26 / 46
「企業舎弟の遥かな野望」ー25(刻々)
しおりを挟む
第二十五話ー「刻々」
柿山の捜査に進展があったのか、えらく勇んで例の珈琲テェーン店に駆け込んで来た。
橙子は、昨夜の自分が今ここに座っている自分と同一人物なのか、柿山が目の前に座るまで思いを巡らせていた。
ーーーなに?姐さん、、、二日酔いか?
柿山に見咎められ橙子は強引に意識を戻した。
ーーーまっ、そんなとこね。女一人、眠れない夜もあるのよ
ーーー呼んでくれたらよかったのに
ーーー要らんシ
シャキン、とガン飛ばして目の前のオヤジをねじ伏せた。
ーーーで?、なんか掴んだの?
柿山は大仰に頷いてニヤリと笑った。
ーーー「大川組」と小野田の接点が掴めた。
柿山は何も注文してないことに気づき、慌てて店の入り口で珈琲を注文し受け取って戻ってきた。アイス珈琲にストローをさして話を続けた。
ーーー小野田は、政界の要人への仲介役に大川組長を使ってたんだ。それも、間に「鹿島急便」の鹿島社長を一枚カマしてだ。その先の政界の大物、、、誰だと思う?
橙子が無言で先を急がせる。
ーーー「政友党」幹事長、袴田幸太郎だ。
ーーー(なるほど、、、そんだけの大物だから特捜もやっきになってるのね)
橙子は羽田との昨日の会話を思い起こしていた。
ーーー東京の銀座の会員制クラブで、小野田と袴田が会っている目撃情報が取れた。おそらく、小野田から袴田へのヤミ献金授受の現場だろうな。
ーーー証拠がないじゃない 秘書のメモとか帳簿みたいなのでもあるんなら別だけど。
ーーーそれがだ、、、近々 公設第一秘書の朝倉って男が特捜に呼ばれるかもしれないって、情報もある。
ーーーふーーん。で、それは特捜|事案でしょ?ウチらが絡めるネタはないの?
ーーーまぁー、そうせかしなさんな、って
柿山は一気に喋ったからか、アイス珈琲を飲み干し煙草に火を点けた。
ーーー「栄」の料亭で、FDCの柴田と小野田が 「東海コンサルタント」の浅井も同席させて、「大川組」の大川組長、若頭に会ってるのを、料亭の中居から証言が取れている。
ーーーそれで?
ーーー三年前、『リニア中央新幹線』の途中停車駅が公になったけど、FDC傘下の「FDC開発」はその一年前から名古屋側の停車駅が岐阜のどこにに決まるのか知っていたんだ。で、駅舎候補地近辺の土地を買い占め出した。
ーーーその地上げに、「大川組」が関わった、ってことね?
ーーーその通り!。ピッタシカンカン!
橙子にはピッタシカンカンの意味が分からなかった
ーーーちっ、”なに、いってんだか、わかんない”
「FDC開発」ー「大川組」の地上げ協力。これはぴったし「暴対法」に当て嵌まる。
柿山が声を潜めて言った。
ーーー近く、「FDC開発」に県警4課のガサが入るぞ。そこにオレらも入る。
本庁から県警には根回ししてある。手柄は山分けで
橙子は、いよいよ鷺森橙子として小野田に対峙する日が近いことを知った。
(第二十五話ー了)
柿山の捜査に進展があったのか、えらく勇んで例の珈琲テェーン店に駆け込んで来た。
橙子は、昨夜の自分が今ここに座っている自分と同一人物なのか、柿山が目の前に座るまで思いを巡らせていた。
ーーーなに?姐さん、、、二日酔いか?
柿山に見咎められ橙子は強引に意識を戻した。
ーーーまっ、そんなとこね。女一人、眠れない夜もあるのよ
ーーー呼んでくれたらよかったのに
ーーー要らんシ
シャキン、とガン飛ばして目の前のオヤジをねじ伏せた。
ーーーで?、なんか掴んだの?
柿山は大仰に頷いてニヤリと笑った。
ーーー「大川組」と小野田の接点が掴めた。
柿山は何も注文してないことに気づき、慌てて店の入り口で珈琲を注文し受け取って戻ってきた。アイス珈琲にストローをさして話を続けた。
ーーー小野田は、政界の要人への仲介役に大川組長を使ってたんだ。それも、間に「鹿島急便」の鹿島社長を一枚カマしてだ。その先の政界の大物、、、誰だと思う?
橙子が無言で先を急がせる。
ーーー「政友党」幹事長、袴田幸太郎だ。
ーーー(なるほど、、、そんだけの大物だから特捜もやっきになってるのね)
橙子は羽田との昨日の会話を思い起こしていた。
ーーー東京の銀座の会員制クラブで、小野田と袴田が会っている目撃情報が取れた。おそらく、小野田から袴田へのヤミ献金授受の現場だろうな。
ーーー証拠がないじゃない 秘書のメモとか帳簿みたいなのでもあるんなら別だけど。
ーーーそれがだ、、、近々 公設第一秘書の朝倉って男が特捜に呼ばれるかもしれないって、情報もある。
ーーーふーーん。で、それは特捜|事案でしょ?ウチらが絡めるネタはないの?
ーーーまぁー、そうせかしなさんな、って
柿山は一気に喋ったからか、アイス珈琲を飲み干し煙草に火を点けた。
ーーー「栄」の料亭で、FDCの柴田と小野田が 「東海コンサルタント」の浅井も同席させて、「大川組」の大川組長、若頭に会ってるのを、料亭の中居から証言が取れている。
ーーーそれで?
ーーー三年前、『リニア中央新幹線』の途中停車駅が公になったけど、FDC傘下の「FDC開発」はその一年前から名古屋側の停車駅が岐阜のどこにに決まるのか知っていたんだ。で、駅舎候補地近辺の土地を買い占め出した。
ーーーその地上げに、「大川組」が関わった、ってことね?
ーーーその通り!。ピッタシカンカン!
橙子にはピッタシカンカンの意味が分からなかった
ーーーちっ、”なに、いってんだか、わかんない”
「FDC開発」ー「大川組」の地上げ協力。これはぴったし「暴対法」に当て嵌まる。
柿山が声を潜めて言った。
ーーー近く、「FDC開発」に県警4課のガサが入るぞ。そこにオレらも入る。
本庁から県警には根回ししてある。手柄は山分けで
橙子は、いよいよ鷺森橙子として小野田に対峙する日が近いことを知った。
(第二十五話ー了)
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
別れし夫婦の御定書(おさだめがき)
佐倉 蘭
歴史・時代
★第11回歴史・時代小説大賞 奨励賞受賞★
嫡男を産めぬがゆえに、姑の策略で南町奉行所の例繰方与力・進藤 又十蔵と離縁させられた与岐(よき)。
離縁後、生家の父の猛反対を押し切って生まれ育った八丁堀の組屋敷を出ると、小伝馬町の仕舞屋に居を定めて一人暮らしを始めた。
月日は流れ、姑の思惑どおり後妻が嫡男を産み、婚家に置いてきた娘は二人とも無事与力の御家に嫁いだ。
おのれに起こったことは綺麗さっぱり水に流した与岐は、今では女だてらに離縁を望む町家の女房たちの代わりに亭主どもから去り状(三行半)をもぎ取るなどをする「公事師(くじし)」の生業(なりわい)をして生計を立てていた。
されどもある日突然、与岐の仕舞屋にとっくの昔に離縁したはずの元夫・又十蔵が転がり込んできて——
※「今宵は遣らずの雨」「大江戸ロミオ&ジュリエット」「大江戸シンデレラ」「大江戸の番人 〜吉原髪切り捕物帖〜」にうっすらと関連したお話ですが単独でお読みいただけます。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
サイレント・サブマリン ―虚構の海―
来栖とむ
SF
彼女が追った真実は、国家が仕組んだ最大の嘘だった。
科学技術雑誌の記者・前田香里奈は、謎の科学者失踪事件を追っていた。
電磁推進システムの研究者・水嶋総。彼の技術は、完全無音で航行できる革命的な潜水艦を可能にする。
小与島の秘密施設、広島の地下工事、呉の巨大な格納庫—— 断片的な情報を繋ぎ合わせ、前田は確信する。
「日本政府は、秘密裏に新型潜水艦を開発している」
しかし、その真実を暴こうとする前田に、次々と圧力がかかる。
謎の男・安藤。突然現れた協力者・森川。 彼らは敵か、味方か——
そして8月の夜、前田は目撃する。 海に下ろされる巨大な「何か」を。
記者が追った真実は、国家が仕組んだ壮大な虚構だった。 疑念こそが武器となり、嘘が現実を変える——
これは、情報戦の時代に問う、現代SF政治サスペンス。
【全17話完結】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる