才能オールF冒険者の俺は遭難してバリア魔法が覚醒した~胸糞NTRされたヒロインが嫁になった上、むかつくあいつはざまあされる~

ぐうのすけ

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第13話 ヨウカと日本へ!

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 俺はモンスターを倒した後、セーフゾーンの周りを一周した。

「村の周りにいるモンスターは全部倒した」
「しばらくの間は大丈夫だと思うわ」

「ユウヤさん!本当にすごいです!こんなにすごいのは初めてです!」
「いい子ね。私がご褒美を上げるわ」

 ヨウカが俺に抱きついた。
 ユキナが俺の頭を撫でる。

 ヨウカとユキナの言葉を聞いてエチエチな妄想しか浮かんでこない。
 いや、気のせいだ。
 最近モンスターを倒して食べて寝てを繰り返していた。
 俺は疲れて性欲が高まっているだけだ。
 
 村人が俺達に拍手する。
 集まっているのは見た目が若い女性だけだ。
 子供は分からないがここに集まているみんなは俺より年上らしい。
 しかも全員美人だ。
 みんな悪魔とか、妖怪みたいな、この世の者とは思えない芸術の絵に出て来そうな幻想的な魅力を持っていた。
 いや、妖怪や悪魔というよりは、妖精のイメージが近い。

 みんな素朴で素直で裏表が無い。
 日本にいる人間より擦れていない。
 日本に来たら全員モテるだろうな。

「そうだ!私ユウヤさんの住んでいる日本に行ってみたいです!」
「俺も、あっちの世界がどうなっているか気になっていた」

 もう戻れないかもしれない、何度もそう思った。
 でも、今なら戻れるかもしれない。

「いいわ、でも早めに戻って来るのよ」
「そうですね、ゆっくりしていると村が危険になります」

「ユウヤにおんぶして貰えば早く移動できると思うわ」
「いいですね!お願いしていいですか!?」
「分かった。休憩が終わったら日本に向かおう」



 ヨウカが俺に後ろから抱き着いた。
 おんぶの密着度が凄い。

「えへへへへ、お願いしますね」

 く、興奮する!

「行くぞ!」

 俺は魔法陣に乗って日本を目指して走った。



 ◇



【ダンジョンの入り口】

「わあ、たくさんのモンスターが見張っていますね」
「倒してくる」

 ダンジョンの外にはまだモンスターが集まったままだった。
 俺はこいつらに何度か殺されかけた。

 俺はダンジョンの結界を出てモンスターを倒していく。

 簡単に倒せる。

 ダンジョンに入る前は何度も結界に逃げていた。
 でも今は苦戦したのが嘘のようにモンスターを倒せる。

 スライム・ボア・チキン・ブルが俺に群がって来る。
 都合がいい。

「ホーミング!ショット!」

 ホーミングでモンスターを何度も攻撃し、ショットでモンスターを貫通して倒していく。
 俺は勢いに乗ってダンジョンにいるモンスターを一掃していく。


「ヨウカ、待たせたな。日本に行こう」
「はい!」

 俺はヨウカをおんぶして走った。

【日本・A市】

 俺は異界から出た。
 日本に戻れた
 簡単に戻って来る事が出来る。
 俺はほっとして肩の力が抜けた。

「こんなに簡単に来れるなんて、ユウヤさんは凄いです!」

「最初にギルドに向かうんだけどヨウカ、俺の話に合わせてくれ。出来れば黙っていて欲しい」
「分かりました」

 街を歩くと所々倒壊している。
 モンスターがたくさん出てきたんだろう。
 ビルの広告看板を見ると『第三次モンスターパレードをみんなで乗り切ろう』と書かれていた。
 犠牲はそこそこ出て、それでもみんなは対抗手段を身に着け慣れつつあるのか、街には普通に人が歩いていた。

 人の被害は少なかったのかもしれない。
 街を歩くとみんながヨウカを見る。


 ギルドに入っても、みんながヨウカを見た。
 ヨウカは美人でコスプレ装備を身に着けているように見える。
 目立つのだ。
 すれ違う人全員がヨウカを見る。

 ギルドのカレンダーを見ると、遭難して一カ月以上が経過していた。
 もう、冬休みはとっくに終わっていたのか。

 ギルドは役所の事だ。
 冒険者が役所の事をギルドと言っている内に本当にギルドに変わったのだ。

 俺は受付嬢の前に立った。

「あの、冒険者A市高校の生徒ですが異界探索中に遭難して、何とか生きて帰ることが出来ました。すぐに知人に連絡したいのですが、魔道スマホを壊してしまいました!それと自衛官の大河雄大さんから渡された武器も壊してしまいました。返しておいて欲しです。ではまた!」

 冒険者カードは魔道スマホのアプリに入っている。

「ま、待ってください!魔道スマホの再発行はギルドで行えます。壊れた魔道スマホを回収しますね。それと武器はこちらでお返しします。スマホの認証などをチェックします。少々お待ちください……念のためにお名前をお願いします」

「仙道優也です。あの、用事があるんです!」
「少しだけお時間をお願いします。今調べますので……大事な話があります。仙道さんのアパートは、引き払われました」
「そ、そうですか」

 死んだと思われていたんだろうな。
 第一次モンスターパレードでたくさん人が死んで、空き家が多くあるのに家に住めない人が急増して問題になった事があった。
 人が異界から戻ってこなかったり、行方不明になった場合、一定期間経過すればその家は有効活用される制度に代わっている。

 そうしなければ家は余っているのに家に住めない避難民を大量に発生させることになるのだ。

「それと、急いでいるとは思いますが、報告書の提出は必要となります」
「紙に書けばいいですか?」
「はい、お願いします」

 すんなりとは行かないか。

「後、そちらの方は?」
「あ、コスプレ装備を着ているだけの人です。気にしなくて大丈夫ですよ」
「仙道さん、美人の彼女、やりますね」

 受付のお姉さんが素の表情を浮かべて笑った。

「あ、ははは、ははははは」

 いい意味で勘違いしてくれたようだ。

「こういうコスプレが、そうですか。可愛らしい、良いご趣味です」
「はい!大好きです!」

 俺は受付のお姉さんに全力で乗っかった。

「報告書を書くので集中しますね」
「ふふふ、からかってすいません」

 そう言いながら受付のお姉さんはにやにやと笑みを浮かべる。
 ヨウカは黙ったまま笑顔を保っていた。

 紙に遭難生活の状況を記入していく。
 そうだな、まずは、モンスターに包囲された後すぐにタワーが生えてきてそのタワーにはモンスターが入ってこれなかった。俺はそこに逃げ込んで生活魔法の収納に貯めこんだ食料で生き延びて何とか生還した。
 
 こうしよう。
 あまり本当の事を書いても色々突っ込まれて面倒だ。
 妖精のような村があってダンジョンもあるとか書いても狂っていると思われて終わりだ。

 俺が報告書を書いているとヨウカが隣にもたれかかって来た。

「ユウヤさん、私はユウヤさんの彼女だそうですよ」

 周りにいた人がヨウカを見る。

「ちょ、ヨウカは目立つんだ。静かにして欲しい。ここを出るまでは静かにな」
「分かりました。我慢しますね」

 俺が紙を出すと、受付のお姉さんが目を通す。
 何も突っ込まないでくれよ。

「……はい、ありがとうございます。後程確認の連絡が来る可能性はあります」

 おっし、クリア!
 今ギルドは第三次モンスターパレードの対応で忙しいはずだ。 
 一人の遭難帰還者にかまっている時間は無い。
 当然チェックは甘くなる。

「はい」
「新しいスマホ機種にこだわりはありますか?」
「いえ、安い機種でお願いします」
「前と同じ型でもいいですか?」
「はい、それでお願いします」
「魔道スマホの料金は後払いにしますか?」
「いえ、今払います」
「かしこまりました」

 俺はスマホを受け取って料金の支払いを済ませた。

「ユウヤさん、いい匂いがしますよ」

 ヨウカが俺の袖を引っ張った。

「え?何も匂いはしませんよ」
「あ、あれです。アニメのセリフですよ!それでは失礼しました」

 俺は急いでギルドを出た。

「美味しいものを食べようか」

 俺とヨウカは歩き出した。
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