ANGEL -エンジェル-

癒-healing-

P39．初めまして、天使さん。

何が何だかわからなくなった。

声が聞こえてる。

みんなの心が煩いほどに聞こえてくる。



どうして？！

怖いよ…！！



私は声から逃げるように外に飛び出した。















もうどれ位走っただろう…？

私は気が付けば人気のない河川敷にいた。

…けっこう走ってきちゃったな。

そう思った時また頭の中に声が聞こえ始める。
人がまだ近くにいるんだと分かって
泣きそうになった。

どうしよう？！
どうすればおさまるの？！








--こっちにおいで。なおしてあげる--








私は沢山の声の中から
何故かはっきりと聞き取れたその声に
すがるように走り出した。
それしか選択肢がないように思えた。

誰だっていい。

助けてーー



少し走った先にはコスモス畑があり、
そこに不思議な子が佇んでいた。
男の子…いや、女の子？

「さっきの声、あなたなの？」




「うん。初めまして、天使さん。」