ANGEL -エンジェル-

回-recovering-

Ｆ1．さぁ、殺してしまおう…？

ガラスの破片を私はぐっと握りしめた

手から流れる血も

どこか愉快に感じられる


さぁ 殺してしまおう…？


私は胸の高鳴りとともに

それを彼の胸に突き刺した…














「星！！！」

ビクッと体が反応して
私は現実へと呼び戻された。

辺りを見渡すと
クラスのみんなが私に注目していた。

教卓には鬼のような顔をした先生が
こちらを睨んでいる。


「これ以上寝ると平常点下げるぞ！」

「は、はい！すみません！」


反射的に謝って
私はやっとこの状況に気がついた。

また、やってしまった…















「雫、授業中寝るのやめなよ？」

「うーん、寝たくて寝てるわけではないんだよね…」


授業が終わると
親友の甘実かんな（通称 みかん）が
私の方にやってきた。

今までも散々みかんに
授業中寝るなと指摘を受けていたため
かなり呆れた表情をしていた。


「最近、また変な夢見るんだよね…」

「人を、殺す夢…？また見るの？」

「…うん。だけど、前とは違う夢なの。」


そう、前とは違う。
みかんの夢じゃない…
あの人は私のよく知っている人だ…

みかんは少し考えた後、厳しい顔になって


「でも、授業中寝るのはだめ。」


とまた私を一喝した。