雑魚で貧乏な俺にゲームの悪役貴族が憑依した結果、ゲームヒロインのモデルとパーティーを組むことになった

ぐうのすけ

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第52話 新パーティー

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 ニワトリのゲートに入ると奥に移動した。

「ここでいいだろう」
「サモンモンスターを使うから、兄さんとライカさんで戦ってみて欲しい。次は俺とメイで戦うから」

「アキラ、私とライカはニワトリ狩りには慣れている」
「2人でたくさん倒したわ」
「そうかもしれないけど、サモンモンスターでどのくらいモンスターが出て来るかチェックしたい。俺、ソウルアップしたから!」

「そういう事ね」
「いつでもいい」

 キュインキュイン!

「サモンモンスター!」

「「クエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエ!」」

 100体ほどのニワトリが現れた。
 ニワトリはウサギより能力値では劣る、でも飛ぶことが出来る。

 バチバチバチバチ!

「クエエエエエエエエエエエエ!」

 ライカさんの雷撃がニワトリの群れを魔石に変えていく。
 チャージを悟られないように行い、しかも無言で発動させている。 
 もちろん走りながら魔法を使う事も出来る。
 ライカさんは魔法技量が高いのだ。

 更に威力も高い。
 ニワトリが何かをする前に次の魔法が発動する。

 バチバチバチバチ!

「クエエエエエエエエエエエエ!」

「終わった、もう終わった!」
「まとめて倒すのは得意なのよ」
「ライカ、私の分も残しておいて欲しい」
「……悪かったわ」

「兄さんとライカさんがいれば2人だけでパーティーは十分だし、サモンモンスターで何かあっても大丈夫なのは分かった」
「次は私とアキラで戦います」

 サモンモンスターを使っても1人でやって行ける事を兄さんに見せる。
 ニワトリとの戦いに慣れているわけじゃないけど、100体なら行ける! はずだ!

 キュインキュイン!

「スティールソード!」

 キュインキュイン!

「サモンモンスター!」

 5メートル級のニワトリが2体現れた。

「メイ! 2人で倒すぞ!」
「1体は私が倒す! きあああああああああああああい!」
「あ、ちょ!」

 兄さんが1体を抜刀術で追い詰める。
 ニワトリが飛ぼうとすると兄さんの猛攻で魔石と肉に変わった。

「キドウ、過保護すぎるわ。2人で倒すと言っているのに急に飛び込んで」
「むう、つい前に出てしまった」
「ほら、早く倒しなさい」

「トリックスター☆」

 メイの黒いブーツが輝いた。
 2段ジャンプか!

 メイが飛び上がろうとする5メートル級を上から押さえつけるように何度も蹴りで踏みつけた。

「今です!」

 メイが上からジャンプ攻撃を繰り返し飛び上がりを阻止しつつも、俺は横から斬りつけて5メートル級を倒した。

 キュインキュイン!

「サモンモンスター!」

 ニワトリが100体現れた。

「次も俺とメイが倒す!」
「トリックスター☆」

 俺はスティールソードで魔力を回復させながら戦い、メイは飛び上がろうとするニワトリを優先して飛び蹴りしながら全滅させた。

「はあ、はあ、トリックスターは、疲れますね」

 俺はスティールソードを消した。

「メイ、父さんに言われたでしょ? 基本の蹴りも大事よ。トリックスターは温存しなさい」
「楽しくなちゃって、つい」

 ニワトリは飛び上がってもどうせ突っ込んでくる。
 その時に蹴り落とせばいい。
 でも、新しいスキルはついつい使いたくなる、分かるぞ。

 キュインキュイン!

「次は兄さんとライカさんで連戦しようか」
「次は私が前に出る」
「いつも前に出てるじゃない」
「そうではない、もっと出来る私に変わりたい」

「……いいわ、私はたまに弱い魔法を撃つだけにするわ」
「そうして欲しい」
「ライカさん、サモンモンスターを連続で使うから」
「魔力を温存するわ」
「兄さんも、連戦するから飛ばし過ぎないようにして欲しい」
「むう、分かった」

 その後、俺はサモンモンスターを使い、魔力が少なくなるとスティールソードで魔力を吸収し、2人の戦いを見守った。


 ◇


 兄さんがニワトリを倒してカチン! と納刀する。

「ふー! ふー! まだまだ行ける」

 兄さんのまだまだ行けるは信頼できない。
 明日も明後日もある、飛ばし過ぎは良くない。

「私は疲れてきたわ」
「……次で兄さんとライカさんは終わりにしよう。サモンモンスター!」

「きあああああい!」

 スパンスパンスパン!

 カチン!

 スパンスパンスパン!

 ザク!

 兄さんがキレッキレに動いてニワトリがどんどん魔石に変わっていく。
 このペースなら、兄さんの4強入りは大丈夫だ。
 そして兄さんは強くならないとライカさんに告白しないから兄さんが納得できるまで強くなることは、兄さんとライカさんが付き合う条件でもある。

 でも、俺はサモンモンスターで5メートル級が出た時、兄さんが前に出てしまった。
 兄さんには自分の人生を生きて欲しい。
 兄さんは俺とメイだけの戦闘を危ないと判断したのだ。
 
『強くなれ、今ならそれが出来る』
「そうだな、今はモンスターを倒すだけでい強くなれる」
「クラック君は何を言ったんですか?」
「強くなれって言ってた。メイ、明日から学校を休もう。もう学科は終わらせているんだ。西高校の生徒と無駄な時間を潰したくない」

「それなんですけど、明日からリツカを連れて3人でゲートに通いましょう」
「ん? リツカもか?」
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