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回-recovering-
F19.私だけで行こうと思うの。
しおりを挟む「しずく、冗談言ってないでちゃんと思い出してよ…」
「本当だって!夢で見たんだよ!その剣道部の話は覚えてないけど!」
覚えてないんだ…と呆れ顔のみかんだったが
流石に私の言動には不可解に思っているようだった。
「しずくの夢って何なんだろうね?…普通夢って、そんなにはっきり覚えてるものじゃないと思うんだけど…」
「そう…なの?」
「起きると大抵忘れちゃうし…同じ夢を何度も見るなんてあんまりないんじゃない?」
確かに変な感じはしていた。
他の人と私の見ている夢はどこか違うようにも感じていたし、それに私の見ている夢は…
「私の見ている夢は…」
「お待たせしました」
「あ、真君!大丈夫だよ~」
話の途中で真君が戻り、
夢の話から外れてしまった。
みかんはさっきのイケメン君への塩対応が嘘のように、いつも通りの優しい声に戻っている。
…私の夢の話は誰にもしない方が
いいのかもしれない。
だって私の夢は大抵誰かを、
身近な誰かを、殺している夢だから…。
「私だけで行こうと思うの。」
「「え?!」」
それから外が暗くなるまで
話し合っていた私たちだが、
突然みかんが1人で行くと切り出す。
「なんで?!」
「だって2人ともなかなか話を進めようとしないから…行きたくないんでしょ?」
私と真君2人で確信を突かれ うっと後ずさる。
「わかってるよ。2人とも今は二階堂君に顔合わせづらい事は…」
「え…でも私何も言ってない…よね?」
寧ろ私が1番あいつとの関わりが多いから
真っ先に私を推されると思っていたんだけど…
「だってしずく分かりやすいんだもん…。一昨日は聞かなかったけど、お昼休み終わってから様子がおかしかったし…また二階堂君に会いに行ってるんだなって分かってたし。」
「よくお分かりで…」
言わなくてもばれているとは…
みかんは自分のことには疎いのに
他人の心の変化には本当に敏感だ。
「じゃあ決定ね?」
「すみません…」
「宜しくお願いします。」
2人でみかんに深く頭を下げる。
みかんなら私たちの中で例えばれても
1番二階堂君の怒りに触れなさそうだし、
何より尾行がバレなさそうだ。
私たちはみかんが突き止めた二階堂の自宅を
翌日に訪ねる事になり、
みかんが尾行を始めるのを見届けて
解散したのだった。
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