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57. ラナさんのお母さん救出策戦 - 6
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こんな感じでひとり目の奴隷の競りが終わった。落札した黒服の男性はオークション会場の隅にあるカウンターに向かう。カウンターでは奴隷商人の部下と思われる中年の女性が書類を用意して待っている様だ。おそらく落札した奴隷の所有権を移すための書類だろう。その間にステージではふたり目の奴隷の競りが始まっていた。ふたり目は獣人族の女性で年齢は20歳。中々の美人だ。女性奴隷は金貨30枚で落札された。やはり若くて美人だと高額になるのだろう。
「昔はオークションに出品される奴隷は、男も女も裸でステージに立たされたと聞いています。着衣のままで良くなったのはトスカ様のお蔭です。」
とラナさんが言う。昔は奴隷を商品としてしか見ていなかったから、商品の内容が良く見える様に裸で立たせたということか? トスカさんのお蔭で奴隷の人権を尊重する様になって変わって来たと言うことだろう。トスカさん、若くて美人の女性にばかり情熱を燃やしている嫌な奴と思っていたけれど、実は尊敬出来るだけの功績を上げているのかもしれない。そういえば相変わらずトスカさんと連絡が取れないが、大丈夫だろうか? ドリアさんのことが片付いたら探しに行ってみよう。
そんなことを考えている間にも、奴隷オークションは進んでゆき、3人目の奴隷は金貨10枚、4人目は金貨5枚で落札された。そして次の5人目はドリアさんだ。ドリアさんはステージに立つと不安そうに辺りを見回したが、入札者の中にドレークさんを見つけたからか、一瞬笑顔になった。
「さて、5人目の奴隷ですが、人間族の女性、35歳、いままで農園での仕事に従事していました。読み書きや計算はできませんが、御覧の通りなかなかの美人です。最低入札額は金貨1枚から。さあ、いかがでしょうか。」
と奴隷商人がアナウンスすると、さっそく「金貨1枚」と入札が入った。その後、金貨1枚と銀貨50枚、金貨2枚と言うように徐々に金額が上がっていく。ドレークさんは入札しないのかと見てみると、ドリアさんではなく、入札者の席の最前列にいる派手な服をきた大柄の男を睨んでいるだけで入札する気は無いようだ。てっきりドリアさんを競り落としに来たと思っていたのだが...。ラナさんにあの派手な衣装の男を知っているか尋ねると、相手を見た途端嫌な顔をする。
「あいつは、隣の農園主です。奴隷をこき使うことでこの辺では有名な奴です。あいつの農園では、毎年何人もの奴隷が亡くなっているという噂です...。」
なるほど、ドレークさんはドリアさんがあの男に買われないか心配しているのかもしれない。案の定、さっきからドレークさんが睨んでいる派手な衣装の男が入札すると、すかさずドレークさんも被せる様に入札した。相手より金貨1枚高い金額でだ。現在の競り値は金貨5枚だ。その後は派手な衣装の男とドレークさんが競い合うように入札を繰り返す。入札額が金貨6枚、7枚、8枚と次々に上がる。相手も意地になっている様だ、ドレークさんを睨みながら入札を繰り返している。だが、相手の入札額が金貨11枚になったところで、ドレークさんの手が上がらなくなった。悔しそうに肩を震わせている。これは資金が尽きたということか? さすがにこれ以上の金額での入札は無いと見たのか、奴隷商の男が木槌を振り上げる、まずい! と思った私はこっそりと重力魔法を使った。途端に奴隷商の男の手から木槌が飛び出し数メートル離れた地面に転がる。奴隷商は驚いた様だが、木槌を拾うためにゆっくりと椅子から立ち上がった。今の内だ、私は小さな身体を利用してオークションの見物人の間を掻い潜る。そしてドレークさんの傍まで走り寄り、金貨の入った袋をドレークさんの前に差し出した。
「金貨が99枚入っています。使って下さい。」
ドレークさんは突然のことで、直ぐには反応出来ない。
「な、お前はラナと一緒にいた...。」
「そんなことより早く! ドリアさんが落札されてしまいますよ。」
振り返ると、木槌を拾った奴隷商が椅子に座り直し、木槌を振り上げる所だった。それを見たドレークさんの目から迷いが消えた。
「金貨12枚!」
とドレークさんが叫ぶ。奴隷商の男は驚いた様だが、金額が上がるのは大歓迎の様だ。だが派手な衣装の男も対抗して更に値を吊り上げ。結局ドリアさんは金貨20枚で落札となった。落札したのはもちろんドレークさんだ。
「ありがとうよ。金は一生かかっても返す。」
「大丈夫です。そのお金は差し上げますので、ドリアさんをよろしくお願いします。」
「いや、そんな訳にはいかん。」
と押し問答に成りかけたところに、カウンターに座った奴隷商人の部下からドレークさんにお呼びが掛かった。ドリアさんの所有権を移す手続きだろう。
「済まないが、少し待っていてくれ。」
とドレークさんは言ってカウンターに向かった。その時漸くラナさんが見物人の間を潜り抜けここまでたどり着いた。
「イル様、ありがとうございます。隣の農園主はコントラと言います。あいつに母さんが買われたらと思うと心配で溜まりませんでした。」
「まあ、その時はドリアさんを攫って、無理やりにでも草原に連れて行ったけどね。」
と私が言うと、ラナさんも「そうですね」といって微笑んだ。その時、念話が届いた。トスカさんからだ!
<< イル! 手伝ってくれ! トシマル山脈の麓から魔物があふれ出た。>>
「昔はオークションに出品される奴隷は、男も女も裸でステージに立たされたと聞いています。着衣のままで良くなったのはトスカ様のお蔭です。」
とラナさんが言う。昔は奴隷を商品としてしか見ていなかったから、商品の内容が良く見える様に裸で立たせたということか? トスカさんのお蔭で奴隷の人権を尊重する様になって変わって来たと言うことだろう。トスカさん、若くて美人の女性にばかり情熱を燃やしている嫌な奴と思っていたけれど、実は尊敬出来るだけの功績を上げているのかもしれない。そういえば相変わらずトスカさんと連絡が取れないが、大丈夫だろうか? ドリアさんのことが片付いたら探しに行ってみよう。
そんなことを考えている間にも、奴隷オークションは進んでゆき、3人目の奴隷は金貨10枚、4人目は金貨5枚で落札された。そして次の5人目はドリアさんだ。ドリアさんはステージに立つと不安そうに辺りを見回したが、入札者の中にドレークさんを見つけたからか、一瞬笑顔になった。
「さて、5人目の奴隷ですが、人間族の女性、35歳、いままで農園での仕事に従事していました。読み書きや計算はできませんが、御覧の通りなかなかの美人です。最低入札額は金貨1枚から。さあ、いかがでしょうか。」
と奴隷商人がアナウンスすると、さっそく「金貨1枚」と入札が入った。その後、金貨1枚と銀貨50枚、金貨2枚と言うように徐々に金額が上がっていく。ドレークさんは入札しないのかと見てみると、ドリアさんではなく、入札者の席の最前列にいる派手な服をきた大柄の男を睨んでいるだけで入札する気は無いようだ。てっきりドリアさんを競り落としに来たと思っていたのだが...。ラナさんにあの派手な衣装の男を知っているか尋ねると、相手を見た途端嫌な顔をする。
「あいつは、隣の農園主です。奴隷をこき使うことでこの辺では有名な奴です。あいつの農園では、毎年何人もの奴隷が亡くなっているという噂です...。」
なるほど、ドレークさんはドリアさんがあの男に買われないか心配しているのかもしれない。案の定、さっきからドレークさんが睨んでいる派手な衣装の男が入札すると、すかさずドレークさんも被せる様に入札した。相手より金貨1枚高い金額でだ。現在の競り値は金貨5枚だ。その後は派手な衣装の男とドレークさんが競い合うように入札を繰り返す。入札額が金貨6枚、7枚、8枚と次々に上がる。相手も意地になっている様だ、ドレークさんを睨みながら入札を繰り返している。だが、相手の入札額が金貨11枚になったところで、ドレークさんの手が上がらなくなった。悔しそうに肩を震わせている。これは資金が尽きたということか? さすがにこれ以上の金額での入札は無いと見たのか、奴隷商の男が木槌を振り上げる、まずい! と思った私はこっそりと重力魔法を使った。途端に奴隷商の男の手から木槌が飛び出し数メートル離れた地面に転がる。奴隷商は驚いた様だが、木槌を拾うためにゆっくりと椅子から立ち上がった。今の内だ、私は小さな身体を利用してオークションの見物人の間を掻い潜る。そしてドレークさんの傍まで走り寄り、金貨の入った袋をドレークさんの前に差し出した。
「金貨が99枚入っています。使って下さい。」
ドレークさんは突然のことで、直ぐには反応出来ない。
「な、お前はラナと一緒にいた...。」
「そんなことより早く! ドリアさんが落札されてしまいますよ。」
振り返ると、木槌を拾った奴隷商が椅子に座り直し、木槌を振り上げる所だった。それを見たドレークさんの目から迷いが消えた。
「金貨12枚!」
とドレークさんが叫ぶ。奴隷商の男は驚いた様だが、金額が上がるのは大歓迎の様だ。だが派手な衣装の男も対抗して更に値を吊り上げ。結局ドリアさんは金貨20枚で落札となった。落札したのはもちろんドレークさんだ。
「ありがとうよ。金は一生かかっても返す。」
「大丈夫です。そのお金は差し上げますので、ドリアさんをよろしくお願いします。」
「いや、そんな訳にはいかん。」
と押し問答に成りかけたところに、カウンターに座った奴隷商人の部下からドレークさんにお呼びが掛かった。ドリアさんの所有権を移す手続きだろう。
「済まないが、少し待っていてくれ。」
とドレークさんは言ってカウンターに向かった。その時漸くラナさんが見物人の間を潜り抜けここまでたどり着いた。
「イル様、ありがとうございます。隣の農園主はコントラと言います。あいつに母さんが買われたらと思うと心配で溜まりませんでした。」
「まあ、その時はドリアさんを攫って、無理やりにでも草原に連れて行ったけどね。」
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