身バレしないように奴隷少女を買ってダンジョン配信させるが全部バレて俺がバズる

ぐうのすけ

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第64話

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 俺は大洞窟前で建築作業をしている。
 ここに村を作る事になった。
 ドラグが領主を務め、うるさく言ってくる人はすべて叩き潰す役を買って出てくれた。

 旧救い手協会の土地は売却され、孤児と職員はブルーフォレストとこの地に移動して来た。
 その資金を使い2拠点を拡大する。
 
 錬金術師部隊も協力して施設を建て始め住居などの施設はすぐに揃うだろう。

 アクアマリンは回復係を務め大活躍している。

 ジェンダとニャリスは旧救い手協会からの引率と拠点間の引率係を買って出てくれた。
 更にニャリスは拠点集約の問題点を配信し改善の役に立っている。
 ジェンダは大洞窟の周りを定期的に巡回して魔物を狩っている、進化により格段に強くなっている。

 カノンは頭がよく、読み書きを教える先生役をやってくれている。


 俺のやる事が無くなってきたか。

 グランドが笑顔でやって来た。

「ついに奴隷解放者1万人を突破しました」
「おお!それは良かった」

「つきましてはお母さん協会の超会議を開きたいのです」

 教会の名前は議論の末『お母さん協会』に決まった。
 俺が配信を見ているみんなは俺をお母さんと呼ぶ。
 そこをついた。
 配信中に見ているみんなを味方に取り込んで俺の名前を入れるのだけは断固阻止した。

「む、実はな、やりたいことがあるんだ」

 そして超会議には行かない。
 自然に断る。

「と、いいますと?」
「カイザードラゴン戦でエリクサーが足りなかった。あの時は運良く勝ったが危なかった。切り札として何本か作っておきたい。緊急ではないんだけど、作っておかないと落ち着かないんだ。かなり集中して、没頭しないと作れない。エリクサーは何度も何度も割って割って失敗してようやく完成する」

 エリクサーは強力な分、何度も失敗して素材を捨てるようにし、しかも時間をかける必要がある。

「たしかに……急に必要になる事もあるでしょう。分かりました。お手間は取らせません。イクスさん不在は残念ではありますが、私の方で言っておきます」
「頼む」

「この家が作り終ったら早速始める」
「分かりました。ちなみに、どのくらいかかるでしょうか?」

「分からないが、一カ月前後、と言った所か。いや、3か月以上かかるかもな。運もある。連続で成功すればすぐに終わるが、一向に出来ない場合もある」

 何本作るか言わないのが今回のからくりだ。
 早く出来た場合「まだ作っておきたい」と言って更に引き籠る事で数か月は持つだろう。

「分かりました。それでは失礼します」

 ふう、何とかなった。
 お昼はカツカレーにしよう。
 大洞窟前にカレー店もオープンしたのだ。
 店員も慣れてメニューも増え、コーヒーを出す余裕も出来ている。

 家が出来ると、内装の仕上げは他の子に引き継いだ。
 新人錬金術師にとって内装を作るのはいい練習になるのだ。


 カレー店に入ろうとするとアクアマリンがいた。

「休憩か?」
「はい!一緒に食べましょう!」
「カレーでいいのか?」
「はい!」

「うん、入ろう」


「スパイスカツカレーセット1つ飲物はコーヒーで頼む」
「私も同じものを、飲み物はラッシーで」

「アクアマリン、最近回復係はどうだ?」
「楽しいです」
「疲れていないか?」
「疲れますが、次の日には元気です」

「それならいいが、無理があれば言って欲しい」
「お母さんは今、いえ、次は何をするんですか?」
「家を建て終わればエリクサーを作る予定だ。しばらく籠る」

「そうなんですね」
「アクアマリンもそうだが、みんなの協力が無ければいつまでも作業を始める事すら出来なかっただろう」
「私は、役に立っていますか?」

「大活躍だ。皆の見本にもなっている」
「えへへへ。他の子にも回復魔法を教えたいです。でもそうすると、回復の回数が減ります」
「教えて欲しい。たくさんポーションを使う事になってもいい。しばらく支出が増えてもいい。俺からグランドに伝えておく」

「頑張ります!」

「……グランド、アクアマリンに回復魔法の先生をお願いした」
『しばらくポーションの費用が掛かりますが気にせず気長に待つ方針でよろしいですね?」
「ああ、そうだ。合間を見てポーションは作っておく。出来たら倉庫に置いておく」
『かしこまりました。イクスさんの言葉を思い出します。人に教える者は一流だと。私も惜しみなく自分のすべてを教える事が出来る人間にないたいと思っています。では、失礼します』

「よし、丁度出来たようだ。食べよう」
「はい!」

 パープルメアと接したせいか、アクアマリンの食べ方は綺麗で、上品になっていた。

 姿勢が良く、品がある。

 表情には優しい雰囲気がにじみ出ていた。

 配信で人気が出るわけだ。
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