場は決してそんなことではなかった。
上杉軍は大人数対一人という状況を作り、伊達郡のプレイヤーは四方に敵がいるという状態だった。
しかし、個の実力差ははっきりとしており、ここでの戦況は両軍あまり差が開いてはいないようだった。
「こちら、梅乃。敵プレイヤーは政宗公のもとへ向かっていると伺えます」
梅乃は自分の軍の一番後ろから、馬に乗り見まわしていた。
梅乃は見ただけでそれがわかった。実はこの世界に呼ばれているのは、ギルドランキングが上位にいるギルドのリーダー、もしくは、元テルルのメンバーのみ。
相手の軍の中には、その実力をを持つものが一人として、見つからなかったのだ。
「征也。りょうか~い! では、楽しみに待ってまーす!」
梅乃と征也は遠くにいるがやり取りをしている。
これは、戦いが始まる前にセノン、征也、梅乃が三人でフレンドになり、その三人でグループ内で会話できるチャット機能を使っていたのだ。
ここでは一香と政次も相手のNPCを相手に戦っていた。
一香は長い棍棒をこれまでの戦い以上にぶんぶんと振り回していた。
これにはセノンと行っていた基礎練習の成果も出ており、相手を引き寄せない戦いをしていた。
また、政次は、抜刀と同時に自分の近い相手から順に効率よく、手首などを切りつけていく。
切り付けられた、相手は自分の武器を落としたり、痛みに耐えきれなくなっていた。
彼はその隙を見逃さず、すぐに首元にある動脈の部分を切り裂いていく。
彼は、セノンと練習で相手との距離感と弱点を知っただけで、飛躍的に戦いセンスが開花していた。
ここで、梅乃は自分の技の準備に入る。
梅乃は馬から降りると、背にある弓を手に取り、一本の弓を大きく引く。
「私の軍の皆さん。いったんお下がりください。出なければ、私の技に巻き沿いを食らいますよ」
ユリカは自分の軍の仲間に令を出す。
すると、その軍の前線で戦っていた者たちはいったん後ろに下がる。
梅乃は静かに「聖夜星」と囁く。
そして、彼女は弓から手を放した。
放たれた矢は一度空高く、まっすぐと上がる。
そして、数秒後。
一本の矢だったものは相手の数以上の矢となり、平野一面に降り注ぐ。
相手のNPCたちは叫びながら、倒れていく。
「私たちの敵は倒しました。これから、セノンさんの援軍に向かいます」
梅乃は三人のチャットで言う。
「わかりました。お疲れ様です」
これにはセノンが反応していた。
「こっちにも少しずつ敵が現れました~」
征也は自分の国のトップの政宗を自分の隣に置いていた。
政宗も太刀を片手にしていた。
二人の後ろには、征也がまかされたチームもいた。しかし、相手が出てくると全て征也のバズーカで吹き飛ばされていた。
はじめは相手も勢いよく出てきたが、征也が派手な演出とともに相手を倒していくことにより、相手はなかなか姿を現さなくなっていた。
「ちぇっ! どいつもこいつも死ぬことにビビってんじゃねーよ! 本当に自分が本当に死ぬわけでもねーのによ!」
「そんなことより、私をおとりに使うのはやめてください」
政宗はまるでお笑い芸人が突っ込みを入れるように征也に言った。
「いいじゃねーかよー。そんなこと。大体、楽しそうにその武器もってるじゃねーか」
征也はそのお笑いには関係なくノリノリ言う。
「まぁ、それもそうですよね。私は仲間を戦わせているわけですもんね」
「っていうか、俺こんなに軍隊引き付けるんじゃなくて、一人で暴れたいんで、次回からは後ろのやつらは梅乃にでも上げといてください」
「そ、それは……まぁ、少し考えおきます」
「おう! 頼んだぜ!」
「それにしても、その勝ちが確定しているような言い方。どこからその自信が出てくるんですか?」
「俺の師匠が戦いで失敗するなんて万に一つもありえねーよ!」
「そうなんですか。流石ですね。セノンさんは」
「当り前よ!」
と、征也と政宗は暢気な会話をしているときにこの合戦の終戦の合図の法螺貝が鳴った。
セノンは見事、上杉謙信の首を討ったのだ。
セノンはまず、自分のチームのメンバーに謙信の周りに人を集め、四面楚歌状態にした。
なぜ、セノンに謙信の居場所が分かったかというと、彼はライフルのスコープで、相手の本拠地の人を全て見分けていたからだ。
本拠地の周りには、謙信に関係のある、長尾政景や上杉景信などがおり、謙信自体の警備はかなり厳重とされ、見え見えの陣だったのだ。
セノンはそこから五キロはある山の中から、政景を撃つ。
政景はその銃弾に気づかずあっけなく命を落とした。
セノンはもともと、自分のチームメンバーに一人が死んだら突撃しろと言ってあったのだ。
そのため、これを確認したチームは皆、その本拠地に突入する。
その本拠地は、少し、大きな小屋になっており、セノンのチームのメンバーは男女五人が同時にその中に爆弾をぶち込んだ。
すると中は煙だらけ。
そこに飛び込んだのはギルド[ガーム]の切り込み隊長となる女だった。
その女は両目を黒色の布で巻いており、もともと、目は使わずに戦っていたのだ。
そのため、自分や、そこにいる人の足音でその部屋の空間、どこに何人、どんな武器を持た人がいるか、把握している。
しかし、ここでは自分の足音、気配を消し、一番奥の部屋まで入っていく。
そこには何人か体の大きいものがいたが、彼女はそこで毒の入った瓶をアイテムポーチから取り出し、それをたたき割った。
すると、その中は毒が回り、皆死んだ。
こうして、この戦いは終わった。
戦いが終わると、上杉軍のプレイヤーの頭の中に言葉が流れる。
「私は伊達政宗という。あなたたちの党首である、上杉謙信はわが軍のプレイヤーの活躍により、殺害された。そこで、そなたらにはわが軍でその力を使ってもらいたい。もちろん、実力次第では上の方の地位も待っておる。もし、わが軍がいやだというのならば、この世界を出るか、他の国へ行け! 最期に、私の国で戦う覚悟のあるものは、一度、庄内平野に集まってくれ」
この言葉が上杉軍のプレイヤーに流れると、ほとんどのプレイヤーは庄内平野に行った。
しかし、全員ではなく、少数人はこの世界から抜けたり、他の国に行ったのだった。
この日はほかに[長曾我部]の軍が[島津]の軍に勝ったといわれている。
次の日になると、仙台城の城下町はお祭り騒ぎのようだった。
これにはもちろんセノン達はギルド[エンジェル・ハーツ]としてみんなで楽しんだという。
このお祭りは夜まで続き、一日提灯の光が絶えず、踊ったという。
そう、[伊達]対[上杉]が初めっていたのだ。
場所は庄内平野というところで、遠くに見えている山は、空気が澄んでいたこともあり、きれいに見えていた。
しかし、戦場は決してそんなことではなかった。
上杉軍は大人数対一人という状況を作り、伊達郡のプレイヤーは四方に敵がいるという状態だった。
しかし、個の実力差ははっきりとしており、ここでの戦況は両軍あまり差が開いてはいないようだった。
「こちら、梅乃。敵プレイヤーは政宗公のもとへ向かっていると伺えます」
梅乃は自分の軍の一番後ろから、馬に乗り見まわしていた。
梅乃は見ただけでそれがわかった。実はこの世界に呼ばれているのは、ギルドランキングが上位にいるギルドのリーダー、もしくは、元テルルのメンバーのみ。
相手の軍の中には、その実力をを持つものが一人として、見つからなかったのだ。
「征也。りょうか~い! では、楽しみに待ってまーす!」
梅乃と征也は遠くにいるがやり取りをしている。
これは、戦いが始まる前にセノン、征也、梅乃が三人でフレンドになり、その三人でグループ内で会話できるチャット機能を使っていたのだ。
ここでは一香と政次も相手のNPCを相手に戦っていた。
一香は長い棍棒をこれまでの戦い以上にぶんぶんと振り回していた。
これにはセノンと行っていた基礎練習の成果も出ており、相手を引き寄せない戦いをしていた。
また、政次は、抜刀と同時に自分の近い相手から順に効率よく、手首などを切りつけていく。
切り付けられた、相手は自分の武器を落としたり、痛みに耐えきれなくなっていた。
彼はその隙を見逃さず、すぐに首元にある動脈の部分を切り裂いていく。
彼は、セノンと練習で相手との距離感と弱点を知っただけで、飛躍的に戦いセンスが開花していた。
ここで、梅乃は自分の技の準備に入る。
梅乃は馬から降りると、背にある弓を手に取り、一本の弓を大きく引く。
「私の軍の皆さん。いったんお下がりください。出なければ、私の技に巻き沿いを食らいますよ」
ユリカは自分の軍の仲間に令を出す。
すると、その軍の前線で戦っていた者たちはいったん後ろに下がる。
梅乃は静かに「聖夜星」と囁く。
そして、彼女は弓から手を放した。
放たれた矢は一度空高く、まっすぐと上がる。
そして、数秒後。
一本の矢だったものは相手の数以上の矢となり、平野一面に降り注ぐ。
相手のNPCたちは叫びながら、倒れていく。
「私たちの敵は倒しました。これから、セノンさんの援軍に向かいます」
梅乃は三人のチャットで言う。
「わかりました。お疲れ様です」
これにはセノンが反応していた。
「こっちにも少しずつ敵が現れました~」
征也は自分の国のトップの政宗を自分の隣に置いていた。
政宗も太刀を片手にしていた。
二人の後ろには、征也がまかされたチームもいた。しかし、相手が出てくると全て征也のバズーカで吹き飛ばされていた。
はじめは相手も勢いよく出てきたが、征也が派手な演出とともに相手を倒していくことにより、相手はなかなか姿を現さなくなっていた。
「ちぇっ! どいつもこいつも死ぬことにビビってんじゃねーよ! 本当に自分が本当に死ぬわけでもねーのによ!」
「そんなことより、私をおとりに使うのはやめてください」
政宗はまるでお笑い芸人が突っ込みを入れるように征也に言った。
「いいじゃねーかよー。そんなこと。大体、楽しそうにその武器もってるじゃねーか」
征也はそのお笑いには関係なくノリノリ言う。
「まぁ、それもそうですよね。私は仲間を戦わせているわけですもんね」
「っていうか、俺こんなに軍隊引き付けるんじゃなくて、一人で暴れたいんで、次回からは後ろのやつらは梅乃にでも上げといてください」
「そ、それは……まぁ、少し考えおきます」
「おう! 頼んだぜ!」
「それにしても、その勝ちが確定しているような言い方。どこからその自信が出てくるんですか?」
「俺の師匠が戦いで失敗するなんて万に一つもありえねーよ!」
「そうなんですか。流石ですね。セノンさんは」
「当り前よ!」
と、征也と政宗は暢気な会話をしているときにこの合戦の終戦の合図の法螺貝が鳴った。
セノンは見事、上杉謙信の首を討ったのだ。
セノンはまず、自分のチームのメンバーに謙信の周りに人を集め、四面楚歌状態にした。
なぜ、セノンに謙信の居場所が分かったかというと、彼はライフルのスコープで、相手の本拠地の人を全て見分けていたからだ。
本拠地の周りには、謙信に関係のある、長尾政景や上杉景信などがおり、謙信自体の警備はかなり厳重とされ、見え見えの陣だったのだ。
セノンはそこから五キロはある山の中から、政景を撃つ。
政景はその銃弾に気づかずあっけなく命を落とした。
セノンはもともと、自分のチームメンバーに一人が死んだら突撃しろと言ってあったのだ。
そのため、これを確認したチームは皆、その本拠地に突入する。
その本拠地は、少し、大きな小屋になっており、セノンのチームのメンバーは男女五人が同時にその中に爆弾をぶち込んだ。
すると中は煙だらけ。
そこに飛び込んだのはギルド[ガーム]の切り込み隊長となる女だった。
その女は両目を黒色の布で巻いており、もともと、目は使わずに戦っていたのだ。
そのため、自分や、そこにいる人の足音でその部屋の空間、どこに何人、どんな武器を持た人がいるか、把握している。
しかし、ここでは自分の足音、気配を消し、一番奥の部屋まで入っていく。
そこには何人か体の大きいものがいたが、彼女はそこで毒の入った瓶をアイテムポーチから取り出し、それをたたき割った。
すると、その中は毒が回り、皆死んだ。
こうして、この戦いは終わった。
戦いが終わると、上杉軍のプレイヤーの頭の中に言葉が流れる。
「私は伊達政宗という。あなたたちの党首である、上杉謙信はわが軍のプレイヤーの活躍により、殺害された。そこで、そなたらにはわが軍でその力を使ってもらいたい。もちろん、実力次第では上の方の地位も待っておる。もし、わが軍がいやだというのならば、この世界を出るか、他の国へ行け! 最期に、私の国で戦う覚悟のあるものは、一度、庄内平野に集まってくれ」
この言葉が上杉軍のプレイヤーに流れると、ほとんどのプレイヤーは庄内平野に行った。
しかし、全員ではなく、少数人はこの世界から抜けたり、他の国に行ったのだった。
この日はほかに[長曾我部]の軍が[島津]の軍に勝ったといわれている。
次の日になると、仙台城の城下町はお祭り騒ぎのようだった。
これにはもちろんセノン達はギルド[エンジェル・ハーツ]としてみんなで楽しんだという。
このお祭りは夜まで続き、一日提灯の光が絶えず、踊ったという。
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