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2. 神官候補生クラスの騒ぎ
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(シロム視点)
神気を感じたのは学校での歴史の授業中だった。キルクール先生がいつもの様に見事なブロンドの縦ロールを揺らしながら授業を進めて行く。今日の授業は神への貢物の変遷についてだ。
「前回の授業で習った様に、300年前にこの国の祖となられたカルロ様が家族と家畜達を連れて聖なる山の近くを通りかかられた時、神はカルロ様に『我に供物をささげよ、さすれば汝とその家族を守ろう』と仰いました。そして神が最初に求められた供物が調理済みの食事と女性用の衣装でした。皆さんも知っている様にこの捧げものは現在でも続いています。この国で料理人と仕立て職人が聖なる職業として人気があるのはこのためです。」
そう言ってからキルクール先生は僕達生徒を見回す。これは誰かを指名して質問する気だ。僕は思わず顔を下げる。なにせこのクラスの生徒は僕を含めて4人しかいない。当てられる可能性は非常に高い。
「シロムくん、食事と衣装を供物として捧げる頻度を言ってください。」
しょっぱなから当たった! 途端に頭の中が真っ白になる。ちゃんと勉強したはずなのに答えが出て来ない。僕が答えられないでいると、キルクール先生は次に隣のカーナに振る。
「カーナさん、分かりますか?」
先生の注意が僕から逸れた途端に答えを思い出した。僕のあがり症は相変わらずだ。いくら勉強しても本番になると役に立たない。
「はい、食事は毎日3食分を朝にまとめて、衣装は3ヶ月毎にその季節に合わせたものを1着です。」
とカーナがスラスラと答える。
「良くできました、そのとおりです。では次に....」
「うわっ!」
強力な神気を感じたのはその時だった。余りのことに僕は思わず声をだしてしまった。キルクール先生が何事かと僕の方を向いたが、次の瞬間には先生も神気を感じた様で、慌てた様に聖なる山に向いた窓に駆け寄り身を乗り出した。
僕達生徒も窓辺に駆け寄る。
「何あれ? あんな風に光っている聖なる山は見たことがないわ。」
とクラスメイトのカリーナが口にする。
確かに異様な光景だった。神域の中央にある聖なる山は常に神気を発して金色に輝いている。少なくとも神気を感じられる者にはそのように見える。だけど今は違う。山全体が青、赤、黄、緑、紫、オレンジと様々な色に光っていた。それも規則正しく変化するのではなく揺れる様に変化する。
そして聖なる山の上空にこちらに向かって飛んで来る何かが見える。さっき感じた強い神気はそれから発している様だ。
「御使い様!? すごい神気だ。この町に来られるのかな?」
マークが嬉しそうに口にする。マークはいつでもポジティブ思考だ。御使い様が僕達の町を訪れるという前代未聞の出来事を心底楽しんでいる。
そうこうしている内に御使い様はますますこちらに近づいて来る。
「ねえ、見間違えかな....。私には人に見えるのだけど。御使い様って鳥の姿をしておられるのよね。」
確かに鳥には見えない。翼がなく手足がある様に見える。髪の毛が長いから女性かもしれない。もっとも距離があるので細部は分からない。
遂に御使い様が町の上空まで来られた。だが当初は町に降りられるのかと思った御使い様だが、どうやら降りることなく町を通り過ぎて行く様だ。あの方向にはガニマール帝国がある。
キルクール先生は、緊張した顔で僕達に自習するように言い渡して急いで教室を後にした。きっと神殿に知らせに行くのだろう。キルクール先生は神官のひとりなのだ。
先生が去った後、僕達は誰も自習なんてする気に成れなかった。
「もしかして神様が怒っておられるのかしら? きっと隣のガルマーニ帝国のせいよ。あいつらがまた何か悪いことをしようとしているのよ。まったく懲りないんだから。」
委員長のカーナが最初に発言する。カーナは委員長に指名されるだけあってしっかり者の女の子で、黒に近い青色の髪をポニーテールにしている。
ガルマーニ帝国と言うのは3年前に僕達の国を征服しようとした大国だ。
「その可能性は高いな。飛んで行かれた方向もガルマーニ帝国の方だしな。しかし、すごい神気だったな。3年前より更に強力だった。こんどこそガルマーニ帝国を滅ぼされるのかもしれないぞ。」
マークが後に続く。マークとは1年生の時からずっと同じクラスだった。背は僕より頭ひとつ分高い。容姿も良く、髪の毛は神官の家系にしか見かけないウェーブの掛った金髪、頭も良くて運動神経も抜群、自信家なのが欠点だが性格は悪くない。女の子の間でファンクラブが出来るくらいの人気者だ。
「だけど大事なのは神が私達に何を期待されているかよ。邪悪なるガルマーニ帝国を滅ぼすためにあの国に攻め込めと仰っているのかしら。」
「慈愛に満ちておられる神が私達に隣国を攻め滅ぼせと言うとは思えないわ。私達にそんなことをさせるくらいなら、ご自身で滅ぼされると思う。私達の神ならきっと国を亡ぼすくらい簡単よ。」
カリーナも自分の意見を述べる。カリーナはピンクのフワフワの髪を肩まで伸ばした女の子で、少しおっとりしたところがある。このクラスのなごみキャラだ。
一方で僕は全く別のことを考えていた。先ほど強烈な神の気が頭の上を通り過ぎて行った時、誰かの声が聞こえた気がする。それもすごく場違いな内容が.....
....................... お腹空いた~ .......................
と。
「シロムはどう思う?」
突然マークに話を振られて飛び上がりそうになった。
「い、いや....、僕には神様の考えている事なんて見当もつかないよ。」
と慌てて返す。バカにされるかと思ったが意外にもカリーナが僕に賛同する。
「そうよ、シロムさんの言う通りだわ。私達がすべきなのは神様の考えを勝手に想像することじゃないわ。謙虚な気持ちで神様の考えを感じ取ることよね。」
「確かにそうだな」
と他の者達も同意を示す。僕はほっと胸をなでおろした。あがり症で小心者の僕がこの場違いなクラスでやって行けているのは、このクラスメイト達のお陰だ。初めてこのクラスに来た時にはのけ者にされるかと心配したのだが、そんな素振りは感じたことも無い。
先ほど場違いと言ったが少し説明が必要だろう。このクラスは将来神官に成りたい者を集めたクラスで、担任も神官のキルクール様が務めてくださっている。神官はこの国を守って下さっている神様にお仕えし、その意思を感じ取って政治を執り行うのが仕事だ。国王も神官長が兼任しており、重要部門の責任者はすべて神官が務めているから実質的にこの国の支配者階級でもある。誰もが憧れる職業だが神官に成るには難しい条件を満たさなければならない。神の発する気、すなわち神気を感じることが出来ることだ。この条件を満たす者は滅多にいない。実質的にはこの国の祖カルロ様に繋がる家系からしか現れない....少なくとも今まではそうだった。クラスの生徒が少ないのもそのためだ。
クラスメイトのカーナ、マーク、カリーナの家はカルロ様までたどることが出来る家系だ。カーナとマークの親は神官で、カリーナの親は国の重役。彼らの家はこの町で一番聖なる場所とされている神殿のすぐ近くにある。他の国で言えば貴族階級と言う事になるだろう。学校へも自分達の家の馬車で通学している。そんな中に祖父の代にこの国に移民して町の門の近くで食堂を営んでいる家の息子の僕が居るわけだ。この国では神官長様以外は身分の差はないことになっているが、それでも立場が違うことぐらい僕にも分かる。
神気を感じたのは学校での歴史の授業中だった。キルクール先生がいつもの様に見事なブロンドの縦ロールを揺らしながら授業を進めて行く。今日の授業は神への貢物の変遷についてだ。
「前回の授業で習った様に、300年前にこの国の祖となられたカルロ様が家族と家畜達を連れて聖なる山の近くを通りかかられた時、神はカルロ様に『我に供物をささげよ、さすれば汝とその家族を守ろう』と仰いました。そして神が最初に求められた供物が調理済みの食事と女性用の衣装でした。皆さんも知っている様にこの捧げものは現在でも続いています。この国で料理人と仕立て職人が聖なる職業として人気があるのはこのためです。」
そう言ってからキルクール先生は僕達生徒を見回す。これは誰かを指名して質問する気だ。僕は思わず顔を下げる。なにせこのクラスの生徒は僕を含めて4人しかいない。当てられる可能性は非常に高い。
「シロムくん、食事と衣装を供物として捧げる頻度を言ってください。」
しょっぱなから当たった! 途端に頭の中が真っ白になる。ちゃんと勉強したはずなのに答えが出て来ない。僕が答えられないでいると、キルクール先生は次に隣のカーナに振る。
「カーナさん、分かりますか?」
先生の注意が僕から逸れた途端に答えを思い出した。僕のあがり症は相変わらずだ。いくら勉強しても本番になると役に立たない。
「はい、食事は毎日3食分を朝にまとめて、衣装は3ヶ月毎にその季節に合わせたものを1着です。」
とカーナがスラスラと答える。
「良くできました、そのとおりです。では次に....」
「うわっ!」
強力な神気を感じたのはその時だった。余りのことに僕は思わず声をだしてしまった。キルクール先生が何事かと僕の方を向いたが、次の瞬間には先生も神気を感じた様で、慌てた様に聖なる山に向いた窓に駆け寄り身を乗り出した。
僕達生徒も窓辺に駆け寄る。
「何あれ? あんな風に光っている聖なる山は見たことがないわ。」
とクラスメイトのカリーナが口にする。
確かに異様な光景だった。神域の中央にある聖なる山は常に神気を発して金色に輝いている。少なくとも神気を感じられる者にはそのように見える。だけど今は違う。山全体が青、赤、黄、緑、紫、オレンジと様々な色に光っていた。それも規則正しく変化するのではなく揺れる様に変化する。
そして聖なる山の上空にこちらに向かって飛んで来る何かが見える。さっき感じた強い神気はそれから発している様だ。
「御使い様!? すごい神気だ。この町に来られるのかな?」
マークが嬉しそうに口にする。マークはいつでもポジティブ思考だ。御使い様が僕達の町を訪れるという前代未聞の出来事を心底楽しんでいる。
そうこうしている内に御使い様はますますこちらに近づいて来る。
「ねえ、見間違えかな....。私には人に見えるのだけど。御使い様って鳥の姿をしておられるのよね。」
確かに鳥には見えない。翼がなく手足がある様に見える。髪の毛が長いから女性かもしれない。もっとも距離があるので細部は分からない。
遂に御使い様が町の上空まで来られた。だが当初は町に降りられるのかと思った御使い様だが、どうやら降りることなく町を通り過ぎて行く様だ。あの方向にはガニマール帝国がある。
キルクール先生は、緊張した顔で僕達に自習するように言い渡して急いで教室を後にした。きっと神殿に知らせに行くのだろう。キルクール先生は神官のひとりなのだ。
先生が去った後、僕達は誰も自習なんてする気に成れなかった。
「もしかして神様が怒っておられるのかしら? きっと隣のガルマーニ帝国のせいよ。あいつらがまた何か悪いことをしようとしているのよ。まったく懲りないんだから。」
委員長のカーナが最初に発言する。カーナは委員長に指名されるだけあってしっかり者の女の子で、黒に近い青色の髪をポニーテールにしている。
ガルマーニ帝国と言うのは3年前に僕達の国を征服しようとした大国だ。
「その可能性は高いな。飛んで行かれた方向もガルマーニ帝国の方だしな。しかし、すごい神気だったな。3年前より更に強力だった。こんどこそガルマーニ帝国を滅ぼされるのかもしれないぞ。」
マークが後に続く。マークとは1年生の時からずっと同じクラスだった。背は僕より頭ひとつ分高い。容姿も良く、髪の毛は神官の家系にしか見かけないウェーブの掛った金髪、頭も良くて運動神経も抜群、自信家なのが欠点だが性格は悪くない。女の子の間でファンクラブが出来るくらいの人気者だ。
「だけど大事なのは神が私達に何を期待されているかよ。邪悪なるガルマーニ帝国を滅ぼすためにあの国に攻め込めと仰っているのかしら。」
「慈愛に満ちておられる神が私達に隣国を攻め滅ぼせと言うとは思えないわ。私達にそんなことをさせるくらいなら、ご自身で滅ぼされると思う。私達の神ならきっと国を亡ぼすくらい簡単よ。」
カリーナも自分の意見を述べる。カリーナはピンクのフワフワの髪を肩まで伸ばした女の子で、少しおっとりしたところがある。このクラスのなごみキャラだ。
一方で僕は全く別のことを考えていた。先ほど強烈な神の気が頭の上を通り過ぎて行った時、誰かの声が聞こえた気がする。それもすごく場違いな内容が.....
....................... お腹空いた~ .......................
と。
「シロムはどう思う?」
突然マークに話を振られて飛び上がりそうになった。
「い、いや....、僕には神様の考えている事なんて見当もつかないよ。」
と慌てて返す。バカにされるかと思ったが意外にもカリーナが僕に賛同する。
「そうよ、シロムさんの言う通りだわ。私達がすべきなのは神様の考えを勝手に想像することじゃないわ。謙虚な気持ちで神様の考えを感じ取ることよね。」
「確かにそうだな」
と他の者達も同意を示す。僕はほっと胸をなでおろした。あがり症で小心者の僕がこの場違いなクラスでやって行けているのは、このクラスメイト達のお陰だ。初めてこのクラスに来た時にはのけ者にされるかと心配したのだが、そんな素振りは感じたことも無い。
先ほど場違いと言ったが少し説明が必要だろう。このクラスは将来神官に成りたい者を集めたクラスで、担任も神官のキルクール様が務めてくださっている。神官はこの国を守って下さっている神様にお仕えし、その意思を感じ取って政治を執り行うのが仕事だ。国王も神官長が兼任しており、重要部門の責任者はすべて神官が務めているから実質的にこの国の支配者階級でもある。誰もが憧れる職業だが神官に成るには難しい条件を満たさなければならない。神の発する気、すなわち神気を感じることが出来ることだ。この条件を満たす者は滅多にいない。実質的にはこの国の祖カルロ様に繋がる家系からしか現れない....少なくとも今まではそうだった。クラスの生徒が少ないのもそのためだ。
クラスメイトのカーナ、マーク、カリーナの家はカルロ様までたどることが出来る家系だ。カーナとマークの親は神官で、カリーナの親は国の重役。彼らの家はこの町で一番聖なる場所とされている神殿のすぐ近くにある。他の国で言えば貴族階級と言う事になるだろう。学校へも自分達の家の馬車で通学している。そんな中に祖父の代にこの国に移民して町の門の近くで食堂を営んでいる家の息子の僕が居るわけだ。この国では神官長様以外は身分の差はないことになっているが、それでも立場が違うことぐらい僕にも分かる。
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