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3日目(3)
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「晃ってさ、生徒会の手伝いしてるんだよな。崇月祭で作るお菓子って何?」
佐藤三人衆の内の一人、佐藤雄介が休み時間にメモ帳を持って俺の席に訪ねてきた。
ここでは、食堂で出されるもの以外、菓子類の持ち込みが制限されているため、崇月祭で振舞われるお菓子を楽しみにしている生徒は多いという。
佐藤も例外ではないようで、ウキウキ顔で俺の答えを待っている。
材料の発注も手伝ったので粗方内容は知ってはいるが、教えていいものなのだろうか?
口外禁止とは言われていないが。
うーん。
「ミートパイと、クッキーと、チーズケーキ。あとは秘密」
教えていいものかどうか思案していると、俺に代わり誰かが佐藤に向けてスラスラと答える。
この声は………
「弓川先輩。言っていいんですか?」
いつの間にか腕を組んだ弓川が俺の机の前に立っていた。
1年の教室に入ってきた上級生、しかも学園の有名人である弓川の存在に気づき教室が小さくどよめく。
それを気に留める様子もなく、弓川は人差し指を立てて口元に置く。
「機密情報ってわけじゃないよ。けど他は当日のお楽しみ。秘密にしておこう」
「へ、あ、ありがとうございます!」
佐藤がペコペコと頭を下げるのを弓川は愉快そうに眺めて、全然いいよ、と微笑みかける。
天使だ。
微笑む弓川に心を奪われた教室内の全員の心の声が聞こえてくる。
俺も微笑む弓川の背景に、咲き誇る色とりどりのバラが見えて目をこすったところだ。
幻覚さえも作り出すイケメン恐るべし。
「そうそう晃。ちょっといい?」
「はい、なんですか?」
「内緒話。こっちきて」
教室のみんなの視線が痛い。
窓際でクラスメイトと話している郁哉も、なにやらジト目でこちらに視線を送ってきている。
弓川に手を引かれた俺は、嫉妬と羨望の眼差しを一身に受け教室を後にした。
連れてこられたのは同じ階の空き教室。
整然と並ぶ席の一角に腰を掛け、弓川は俺にも着席を促した。
徹底的に人を避けた場所のチョイスに、幾ばくか物々しさを感じなくもない。
「晃、今朝部屋抜け出したらしいじゃん」
「え………」
弓川の口調はあくまでもいつも通りフランクで、俺を責める雰囲気ではないが、事実としてこれは反省文を書くレベルの寮則違反だ。
誰にも見られていないと思ってたのだが。しくじった。
身構える俺の緊張をほぐすように弓川は俺の肩を優しく叩く。
「とある人がそれを寮長に言うか言わないか悩んでたから、秘密するようお願いしといた。今度からはもっとうまくやるんだよ」
「ありがとうございます」
口調同様、特に叱責するつもりはないようで、そんな弓川の様子にそっと胸をなでおろし素直に礼を言う。
「いいよ。俺と晃の仲じゃん?」
任せて、と見とれる程に芸術的な目くばせをする弓川。
といっても俺たちはまだ出会って3日の仲だ。
そんなツッコミを入れてしまいそうになるのを抑えつつ、弓川の仲間意識の敷居の低さに感謝する。
「ところで、どうして晃はあんな時間に水原君の部屋に行ったの?」
侵入先までバレているとは存外、寮内の監視の目は行き届いているようだ。
理由についてはこの年にもなって、と多少の恥じらいはあるが、隠す程のものではないと思ったのでそのまま話した。
「えええ。幽霊?そっか。悪夢と寒さと幽霊の三重苦は1人では耐えられないかもしれないね」
そう言って少々考え込む様子を見せ、弓川は何かを思いついたように手を打った。
「もしまだ、幽霊とか悪夢が怖いなら、今日は僕の部屋に来る?」
弓川の予想外の提案に、一瞬理解が及ばず、パチパチとまばたきをする。
この提案によって、弓川は本当に事実確認をしていただけで、遠回しに咎めてたわけでもないということは分かった。
「僕と一緒に寝ると少なくとも悪夢は見ないと思うよ。特技なんだ」
自慢げな表情の弓川だが、そんな限定的な特技を試すことはそうそうないだろうからして、これはこの人のいつもの軽口の内なのだと判断する。
正直、誰かと一緒にいた方が、眠れそうだという気持ちはある。
日に日にリアルになる悪夢に精神的に追い詰められそうな気配はあるので、ぜひとも乗らせていただきたい提案ではあるが………
「バレたら今度は先輩も巻き添えになってしまうと思うので遠慮します……」
「そこは大丈夫!生徒会役員の数少ない特権を行使するときさ」
弓川は上級生だが、穏やかでさっぱりした性格ということもあり気を張らなくて良さそうだし。
誰かさんと違って寝ぼけて襲ってくることもないだろうし。
大変魅力的な提案なため、そういうことなら、と俺は二つ返事でお願いすることにした。
「そろそろ次の授業だね。じゃあまた、生徒会室で」
連絡先を交換し、機嫌良さそうに去っていく弓川の背中を見送って俺は教室に戻った。
それを待ち構えていたかのように、立ちはだかるのは郁哉in陽キャ軍団。
「弓川先輩とはどんな内緒話をしたんだね?」
相変わらずジト目でこちらを見てく無言の郁哉の代わりに、クラスの陽キャ代表の金井くんがめちゃくちゃ顔を近づけて質問してくる。
「内緒話というより、あの…えっと…生徒会の手伝いのことだよ」
内緒話は本当に内緒のことだったので、それらしい言い訳で場を凌ぐことにしよう。
「いいな、俺も手伝いたいな」
まさか、弓川のファンなのだろうか。金井くんが羨ましそうに俺を見る。
「だめっしょ。半澤と生徒会の4人の中にお前が入ったら、美しい花園に入ったゴブリンみたいな絵面になる」
金井くんの尊厳のために一応言っておくが、金井くんは断じてゴブリンとか不細工とかいうわけではない。強いて言うなら中の上あたりであると思う。
「あの中に入る勇気はさすがに俺もないわ」
「生徒会役員の欠員がずっと埋まらなかったのもそれが原因らしいね」
「欠員になった書記の人って、そういえば去年の失踪者らしいじゃん」
陽キャたちの会話の中の不穏に耳がピクリと反応する。
失踪者………。
米山先輩の言ってた先輩のことだろうか。
そして、その人は生徒会役員でもあったってこと?
「こわっ。でもそれってただの噂だべ?」
「わからん、今度先輩に聞いてみる」
以降は特に有益な情報は語られることはなく、授業開始のチャイムと共に怒涛の休み時間が終わった。
去年の失踪者がこんな身近なところにいたなんて………
あとで弓川に話を聞いてみたいところだが、センシティブ内容になりそうなので、この話題に触れられるかどうかは空気次第だな。
佐藤三人衆の内の一人、佐藤雄介が休み時間にメモ帳を持って俺の席に訪ねてきた。
ここでは、食堂で出されるもの以外、菓子類の持ち込みが制限されているため、崇月祭で振舞われるお菓子を楽しみにしている生徒は多いという。
佐藤も例外ではないようで、ウキウキ顔で俺の答えを待っている。
材料の発注も手伝ったので粗方内容は知ってはいるが、教えていいものなのだろうか?
口外禁止とは言われていないが。
うーん。
「ミートパイと、クッキーと、チーズケーキ。あとは秘密」
教えていいものかどうか思案していると、俺に代わり誰かが佐藤に向けてスラスラと答える。
この声は………
「弓川先輩。言っていいんですか?」
いつの間にか腕を組んだ弓川が俺の机の前に立っていた。
1年の教室に入ってきた上級生、しかも学園の有名人である弓川の存在に気づき教室が小さくどよめく。
それを気に留める様子もなく、弓川は人差し指を立てて口元に置く。
「機密情報ってわけじゃないよ。けど他は当日のお楽しみ。秘密にしておこう」
「へ、あ、ありがとうございます!」
佐藤がペコペコと頭を下げるのを弓川は愉快そうに眺めて、全然いいよ、と微笑みかける。
天使だ。
微笑む弓川に心を奪われた教室内の全員の心の声が聞こえてくる。
俺も微笑む弓川の背景に、咲き誇る色とりどりのバラが見えて目をこすったところだ。
幻覚さえも作り出すイケメン恐るべし。
「そうそう晃。ちょっといい?」
「はい、なんですか?」
「内緒話。こっちきて」
教室のみんなの視線が痛い。
窓際でクラスメイトと話している郁哉も、なにやらジト目でこちらに視線を送ってきている。
弓川に手を引かれた俺は、嫉妬と羨望の眼差しを一身に受け教室を後にした。
連れてこられたのは同じ階の空き教室。
整然と並ぶ席の一角に腰を掛け、弓川は俺にも着席を促した。
徹底的に人を避けた場所のチョイスに、幾ばくか物々しさを感じなくもない。
「晃、今朝部屋抜け出したらしいじゃん」
「え………」
弓川の口調はあくまでもいつも通りフランクで、俺を責める雰囲気ではないが、事実としてこれは反省文を書くレベルの寮則違反だ。
誰にも見られていないと思ってたのだが。しくじった。
身構える俺の緊張をほぐすように弓川は俺の肩を優しく叩く。
「とある人がそれを寮長に言うか言わないか悩んでたから、秘密するようお願いしといた。今度からはもっとうまくやるんだよ」
「ありがとうございます」
口調同様、特に叱責するつもりはないようで、そんな弓川の様子にそっと胸をなでおろし素直に礼を言う。
「いいよ。俺と晃の仲じゃん?」
任せて、と見とれる程に芸術的な目くばせをする弓川。
といっても俺たちはまだ出会って3日の仲だ。
そんなツッコミを入れてしまいそうになるのを抑えつつ、弓川の仲間意識の敷居の低さに感謝する。
「ところで、どうして晃はあんな時間に水原君の部屋に行ったの?」
侵入先までバレているとは存外、寮内の監視の目は行き届いているようだ。
理由についてはこの年にもなって、と多少の恥じらいはあるが、隠す程のものではないと思ったのでそのまま話した。
「えええ。幽霊?そっか。悪夢と寒さと幽霊の三重苦は1人では耐えられないかもしれないね」
そう言って少々考え込む様子を見せ、弓川は何かを思いついたように手を打った。
「もしまだ、幽霊とか悪夢が怖いなら、今日は僕の部屋に来る?」
弓川の予想外の提案に、一瞬理解が及ばず、パチパチとまばたきをする。
この提案によって、弓川は本当に事実確認をしていただけで、遠回しに咎めてたわけでもないということは分かった。
「僕と一緒に寝ると少なくとも悪夢は見ないと思うよ。特技なんだ」
自慢げな表情の弓川だが、そんな限定的な特技を試すことはそうそうないだろうからして、これはこの人のいつもの軽口の内なのだと判断する。
正直、誰かと一緒にいた方が、眠れそうだという気持ちはある。
日に日にリアルになる悪夢に精神的に追い詰められそうな気配はあるので、ぜひとも乗らせていただきたい提案ではあるが………
「バレたら今度は先輩も巻き添えになってしまうと思うので遠慮します……」
「そこは大丈夫!生徒会役員の数少ない特権を行使するときさ」
弓川は上級生だが、穏やかでさっぱりした性格ということもあり気を張らなくて良さそうだし。
誰かさんと違って寝ぼけて襲ってくることもないだろうし。
大変魅力的な提案なため、そういうことなら、と俺は二つ返事でお願いすることにした。
「そろそろ次の授業だね。じゃあまた、生徒会室で」
連絡先を交換し、機嫌良さそうに去っていく弓川の背中を見送って俺は教室に戻った。
それを待ち構えていたかのように、立ちはだかるのは郁哉in陽キャ軍団。
「弓川先輩とはどんな内緒話をしたんだね?」
相変わらずジト目でこちらを見てく無言の郁哉の代わりに、クラスの陽キャ代表の金井くんがめちゃくちゃ顔を近づけて質問してくる。
「内緒話というより、あの…えっと…生徒会の手伝いのことだよ」
内緒話は本当に内緒のことだったので、それらしい言い訳で場を凌ぐことにしよう。
「いいな、俺も手伝いたいな」
まさか、弓川のファンなのだろうか。金井くんが羨ましそうに俺を見る。
「だめっしょ。半澤と生徒会の4人の中にお前が入ったら、美しい花園に入ったゴブリンみたいな絵面になる」
金井くんの尊厳のために一応言っておくが、金井くんは断じてゴブリンとか不細工とかいうわけではない。強いて言うなら中の上あたりであると思う。
「あの中に入る勇気はさすがに俺もないわ」
「生徒会役員の欠員がずっと埋まらなかったのもそれが原因らしいね」
「欠員になった書記の人って、そういえば去年の失踪者らしいじゃん」
陽キャたちの会話の中の不穏に耳がピクリと反応する。
失踪者………。
米山先輩の言ってた先輩のことだろうか。
そして、その人は生徒会役員でもあったってこと?
「こわっ。でもそれってただの噂だべ?」
「わからん、今度先輩に聞いてみる」
以降は特に有益な情報は語られることはなく、授業開始のチャイムと共に怒涛の休み時間が終わった。
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