黒い影

レンちんブロッコリー

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黒い影

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《第一章 黒い握手》

北九州の冬は、風がやけに塩っぽい。
海から吹き上げる潮気が、街のビルのガラスを曇らせ、人々の頬を冷たく叩いていく。

尾崎直也、四十一歳。
十四年間勤め上げた広告代理店を辞め、夢だった「地域創生ビジネスの会社」を立ち上げた。
名前は「LOCAL BRIDGE(ローカルブリッジ)」。
地域の中小企業をブランディングし、地場の魅力を発信する――そう掲げたスローガンは、かつて東京のオフィスで眠れぬ夜を過ごしながら温め続けてきた理想そのものだった。

共同創業者は原田明夫。
起業にあたり学生時代の先輩が紹介してくれた。北九州での顔が広く縁繋ぎの神さまのような存在だという。歳は尾崎より二つ下だが、派手なスーツを好み、どんな話にも「兄貴分」を気取る男だった。
尾崎は当初、原田の営業力と資金力を頼もしく思っていた。
だが、半年も経たないうちに、その握手の奥に潜む「ぬめり」を感じ始める。

「おい尾崎、今月も“協力金”よろしくな。俺の方で少し動いてっからよ」

協力金。
それは会社の口座から、毎月十万、二十万と出ていく“使途不明金”のことだ。
帳簿上は「外注費」として処理されているが、実際には原田が何に使っているのか、誰も知らない。
「役員報酬以上に取るなんてあり得ない」と詰め寄ると、原田は煙草をくわえたまま、笑いながら言った。

「お前さぁ、“きれいごと”で飯が食えると思ってんの?」

その言葉が、尾崎の胸に刺さって抜けなかった。
夜、自宅マンションに帰ると、隣の部屋から妙にタイミングの合った物音がする。
洗濯機、ドライヤー、シャワーの水音。
すべて、自分の行動と一致していた。

ある夜、ゴミ捨て場で隣人の女性と顔を合わせた。
三十代半ば、笑顔の奥に妙な緊張がある。
「この街って、意外と人の出入りが多いですよね」と話しかけると、
彼女は小さく笑い、「ええ、原田さんに誘われて…このマンションに」と答えた。

その名を聞いた瞬間、心臓が冷たく跳ねた。

――監視されている。

そう気づいた瞬間から、尾崎の日常は静かに崩れていった。
電話をかければノイズが走り、常に外で誰かに見張られているような気配がする。
仕事の打ち合わせにも原田の知り合いが現れ、尾崎の発言ひとつひとつを値踏みするように聞いていた。

そして、ある夜。
古い顧客の社長が、飲み屋の隅でぽつりと言った。

「尾崎くん……ここだけの話だが、あの原田って、ヤクザのフロントだぞ。知らなかったのか?」

グラスの中で氷が静かに砕ける音が、やけに遠く聞こえた。
その瞬間、尾崎の理想――地域を元気にしたい、という純粋な夢が、暗い闇に呑み込まれていった。




《第二章 声の届かない場所で》

朝の光は、カーテン越しにやけに白く見えた。
昨夜ほとんど眠れなかった尾崎は、コーヒーを淹れながら、机の上に散らばった請求書をじっと見つめていた。
その中には「原田明夫」の名で書かれた領収書がいくつも混じっている。
名目は「営業活動費」や「紹介手数料」。だが実際、何の成果もなかった。

「このままじゃ、会社が潰れる」

そう思っても、原田を排除する術がない。
出資金は折半、名義も共同代表。尾崎の理想を掲げた“LOCAL BRIDGE”の看板は、彼一人のものではなかった。

スマートフォンの着信が鳴る。
ディスプレイに映るのは「原田明夫」。
指が止まった。鳴り続ける電子音が、心臓の鼓動と重なる。
――出なければ、何をされるか分からない。
けれど、出ればまた、何かを奪われる。

五回目の着信音が消えると、部屋の中は静寂に包まれた。
コーヒーの香りだけが、冷たい空気に漂っていた。



昼過ぎ、会社に出ると、デザイナーの由香が声をかけてきた。
「尾崎さん、顔色悪いですよ。ちゃんと寝てます?」
「大丈夫だよ。ちょっと考え事してただけ」
尾崎は笑ってみせたが、その笑顔は自分でも嘘だとわかっていた。

由香は、地方出身の若手デザイナーだ。
仕事に誠実で、どこか素朴な明るさを持っている。
彼女の存在だけが、この会社で尾崎の良心をつなぎ止めていた。

「……尾崎さんがやろうとしてること、私は好きですよ」
「え?」
「都会に夢を吸い取られていく地方を、ちゃんと“光らせよう”としてる。それ、簡単にできることじゃないです」

一瞬、尾崎の胸に暖かい何かが流れた。
この言葉を、ずっと誰かに言ってほしかった。
ただ、現実はあまりにも遠く、泥臭い。

「ありがとう、由香さん。……でも、俺はまだ何もできてないよ」
「そんなことないです。ちゃんと見てる人はいますから」

その言葉が、尾崎の心の奥に小さな灯をともした。
けれどその灯は、会社のドアが勢いよく開かれた瞬間に、吹き消された。

「おう、尾崎! いたか!」

原田が、サングラスをかけたまま入ってきた。
周囲の空気が一瞬で固まる。
「お前、昨日の金、どうなってんだ? まだ振り込んでねぇだろ?」
「今月は厳しい。支払いを整理してから――」
「はぁ? なに偉そうなこと言ってんだよ、誰の金でこの会社が回ってんだ?」

怒鳴り声。沈黙。
由香が怯えたように尾崎を見た。
尾崎は深呼吸し、できる限り穏やかな声で言った。

「……俺たちは、“地域をよくする”ために始めた会社だ。金の奪い合いじゃない」
「はっ。理想論だな。お前、まだ夢見てんのか?」

その言葉に、尾崎は何も返せなかった。
返せるだけの言葉を、すでに失っていた。



夜。
オフィスを出て歩く帰り道、海風が強く吹いていた。
波音が遠くで響く。
街灯の下を歩くたびに、自分の影が伸びて縮む。

かつて、東京で過労で倒れかけた夜、ふと見上げたビルの隙間の星を思い出した。
――もう一度、自分の手で、まっとうな光を灯したい。
そう誓って北九州に来たはずだった。

それなのに、今の自分は誰のために働いているのだろう。

部屋に帰ると、隣のベランダで何かが光った。
スマートフォンのカメラの反射のような、微かな光。
尾崎はそのままカーテンを閉め、深く息を吐いた。

胸の奥で、誰にも届かない小さな声が、確かに叫んでいた。

――俺は、まだ終わっていない。




《第三章 心の破壊》

朝、目が覚めたとき、天井が少し傾いて見えた。
いや、傾いているのは天井ではなく、自分のほうだ。
布団の中で体を起こすと、どこか遠くから、微かにサイレンの音が聞こえた。
それが現実の音なのか、頭の中の残響なのか、もうわからない。

コーヒーを淹れる手が震えて、カップの縁から黒い液がこぼれる。
カーテンを開けると、曇天の空。
まるで昨日の続きのような灰色。
時間だけが進んでいくのに、尾崎の心は昨日のまま、何も変わっていなかった。



会社に行くと、デスクの上に一枚の封筒が置かれていた。
差出人の名前はない。
開けると、中には印字された一文だけが入っていた。

「裏切り者には、相応の報いがある。」

それを見た瞬間、背中を氷で撫でられたような感覚に襲われた。
目の前の風景がにじみ、指先から血の気が引いていく。
自分の会社で、自分の机の上に――。
どこまで入り込まれているのか、もうわからなかった。

尾崎は封筒を握りつぶし、ゴミ箱に放り投げた。
けれど、手の中にはまだ紙の感触が残っている気がして、何度も指をこすった。

その日、会議室では原田が笑っていた。
新しい案件の話をしている。
地方自治体とのタイアップ企画――尾崎が立ち上げ当初に夢見ていた“地域再生プロジェクト”の延長線上にある仕事だった。

だが、原田の口から出てくる数字と内容は、どれも金の臭いしかしなかった。
地域を救うのではなく、吸い上げる計画。
「補助金を使えば簡単に儲かる」
「地元の議員は金で動く」
「メディアなんて広告費次第で味方になる」

尾崎は、黙って聞いていた。
反論する気力がなかった。
言葉を出したところで、誰も信じてくれない。
誰も守ってくれない。

やがて、頭の中で声がした。
――もう、抵抗するな。無駄だ。
――この街のルールは、お前が思ってるほど綺麗じゃない。

自分の声のようでいて、違う。
原田の声のようでもあり、もっと深いところから響いてくる声。



夜。
帰り道のコンビニの窓ガラスに、尾崎の姿が映った。
目の下のクマ、無精髭、焦点の合わない瞳。
まるで見知らぬ男だった。

レジで会計を済ませると、背後から声をかけられた。
「尾崎さん、大丈夫ですか?」
振り返ると、由香が立っていた。
紙袋を抱え、心配そうにこちらを見つめている。

「……平気だよ。仕事のこと、ちょっと考えてただけ」
「嘘ですよね」
由香の声は震えていた。
「最近、何かに怯えてる顔してます。前みたいに、目が笑ってません」

尾崎は何かを言おうとしたが、声が出なかった。
喉の奥に、重たい石が詰まったようだった。

「俺は……ただ、やりたかっただけなんだ。
この街に、ちゃんと光を灯せる仕事を。
だけど、気づいたら……自分が何を信じてたのか、わからなくなってた」

涙ではなかった。
ただ、視界がゆっくりと滲んだ。
由香は小さく頷き、何も言わずに紙袋を差し出した。

「これ、差し入れです。ちゃんと食べてくださいね」

その温かさが、かえって痛かった。
人の優しさが、今の尾崎には猛毒のように沁み込んだ。



深夜。
尾崎はベランダに立ち、街を見下ろした。
遠くの高速道路を走る車のライトが、まるで別の世界の光のように見える。
この街に来たとき、あれほどまぶしかった光景が、今はただ遠かった。

「俺は、どこで間違えたんだろうな……」

その呟きは、風にかき消された。
けれど、心の中で確かに響いた。

何かが壊れる音がした――それは外の世界ではなく、自分の中からだった。
胸の奥で、カチリと音を立てて、希望という名の部品が外れた。

その瞬間、尾崎は、静かに笑った。
痛みも、怒りも、何も感じない笑みだった。

まるで、自分自身という人間を見送るように。




《第四章 沈黙の再生》

あれから三ヶ月が経った。
LOCAL BRIDGEの看板はすでに外され、原田の名で新しい会社が設立された。
尾崎の影は、どこにも残っていない。

退職という形にはなっていたが、実際は追い出されたようなものだった。
通帳には、最後の役員報酬が振り込まれたまま手つかず。
仕事を失っても、怒りも涙も出なかった。
ただ、何も感じなかった。



今、尾崎は北九州の外れ、門司の小さな漁港の近くで暮らしている。
古びた貸家の一室。
朝は波の音で目を覚まし、近くの海辺を歩くのが日課になっていた。

最初のうちは、歩く理由もなかった。
ただ歩かないと、自分の存在が消えてしまいそうだった。
しかし、毎朝すれ違う老人や、散歩中の犬、漁を終えた漁師たちが、尾崎に小さな挨拶をくれるようになった。

「おはようございます」
「今日も海が穏やかですね」

その何気ない言葉が、尾崎には少しずつ重みを持ち始めた。
社会でもなく、会社でもなく、ただ“誰か”として見てもらえる感覚。
それは、都会の広告代理店でも、起業家の名刺にもなかったものだった。



ある朝、尾崎は堤防の上で、一人の少年に声をかけられた。
「おじさん、これ作ってるの?」
少年の手には、古びた木の看板が握られていた。
『しおかぜマルシェ』――手書きの文字が揺れている。

「ああ、近くの人たちがやるイベントみたいだ。俺はちょっと手伝ってるだけ」
「すげえ! おじさん、字がうまいね!」

少年の屈託ない笑顔に、尾崎は少しだけ口元を緩めた。
このマルシェは、地元の主婦や漁師、若い職人たちが集まって始めた小さな取り組みだった。
ポスターを作りたいという話が出て、偶然居合わせた尾崎が「昔、少し広告の仕事をしていた」と言ったら、皆が目を輝かせた。

「えー!プロじゃん! お願いできます?」
「いや、そんな大したもんじゃ……」

笑い声の中に、自分の居場所が少しだけ混ざった。
久しぶりに“誰かのために”ペンを握る感覚が、指先に蘇った。



マルシェ当日。
小さな港町に、想像以上の人が集まった。
子どもたちの笑い声、炭火の匂い、波のきらめき。
尾崎がデザインしたポスターが、テントの柱に何枚も貼られている。
派手ではない。けれど、どこか温かい色合いだった。

「尾崎さん、このポスター、すごく好評ですよ!」
由香がいた。
そう、あの会社を辞めたあと、彼女は偶然尾崎を探し当てて、このマルシェに関わるようになっていた。

「あなたが描くものは、やっぱり“人の心”が映ってるんです」
「……そんなふうに言ってもらえるとは思わなかった」

尾崎は笑った。
その笑みは、かつての自分が忘れかけていた“本当の笑顔”に近かった。



夕暮れ。
マルシェが終わり、港に残った風鈴の音がかすかに響く。
尾崎は堤防に腰を下ろし、沈む夕日を見つめた。
空が茜色に染まり、海面がゆっくりとその色を飲み込んでいく。

――あの日、壊れた自分は確かにいた。
けれど、壊れたままでも、誰かを支えることはできる。

声を張り上げなくても、言葉にならなくても。
沈黙の中にだって、再生はある。

尾崎は深く息を吸い、海の匂いを胸いっぱいに感じた。
波が寄せては返す音が、まるで「もう大丈夫だ」と囁くように聞こえた。

ゆっくりと目を閉じる。
暗闇の向こうに、微かな光が滲んでいた。
それは、かつての理想とは違う、もっと静かで確かな光だった。




《終章 ― 海辺の光 ―》

五年の歳月が流れた。

港町の風景はほとんど変わらない。
冬になると潮風が街路樹を揺らし、春には海鳥が低く飛ぶ。
ただひとつ違うのは、古い倉庫を改装した建物の看板だ。

そこにはこう書かれていた。

LOCAL BRIDGE STUDIO
―人とまちをつなぐデザイン工房―

かつて奪われた名前。
けれど今、その文字は静かに、堂々と掲げられていた。
尾崎が再び立ち上げた、新しい形のLOCAL BRIDGEだった。

由香をはじめ、マルシェの仲間たちが中心となって運営している。
地域の小さなパン屋や漁師、工芸作家のために、広告やパッケージデザインを手掛ける。
どんなに小さな仕事でも、“人の顔が見える仕事しかやらない”――それがこの場所の唯一のルールだ。



午後、尾崎は打ち合わせを終え、工房の外に出た。
潮の香りが懐かしい。
空には冬の名残の雲が薄く広がっている。

ポケットの中の古い名刺入れを取り出す。
そこには色あせた一枚の名刺が残っていた。
「LOCAL BRIDGE株式会社 代表取締役 尾崎直也」
――原田と共に創業した、あの頃の名刺だ。

しばらく見つめたあと、尾崎は名刺をそっと折りたたみ、近くの小さな神社の賽銭箱に置いた。
何かを祈るわけでもなく、ただ手を合わせた。

過去を否定することは、もうやめた。
あの苦しみがなければ、今の自分も、この仲間たちもいなかった。
壊れた日々の中にこそ、再生の種はあったのだ。



その夜。
港の桟橋に腰を下ろし、波の音を聞いていた。
空には星が瞬き、遠くの灯台が一定のリズムで光を放っている。

由香が温かい缶コーヒーを二つ持ってやってきた。
「今日もお疲れさまです」
「ありがとう。……ここのコーヒー、昔より美味しくなったな」
「はい。豆を地元の焙煎所から仕入れるようになったんです」

二人はしばらく無言で海を眺めていた。
波の音と、遠くで鳴くカモメの声。
どちらも、昔なら“ノイズ”だと感じていた音だった。
今は、それが心の底に染みるように優しかった。

由香がぽつりと言った。
「尾崎さん、あの頃のこと……今でも、夢に見ますか?」
「いや……もう見ないよ」

少し間を置いて、尾崎は続けた。

「でも、思い出すことはある。
あの暗闇の中で、自分の声が消えていく感覚。
けどな、今は違う。
沈黙の中にも、ちゃんと音があるってわかったんだ」

由香は微笑んだ。
「それ、いい言葉ですね」

尾崎は照れくさそうに笑い、海の方を向いた。
遠くの水平線に、漁船の灯りがぽつりと浮かんでいる。
その光が、まるで自分の心の奥にともる灯のように見えた。

静かな海風が頬を撫で、尾崎は目を閉じた。

過去も、失敗も、痛みも、
すべてが今へとつながっている。

そして、誰に見せるでもない笑みを浮かべながら、
彼は小さく呟いた。

「ありがとう」

夜の海が、その言葉を静かに飲み込み、
やがて、遠くで小さな波が光った。


ねぇ、由香、、、愛おしいよ。

今日も君の身体に左手を這わせ捩り指を弾くようにつまみながら優しくそっと孤を描く。親指と人差し指が軽く擦れて孤はすぐに凝縮された点になりきめ細やかな皮膚に弾かれ次の部位を求めて這っていく。上へ下へ。どこまでも、どこまでも。そして僕は蛇になる。くねくね足を絡ませ爬虫類特有の強く速く押し出される大量の唾液を含んだ舌先をペチャペチャ丁寧に這わせ吸い上げる。学生時代に日焼けした名残りだというケフェウス座のような右の乳房の下にあるシミに辿り着いた。

右の乳房を揉みしだき、チュウチュウと赤子に還帰る時、僕は一体何の夢を見てるのか。
来る日も来る日も声なき声。くぐもった小さな音がやがてライブの臨場感を漂わせダンパーに呑み込まれ極限まで透きとおって消えていく。油断するとすぐに放り投げられるこの波に二人ひとつに寄り添っていく快楽。ここはこの世とあの世を別つパイプライン。僕たちの新しい世界が生まれ激しく優しく包み込まれる場所。
鼻筋のとおった君の美しい顔が激しく打ち震えながら大きく歪み壊れていく。僕は君のその顔が大好物なのさ。
ねぇ、由香、、、
君の膣の中に射精する度に思うことがあるんだ。


再生は、いつも静寂のあとに訪れる。

そして――
新しい朝が、北九州の街をやさしく照らし始めた。
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