美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ

文字の大きさ
14 / 51

第14話

しおりを挟む
 電車に乗って駅に着くと、ユキナ先輩が待っていた。
 ロングヘアと、白い肌で、通る人の多くがユキナ先輩を見る程美人だ。
 メイも居ると目立ってしまう。

 メイがユキナ先輩に抱きついた。
 ユキナ先輩がメイの頭を撫でる。

「お待たせしました。1人で大丈夫でした?」
「大丈夫よ、シュウに貰った指輪を付けているから」
「それ、安いリングですよ」

「いいのよ、きれいな魔よけね」

 そう言って先輩は左手の薬指にはめた指輪を撫でた。

「指輪かあ。お兄ちゃん、私にも買ってよ」
「そうだな、メイも危ないかもな、それよりもまずは食事とタブレットだよ」
「シュウは変わらないわね。食事にしましょう」

 僕とメイはおしゃれなレストランに案内された。
 そして2人座る席に3人で座り、僕の右にメイ、左にはユキナ先輩が座る。

 よくある四角いテーブルで片側に2人、対面に2人座るタイプの席だが、体が2人に密着している。
 今日は水のシャワーで心を静めたばかりなんだ。
 
 でも、ユキナ先輩はボディータッチが多い。

「あら、筋肉がついて、少し背も伸びたわね」

 背中やお腹を触ってくる。
 そしてメイは僕の腕に絡みついている。

「あ、あの、僕対面に座りますね」

 立ち上がろうとすると、2人に腕を掴まれた。

「駄目よ、隣に居てくれないと男の人に声をかけられるわ」
「でも、指輪がありますよ」
「魔除けが効かない相手も居るのよ。それよりも、メニューを決めましょう。それと、疲れたら喫茶店にも入りたいから、食事は軽めに済ませましょう」

 この店は女性客がほとんどだと思うけど?まあいいか。

 メニューを見て悩んでいたメイは、カルボナーラ、僕はミートソース、ユキナ先輩はボンゴレを注文した。
 皆パスタで軽めに済ませるのだ。

「ユキナ先輩とメイが居ると目立ちますね」
「この店は女性客が多いわ。見られているのはシュウよ」

「お兄ちゃんがデチューンしてないからだよ」

「あ、あの、もし良ければ、一緒に写真を撮って貰えませんか?」

 2人組の女性客が声をかけてきた。

「メイ、ユキナ先輩、行ってきてください」
「シュウと写真を撮りたいのよ」
「お兄ちゃんと撮りたいんだよ」

「シュウさん?と写真を撮りたいです」

「「やっぱり」」

 僕は2人の女性と写真を撮った。
 2人はお礼を言って去って行く。

 僕は前髪で目を隠そうとした。

「あら?デチューンするの?」
「せっかくセットしたのにもったいないよ」

「シュウの好きにしていいと思うわ。でも私は、デチューンしてても分かるからいいわ。皆人の事をよく見ていないのよね」
「ユキナ先輩はデチューンしているお兄ちゃんの事、気づいてたよね。お兄ちゃんのデチューンを見抜いたのはユキナ先輩だけだよ」

「高校の時からすぐに気づいていたわ。意図的なデチューンもね」
「ユキナ先輩は人の事をよく見てますね」

「小説家は人に興味を持っている方が有利なのよ」

 ユキナ先輩は高校を卒業して、小説の執筆で生活している僕の師匠でもある。

「所でシュウ、小説の投稿は順調みたいね。大体月に1万円くらい稼げるようになったんじゃない?」
「そうですね」

 フォロワーの数で大体予想がつくのだろう。
 ユキナ先輩は頭が良いのだ。

「お兄ちゃんは新作を書いてたよ」
「ふふ、それは楽しみね」

「た、大したものじゃないので、ユキナ先輩が読むような物ではないですよ」
「あなたの小説は好きよ。それに私は男性読者を狙った作品も書いているわ」

「新作はいつになるか分かりませんからね」
「毎日チェックするから大丈夫よ」

「シュウ、何か読んで欲しくないやましい事があるのかしら?」
「いえ、ですが、妄想全開ですから恥ずかしいんです」

 本当は妄想ではなく、あった事を参考にして書いているだけだ。
 そしてユキナ先輩は勘がいい。
 ユキナ先輩にバレる可能性がある。

 ユキナ先輩は僕の事をじっと見る。

「どうしたの?」
「いえ、何も、でもユキナ先輩が近くて」
「ねえ、メイちゃん、今日泊りに行ってもいいかしら?」

「お母さんに聞いてみるね……『来て』だって」
「最近パタパタしていたので、散らかっていますよ」

 ユキナ先輩は満面の笑みを浮かべた。
 そして僕の顔をじっくりと見て何も言わない。
 ユキナ先輩は魅力的で、そして、笑顔で僕をじっくり見ているのが少し怖い。

「メイちゃん、タブレットを見に行きましょうか。その後お茶して家に行きましょう」

 ユキナ先輩は何も言わず、僕の顔を何度も笑顔で見てくる。
 心がもやもやしてしまう。
 まるで最近あった事を見透かされているような気がしてしまう。

 さすが万能のユキナ。
 ユキナ先輩は殿堂入りの学校美人四天王だ。

「すぐに行こ、お兄ちゃん早く!」
「今会計を済ませるわ」

 僕とメイはユキナ先輩に食事を奢られた後、タブレットを見に行った。



しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。

たかなしポン太
青春
   僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。  助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。  でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。 「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」 「ちょっと、確認しなくていいですから!」 「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」 「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」    天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。  異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー! ※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。 ※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。

天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】

田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。 俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。 「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」 そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。 「あの...相手の人の名前は?」 「...汐崎真凛様...という方ですね」 その名前には心当たりがあった。 天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。 こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

幼馴染みのメッセージに打ち間違い返信したらとんでもないことに

家紋武範
恋愛
 となりに住む、幼馴染みの夕夏のことが好きだが、その思いを伝えられずにいた。  ある日、夕夏のメッセージに返信しようとしたら、間違ってとんでもない言葉を送ってしまったのだった。

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

私の推し(兄)が私のパンツを盗んでました!?

ミクリ21
恋愛
お兄ちゃん! それ私のパンツだから!?

手が届かないはずの高嶺の花が幼馴染の俺にだけベタベタしてきて、あと少しで我慢も限界かもしれない

みずがめ
恋愛
 宮坂葵は可愛くて気立てが良くて社長令嬢で……あと俺の幼馴染だ。  葵は学内でも屈指の人気を誇る女子。けれど彼女に告白をする男子は数える程度しかいなかった。  なぜか? 彼女が高嶺の花すぎたからである。  その美貌と肩書に誰もが気後れしてしまう。葵に告白する数少ない勇者も、ことごとく散っていった。  そんな誰もが憧れる美少女は、今日も俺と二人きりで無防備な姿をさらしていた。  幼馴染だからって、とっくに体つきは大人へと成長しているのだ。彼女がいつまでも子供気分で困っているのは俺ばかりだった。いつかはわからせなければならないだろう。  ……本当にわからせられるのは俺の方だということを、この時点ではまだわかっちゃいなかったのだ。

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

処理中です...