転生99回目のエルフと転生1回目の少女は、のんびり暮らしたい!

DAI

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第9話

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ここはウエス国の森の中。

「俺についてきてください。」
ゴブリンのゴブローの先導で、フィーネたちは、ゴブリン村に向かっていた。
「何で、こんなことになったのかしら……?」
フィーネはブツブツ言いながらも歩いている。
「冒険♪冒険♪」
リリィとモックは、初めての冒険に心を躍らせている。
「ドリアードとの交渉は、ぼくに任せてくれ。」
イブは、少し宙に浮いた状態で飛んでいる。
森の中をしばらく行くと、視界が少し開けた場所に出た。
かやぶき屋根の家が何件も立ち並び、畑が広がっている。
「ここがゴブリン村だ。」
ゴブローが自慢げに言った。
「うわー!凄い!」
リリィは、見るものすべてに興味津々だ。
「まずは、村長の話を聞いてほしい。」
ゴブローはフィーネたちを村長の家に案内した。

ひと際大きな家の前にゴブローは止まった。
「村長。ゴブローです。客人を案内してきました。」
「ご苦労、入りなさい。」
村長に促されて、ゴブローを先頭に中に入る。
木の柱とかやぶきで出来た家は、意外と広く、家族で住むにも十分なくらいだ。土の上には、藁が敷いてある。
その奥に老齢のゴブリンが座っていた。あれが村長だ。
「エルフ殿、よくぞ来られました。ありがとうございます。わしがゴブリン村の村長です。」
「お力になれるかわかりませんが、できる限りの努力はします。」
村長がことの経緯を話し始めた。


ーーーーひと月ほど前のこと、突然、ドリアードの長がやってきた。ゴブリン村の村長が、代表して話を聞くことになった。ドリアードが言うには、子供の一人が数日前から行方不明になっている。捜索をしている時に、ゴブリンの服の切れ端を見つけた。子供はゴブリンにさらわれたに違いないという。ゴブリン村の村長は、否定したが、ドリアードは聞く耳を持たない。一か月後までに子供を返さなければ、村を潰すと言って、帰ってしまった。そして、今夜が、その1か月後だという。ーーーー




「わしらは、ドリアードの子供など知らん。誤解じゃ。」
「まずは、ドリアードの子供を探さないといけないわね。」
フィーネがつぶやく。
「イブの力で探せないの?」
リリィが聞くと、
「やってみよう。モックと同じような気配を探すことが出来れば……」
そういうと、イブはモックを連れて出て行った。
「あまり時間が無いわね。もし、子供が見つからなかった時は、私がドリアードと話をするわ。」
フィーネが村長にいうと、
「それは、助かります。」
村長は、ほっとして言った。


フィーネが村長の家を出ると、イブが精神を集中して、ドリアードの子供の気配を探していた。
体全体が青白く光り、光の粒が体の周りを回っている。森の木々が青く照らされる。イブは、目を閉じ、両掌を合わせている。
イブが目を開いた。
「わかったぞ!ドリアードの子供は、この近くの遺跡にいる。」
「遺跡?ゴブロー、場所はわかる?」
フィーネが聞くと、
「すぐ近くだ、案内しよう。」
ゴブローが答える。




フィーネたちは、すぐに遺跡に向かった。


森の中をしばらく進むと、石で作られた廃墟が現れた。
壁だけが残っているよういな状態で、全体に木の蔦が這っている。
「これは……昔の町の跡かしら?」
フィーネがつぶやく。
「すごーい!遺跡だ!」
リリィは目を輝かせている。
「モック、何か感じないか?」
イブがモックに聞くと、
「なんだか、仲間の匂いがするキー。」
モックがこたえた。
「ここで間違いなさそうね。手分けして探しましょう。」

フィーネたちは手分けをして遺跡の中を探し始めた。

遺跡は、あちこちが崩れて、入り組んでいる。
まるで迷路のようだ。
「何か嫌な気配がするわね。」
フィーネは敏感に邪悪な気配を感じ取っていた。

ゴブローは、一人で遺跡の奥まで来ていた。
すると、何かネバネバしたものに引っかかった。
「何だ?これは?」
背後から、巨大な爪が迫る。歴戦の戦士であるゴブローだが、ネバネバに気を取られて気づいていない。

「うわーっ!」

ゴブローの反射神経をもってしても避け切れず、ワサワサと蠢く見えない何かに捉えられ、遺跡の中に引きずり込まれた。




そのころ、
イブとモックは、遺跡の中心部にいた。
「今、叫び声が聞こえなかったかキー?」
「うん、ぼくも聞いた。何か嫌な予感がする。」
2人は慎重に先に進んだ。
「何だ?これは?」
山のように何かが積まれている。赤黒いそれは……
「これは、たくさんの骨だキー!!」
「骨?こんなにたくさんの魔物を食べた奴がいるのか?」
イブとモックがその骨に近づくと、ネバネバしたものが体に触れた。
「何だ?これは。」
イブがそう言った瞬間。ズルズルッと何かが動き、イブとモックの体は、すごい力で奥へと引き込まれた。

「うわー!」
「キキーッ!!」

2人は、あっという間に遺跡の奥に消えていった。




そのころ、
フィーネとリリアは、遺跡で一休みしていた。
「何か、叫び声が聞こえなかった?」
フィーネが言うと、リリィがうなずく。
「先を急ぎましょう。」
2人は、遺跡を奥へと進んだ。
すると、広くなっている場所に出た。
何か、白い糸のような膜のようなものが上からぶら下がっている。
「ここは、何かしら?」
フィーネが言うと、奥の方に何かが動いた。
あれは、無数の足だ。それは、次第にはっきりと姿を現す。
「大きなクモ!?」
リリィが叫ぶ。
人間を丸ごと呑み込みそうなほどの巨大な蜘蛛だ。
無数の足が地面を叩くたびに振動がビリビリと伝わって来る。
真っ赤な複眼が一斉に視線をこちらに向け、ジロリと見据えた。

そして、よく見ると、そのクモの横には繭のような白い球が3つある。
「助けて!」
繭の中から声が聞こえた。その声は、イブだ。
「キキー!!」「助けてくれ!」
モックとゴブローも捕まっている。

「ねえ、みんな捕まってるみたい。どうしよう?」
リリィが怯えた顔で言う。
巨大なクモは、口の周りの触手を動かしながら、こちらの様子を伺っている。

「ああもう、面倒くさいなあ。虫は苦手なのよ。」
フィーネは巨大なクモを見て、ため息をついた。




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