41 / 43
第41話
しおりを挟む
食事が終わるとチンカウバインが話を切り出した。
「少し横になろうか。もう夜だよ」
俺とリンカは横になる。
ライトが薄暗くなった。
「リンカは冬休みなのにどうして学園に残っていたのかな?」
「……フィールにお礼を言いたかったのよ」
「事件があって言う機会が無くなったよね?」
リンカは横になったまま向こうを向いた。
「フィール、色々助けてくれて助かったわ」
「いや、もう少し早く助けたかった」
「でも、助かったわ」
「……」
「……」
「私は、強くなったと思っていたわ。フレイムキャットを2体同時に出せるようになって、体力をつけて、速力も上げて、それでも結局フィールに助けられたわ。あの時、怖かったの。攫われて、酷い目に合ってしまうのが怖かったの」
「うん」
「今でも怖いの。あいつがまた来て、襲われるんじゃないかって考えるだけで怖いわ」
「うん」
「だって、一回捕まったのにまた脱走してまた私の前に現れて寝ていると急に魔法を使われて攫われるかもしれない。あの笑い方が、あの顔が怖くてたまらない。袋に入れられて攫われそうになって何も出来なかったわ!」
「リンカ、汗が凄い。少し休もう」
「そ、そうね」
体力が戻って、お風呂に入って食事を摂っても、心の傷は簡単には癒えない。
安心して寝ていたら急に豚男爵がいた。
そして魔法で自由を奪われ連れ去られそうになったら俺でも怖い。
「ここなら、大丈夫だ」
俺はリンカの手を握った。
リンカの汗が凄い。
ただでさえこの部屋は少し暑いのだ。
俺もリンカも中々眠らない。
「リンカがいて、緊張する」
「何でよ!」
「リンカみたいな子が隣にいたら、普通の男は緊張するだろ」
「……うん、そ、その、実は、私も、緊張、しているわ」
「同じ理由か?」
「そうよ」
「リンカが傷ついているのに、はあ、はあ、体が熱くなってくる」
「私も体が熱いわ。チンカウバイン!涼しくしなさいよ!」
恥ずかしいんだな。
リンカが恥ずかしがっている姿が可愛い。
チンカウバインは棚の上で目を閉じて横になっている。
「寝たのか?チンカウバインも普通に寝るからな」
「そう、フィールも、フィールでも、私で興奮してるの?」
「え?何でそんなこと聞くんだ?」
「いいから答えなさいよ!」
リンカが向こうを向いて顔を隠した。
恥ずかしいんだな。
「何度も言わせないでくれ。興奮するに決まっているだろ。コロシアムのリングで好きだと言って強引にキスまでシテ、舌まで入れたんだ。いいと思っていないならやらない」
「ふ、ふふん、そうなのね」
「……触るだけならいいわよ」
「……え?」
「触っていいのか?」
「いいわよ」
「キスをしても」
「キスはまだ駄目よ!」
「触るのは良くてキスが駄目って、基準が分からない」
「……フィール、出来る所までする気ね?」
「そうだけど?」
俺は変顔をした。
「ぷ、何よその顔」
「面白いかと思って」
「そうね、フィールのを私の中に入れるのは駄目、キスも駄目、それ以外なら何をしてもいいわ。フィールが気持ちよくなるなら、お礼が出来るなら、うん、お礼をするわ。キスと、フィールのを中に入れる以外なら何でも言う事を聞いてあげるわ」
「無理してないか?」
「恥ずかしいに決まってるじゃない!」
キスと1つになる以外何でもOKで言う事まで聞くって、色々出来るだろ!
「そっか。もう我慢できないぞ」
2人で横になってリンカは向こうを見続けている。
俺はリンカを後ろから抱いて頭を撫でた。
リンカの体が少し硬くなった。
「怒らないのか?」
「怒ると思ったの?約束は守るわよ」
「いや、リンカはまじめだけどさ、頭を撫でられると屈辱を感じそうだと思った」
「ふ、悪く、ん、ないわ」
「良かった。何度もこうしたいと思っていた」
手を絡ませて腕を撫でて、太ももを撫でるとリンカが反応した。
俺は声をかけず、無言でお腹や背中、更に違う部分も撫でていく。
「ま、待って!私は胸が大きくないし、お尻も大きくは、ん!」
俺はずっとリンカを撫で続けた。
やって欲しい事は一切言わず、ただ抱いて撫で続けた。
◇
リンカは、朝になるまでほとんど、口を押え続けていた。
「リンカ、お風呂に入ろう」
「ふぁ、ふぇ?お。おふ!」
俺はリンカと一緒にお風呂に入った。
リンカの頭を洗って、腕も足も背中もその先も全部洗った。
リンカは俺から顔を背けて、ずっと口を押えていた。
一緒にお風呂に入ってもリンカは顔を背け続けた。
風呂から上がると、お腹がすいている事に気づく。
「食事にしよう。食べると落ち着く」
「そうね」
そう言いながらワンピースではなく下着を着ていた。
部屋には明らかに電子レンジと同じものがあり、ベッドの上からパンと食事を温めて食べた。
リンカの目がとろんとしていた。
思えば、リンカは殆ど眠っていないし俺もあまり寝ていない。
「少し、眠ろう」
「そう、ね」
そう言って2人でベッドに横になって目を閉じた。
リンカはすぐに寝息を立てる。
眠る前にチンカウバインの寝る棚を見た。
布を被りながら、俺とリンカを見ている、そう思った。
こいつ、雰囲気を作っている!
変わらないと思っていたけど、チンカウバインの行動が変わった?
いや、この日の為に作戦を考えていたな!
「少し横になろうか。もう夜だよ」
俺とリンカは横になる。
ライトが薄暗くなった。
「リンカは冬休みなのにどうして学園に残っていたのかな?」
「……フィールにお礼を言いたかったのよ」
「事件があって言う機会が無くなったよね?」
リンカは横になったまま向こうを向いた。
「フィール、色々助けてくれて助かったわ」
「いや、もう少し早く助けたかった」
「でも、助かったわ」
「……」
「……」
「私は、強くなったと思っていたわ。フレイムキャットを2体同時に出せるようになって、体力をつけて、速力も上げて、それでも結局フィールに助けられたわ。あの時、怖かったの。攫われて、酷い目に合ってしまうのが怖かったの」
「うん」
「今でも怖いの。あいつがまた来て、襲われるんじゃないかって考えるだけで怖いわ」
「うん」
「だって、一回捕まったのにまた脱走してまた私の前に現れて寝ていると急に魔法を使われて攫われるかもしれない。あの笑い方が、あの顔が怖くてたまらない。袋に入れられて攫われそうになって何も出来なかったわ!」
「リンカ、汗が凄い。少し休もう」
「そ、そうね」
体力が戻って、お風呂に入って食事を摂っても、心の傷は簡単には癒えない。
安心して寝ていたら急に豚男爵がいた。
そして魔法で自由を奪われ連れ去られそうになったら俺でも怖い。
「ここなら、大丈夫だ」
俺はリンカの手を握った。
リンカの汗が凄い。
ただでさえこの部屋は少し暑いのだ。
俺もリンカも中々眠らない。
「リンカがいて、緊張する」
「何でよ!」
「リンカみたいな子が隣にいたら、普通の男は緊張するだろ」
「……うん、そ、その、実は、私も、緊張、しているわ」
「同じ理由か?」
「そうよ」
「リンカが傷ついているのに、はあ、はあ、体が熱くなってくる」
「私も体が熱いわ。チンカウバイン!涼しくしなさいよ!」
恥ずかしいんだな。
リンカが恥ずかしがっている姿が可愛い。
チンカウバインは棚の上で目を閉じて横になっている。
「寝たのか?チンカウバインも普通に寝るからな」
「そう、フィールも、フィールでも、私で興奮してるの?」
「え?何でそんなこと聞くんだ?」
「いいから答えなさいよ!」
リンカが向こうを向いて顔を隠した。
恥ずかしいんだな。
「何度も言わせないでくれ。興奮するに決まっているだろ。コロシアムのリングで好きだと言って強引にキスまでシテ、舌まで入れたんだ。いいと思っていないならやらない」
「ふ、ふふん、そうなのね」
「……触るだけならいいわよ」
「……え?」
「触っていいのか?」
「いいわよ」
「キスをしても」
「キスはまだ駄目よ!」
「触るのは良くてキスが駄目って、基準が分からない」
「……フィール、出来る所までする気ね?」
「そうだけど?」
俺は変顔をした。
「ぷ、何よその顔」
「面白いかと思って」
「そうね、フィールのを私の中に入れるのは駄目、キスも駄目、それ以外なら何をしてもいいわ。フィールが気持ちよくなるなら、お礼が出来るなら、うん、お礼をするわ。キスと、フィールのを中に入れる以外なら何でも言う事を聞いてあげるわ」
「無理してないか?」
「恥ずかしいに決まってるじゃない!」
キスと1つになる以外何でもOKで言う事まで聞くって、色々出来るだろ!
「そっか。もう我慢できないぞ」
2人で横になってリンカは向こうを見続けている。
俺はリンカを後ろから抱いて頭を撫でた。
リンカの体が少し硬くなった。
「怒らないのか?」
「怒ると思ったの?約束は守るわよ」
「いや、リンカはまじめだけどさ、頭を撫でられると屈辱を感じそうだと思った」
「ふ、悪く、ん、ないわ」
「良かった。何度もこうしたいと思っていた」
手を絡ませて腕を撫でて、太ももを撫でるとリンカが反応した。
俺は声をかけず、無言でお腹や背中、更に違う部分も撫でていく。
「ま、待って!私は胸が大きくないし、お尻も大きくは、ん!」
俺はずっとリンカを撫で続けた。
やって欲しい事は一切言わず、ただ抱いて撫で続けた。
◇
リンカは、朝になるまでほとんど、口を押え続けていた。
「リンカ、お風呂に入ろう」
「ふぁ、ふぇ?お。おふ!」
俺はリンカと一緒にお風呂に入った。
リンカの頭を洗って、腕も足も背中もその先も全部洗った。
リンカは俺から顔を背けて、ずっと口を押えていた。
一緒にお風呂に入ってもリンカは顔を背け続けた。
風呂から上がると、お腹がすいている事に気づく。
「食事にしよう。食べると落ち着く」
「そうね」
そう言いながらワンピースではなく下着を着ていた。
部屋には明らかに電子レンジと同じものがあり、ベッドの上からパンと食事を温めて食べた。
リンカの目がとろんとしていた。
思えば、リンカは殆ど眠っていないし俺もあまり寝ていない。
「少し、眠ろう」
「そう、ね」
そう言って2人でベッドに横になって目を閉じた。
リンカはすぐに寝息を立てる。
眠る前にチンカウバインの寝る棚を見た。
布を被りながら、俺とリンカを見ている、そう思った。
こいつ、雰囲気を作っている!
変わらないと思っていたけど、チンカウバインの行動が変わった?
いや、この日の為に作戦を考えていたな!
0
あなたにおすすめの小説
解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る
早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」
解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。
そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。
彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。
(1話2500字程度、1章まで完結保証です)
能力『ゴミ箱』と言われ追放された僕はゴミ捨て町から自由に暮らすことにしました
御峰。
ファンタジー
十歳の時、貰えるギフトで能力『ゴミ箱』を授かったので、名門ハイリンス家から追放された僕は、ゴミの集まる町、ヴァレンに捨てられる。
でも本当に良かった!毎日勉強ばっかだった家より、このヴァレン町で僕は自由に生きるんだ!
これは、ゴミ扱いされる能力を授かった僕が、ゴミ捨て町から幸せを掴む為、成り上がる物語だ――――。
勇者パーティーにダンジョンで生贄にされました。これで上位神から押し付けられた、勇者の育成支援から解放される。
克全
ファンタジー
エドゥアルには大嫌いな役目、神与スキル『勇者の育成者』があった。力だけあって知能が低い下級神が、勇者にふさわしくない者に『勇者』スキルを与えてしまったせいで、上級神から与えられてしまったのだ。前世の知識と、それを利用して鍛えた絶大な魔力のあるエドゥアルだったが、神与スキル『勇者の育成者』には逆らえず、嫌々勇者を教育していた。だが、勇者ガブリエルは上級神の想像を絶する愚者だった。事もあろうに、エドゥアルを含む300人もの人間を生贄にして、ダンジョンの階層主を斃そうとした。流石にこのような下劣な行いをしては『勇者』スキルは消滅してしまう。対象となった勇者がいなくなれば『勇者の育成者』スキルも消滅する。自由を手に入れたエドゥアルは好き勝手に生きることにしたのだった。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
帰って来た勇者、現代の世界を引っ掻きまわす
黄昏人
ファンタジー
ハヤトは15歳、中学3年生の時に異世界に召喚され、7年の苦労の後、22歳にて魔族と魔王を滅ぼして日本に帰還した。帰還の際には、莫大な財宝を持たされ、さらに身につけた魔法を始めとする能力も保持できたが、マナの濃度の低い地球における能力は限定的なものであった。しかし、それでも圧倒的な体力と戦闘能力、限定的とは言え魔法能力は現代日本を、いや世界を大きく動かすのであった。
4年前に書いたものをリライトして載せてみます。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた
黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。
その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。
曖昧なのには理由があった。
『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。
どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。
※小説家になろうにも随時転載中。
レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。
それでも皆はレンが勇者だと思っていた。
突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。
はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。
ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。
※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる