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癒-healing-
P78.私の作戦聞いてくれる?
しおりを挟む文化祭当日に誰もいるはずがない自習室を
私は勢いよく開けた。
「二階堂君!!!」
そこにはやっぱり彼がいた。
私の声に驚いた様子だったが、私には時間がない。
構わず本題に入った。
「ピアノ!弾いてほしいの!」
「・・・は?」
二階堂君は急に何を言い出すのか、と呆れた顔をした。
「二階堂君、小さい頃からピアノやってるよね?私が歌う曲、伴奏して欲しいの!」
「…小さいころは、な」
今は弾いていない、と私の申し出を断ろうとしているのが分かった。
でも…私は引き下がるわけにはいかないのだ。
「今でも、弾いてるでしょ?知ってるんだから!音楽室でこっそりピアノ弾いてたの!」
「なんで知っ…いや、弾いてない!」
「私があなたの事 真君だと思っていた時、たまたま見たの!」
「それはたまたまじゃないだろ?!」
確かに私はあの時異常なほど
二階堂君を付け回していたから、たまたまではない。
ちなみに小さいころから弾いているという情報は
インターネットで二階堂君の名前を検索したら見事にヒットしたのだ。
「天才とか、神童とか、ネットでも掻き立てられてたもんね?なんなら、優勝した大会の名前も挙げていく?」
「~っにしてもだ!そんな即興でピアノ弾くなんて無理だ!」
「大丈夫だよ!私の作戦聞いてくれる?」
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