雑魚で貧乏な俺にゲームの悪役貴族が憑依した結果、ゲームヒロインのモデルとパーティーを組むことになった

ぐうのすけ

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第15話 姫菱六花

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 パチパチパチパチ!

「凄い戦いだったよ」
「リツカでいいのか?」
「そうだよ、私の名前は姫菱六花ヒメビシリツカ、本当にクラックそっくりだね。もしかして斥候術を持っているのかな?」
「今覚えた」

 斥候術は隠れたり敵を発見する能力だ。

 リツカは桃色の髪と瞳でショートカットと雰囲気から活発な印象を受ける。
 制服姿で左腰には剣、右腰にはハンドガン、左の人差し指には魔法指輪を装備している。
 万能タイプか。

「すまないんだけど、俺はソウルアップの成長痛でメイは酔拳で筋肉痛と吐き気、マナは弾丸が切れた」
「散々だね、私が迷子になったせいでもあるけど、頑張って少しだけ移動しよう」

 そう言って魔石や肉を拾った。
 リツカはメイを背負って、俺は成長痛のまま歩く。
 いつもの休憩地点に戻り俺とメイは寝込んだ。

「私は弾丸を作るわ」
「私は薪を集めて来るね」
「あ、薪なら収納してますよ、行っちゃいました」
「かなりマイペースだな」

 動きが速くてマイペース。
 あまりいないタイプだな。

「そうですね。後、夜になると寝ます。キドウを呼びましょう」
「兄さんか」
「負担をかけたくないのは分かりますが、万が一を考えて呼びましょう」
「そうだな、電話して、寝る」

「寝ていいわよ、でも、モンスターが来たら起こすわ」
「うん、頼む」

 俺は兄さんに電話をして寝た。



【リツカ視点】

 私は姫菱財閥の娘に生まれてお金に困った事が無い。
 望めば何でも買って貰えたし、やりたい習い事も全部出来た。
 でも、物足りなさを感じていた。

 自分で成し遂げた事は何も無い、全部与えて貰っただけ。
 メイから『悪役のクラック君そっくりがいますよ☆』と聞いていたしアキラの境遇は聞いて知っていた。

 ゲームのモデルでもないのにそっくりな見た目、そして貧乏でゲームをした事が無いらしい。
 アキラは悪役のクラック君と似ている。

 初めてアキラを見たあの時、私はゾクゾクする感覚で胸がいっぱいになった。
 未来を掴み取る為に5メートル級に挑み、ソウルアップまでして強引に勝ちを取りに行った。

 私はこういう刺激を求めていた。
 アキラの中にいるクラック、いつ命を狙われるか分からないドキドキ感。
 スリルにゾクゾクする。

 メイからみんなで一緒のパーティーを組んでみたいと話は何度も聞いていたし何度も写真を見せられた。
 思えば私は刺激が欲しくて迷子になったのかもしれない。
 
 薪を集めながら考える。
 アキラは成長痛で寝込んでいる。
 メイも酔拳で寝込んでいる。
 マナは弾丸が足りない、これはもう私が矢面に立って戦うしかないのでは?

 ああ、ゾクゾクする。

 今まで悩みを誰にも相談できなかった。
 
 お金がありすぎて毎日がつまらないと言った瞬間に嫌味になる。
 そして嫌味が返って来る未来が想像できる。

 なんでもスムーズに進みすぎて退屈だと言っても誰も分かってくれないだろう。

 お金があって、

 ソウルランクはC、

 東高校4強の1人にもなった。

 配信の人気はそこそこあって悩みを言っても分かって貰えることは無い。

 私にはアキラが輝いて見えた。

 今を一生懸命生きているアキラ、そして裏人格のクラック。
 一緒のパーティーになれば絶対に何かが起きる、そう思える。
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