小さな狼

KS

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発端

5

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『ホント仲がよろしいですね』

ニコニコしながらこっちを見ている正樹さんがさながらお父さんのようだった

『正樹さん、僕はまだ帰るわけにはいきません。まだ龍美さんと一緒にいたいです』

『秀狼様…大丈夫です。連れ戻しに来たわけじゃないんです』

『『えっ?』』

まさかの展開
てっきり連れ戻しに来たのだとばっかり思ってた
じゃあいったい何故ここに…?

『今日は渡したい物があって来ました。こちらです』

胸ポケットから取り出された一通の手紙
そこには…

ダディーより?

ん…?
なんか違和感が…
開けて内容を見る

ヒロ君元気~(*´ω`*)
ダディーだよ~ん(`・ω・´)
近々会いに行くから楽しみにしててね~(*・з・*)
ps、彼女紹介してねん(*'∀'人)?
楽しみにしてま~す(*^ω^*)

……なんかお父さん…
なんだろ、残念感が…
ダメダメ、ヒロ君のお父さんだもん
きっと可愛い人なんだよ
ヒロ君はお父さん似だ、きっと、うん、そぉしよ~

『と、父さんが…くる…』

『ヒロ君…?』

顔が青ざめていくヒロ君…
よっぽど嫌なんだろうな…

『あわわ…どぉしよ~』

手紙を投げ出し部屋の中を走り回るヒロ君
よっぽど嫌なんだろうな…

『ひ、ヒロ君落ち着いて?とりあえず座ろ!?ね!?』

『は…はい……』

部屋の角でなんとか取り押さえ、座らせて落ち着かせた
いったい何がここまで嫌なんだろう…

『正樹さん…父さんはいつ来るって言ってました?』

『いえ、それは聞いてませんが…』

『そぉですか…』

ブツブツ言いながらまたウロウロしだすヒロ君…

するとノックの音が聞こえてきた
誰だろ~
………まさか!

…まさかねぇ…

『はぁい』

あっ、郵便で~す

『はいはい…ご苦労様で~す』

違ってて良かった…

『とりあえず、私は帰ります。まだ来ないとは思いますが、いちよう気を付けて下さい』

ニコニコしながら一例して立ち上がって玄関の方へ歩き出した

『あっ、ありがとうございました。おかげで、色々ヒロ君の事知る事が出来ました』

『いえ、とんでもございません』

『正樹さん…気を付けて下さいね』

『ありがとうございます。では…』

上から車に乗るのを見送り部屋に入る
正樹さん、良い人だったなぁ…

『………』

『ヒロ君?』

どこか遠い目をしながらヒロ君が一言呟いた

『一回……帰ろっかな…』

 
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