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44. シロムの恋
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(シロム視点)
アーシャ様から僕がここに呼び出された経緯を聞いた。僕と同じ様に精霊と契約した皇子が、契約した精霊のウィンディーネさんを脅迫して、神と精霊のデュエルというのをさせようとしているらしい。
改めて相手を見る。巨人の様に大きな女性が精霊王様なのは間違いないだろう。確実に2階建ての僕の家より背が高い。
隣にいる赤髪の男性がアキュリス皇子らしい。自信に溢れた顔、背は高く均整の取れた身体をしていて、仕立ての良い服と相まっていかにも女性にモテそうだ。この人は精霊のウィンディーネさんを騙して契約させた上に裏切ったわけだ。チーアルがウィンディーネさんの立場だったらと考えると抑えきれない怒りが沸き起こる。
もう一人の男性は皇子よりさらに背が高く、筋骨たくましい。鎧と剣を身に着け如何にも戦士という体付きだ。ひょっとしてこの人がデュエルの相手だろうか?
最後は水の精霊ウィンディーネさんだ。水色の豊かな髪を腰まで伸ばし、目も水色、肌は透き通る様に白く、まるで液体で出来ている様な不思議な感じのする水色のドレスを着ている。身長は背の高いアキュリス皇子と同じくらい。驚くほど美しい人だが、始終俯いて涙を隠しているのが分かる。
それを見た途端、心が締め付けられる思いがした。何だ? こんな気持ちは初めてだ。自分で自分の気持ちが抑えきれない。この人を助けたいと強く思った。でもどうしたら良いのか分からない。たとえ僕がデュエルで勝ったとしても、ウィンディーネさんと王子の契約はそのままだ。状況は変わらない.....。
でもアキュリス皇子の思惑は阻止したい。ウィンディーネさんはそのために利用された。それに僕だってカルロ教国の国民だ。自分の国がガニマール帝国に攻め滅ぼされるのを黙って居られるわけが無い。2重の怒りに突き動かされアーシャ様に戦うと宣言した。僕には何の力も無いけれど、チーアルは強い。協力してくれるならきっと勝てる。
アーシャ様が聖なる山の神様に僕が承諾したことを伝える。それが精霊王様一行に伝えられると、アキュリス皇子の表情に動揺が走った。いい気味だ。
聖なる山の神と精霊王様の間でデュエルの細かな決め事が話される。場所は僕達が今いる広場、下は石畳となっていて形は正方形で学校の校庭くらいの広さがある。この広場から外の地面に出た場合負けとなる。それ以外は相手が死ぬか戦闘不能に陥れば勝ち。武器は何を使っても良い。僕は武器なんて持ってないが、持っていても大した役に立たないだろうから問題ない。
「ひとつ確認したいのですが、聖なる山の神様およびその関係者は戦士に力を貸せないはずですよね。そこにいる精霊は問題ないのですか?」
アキュリス皇子がチーアルのことで苦情を申し立てるが、これには精霊王様が答えた。
「皇子よ、あの精霊はボルステルスの関係者ではない。どちらかと言えば精霊は神に敵対する側だからな。ルール違反にはならん。」
「そんな....人間と精霊では勝負になりません。こんなことが許されるはずがない。」
「ならば、こんなバカバカしいデュエルは止めることだな。私はそれで構わんぞ。」
「.........いいでしょう。ここまで来たら後には引けませんからね。ゴリアス期待しているぞ。勝てばお前はガニマール全軍の将軍となるだろう。」
「お任せください。必ずや皇子に勝利を!」
鎧を着た逞しい男が王子に答える。やはりこの人が僕の対戦相手の様だ。
アーシャ様から僕がここに呼び出された経緯を聞いた。僕と同じ様に精霊と契約した皇子が、契約した精霊のウィンディーネさんを脅迫して、神と精霊のデュエルというのをさせようとしているらしい。
改めて相手を見る。巨人の様に大きな女性が精霊王様なのは間違いないだろう。確実に2階建ての僕の家より背が高い。
隣にいる赤髪の男性がアキュリス皇子らしい。自信に溢れた顔、背は高く均整の取れた身体をしていて、仕立ての良い服と相まっていかにも女性にモテそうだ。この人は精霊のウィンディーネさんを騙して契約させた上に裏切ったわけだ。チーアルがウィンディーネさんの立場だったらと考えると抑えきれない怒りが沸き起こる。
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それを見た途端、心が締め付けられる思いがした。何だ? こんな気持ちは初めてだ。自分で自分の気持ちが抑えきれない。この人を助けたいと強く思った。でもどうしたら良いのか分からない。たとえ僕がデュエルで勝ったとしても、ウィンディーネさんと王子の契約はそのままだ。状況は変わらない.....。
でもアキュリス皇子の思惑は阻止したい。ウィンディーネさんはそのために利用された。それに僕だってカルロ教国の国民だ。自分の国がガニマール帝国に攻め滅ぼされるのを黙って居られるわけが無い。2重の怒りに突き動かされアーシャ様に戦うと宣言した。僕には何の力も無いけれど、チーアルは強い。協力してくれるならきっと勝てる。
アーシャ様が聖なる山の神様に僕が承諾したことを伝える。それが精霊王様一行に伝えられると、アキュリス皇子の表情に動揺が走った。いい気味だ。
聖なる山の神と精霊王様の間でデュエルの細かな決め事が話される。場所は僕達が今いる広場、下は石畳となっていて形は正方形で学校の校庭くらいの広さがある。この広場から外の地面に出た場合負けとなる。それ以外は相手が死ぬか戦闘不能に陥れば勝ち。武器は何を使っても良い。僕は武器なんて持ってないが、持っていても大した役に立たないだろうから問題ない。
「ひとつ確認したいのですが、聖なる山の神様およびその関係者は戦士に力を貸せないはずですよね。そこにいる精霊は問題ないのですか?」
アキュリス皇子がチーアルのことで苦情を申し立てるが、これには精霊王様が答えた。
「皇子よ、あの精霊はボルステルスの関係者ではない。どちらかと言えば精霊は神に敵対する側だからな。ルール違反にはならん。」
「そんな....人間と精霊では勝負になりません。こんなことが許されるはずがない。」
「ならば、こんなバカバカしいデュエルは止めることだな。私はそれで構わんぞ。」
「.........いいでしょう。ここまで来たら後には引けませんからね。ゴリアス期待しているぞ。勝てばお前はガニマール全軍の将軍となるだろう。」
「お任せください。必ずや皇子に勝利を!」
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