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癒-healing-
P5.あんな奴って、誰?
しおりを挟むみかんの様子はやっぱり変だ。
天使を名乗る美少女に会った話をしたら
まるで会ったことがあるかのような反応だったし…
昨日はガリ勉ワカメの
二階堂優が好きだとか言うし…
一体みかんはどうしちゃったの…?
「なんだストーカー、一人か。」
「げ!わか……二階堂…さん。」
「殺すぞ」
一人になりたくて
この暑い中、中庭でお昼を食べていたのに
よりにもよってこいつが来るなんて…
って…
「なんで隣に座るのよ」
「ここは俺の席だ。文句があるなら隣のベンチに座れ。」
「ベンチは公共物ですー!何であんたに譲らなくちゃいけないの?!」
「今日はちっこいのいないのか?」
無視かよ!むかつく…!!
「あーあんたもみかんねらいですか!!ごめんなさいね、私一人で!」
「みかん?変わった名前だな。」
あれ…?
「…名前、知らないの?」
「は?昨日初めて会ったしな。すれ違っただけだけど。」
二階堂はジャムもバターも塗られていない食パンをかじりながら平然と答えた。
そんなはずはない。
だってみかんは
話したことがあるって言っていたんだから…
私が考えているのに気づいたのか
二階堂は相変わらずの
目つきの悪い目でこっちを見ていた。
「ねぇ、みかんを見たの本当に初めて?」
「あぁ」
「喋ったことも、ないよね?」
「会ってないのにどうやって話すんだよ」
嘘をついているとも思えないし…
じゃあ、みかんのが嘘?
いやいや、嘘つく理由がないでしょ。
「……あんた、実は記憶喪失?」
「……」
私が真剣に言った言葉に
二階堂は少し馬鹿を見る目で
私を見ているような気がしたが
小さくため息をついた後で言った。
「……なんか分からんが、それは図書室に行けば分かるぞ。」
「は?」
「あー、一人で行けよ?俺は忙しいから。」
何言ってんのこいつ…
「それから、馬鹿を見るような目で俺を見るな。」
二階堂は食パンを食べきって立ち上がった。
「ちょっと!何それ?!本でも読めばわかるっての?!」
「行けば分かる。」
そのままその場を離れようとしたので、
私はブレザーをつかんだ。
「なんか知ってるなら教えてよ!」
「なんで他人にそこまでしなきゃならない。」
ごもっともだが…
「でも、もう他人じゃないでしょ!今こうやって話してるし~!」
私はひきつった笑顔で、ブレザーを鷲掴む。
「しつこいぞストーカー!」
「誰がストーカーだ!ワカメ!」
せっかく口角を上げたのが一瞬で台無しになった。
「とにかく離せよ!しわになるだろ!」
「いやだ!女々しいこと言うな!」
「てめっ喧嘩売ってんのか?!」
「言いたくないなら、せめて図書室に付き合いなさいよ!」
「俺はあんな奴のところ行きたくないんだよ!」
そういうと思いっきり私を振り払って
ずんずんと中庭を出て行ってしまった。
「………あんな奴って、誰?」
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