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癒-healing-
P25.注目されてるよ…?
しおりを挟むその後タクシーを呼んで
彼女を家に帰してから一週間…
僕は彼女を学校で一度も見ることはなかった。
どのクラスを覗いても彼女の姿は見当たらない。
確かに同じ学校の制服だったのに…
あの日のお礼も言えていないことに気が付いた僕は彼女を探していた。
「なんで、名前を聞き忘れるかな…」
今日も全クラス回り終わったところでため息をついた。
というか…会ってお礼を言ったら
その後どうしたらいいんだろう?
ただお礼言いに行くだけなのもおかしいかな…
「あ!二階堂君!」
びくっと体が飛び上がった。
この声は…
「久しぶりだね?」
「あ…」
そこにいたのは探していた彼女だった。
「二階堂君も購買?」
そうか、ここは突き当りの教室だから、購買の前…
「いえ、俺は違…あれ、なんで名前…」
「あぁ、二年にお兄さんいるでしょ?そっくりだから、すぐ兄弟だって分かったんだ!」
えへへ、と笑う顔を見て何故だか顔が熱くなる。
というか、名前違うんだけど…。今はそれより驚くべきところがある。
「二年生なんですね…てっきり…」
「あー、一年生だと思った?」
間違われるのは慣れている様子だった。
身長何センチなんだろう…たぶん150くらいだろうか?
あの日はリボンがなくてわからなかったが
彼女は二年生のリボンを付けていた。
どんなに一年生の教室を探しても見つからないわけだ。
「はい…すみません。」
「いーよ!気にしないで。あ、もう行くね!友達待ってるから…また!」
「え?待って!」
思わず腕をつかんだ。
彼女の体は軽く止まり、びっくりした顔を僕に向ける。
「あ、と…な、名前!」
「へ…?」
「まだ、教えてもらってませんでした…ので…///」
僕はなにをごもごもと…さっきよりも顔熱い…
そんな様子の僕を見てか、彼女も白い肌をピンク色にしていて
「あ…甘実、かんな…です。」
「…甘実さん、この間は本当にありがとうございました。…ちゃんとお礼も言えずにすみませんでした。」
「い、いや、そんな大したことはしていないので…」
いや、あれはかなりたいしたことです!
というツッコミを飲み込んで手を放す。
「すみません、引き留めてしまって…」
「ううん。あの…」
「は、はい!」
「注目されてるよ…?」
「あ・・・」
しまった、ここ、購買の真ん前…
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