名神累人のとある日常

桜部ヤスキ

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1年生編

図書室論議会

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 10月上旬。
 体育祭が終わってから束の間、またしても試験週間がやってきた。
 学生である以上避けられないものではあるが、毎度憂鬱な気分になる。いつも思うけど試験範囲が広過ぎるんだよ。1週間前にやった単元なんてほぼ頭から滑り落ちている。
 授業でも、生徒の皆さんは当然覚えていますよねという体で話が進められるが、毎回教科書を数ページ戻って内容を確認しなければならない。数学の授業はいつもそうだ。実数って何。集合って何。値の範囲とか調べてどうしたいわけ。
 なんてことを佐々蔵が聞いたら、それが学問というものだよ、とか言うんだろう。俺と違って成績がいいあいつは、また定期テストで全科目80点以上という驚異的な結果を出すかもしれない。少しでいいから学力分けてほしいくらいだ。
 テスト初日まで3週間をとっくに切っているという現実に漠然とした焦燥感を抱いている俺が向かったのは、北棟4階の図書室。
 昼休憩という時間に関わらず、ここは大抵人気があまりない。今ざっと見渡した限りでも2人本棚の前に立っている程度だ。先程までいたクラスとは打って変わった無音空間。天井の蛍光灯からは申し訳程度の光が降り注ぎ、部屋の奥に行けば行く程背の高い本棚に遮られて薄暗い。わざとそうしているのか、単に蛍光灯の寿命が切れそうなだけなのか。
 さて、大して読書熱心でもない俺がなぜここに来ているかというと__

「あれ、こんな所で会うなんて奇遇だね、名神君」

 げっ。嘘だろ。
「何であんたがここに…………絶対狙って来ただろ」
「君がこの時間に図書館に行くことを僕が想定して来た、という意味なら否定するよ。今回は全くの偶然だ」
「今回はって、以前意図的だった時があるみたいな言い方すんな」
 本棚を眺める隣にやってきたのは、俺より頭一つ分近く高い身長の男子生徒。
 銀色の癖のある髪に若手俳優のような整った顔立ち。時々人形かと思う程の虚無を湛える黄金の瞳。
 桐塚依澄きりづかいすみ。一言で言うと、人格破綻者。
「ていうか何でこっち来んの。勉強本ならあっちの棚だろ」
「問題集なら進路資料室に大量に保管されている。南棟1階のね。君も受験勉強の際は利用するといい。各大学の一般入試の問題集もあるから」
「じゃあ何で尚更ここにいるんだよ。あんたまさに受験の真っ只中だろ。3か月後には共通テストが始まるんだろ」
「そう。君も2年後には直前することになる。今の段階でそれを把握できているとは大した心構えだね」
 あんたに何言われてもこちとら嫌味にしか聞こえないっての。
 抑揚の少ない口調。まるで文章読み上げツールと会話しているかのよう。
「ここへは偶に来るんだ。勉強の息抜き用の本を借りにね。君も同じ理由かな」
 まぁ、そうだよ。あんたと同じなんて不本意だけど。
「この棚は、僕はあまり見ないね。ジャンルは……ライト文庫?」
 桐塚は少しかがんで、目線の高さを合わせながら尋ねてくる。俺は別にあんたと雑談なんかしたくないんだが。
 だがこいつの全身から漂う妙な雰囲気のせいで、立ち去ろうにも足が動かない。
 逃げても追っては来ない。ただ、監視されているという気配だけが常に付きまとう。そんな薄っすらとした恐怖に煽られる。
「君はこういう本を読むの?知らないタイトルばかりだ。それに一風変わっているね。『異世界転生したら村人Aだったので勇者目指してレベル上げします』、か。最近はこんな説明口調の長いタイトルの作品が流行しているの?」
「最近っていうか、異世界や転生モノはそういう感じの作品が多いかもな。ほぼ読んだことないけど」
「『魔術学校の落第生』、これは聞いたことがある。確かクラスの生徒が話していた」
「あぁ、数年前にアニメ化されて今3期だったか。一昨年は劇場版もあったしな」
「どんなストーリーなのかな」
「タイトル通りだ。魔術学校で落第を続ける生徒の話で、学校で起こる事件をもとにその生徒の実力や過去が明らかになっていく」
「それから?」
「気になるなら読めよ」
「最もだ。お、これも聞き覚えがあるね。『エクソシスト・オンライン』。ゲームの世界の話だったかな」
「ああ。悪魔が存在するゲームの世界に祓魔師としてログインしたプレイヤーが…………って、何で俺はこんな熱心にあらすじを語ってんだ」
「僕もまさか詳細な回答が返ってくるとは思わなかった。読んだことはないって言ってなかった?」
「原作小説は未読だけど、アニメ化されてる作品が多いからそれを見てるんだよ」
 面倒くさい。さっさと立ち去りたい。
 そう思う一方で、その都度問いかけに答えようとしている自分がいる。
 あまり自分から話す方ではない。どちらかというと人見知りな性格だと自分で思っている。
 だが、人から話しかけられるとそう無下にはできない。おまけに桐塚といい佐々蔵といい、俺の周りは質問攻めが通常攻撃みたいな奴が多い。そっちはMP消費なしでノーリスクでも、こっちは大ダメージ食らってるんだがな。
「いい加減自分の用事を済ませたらどうだ。俺の趣向なんかどうでもいいだろ」
「君のお薦めがあれば聞きたいと思っている」
「特にねぇよ。これ以上あんたとプライベートな話題で盛り上がりたくない」
「既に盛り上がっていると思うけど。僕達は似た者同士というか、意外と気が合うのかもしれないね」
「はっ、冗談言うなよ」
 見上げる程の高さにある薄ら笑いの顔に鋭い目を向ける。
「平気で人を呪うような人間と一緒にするな」
 桐塚は、表情を変えることなく切り返す。

「それは君も同じだろう」

 ____母さん、聞いて。あのね。
 あの時は、今よりももっと暗かった。日が落ちてすぐ。明かりのついていない部屋。
 ぐるぐる。ぐるぐる。内側から黒い渦が溢れて__

「…………そうだ。でも違う」
 輪郭のぼやけた記憶しか残っていない。でも、確かにあの時、俺の内側は黒く染まった。
 そして、あの人も。
 今でも思う。何で、あんなことをしてしまったのか。
「あんたは、誰かを呪うことを悪いことだと思ってない。前にも言ったがな」
「許されざる行為だと自覚しているか否か、ということか。それが重要なことだと?」
「認識が大事だとか言ったのはどこの誰だ」
「へぇ、僕の話を覚えていたのか。呪いは人間の悪意、負の感情を体現したもの。呪いを形成する上で認識は重要な基盤だ。強い意思であればある程効果は増大する」
 世紀の発明品を前に熱弁する発明家のように、生き生きとした目で語る。
 やっぱり、嫌な奴だ。
「誰かを呪う度に、その人に対する強い悪意を持ってきたっていうのか」
「そうでないとうまく発動しないからね」
「お前なんかいなくなればいい。周りの人間からそう思われる者の気持ちを考えたことがあるのか。……自分自身を死に追いやる程の絶望を、あいつは…………」
「そうだったね。まさか刃を自身に向けるとは。彼にとって、己よりも他人の命の方が高い優位性を持っていたということか。僕には理解できないな」
「人を実験だとか言って弄ぶ奴には分からないだろうな」
「価値観の違いか。ならここは一つ、お互いの考えを明示しておくのはどうかな」
 桐塚は隣の本棚から1冊の本を手に取った。
 分厚いハードカバー。線路のようなものが描かれた、全体的に黒っぽい表紙。
 タイトルは、「あなたはそのレバーを引きますか」。
 唐突なその行動と提案に疑問符が浮かぶ。
「考えって何」
「もちろん、命の価値について」



「トロッコ問題は知っているよね」
「確か、多数を助けるために少数を犠牲にすることは許されるのか、みたいなやつだっけ」
「そう、倫理学の思考実験。回答者はレールの切り替えが可能なレバーの前に立っているという設定だ。停止不能なトロッコの進行方向に5人の人間がいる。このままでは5人はトロッコにかれて死ぬ。だがレバーを引きレールを切り替えれば、5人が助かる代わりにその先にいる1人が轢かれて死ぬ。さて、あなたはレバーを引くか、何もせず傍観するか、どちらを選びますか。この問いに正解はない。どちらの選択肢が倫理的、道徳的に正しいと言えるのか、回答者の考えを問うている」
「あぁそう。で、それが何」
「この本はトロッコ問題をテーマに書かれた作品で、状況は少し違うけど同じ条件である事件が起きる。人が人を殺したのだから加害者は当然殺人罪に問われる。だが、大勢を救うために1人を殺した加害者に明確な殺意があったと言えるのか否か、それが作中で重要なポイントになっている」
「なんか、不毛そうな話だな」
「以前読んだけど、まさに泥沼の展開だったよ。でもそれなりに面白い部分はあった。答えのない問題に翻弄され自身を見失う者、向き合うことを恐れただ逃げ続ける者、絶望しかないと知りながら立ち向かう者。様々な人間の葛藤する様はなかなかに楽しめた」
 そんな上から目線の感想はいらない。
「棚を見ていてふと目に入ったから、少し紹介しておくよ。さて名神君、これから僕と君でトロッコ問題について考えてみようか。自分が5人と1人の命運を握っているとして、その取捨選択をする。ぜひ理由も踏まえて回答してほしい。直感でも構わないよ」
「何であんたと議論しないといけないんだ」
「じゃあ、まず僕から答えようか」
 聞いてないなこの野郎。というかもう考えたの?早。
 端正な顔には相変わらず微笑が貼り付いている。とことん表情変化が乏しい。
「僕だったら、何もせず傍観するという選択をとる」
「……理由は?」
「どちらを選んでも人が死ぬのなら、レールを切り替える行為は無意味だ。わざわざ他人の死のプロセスに自分が組み込む必要性はない」
「何言ってるかよく分からんけど、要は何人犠牲になろうがどうでもいいと?」
「そうだね。世界は常に“死”で溢れている。今更数は大した問題にならない。1人でも5人でも千人でも皆等しい“死”だ」
 本気で言ってるのか。なんてセリフは言うだけ無駄だ。
 桐塚は出会った時からこういう奴だ。他人に向けるのは実験体を扱う科学者のような目。知的好奇心の塊に後付けされた人情が混入しているかのよう。
「目の前で誰かが死んでも…………平気でいられるのか」
「君は赤の他人の死でも悲しむと?それはかなり大変なことだね。世界中で1日に何千何万の人間が亡くなっているのか僕は知らないけど、それら全てを憐れみ悼むとなると、一体いくつの心が必要なのだろうね」
「大げさに解釈するな。俺はただ、手が届く距離にいる誰かがピンチな時、何もせず見てるのは無理だってだけ」
「だったら君は、レバーを引くという選択をする?そうすれば犠牲者を4人減らすことができるよ。5-1=4。単純な引き算だ」
「そうだな…………その分悲しむ人間は減るかもしれない。でも、その時自分がどう行動するかなんて、直面してみないと分からない。だから、時と場合による。……なんて、答えとしてはずるいんだろうな」
「場合ね。じゃあ、トロッコに轢かれそうな5人の中に、君と縁が深い人物がいたとしたら?友人か、あるいは家族。君にとって大事な人間」
「大事な……人……」

 白い部屋。白い布。
 その下から覗く、青白い左手。
 __損傷が激しく、判別が難しいので__
 誰かの声が頭をすり抜けていく。
 どうして どうして
 帰ってくるって、言ったのに。
 ぐるぐる。ぐるぐる。ぽっかりあいた穴に、黒い何かが巻き上がってくる。これは何。これは__

「どうかした、名神君」
「…………えっ?あ、いや……何でも、ない」
 今の、フラッシュバックか。
 くそ、こいつが余計なこと言うから。
「それで、答えは出た?」
「え?あぁ…………まぁ、迷う暇のない状況だったら、勢いで決断するかもな。俺にとっての、命の優先順位に従って。自分のせいで1人が死んだとか、罪に問われるとかは二の次で」
「へぇ。他人のために自分を犠牲にすることを厭わない君としては、らしい回答と言えるね」
「はいはいそうですか。で、もういいだろこの話は。疲れる。あんたと話すと毎回疲れる」
「そう。僕はいつも楽しいけど。やはり僕と君は相性が…………っと、これを言うのはやめた方がいいかな」
「へー、今回は物分かりがいいな」
「そうあからさまに睨まれればね。やれやれ、本当にどこまでも嫌われているようだ」
 安心しろ。鉢合わせて会話する度に嫌い度更新していってるから、あんたに対する俺の評価が逆転することは絶対ない。
「そうだ、近々君の教室にお邪魔するから、暇な時間を教えてほしい」
「あんた、前言と噛み合ってないこと言ってる自覚あるか」
「何のこと?教室がだめなら、別の場所で待ち合わせしようか」
「そういう問題じゃない」
「なら教室移動の合間に話すのはどう?僕が時間を合わせる。伝達事項は恐らく少ないからすぐ終わるよ」
「だからそうじゃない!」
 つい怒鳴ってしまった。
 まぁ伝達っていうのは、多分あれだろうな。
 だが教室に来られるのはまずい。あの2人がバッディングしたら多分とんでもない修羅場が生まれる。かと言って校内のあちこちで出待ちされるのも嫌だ。すぐ済むとか言ってまただらだら話し込むのがオチだろう。
 これはどうすれば……………………あ。
「……RINE連絡でもいいか」
「ん?あぁ、チャットアプリね。確かにそれだと手間が省ける。じゃあ僕のアカウントのIDを教えるから登録して」
 桐塚はポケットからメモ帳を取り出した。ボールペンで何やら書くと1枚ちぎって差し出す。
 自分から提案したけど受け取りたくねー…………はぁ、しょうがないか。
「俺は連絡を待っとけばいいのか」
「あぁ、数日のうちにメッセージを送る」
「分かった。んじゃこれで____いてっ」
 立ち去ろうと振り返ったところで足が本棚にぶつかった。
 真ん中の段に不安定に置かれていた本が衝撃で落下する。足元の数メートル先の床と接着し__

 ____
 …………あれ、音がしない。
 いくら軽い文庫だからって、それはおかしい__

「名神君」
 背後から桐塚が声をかける。
「一つ言っておくよ。今後図書室で大声を出すのは控えることだ。毎度僕が結界を張って対処してあげられるわけではないんだから」
「結界?…………はっ、まさか」
 音響遮断。
 以前同じような状態に遭ったことがある。目の前にいる桐塚との会話の声。それ以外の一切の音が耳に入ってこない。雑踏の話し声も雑音も全て。だからさっき本の落ちる音がしなかった。結界とやらの外側にあったから。
 恐らく俺達2人の声も周囲には届いていないのだろう。でなければ職員か誰かが注意しに来てるはずだ。
 霊的な力だか何だか知らないが、ほんとに何でもありなのかよ。
「あんた何勝手なことして、ていうかいつから」
「へぇ、自覚なかったのか。他者を結界内に引き込むにはその人物の性質も関係するけれど、気付かない程スムーズに入れたということは、やはり君は僕と__」
「うるせぇ!ニヤニヤしながら言うな!あと黙って変なことするな!」
「忠告、もう忘れた?」
 笑みを浮かべた口元に人差し指を立てる桐塚に敵意を込めたガンを飛ばし、床の本を棚に戻してその場を去る。苛立ちから足早になり、ドアを閉める手に力がこもる。
 あーあ、なんて無駄な時間を過ごしたんだ。こんなことなら佐々蔵に古典の予習範囲解説してもらう方がよかった。



 階段を上がり最上階に出る。屋外に出たことで少しずつ頭が冷えてきた。
 南棟への渡り廊下の半ばで足を止め、眼下の景色に目を向ける。
 体育館の左奥に正門が見える。その向こうには住宅やビルが密集し、霞んで見えなくなるまで延々と続いている。
 頭上には煙のように薄い雲が漂っている。まるで水色のキャンバスに水彩絵の具で白い跡をつけたかのよう。
「……もう10月なのか…………」
 月日の流れる体感速度は大抵早い。
 ここを通る度に、屋根を設置しろと心の中でぼやいていたのがつい昨日のよう。焼けるような日差しは心地のいい暖かさに変わり、風は少し肌寒さを感じさせるようになった。
 夏なんかさっさと終われって思ってたら、いつの間にか秋になってる。そして気付いたらもう冬になってんだろうな。
 時は進み、季節は巡る。そこに人の感情が入る余地はない。
「…………あ、そろそろ会いに行く日か」
 来週の月曜日だから、平日だな。母さんは午前中に行くだろうから、俺は放課後行こう。
 何を報告しようか。
 体育祭のこと。試験のこと。部活のこと。色々あるな。
 本当に、時間が流れるのが早い。
 月命日も、これで7度目だなんて。

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