87 / 102
86. ジャニスの調査
しおりを挟む
(シロム視点)
ジャニス皇女に急かされて急いで宮殿に戻ると、ジャニス皇女は自分の館には戻らず宮殿の一角にある建物へ入っていった。入り口には皇都行政部と書かれているから何かの役所なのだろう。
中にはいるとジャニス皇女は真っ直ぐにひとつの受付カウンターに進み出た。カウンターに居た女性がジャニス皇女を認識したのか驚いた顔のまま起立する。
「ジャニスよ、直ぐにここの責任者を呼んで頂戴。これは命令よ、大至急でお願い。」
「か、畏まりました。」
女性がバタバタとカウンターの奥に消えて暫くすると、ジャニス皇女が呼んだ責任者と 思われる男性が部下数名を引き連れて急ぎ足でやって来た。
「ジャニス様、ようこそお越しくださいました。皇都行政部住民課の責任者を仰せつかっておりますポトルと申します。私共に出来る事でしたら何なりとお申し付け下さい。」
「感謝するわ。ポトル....確かポトル・シザーラス男爵だったわね。部屋をひとつ用意して欲しいのと、その部屋に今から言う資料を取り揃えて欲しいの。悪いけど大至急でお願い。」
今更ながらだが10歳の少女とは思えない物言いだ。それにひょっとしたら全貴族の家名を記憶しているのだろうか。確かにこの子が皇帝になったらと期待させる物がある。それに先ほどの受付の女性も、ポトルさんも皇女が突然来庁したことに驚きこそすれ嫌がってはいない様だ。
「はっ、畏まりました。こちらへどうぞ、部屋にご案内いたします。」
周りの注目を浴びてポトルさんの後を歩きながらそんなことを考えていた。部屋に到着しジャニス皇女の求めに応じて山の様な書類が運び込まれると、皇女は一心不乱に書類を繰り始める。手伝おうにも資料には数字が際限なく記録されているのみで、僕には理解不能だ。
僕にはジャニス皇女が調べ終った書類を元の木箱に収めるくらいしかやることがない。手持無沙汰のまま時が過ぎて行く。辛うじて書類のタイトルからジャニス皇女が調べているのが奴隷商人からの報告書であることは分かった。それも5年くらい前からの物で目を通すだけで大変そうだ。
連絡を受けたジーナさんが運び込んでくれた昼食、さらに夕食も挟んでジャニス皇女の調査は進む。そして夜中になって遂にジャニス皇女は資料の調査を終えた。
「シロムさん、直ぐに御子様と連絡を取って。戦略を練り直さないと....。」
「わ、分かりました。」
(アーシャ視点)
シロムさんから緊急連絡が入った。ジャニスの調査で人工レイスが作られていたのは病院だけでは無いことが分かったと言う。奴隷商会や孤児院でも行われていたらしい。しかも病院では病気や怪我で亡くなった人を対象にしていたが、こちらは殺人まで犯している。行方が分からなくなっても問題視されにくに奴隷や孤児を対象に騒ぎにならない程度の人数を殺して魂の力を奪っているわけだ。聞いていて気分が悪くなった。
これを書類上の数字の変化だけから導きだしたジャニスは流石だ。各奴隷商会が提出した奴隷の購入数と販売数それに病気や怪我での死亡数の推移から、特定の商会で商会に滞在している間に死亡する奴隷が急激に増えていること、別の商会では購入数が販売数を常に上回っており、計算上では商会で収容出来る収容数を遥かに超えていることなどからはじき出したらしい。孤児院についても同様だ。
ジャニスの試算によると教祖コトラルがカリトラス大神の元からいなくなった2年前から今までに少なくとも300人、最大で600人の人間がレイスにされて魂の力を奪われているとのことだ。これは人工レイスが作られているのが病院だけと考えていた時に予想した100人程度とはかなりの差がある。
これだけの人間の魂の力を奪ったとなると相手の力を侮ることはできない。迂闊に戦えば周りへの被害は計り知れないだろう。周りに沢山の人がいる街中や宮殿では迂闊に手を出すわけにいかなくなった。
もっとも今のところコトラルの手掛かりはゼロだ。人工レイスを作っているという病院を見張っていたのだが全く動きがないのだ。ひょっとしたらジャニス皇女が聖なる山の神の御子を連れて帰還したと聞いて用心して動きを止めているのかもしれない。まあ....敵に動きがないということは犠牲者も出ていないということでもあるのだが。
それにしてもコトラルはどこに隠れているのだろう。私だけでなくカルミさん達魔族姉妹の千里眼でも見つからない。精霊王様配下の精霊達も総出で探してくれているがそれでも見つからないのだ。私達の動きに気付いて皇都から逃げ出したのだろうか? このまま雲隠れされるのは最悪の事態だ。どこか他の場所で同じことを繰り返すおそれが高い。今は皇都の近くの町や村を順に回ってコトラルを捜索しているところだ。
ちなみにカミルさん達姉妹はレイスを狩っていたことへの罰として父さまの眷属になった。眷属と言えば聞こえは良いが契約に縛られて父さまの命令には逆らえなくなったと言う事だ。父さまの命令は2つ、1つ目は今後レイスを狩らないこと、その代わりレイスの魂に代えて父さまが神気を与えることになっている。2つ目はコトラルの捜査に協力すること。もっともこれはカミルさん達の望みでもある。自分達を騙し巫女長のカニアールさんを殺害したコトラルを放っておくつもりは無いらしい。
コトラルを拘束した後カミルさん達は故郷に戻って良い事になっている。元通りカリトラス大神を名乗って人々に加護を与えることも許された。エリアルさんら巫女達は既に解放され故郷に向かっているはずだ。
今頃シロムさんは何をしているのだろうか? せっかく結婚したと言うのにあれからバタバタして2人切りで過ごしたことはほとんどない。好きな人と一緒になれたら甘い甘い新婚生活が待っていると期待していたから残念だけど、今がその時で無いことは分かる。魔族を放って置くわけにいかないからね。新婚気分に浸るのはこの件が済んでからよと自分に言い聞かせる。
ジャニス皇女に急かされて急いで宮殿に戻ると、ジャニス皇女は自分の館には戻らず宮殿の一角にある建物へ入っていった。入り口には皇都行政部と書かれているから何かの役所なのだろう。
中にはいるとジャニス皇女は真っ直ぐにひとつの受付カウンターに進み出た。カウンターに居た女性がジャニス皇女を認識したのか驚いた顔のまま起立する。
「ジャニスよ、直ぐにここの責任者を呼んで頂戴。これは命令よ、大至急でお願い。」
「か、畏まりました。」
女性がバタバタとカウンターの奥に消えて暫くすると、ジャニス皇女が呼んだ責任者と 思われる男性が部下数名を引き連れて急ぎ足でやって来た。
「ジャニス様、ようこそお越しくださいました。皇都行政部住民課の責任者を仰せつかっておりますポトルと申します。私共に出来る事でしたら何なりとお申し付け下さい。」
「感謝するわ。ポトル....確かポトル・シザーラス男爵だったわね。部屋をひとつ用意して欲しいのと、その部屋に今から言う資料を取り揃えて欲しいの。悪いけど大至急でお願い。」
今更ながらだが10歳の少女とは思えない物言いだ。それにひょっとしたら全貴族の家名を記憶しているのだろうか。確かにこの子が皇帝になったらと期待させる物がある。それに先ほどの受付の女性も、ポトルさんも皇女が突然来庁したことに驚きこそすれ嫌がってはいない様だ。
「はっ、畏まりました。こちらへどうぞ、部屋にご案内いたします。」
周りの注目を浴びてポトルさんの後を歩きながらそんなことを考えていた。部屋に到着しジャニス皇女の求めに応じて山の様な書類が運び込まれると、皇女は一心不乱に書類を繰り始める。手伝おうにも資料には数字が際限なく記録されているのみで、僕には理解不能だ。
僕にはジャニス皇女が調べ終った書類を元の木箱に収めるくらいしかやることがない。手持無沙汰のまま時が過ぎて行く。辛うじて書類のタイトルからジャニス皇女が調べているのが奴隷商人からの報告書であることは分かった。それも5年くらい前からの物で目を通すだけで大変そうだ。
連絡を受けたジーナさんが運び込んでくれた昼食、さらに夕食も挟んでジャニス皇女の調査は進む。そして夜中になって遂にジャニス皇女は資料の調査を終えた。
「シロムさん、直ぐに御子様と連絡を取って。戦略を練り直さないと....。」
「わ、分かりました。」
(アーシャ視点)
シロムさんから緊急連絡が入った。ジャニスの調査で人工レイスが作られていたのは病院だけでは無いことが分かったと言う。奴隷商会や孤児院でも行われていたらしい。しかも病院では病気や怪我で亡くなった人を対象にしていたが、こちらは殺人まで犯している。行方が分からなくなっても問題視されにくに奴隷や孤児を対象に騒ぎにならない程度の人数を殺して魂の力を奪っているわけだ。聞いていて気分が悪くなった。
これを書類上の数字の変化だけから導きだしたジャニスは流石だ。各奴隷商会が提出した奴隷の購入数と販売数それに病気や怪我での死亡数の推移から、特定の商会で商会に滞在している間に死亡する奴隷が急激に増えていること、別の商会では購入数が販売数を常に上回っており、計算上では商会で収容出来る収容数を遥かに超えていることなどからはじき出したらしい。孤児院についても同様だ。
ジャニスの試算によると教祖コトラルがカリトラス大神の元からいなくなった2年前から今までに少なくとも300人、最大で600人の人間がレイスにされて魂の力を奪われているとのことだ。これは人工レイスが作られているのが病院だけと考えていた時に予想した100人程度とはかなりの差がある。
これだけの人間の魂の力を奪ったとなると相手の力を侮ることはできない。迂闊に戦えば周りへの被害は計り知れないだろう。周りに沢山の人がいる街中や宮殿では迂闊に手を出すわけにいかなくなった。
もっとも今のところコトラルの手掛かりはゼロだ。人工レイスを作っているという病院を見張っていたのだが全く動きがないのだ。ひょっとしたらジャニス皇女が聖なる山の神の御子を連れて帰還したと聞いて用心して動きを止めているのかもしれない。まあ....敵に動きがないということは犠牲者も出ていないということでもあるのだが。
それにしてもコトラルはどこに隠れているのだろう。私だけでなくカルミさん達魔族姉妹の千里眼でも見つからない。精霊王様配下の精霊達も総出で探してくれているがそれでも見つからないのだ。私達の動きに気付いて皇都から逃げ出したのだろうか? このまま雲隠れされるのは最悪の事態だ。どこか他の場所で同じことを繰り返すおそれが高い。今は皇都の近くの町や村を順に回ってコトラルを捜索しているところだ。
ちなみにカミルさん達姉妹はレイスを狩っていたことへの罰として父さまの眷属になった。眷属と言えば聞こえは良いが契約に縛られて父さまの命令には逆らえなくなったと言う事だ。父さまの命令は2つ、1つ目は今後レイスを狩らないこと、その代わりレイスの魂に代えて父さまが神気を与えることになっている。2つ目はコトラルの捜査に協力すること。もっともこれはカミルさん達の望みでもある。自分達を騙し巫女長のカニアールさんを殺害したコトラルを放っておくつもりは無いらしい。
コトラルを拘束した後カミルさん達は故郷に戻って良い事になっている。元通りカリトラス大神を名乗って人々に加護を与えることも許された。エリアルさんら巫女達は既に解放され故郷に向かっているはずだ。
今頃シロムさんは何をしているのだろうか? せっかく結婚したと言うのにあれからバタバタして2人切りで過ごしたことはほとんどない。好きな人と一緒になれたら甘い甘い新婚生活が待っていると期待していたから残念だけど、今がその時で無いことは分かる。魔族を放って置くわけにいかないからね。新婚気分に浸るのはこの件が済んでからよと自分に言い聞かせる。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
没落港の整備士男爵 ~「構造解析」スキルで古代設備を修理(レストア)したら、大陸一の物流拠点になり、王家も公爵家も頭が上がらなくなった件~
namisan
ファンタジー
大陸の南西端に位置するベルナ子爵領。
かつては貿易で栄えたこの港町も、今は見る影もない。
海底には土砂が堆積して大型船は入港できず、倉庫街は老朽化し、特産品もない。借金まみれの父と、諦めきった家臣たち。そこにあるのは、緩やかな「死」だけだった。
そんな没落寸前の領地の嫡男、アレン(16歳)に転生した主人公には、前世の記憶があった。
それは、日本で港湾管理者兼エンジニアとして働き、現場で散った「整備士」としての知識。
そして、彼にはもう一つ、この世界で目覚めた特異な能力があった。
対象の構造や欠陥、魔力の流れが設計図のように視えるスキル――【構造解析】。
「壊れているなら、直せばいい。詰まっているなら、通せばいい」
アレンは錆びついた古代の「浚渫(しゅんせつ)ゴーレム」を修理して港を深く掘り直し、魔導冷却庫を「熱交換の最適化」で復活させて、腐るだけだった魚を「最高級の輸出品」へと変えていく。
ドケチな家令ガルシアと予算を巡って戦い、荒くれ者の港湾長ゲンと共に泥にまみれ、没落商会の女主人メリッサと手を組んで販路を開拓する。
やがてその港には、陸・海・空の物流革命が巻き起こる。
揺れない「サスペンション馬車」が貴族の移動を変え、「鮮度抜群の魚介グルメ」が王族の胃袋を掴み、気性の荒いワイバーンを手懐けた「空輸便」が世界を結ぶ。
看病しに行ったら、当主の“眠り”になってしまった
星乃和花
恋愛
⭐︎完結済ー全36話⭐︎
倒れた当主を看病する役目を振られた使用人リィナは、彼の部屋へ通うことになる。
栄養、灯り、静かな時間、話し相手――“眠れる夜”を整えていく。そして、回復していく当主アレクシス。けれど彼は、ある夜そっと手を握り返し、低い声で囁く。
「責任、取って?」
噂が燃える屋敷で、ふたりが守るのは“枠(ルール)”。
手だけ、時間だけ、理由にしない――鍵はリィナが握ったまま。
けれど、守ろうとするほど情は育ち、合図の灯りはいつしか「帰る」ではなく「眠る」へ変わっていく。
看病から始まった優しい夜は、静かな執着に捕まっていく。
それでも、捕獲の鍵は彼ではなく――彼女の手にある。
幽閉王女と指輪の精霊~嫁いだら幽閉された!餓死する前に脱出したい!~
二階堂吉乃
恋愛
同盟国へ嫁いだヴァイオレット姫。夫である王太子は初夜に現れなかった。たった1人幽閉される姫。やがて貧しい食事すら届かなくなる。長い幽閉の末、死にかけた彼女を救ったのは、家宝の指輪だった。
1年後。同盟国を訪れたヴァイオレットの従兄が彼女を発見する。忘れられた牢獄には姫のミイラがあった。激怒した従兄は同盟を破棄してしまう。
一方、下町に代書業で身を立てる美少女がいた。ヴィーと名を偽ったヴァイオレットは指輪の精霊と助けあいながら暮らしていた。そこへ元夫?である王太子が視察に来る。彼は下町を案内してくれたヴィーに恋をしてしまう…。
宿敵の家の当主を妻に貰いました~妻は可憐で儚くて優しくて賢くて可愛くて最高です~
紗沙
恋愛
剣の名家にして、国の南側を支配する大貴族フォルス家。
そこの三男として生まれたノヴァは一族のみが扱える秘技が全く使えない、出来損ないというレッテルを貼られ、辛い子供時代を過ごした。
大人になったノヴァは小さな領地を与えられるものの、仕事も家族からの期待も、周りからの期待も0に等しい。
しかし、そんなノヴァに舞い込んだ一件の縁談話。相手は国の北側を支配する大貴族。
フォルス家とは長年の確執があり、今は栄華を極めているアークゲート家だった。
しかも縁談の相手は、まさかのアークゲート家当主・シアで・・・。
「あのときからずっと……お慕いしています」
かくして、何も持たないフォルス家の三男坊は性格良し、容姿良し、というか全てが良しの妻を迎え入れることになる。
ノヴァの運命を変える、全てを与えてこようとする妻を。
「人はアークゲート家の当主を恐ろしいとか、血も涙もないとか、冷酷とか散々に言うけど、
シアは可愛いし、優しいし、賢いし、完璧だよ」
あまり深く考えないノヴァと、彼にしか自分の素を見せないシア、二人の結婚生活が始まる。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
『悪役令嬢』は始めません!
月親
恋愛
侯爵令嬢アデリシアは、日本から異世界転生を果たして十八年目になる。そんな折、ここ数年ほど抱いてきた自身への『悪役令嬢疑惑』が遂に確信に変わる出来事と遭遇した。
突き付けられた婚約破棄、別の女性と愛を語る元婚約者……前世で見かけたベタ過ぎる展開。それを前にアデリシアは、「これは悪役令嬢な自分が逆ざまぁする方の物語では」と判断。
と、そこでアデリシアはハッとする。今なら自分はフリー。よって、今まで想いを秘めてきた片想いの相手に告白できると。
アデリシアが想いを寄せているレンは平民だった。それも二十も年上で子持ちの元既婚者という、これから始まると思われる『悪役令嬢物語』の男主人公にはおよそ当て嵌まらないだろう人。だからレンに告白したアデリシアに在ったのは、ただ彼に気持ちを伝えたいという思いだけだった。
ところがレンから来た返事は、「今日から一ヶ月、僕と秘密の恋人になろう」というものだった。
そこでアデリシアは何故『一ヶ月』なのかに思い至る。アデリシアが暮らすローク王国は、婚約破棄をした者は一ヶ月、新たな婚約を結べない。それを逆手に取れば、確かにその間だけであるならレンと恋人になることが可能だと。
アデリシアはレンの提案に飛び付いた。
そして、こうなってしまったからには悪役令嬢の物語は始めないようにすると誓った。だってレンは男主人公ではないのだから。
そんなわけで、自分一人で立派にざまぁしてみせると決意したアデリシアだったのだが――
※この作品は、『小説家になろう』様でも公開しています。
王子様とずっと一緒にいる方法
秋月真鳥
恋愛
五歳のわたくし、フィーネは姉と共に王宮へ。
そこで出会ったのは、襲われていた六歳の王太子殿下。
「フィーネ・エルネスト、助太刀します! お覚悟ー!」
身長を超える大剣で暗殺者を一掃したら、王子様の学友になっちゃった!
「フィーネ嬢、わたしと過ごしませんか?」
「王子様と一緒にいられるの!?」
毎日お茶して、一緒にお勉強して。
姉の恋の応援もして。
王子様は優しくて賢くて、まるで絵本の王子様みたい。
でも、王子様はいつか誰かと結婚してしまう。
そうしたら、わたくしは王子様のそばにいられなくなっちゃうの……?
「ずっとわたしと一緒にいる方法があると言ったら、フィーネ嬢はどうしますか?」
え? ずっと一緒にいられる方法があるの!?
――これは、五歳で出会った二人が、時間をかけて育む初恋の物語。
彼女はまだ「恋」を知らない。けれど、彼はもう決めている――。
※貧乏子爵家の天真爛漫少女×策略王子の、ほのぼのラブコメです。
※ノベルアップ+、小説家になろうでも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる