雑魚で貧乏な俺にゲームの悪役貴族が憑依した結果、ゲームヒロインのモデルとパーティーを組むことになった

ぐうのすけ

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第33話 イノシシ狩り

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「説明不足だったけど、この3人に報酬はいらないから安心して欲しい。遊びに来たと思ってくれていい。もちろん依頼はしっかりやるから」
「びっくりした、頼むべ」

 2人で握手をした。

「イナセは斥候術でイノシシの場所を教えろ、おいらはこの銃で倒すからよ」

 ハンダはアサルト銃を構えた。

「それだと、ハンダを犬のように使う事になる」
「こまけえことはきにすんな、気にせず場所を教えてくれるだけでいいからよ」
「早速行くか」

「お茶っこと一服のお菓子も用意してるべ」
「いや、すぐにやろう。その後に休もう。ハンダの農地は広いだろ?」
「分かった、おいらについてきな」
「農地の周りをとりあえず一周するか?」
「おう」

 ハンダが走った。

「ちょ、ちょっと! 待ちなさいよ!」

 マナだけついてこれないようだ。

「おいてったら悪いか?」
「いや、モンスターが見つかれば止まるから、そのまま進もう。仕事はきっちりこなしたい」
「へへ、おいらの見立ては間違ってなかったべ」

 依頼を受けておいて遊びに来ました、邪魔になってますではシャレにならない。
 マナには悪いが先行する。

「待ちなさいよー!」
「悪いが待てない! 仕事が遅れるのは無しだ! ……向こうにイノシシ4体!」
「任せるべ!」

 ハンダが走って銃声が聞こえる。
 そしてすぐに戻ってきた。
 マナも追いついてきた。

「マナ、厳しいなら休んでていいぞ」
「大丈夫よ」
「分かった。疲れたらみんな休んでいいからな。どんどん行くぞ!」

 俺達はイノシシ狩りを続けた。


 ◇


 そして一服が始まる。

「はあ、はあ、はあ、はあ」
「マナ、このまま休みましょう」
「……大丈夫よ」

「お茶と、牛乳にジュース、パンとおにぎりもあるべ」

 俺とハンダはおにぎりとパンに食らいつき、飲み物で胃に流し込んでいく。

 ガツガツガツガツ!
 
 きゅうも俺の左手にのせたおにぎりを高速咀嚼で食べる。
 楽しそうで何よりだ。

 くちゃくちゃくちゃくちゃ!

「……凄い食欲ね」
「アキラは、連続ソウルアップでしたから」
「きゅうは、アキラのマネをしているのかな?」

 くちゃくちゃくちゃくちゃ!

「本当ですね」

 パシャパシャパシャパシャ!

 きゅうの撮影会が始まった。

「赤ちゃんみたいね」
「マナファ、おいていぐべ、もぐもぐ」
「駄目ですよ、マナも行きますよね?」
「行くわ、疲れが取れてきたからもう大丈夫よ」

「もぐもぐゴクリ。 ゲート内みたいにイノシシが多いよな。どこかがダンジョン化してないか?」
「ゴクリ! おいらもそれは考えていたべ」
「休憩が終わったらもっと奥を走るか」
「え?」

「調子が出てきたべ、もうちっと速く走るべ」
「ええ!」

「モンスターの発生が多かったポイントの奥が怪しいと思う。奥に行ってみよう」
「最低でも、3メートル級か、5メートル級がいるべ、雑魚は、100体以上いるべ」
「多分300くらいか」
「ええええ!」

「いいね!ワクワクするよ!」
「おいらもだべ!」
「俺も少しは戦いたい」
「私も蹴りをお見舞いしますよ」
「ええええええ!」

「マナは私がおんぶするね」
「……お願いするわ」

 休憩後、モンスターが出た場所の奥に走った。


「やっぱりあったか」

 森の中に土が盛り上がっている場所があり、そこからイノシシが出てきた。
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