18 / 102
17. ガニマール帝国の暗躍
しおりを挟む
(アーシャ視点)
私が城壁を作ると、翌日から早速城壁に門扉を取り付ける工事がスタートした。城壁の形は150年前に父さまが作った現在の城壁の真似をしただけだが、高さと横幅は若干大きくしてある。色は何色でも良かったのだが青にしたのは私の好みだ。
門扉の工事と並行して簡易宿泊所の建設も始まった。移民してきたばかりの人達に一定期間、安価もしくは無料で住む場所を提供するのだ。もっとも移民は無条件で受け入れるわけでは無く役人による審査がある。他の国の犯罪者が流れて来るのを防ぐためだ、その上で数年間は住民として仮登録し、その間真面目に働き問題を起こさなければ正式登録となるらしい。町のスペースに余裕が出来たとはいえ、この町の住人に成るのは大変そうだ。頑張れ、焼き麺の屋台のおじさん。
私は今日も二葉亭で仕事だ。私の仕事は皿洗いがメインだが、客が少ない時間帯は店に出て給仕の仕事もしている。給仕の仕事がメインのサマンサさんは、私が店に出ている間に掃除、洗濯と家の仕事を片付ける。サマンサさんは1日中忙しそうだ、私が神域に帰ったらどうするのだろうと心配になる。
「お待たせしました。日替わり定食です。今日は遅かったんですね。」
そう言って、町の門で働く役人のジークさんと同僚のブンザさんの前に持って来た料理を並べる。ずいぶん遅い昼食だ。この時間お客さんはジークさんとブンザさん以外には数組しかいない。ちょっとくらいおしゃべりしても大丈夫だ。
「ちょっと本部に報告することが出来てね、神殿まで言って来た帰りなんだよ。もう腹ペコだよ。おおー、美味しそうな匂いだ。」
「まあ大変でしたね。でも新しい城壁が完成したら本部はもっと遠くなりますね。」
「それは大丈夫。新しい城壁に勤務するときは馬車を用意してくれるらしい。徒歩で通うのはちょっと大変だからな。だけどこの店に来られなくなるのは辛いよ。」
「まったくだな。」
「ブンザさんはまだ良いですよ。奥さんが弁当を作ってくれるんでしょう。独身の俺はパンでも齧るしかないですから。」
「大丈夫ですよ。門の傍は沢山の人が通りますからね、その人たちを目当てに食べ物の屋台を出す人が出てきますよ。先代の話では、この店も元々は門を通る人達目当ての屋台から始まったらしいですからね。」
「ほう、それは初耳だな。なるほど、それでこの店は門から近いところにあるわけだ。でも門が遠くなったら困るんじゃないか?」
「この店は大丈夫ですよ常連がたくさんいますからね。でも確かに人の流れは変わります。客が減る店もあるでしょうね。」
そうか、城壁を作るときはそこまで考えていなかった......。
「それは仕方ないさ。大丈夫、旨い物を出せば人は集まるさ。」
「そうですよね。それではごゆっくりお召し上がりください。」
会話を切り上げて奥に引っ込みながらジークさんの言葉を思い出す.......客が減る店もあるでしょうね.......私が新しい城壁を作ったことで迷惑をかけた人もいるんだろうな。
そうだ、先日シロムさんを通して神官長から提案のあった町を上げての料理コンテストは良いアイディアかもしれない。
やはりこの町でもっとも人が訪れる場所は神殿だ。だから料理店を始め色々な店が神殿街に固まっている。これは城壁の位置が変わっても変わらないだろう。でも町全体に活気を持ってもらうためには、人の流れを神殿街以外にも分散することだ。それには人々が訪れたいと思う魅力的な何かが町の色々な場所にあれば良い。
そこで先ほどの神官長の提案だ。神に献上する料理を作っている店があるとなれば、下町であってもその店の料理を食べてみたいと思う人がいるのじゃないだろうか。その店を訪れるのに人が町の色々な場所を訪れる様になれば人の流れも分散できる。
その夜、私はシロムさんに私の回答を伝えてくれる様にお願いした。基本的に神に捧げる料理を作る料理店をコンテストで決めることには賛成とする。ただし条件がふたつ。ひとつ目は、料理を食べる人には店の名前が分からない状態で評価してもらう事。これは有名料理店の料理は美味しいと思う先入観によるバイアスを避けるため。ふたつ目は店舗ではなく屋台の料理であっても参加をみとめること。これはこれから新しく広がるエリアで増えるであろう屋台の店を加えることで、新エリアにも活気をもたらしたいという希望からだ。それに新エリアに新たに移民して来る人達の郷土料理も食べてみたい。
<< 分かりました。アーシャ様のご意向はキルクール先生に確かにお伝えします。>>
私の回答を聞いたシロムさんから返事が返って来るが、その心には不安が渦巻いている。
<< アーシャ様、実はこの件とは別にお伺いしたいことがありまして....。>>
やはりだ。料理コンテストより心労になることがシロムさんの心にある様だ。
<< 実は、ガニマール帝国が聖なる山の麓に祭壇を築き、聖なる山の神へ供物をささげている様なのです。アーシャ様はこのことをご存知だったでしょうか。>>
<< ええ父さまから連絡を受けています。この国と聖なる山を挟んで反対側に祭壇があるのよね。>>
そう答えるとシロムさんの心に更なる恐怖が沸き上がる。
<< 安心してください。聖なる山の神を信仰することは自由です。ですので、その国が父さまに供物を捧げることを妨げるつもりはありません。ですが供物をささげられたからと言ってこの国の様に特別に加護を与えるつもりもありません。この国に加護を与えているのは父さまがカルロさんと契約を結んだからです。契約がなければ一方的に供物を捧げても無意味です。>>
<< そうでしたか........安心いたしました。>>
私はお店の休みの度に美味しい料理と可愛い服の探索に出かけているが、それだけではなく神殿にも立ち寄り、供物の間で祈りを捧げる振りをしながら父さまと話をしている(あまり放って置くと拗ねるからね)。わざわざ神殿まで赴くのは、神域の周りに張られている結界の所為で供物の間以外では念話が通じないからだ。先日も父さまと話したばかりだが、祭壇のことは何も言っていなかった。きっとどうでも良いと思っているのだろう。
<< 神官長さんにも、安心する様に伝えて下さい。>>
シロムさんから心底安堵した気持ちが伝わって来る。その日はそこまでで念話を切った。
(シロム視点)
キルクール先生にアーシャ様のお言葉を伝えると、大きくため息をつかれた。先生も心配していたのだろう。
「神は私達をお見捨てにはなりません。こんな当たり前のことを疑って心を乱されていたなんて、まだまだ修行が足りませんね。」
すました顔で口にされるキルクール先生。でも失礼ながらキルクール先生は僕と同じヘタレ仲間なのではないかと思っている。警察庁の部屋で神気を発しているアーシャ様を見た途端、悲鳴を上げて気絶したキルクール先生の姿は印象的だった。そう思うと親近感が湧く。
「それにしてもガニマール帝国の奴等、コロール平原の戦いで敗走するまでは、邪教だとか、邪神だとか散々罵っていたくせに。今更神様に取り入ろうだなんて何て恥知らずなのかしら。」
「それだけ痛い目にあったと言う事では.......」
「自分達が間違っていたと悟ったなら私達に詫びを入れるべきところなのに、こっそりと神様に取り入ろうとするなんてやっぱり許せないわ。」
この点については僕も同感だ。もっともアーシャ様のお話では供物を捧げても神様には無視されているらしい。御子様がこの町に新しい城壁を作って下さったとの話も伝わっているだろうから、今頃は焦っているのではないだろうか。
後から考えると僕のこの予想は当たっていた。だけど焦った結果ガニマール帝国側がどのような行動にでるかなんて僕に分かるはずがなかった。
私が城壁を作ると、翌日から早速城壁に門扉を取り付ける工事がスタートした。城壁の形は150年前に父さまが作った現在の城壁の真似をしただけだが、高さと横幅は若干大きくしてある。色は何色でも良かったのだが青にしたのは私の好みだ。
門扉の工事と並行して簡易宿泊所の建設も始まった。移民してきたばかりの人達に一定期間、安価もしくは無料で住む場所を提供するのだ。もっとも移民は無条件で受け入れるわけでは無く役人による審査がある。他の国の犯罪者が流れて来るのを防ぐためだ、その上で数年間は住民として仮登録し、その間真面目に働き問題を起こさなければ正式登録となるらしい。町のスペースに余裕が出来たとはいえ、この町の住人に成るのは大変そうだ。頑張れ、焼き麺の屋台のおじさん。
私は今日も二葉亭で仕事だ。私の仕事は皿洗いがメインだが、客が少ない時間帯は店に出て給仕の仕事もしている。給仕の仕事がメインのサマンサさんは、私が店に出ている間に掃除、洗濯と家の仕事を片付ける。サマンサさんは1日中忙しそうだ、私が神域に帰ったらどうするのだろうと心配になる。
「お待たせしました。日替わり定食です。今日は遅かったんですね。」
そう言って、町の門で働く役人のジークさんと同僚のブンザさんの前に持って来た料理を並べる。ずいぶん遅い昼食だ。この時間お客さんはジークさんとブンザさん以外には数組しかいない。ちょっとくらいおしゃべりしても大丈夫だ。
「ちょっと本部に報告することが出来てね、神殿まで言って来た帰りなんだよ。もう腹ペコだよ。おおー、美味しそうな匂いだ。」
「まあ大変でしたね。でも新しい城壁が完成したら本部はもっと遠くなりますね。」
「それは大丈夫。新しい城壁に勤務するときは馬車を用意してくれるらしい。徒歩で通うのはちょっと大変だからな。だけどこの店に来られなくなるのは辛いよ。」
「まったくだな。」
「ブンザさんはまだ良いですよ。奥さんが弁当を作ってくれるんでしょう。独身の俺はパンでも齧るしかないですから。」
「大丈夫ですよ。門の傍は沢山の人が通りますからね、その人たちを目当てに食べ物の屋台を出す人が出てきますよ。先代の話では、この店も元々は門を通る人達目当ての屋台から始まったらしいですからね。」
「ほう、それは初耳だな。なるほど、それでこの店は門から近いところにあるわけだ。でも門が遠くなったら困るんじゃないか?」
「この店は大丈夫ですよ常連がたくさんいますからね。でも確かに人の流れは変わります。客が減る店もあるでしょうね。」
そうか、城壁を作るときはそこまで考えていなかった......。
「それは仕方ないさ。大丈夫、旨い物を出せば人は集まるさ。」
「そうですよね。それではごゆっくりお召し上がりください。」
会話を切り上げて奥に引っ込みながらジークさんの言葉を思い出す.......客が減る店もあるでしょうね.......私が新しい城壁を作ったことで迷惑をかけた人もいるんだろうな。
そうだ、先日シロムさんを通して神官長から提案のあった町を上げての料理コンテストは良いアイディアかもしれない。
やはりこの町でもっとも人が訪れる場所は神殿だ。だから料理店を始め色々な店が神殿街に固まっている。これは城壁の位置が変わっても変わらないだろう。でも町全体に活気を持ってもらうためには、人の流れを神殿街以外にも分散することだ。それには人々が訪れたいと思う魅力的な何かが町の色々な場所にあれば良い。
そこで先ほどの神官長の提案だ。神に献上する料理を作っている店があるとなれば、下町であってもその店の料理を食べてみたいと思う人がいるのじゃないだろうか。その店を訪れるのに人が町の色々な場所を訪れる様になれば人の流れも分散できる。
その夜、私はシロムさんに私の回答を伝えてくれる様にお願いした。基本的に神に捧げる料理を作る料理店をコンテストで決めることには賛成とする。ただし条件がふたつ。ひとつ目は、料理を食べる人には店の名前が分からない状態で評価してもらう事。これは有名料理店の料理は美味しいと思う先入観によるバイアスを避けるため。ふたつ目は店舗ではなく屋台の料理であっても参加をみとめること。これはこれから新しく広がるエリアで増えるであろう屋台の店を加えることで、新エリアにも活気をもたらしたいという希望からだ。それに新エリアに新たに移民して来る人達の郷土料理も食べてみたい。
<< 分かりました。アーシャ様のご意向はキルクール先生に確かにお伝えします。>>
私の回答を聞いたシロムさんから返事が返って来るが、その心には不安が渦巻いている。
<< アーシャ様、実はこの件とは別にお伺いしたいことがありまして....。>>
やはりだ。料理コンテストより心労になることがシロムさんの心にある様だ。
<< 実は、ガニマール帝国が聖なる山の麓に祭壇を築き、聖なる山の神へ供物をささげている様なのです。アーシャ様はこのことをご存知だったでしょうか。>>
<< ええ父さまから連絡を受けています。この国と聖なる山を挟んで反対側に祭壇があるのよね。>>
そう答えるとシロムさんの心に更なる恐怖が沸き上がる。
<< 安心してください。聖なる山の神を信仰することは自由です。ですので、その国が父さまに供物を捧げることを妨げるつもりはありません。ですが供物をささげられたからと言ってこの国の様に特別に加護を与えるつもりもありません。この国に加護を与えているのは父さまがカルロさんと契約を結んだからです。契約がなければ一方的に供物を捧げても無意味です。>>
<< そうでしたか........安心いたしました。>>
私はお店の休みの度に美味しい料理と可愛い服の探索に出かけているが、それだけではなく神殿にも立ち寄り、供物の間で祈りを捧げる振りをしながら父さまと話をしている(あまり放って置くと拗ねるからね)。わざわざ神殿まで赴くのは、神域の周りに張られている結界の所為で供物の間以外では念話が通じないからだ。先日も父さまと話したばかりだが、祭壇のことは何も言っていなかった。きっとどうでも良いと思っているのだろう。
<< 神官長さんにも、安心する様に伝えて下さい。>>
シロムさんから心底安堵した気持ちが伝わって来る。その日はそこまでで念話を切った。
(シロム視点)
キルクール先生にアーシャ様のお言葉を伝えると、大きくため息をつかれた。先生も心配していたのだろう。
「神は私達をお見捨てにはなりません。こんな当たり前のことを疑って心を乱されていたなんて、まだまだ修行が足りませんね。」
すました顔で口にされるキルクール先生。でも失礼ながらキルクール先生は僕と同じヘタレ仲間なのではないかと思っている。警察庁の部屋で神気を発しているアーシャ様を見た途端、悲鳴を上げて気絶したキルクール先生の姿は印象的だった。そう思うと親近感が湧く。
「それにしてもガニマール帝国の奴等、コロール平原の戦いで敗走するまでは、邪教だとか、邪神だとか散々罵っていたくせに。今更神様に取り入ろうだなんて何て恥知らずなのかしら。」
「それだけ痛い目にあったと言う事では.......」
「自分達が間違っていたと悟ったなら私達に詫びを入れるべきところなのに、こっそりと神様に取り入ろうとするなんてやっぱり許せないわ。」
この点については僕も同感だ。もっともアーシャ様のお話では供物を捧げても神様には無視されているらしい。御子様がこの町に新しい城壁を作って下さったとの話も伝わっているだろうから、今頃は焦っているのではないだろうか。
後から考えると僕のこの予想は当たっていた。だけど焦った結果ガニマール帝国側がどのような行動にでるかなんて僕に分かるはずがなかった。
0
あなたにおすすめの小説
異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました
雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。
気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。
剣も魔法も使えないユウにできるのは、
子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。
……のはずが、なぜか料理や家事といった
日常のことだけが、やたらとうまくいく。
無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。
個性豊かな子供たちに囲まれて、
ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。
やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、
孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。
戦わない、争わない。
ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。
ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、
やさしい異世界孤児院ファンタジー。
【アイテム分解】しかできないと追放された僕、実は物質の概念を書き換える最強スキルホルダーだった
黒崎隼人
ファンタジー
貴族の次男アッシュは、ゴミを素材に戻すだけのハズレスキル【アイテム分解】を授かり、家と国から追放される。しかし、そのスキルの本質は、物質や魔法、果ては世界の理すら書き換える神の力【概念再構築】だった!
辺境で出会った、心優しき元女騎士エルフや、好奇心旺盛な天才獣人少女。過去に傷を持つ彼女たちと共に、アッシュは忘れられた土地を理想の楽園へと創り変えていく。
一方、アッシュを追放した王国は謎の厄災に蝕まれ、滅亡の危機に瀕していた。彼を見捨てた幼馴染の聖女が助けを求めてきた時、アッシュが下す決断とは――。
追放から始まる、爽快な逆転建国ファンタジー、ここに開幕!
安全第一異世界生活
朋
ファンタジー
異世界に転移させられた 麻生 要(幼児になった3人の孫を持つ婆ちゃん)
新たな世界で新たな家族を得て、出会った優しい人・癖の強い人・腹黒と色々な人に気にかけられて婆ちゃん節を炸裂させながら安全重視の異世界冒険生活目指します!!
滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~
スサノワ
ファンタジー
「ここわぁ、地獄かぁ――!?」
悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、気がつきゃ金糸のような髪の小娘に!?
「えっ、ファンタジーかと思ったぁ? 残っ念っ、ハイ坊主ハラペコSFファンタジーでしたぁ――ウケケケッケッ♪」
やかましぃやぁ。
※小説家になろうさんにも投稿しています。投稿時は初稿そのまま。順次整えます。よろしくお願いします。
冷遇王妃はときめかない
あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。
だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。
追放された無能鑑定士、実は世界最強の万物解析スキル持ち。パーティーと国が泣きついてももう遅い。辺境で美少女とスローライフ(?)を送る
夏見ナイ
ファンタジー
貴族の三男に転生したカイトは、【鑑定】スキルしか持てず家からも勇者パーティーからも無能扱いされ、ついには追放されてしまう。全てを失い辺境に流れ着いた彼だが、そこで自身のスキルが万物の情報を読み解く最強スキル【万物解析】だと覚醒する! 隠された才能を見抜いて助けた美少女エルフや獣人と共に、カイトは辺境の村を豊かにし、古代遺跡の謎を解き明かし、強力な魔物を従え、着実に力をつけていく。一方、カイトを切り捨てた元パーティーと王国は凋落の一途を辿り、彼の築いた豊かさに気づくが……もう遅い! 不遇から成り上がる、痛快な逆転劇と辺境スローライフ(?)が今、始まる!
【12月末日公開終了】有能女官の赴任先は辺境伯領
たぬきち25番
恋愛
辺境伯領の当主が他界。代わりに領主になったのは元騎士団の隊長ギルベルト(26)
ずっと騎士団に在籍して領のことなど右も左もわからない。
そのため新しい辺境伯様は帳簿も書類も不備ばかり。しかも辺境伯領は王国の端なので修正も大変。
そこで仕事を終わらせるために、腕っぷしに定評のあるギリギリ貴族の男爵出身の女官ライラ(18)が辺境伯領に出向くことになった。
だがそこでライラを待っていたのは、元騎士とは思えないほどつかみどころのない辺境伯様と、前辺境伯夫妻の忘れ形見の3人のこどもたち(14歳男子、9歳男子、6歳女子)だった。
仕事のわからない辺境伯を助けながら、こどもたちの生活を助けたり、魔物を倒したり!?
そしていつしか、ライラと辺境伯やこどもたちとの関係が変わっていく……
※お待たせしました。
※他サイト様にも掲載中
ゲームの悪役パパに転生したけど、勇者になる息子が親離れしないので完全に詰んでる
街風
ファンタジー
「お前を追放する!」
ゲームの悪役貴族に転生したルドルフは、シナリオ通りに息子のハイネ(後に世界を救う勇者)を追放した。
しかし、前世では子煩悩な父親だったルドルフのこれまでの人生は、ゲームのシナリオに大きく影響を与えていた。旅にでるはずだった勇者は旅に出ず、悪人になる人は善人になっていた。勇者でもないただの中年ルドルフは魔人から世界を救えるのか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる