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第12話 イエロースライム
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イエロースライムはスライムと同じくらいの大きさで、色がブルーからイエローに変わった。
見た目の変化はそれだけだが、動きが普通じゃない。
普通のスライムはじわじわと近づいて溜めるモーションの後に地面を蹴ってタックルを仕掛けてくる。
だが、イエロースライムはバウンドするように地面を跳ねまわり、スライムとは思えない機敏な動きで襲い掛かって来た。
「ホーミング!ショット!」
イエロースライムはホーミングを避けて、ショットを受けても倒れない。
飛ぶように跳ねながら攻撃を仕掛けてくる。
「ユウヤさん!私が1体をあしどめ、ああ!2体集まってきました!」
俺は飛び掛かって来た1体にセイバーで斬りかかった。
イエロースライムを袈裟斬りにするがそれでも倒れない。
威力の高いセイバーを完全にヒットさせて倒しきれなかった!
「うおおおおおおおおおお!!!」
セイバーの連撃でイエロースライムが黒い霧に変わってたくさんのドロップアイテムを吐き出す。
「ヨウカ!」
「私に!入ってこないで!ごぼおお!」
ヨウカは拘束させられて、スライムに弄ばれる。
「今助ける!」
俺はヨウカに張り付いたイエロースライムをセイバーで斬り倒した。
「はあ、はあ、はあ、終わった」
「はあ、はあ、あふ、はあ、はあ、はあ、終わり、ました、ふう、はあ」
「ヨウカ、すまなかった」
「いえ、助かり、ました」
助かっていない。
全然間に合わなかった。
「はあ、はあ、服が、また駄目になっちゃいました」
「一旦帰ろう」
俺はヨウカをおんぶして帰還した。
「次は俺一人で行って来る。思ったよりスライムが多い」
「そうね、ヨウカは、またレディーキラーを……休ませた方がいいわね」
その日から毎日モンスターを倒して過ごした。
俺はまた強くなった。
【3日後】
異変が起きた。
大量のモンスターがヨバイの村に集まって来た。
スライムが多い。
「スライムがセーフゾーンに近づいて結界にタックルをしている」
スライムを見ると結界にタックルを仕掛けて黒い霧になって消えた。
神風アタックか!
ブルが結界にタックルをして傷つき、黒い霧に変わった。
「まずいわ、セーフゾーンの結界を消そうとしているのよ」
「私が倒してきます!」
「俺も行って来る」
「私も戦うわ」
俺達は3人でセーフゾーンの外に出た。
ユキナは氷を飛ばしてスライムを倒した。
ヨウカは炎の蹴りでブルを倒す。
「ホーミング!ショット!」
俺はセーフゾーンに近づくモンスターを倒しまくった。
モンスターはセーフゾーンにタックルして自爆するように黒い霧に変わっていく。
その生命力が俺に流れ込んでくる。
さらに俺やヨウカ、ユキナが倒したモンスターの生命力も流れ込んでくる。
どのくらい強くなっているのかは分からない。
いつかアイテムを使って自分のステータスを見てみたい。
戦っていて気付いたが、ヨウカとユキナは、生命力の吸収率が悪いようだ。
俺は2人を引き離すように生命力を吸収して強くなっていった。
更に2人が疲れてセーフゾーンの中に入っても俺は休まずにモンスターを倒し続けた。
◇
俺がセーフゾーンに入るとユキナが俺の肩を掴んだ。
「休みなさい。無理は良くないわ。ほとんど魔力が残っていないじゃない!」
心配したように言うユキナの胸に目が行ってしまう。
そうか、俺はまだまだ余裕があるのか。
「魔力が減っても、そこまで苦しくないんだ」
「……修羅の行」
「ん?修羅の行?」
「修羅の行は死にかけるギリギリまで肉体と心を追い込む苦行よ。ユウヤは遭難して死にかけたのよね?そして記憶が曖昧になるまでモンスターと闘ったのだわ」
「俺は修羅の行を体験した、か」
「それ以上の体験ね。意図的に負荷をかけるのが修羅の行よ。でも、ユウヤが体験したのは本当に死ぬかもしれない恐怖の中で本当に死にかけたのよ。恐らく、修羅の行を数年行う以上の効果を生み出しているのだわ」
「俺は苦しさに慣れたのか」
「それだけじゃないわ。強くなる速度が早すぎるのよ。人間は私達より早く成長するわ。でもそれだけでは説明できないほど早くユウヤは成長しているわ」
「生命力の吸収効率がいい、のか?」
「そうね、それと魔力の回復も早いわ。ユウヤはステータスに現れない強さを持っているのよ」
「そっか。じゃ、今の内に強くなっておこう」
「ユウヤ、心配しているのよ?」
「向こうの世界には俺のいた国だけで数千万の人が住んでいる。そんなたくさんの人間がここ5年だけで急速にモンスターに対する対抗力をつけている。近い将来、モンスターの奪い合いが起きるかもしれない。その前にモンスターを倒して強くなっておきたい。先行者利益だ」
「そうはならないかもしれないわ」
「そうかもしれない。そうならなかったとしても力をつけておいて悪い事は無いはずだ。ちょっと休んだらまたモンスターを倒す」
俺は休んでセーフゾーンに群がるモンスターを倒して回った。
◇
何回かイエロースライムと戦ったがもう慣れた。
イエロースライムより強いモンスターは出てこない。
俺は大量のドロップ品を集め、力を蓄え、セーフゾーンに群がるモンスターを一掃した。
魔力酔いの症状は出ている。
でも、吐くほど苦しくない。
俺の力が、高まっている。
見た目の変化はそれだけだが、動きが普通じゃない。
普通のスライムはじわじわと近づいて溜めるモーションの後に地面を蹴ってタックルを仕掛けてくる。
だが、イエロースライムはバウンドするように地面を跳ねまわり、スライムとは思えない機敏な動きで襲い掛かって来た。
「ホーミング!ショット!」
イエロースライムはホーミングを避けて、ショットを受けても倒れない。
飛ぶように跳ねながら攻撃を仕掛けてくる。
「ユウヤさん!私が1体をあしどめ、ああ!2体集まってきました!」
俺は飛び掛かって来た1体にセイバーで斬りかかった。
イエロースライムを袈裟斬りにするがそれでも倒れない。
威力の高いセイバーを完全にヒットさせて倒しきれなかった!
「うおおおおおおおおおお!!!」
セイバーの連撃でイエロースライムが黒い霧に変わってたくさんのドロップアイテムを吐き出す。
「ヨウカ!」
「私に!入ってこないで!ごぼおお!」
ヨウカは拘束させられて、スライムに弄ばれる。
「今助ける!」
俺はヨウカに張り付いたイエロースライムをセイバーで斬り倒した。
「はあ、はあ、はあ、終わった」
「はあ、はあ、あふ、はあ、はあ、はあ、終わり、ました、ふう、はあ」
「ヨウカ、すまなかった」
「いえ、助かり、ました」
助かっていない。
全然間に合わなかった。
「はあ、はあ、服が、また駄目になっちゃいました」
「一旦帰ろう」
俺はヨウカをおんぶして帰還した。
「次は俺一人で行って来る。思ったよりスライムが多い」
「そうね、ヨウカは、またレディーキラーを……休ませた方がいいわね」
その日から毎日モンスターを倒して過ごした。
俺はまた強くなった。
【3日後】
異変が起きた。
大量のモンスターがヨバイの村に集まって来た。
スライムが多い。
「スライムがセーフゾーンに近づいて結界にタックルをしている」
スライムを見ると結界にタックルを仕掛けて黒い霧になって消えた。
神風アタックか!
ブルが結界にタックルをして傷つき、黒い霧に変わった。
「まずいわ、セーフゾーンの結界を消そうとしているのよ」
「私が倒してきます!」
「俺も行って来る」
「私も戦うわ」
俺達は3人でセーフゾーンの外に出た。
ユキナは氷を飛ばしてスライムを倒した。
ヨウカは炎の蹴りでブルを倒す。
「ホーミング!ショット!」
俺はセーフゾーンに近づくモンスターを倒しまくった。
モンスターはセーフゾーンにタックルして自爆するように黒い霧に変わっていく。
その生命力が俺に流れ込んでくる。
さらに俺やヨウカ、ユキナが倒したモンスターの生命力も流れ込んでくる。
どのくらい強くなっているのかは分からない。
いつかアイテムを使って自分のステータスを見てみたい。
戦っていて気付いたが、ヨウカとユキナは、生命力の吸収率が悪いようだ。
俺は2人を引き離すように生命力を吸収して強くなっていった。
更に2人が疲れてセーフゾーンの中に入っても俺は休まずにモンスターを倒し続けた。
◇
俺がセーフゾーンに入るとユキナが俺の肩を掴んだ。
「休みなさい。無理は良くないわ。ほとんど魔力が残っていないじゃない!」
心配したように言うユキナの胸に目が行ってしまう。
そうか、俺はまだまだ余裕があるのか。
「魔力が減っても、そこまで苦しくないんだ」
「……修羅の行」
「ん?修羅の行?」
「修羅の行は死にかけるギリギリまで肉体と心を追い込む苦行よ。ユウヤは遭難して死にかけたのよね?そして記憶が曖昧になるまでモンスターと闘ったのだわ」
「俺は修羅の行を体験した、か」
「それ以上の体験ね。意図的に負荷をかけるのが修羅の行よ。でも、ユウヤが体験したのは本当に死ぬかもしれない恐怖の中で本当に死にかけたのよ。恐らく、修羅の行を数年行う以上の効果を生み出しているのだわ」
「俺は苦しさに慣れたのか」
「それだけじゃないわ。強くなる速度が早すぎるのよ。人間は私達より早く成長するわ。でもそれだけでは説明できないほど早くユウヤは成長しているわ」
「生命力の吸収効率がいい、のか?」
「そうね、それと魔力の回復も早いわ。ユウヤはステータスに現れない強さを持っているのよ」
「そっか。じゃ、今の内に強くなっておこう」
「ユウヤ、心配しているのよ?」
「向こうの世界には俺のいた国だけで数千万の人が住んでいる。そんなたくさんの人間がここ5年だけで急速にモンスターに対する対抗力をつけている。近い将来、モンスターの奪い合いが起きるかもしれない。その前にモンスターを倒して強くなっておきたい。先行者利益だ」
「そうはならないかもしれないわ」
「そうかもしれない。そうならなかったとしても力をつけておいて悪い事は無いはずだ。ちょっと休んだらまたモンスターを倒す」
俺は休んでセーフゾーンに群がるモンスターを倒して回った。
◇
何回かイエロースライムと戦ったがもう慣れた。
イエロースライムより強いモンスターは出てこない。
俺は大量のドロップ品を集め、力を蓄え、セーフゾーンに群がるモンスターを一掃した。
魔力酔いの症状は出ている。
でも、吐くほど苦しくない。
俺の力が、高まっている。
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