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それぞれの想い
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会場へと向かっている最中、手首に紅い紋章を纏わせている人がいることに気が付いた。
(参加者か… お、筋肉すごい……こっちの人は亜人?す、透けてる…!)
種族による特性や武器など気になってしまいそうになるが、隣のレイルを一瞥すると目が合った。
「…手、握るのって変…だよな?他に離れない方法って―――」
「変じゃないです!!」
声がデカいって、と腕を軽く叩きながらも彼の手をぐっと握った。また離れて痛い目に遭いたくはない
「すみません…オレの手、離さないでくださいね…」
観覧料を支払って指定された席へと向かう。既にびっしりと埋まっていて、今か今かと次の戦を待ち焦がれていた。
元の世界では闘技場のみをピックアップした配信者も居たくらい、戦術を参考にしては魅せる場でもあった。
(こんな所に、俺が出てたのか…)
1回くらいは1位を取ってみたいと、まずはランキング上位を目指した。それまで何度も負けたりして悔しい思いをしたこともある。
念願叶ってついに1位を取れた時は思わず叫んだ。他のプレイヤーからも祝ってもらえて嬉しかった。
でも正直、気も張るし体力も削られる。さらにはプライベートにも影響が出ていたので2回目は勘弁したいなと思ったものだ。
「さあ!さあさあさあ… 次も張り切って逝っちゃおうか~!死にて~奴、出てきな~っ!」
司会も会場を煽ってさらに騒がしくなり、次の参戦者が出て来た。
その瞬間、目の前にはモニターのような表示が“NEW”という文字と共に現れた。どうやら参加メンバーの詳細がここで分かるらしい
そして対する魔物が続々と現れる度に踊るような動きで敵を殲滅していく
実際に見ればとんでもない事をしているのに、ゲーム視点が時々思い出される俺からすると上級者という訳でもない感じがした。
(どうやってあんな動きが出来るんだろう…)
武術や魔術を駆使しているのだから到底真似出来るようなものではないのだが、もし出来たら世界が変わりそうだ
そしてついに3人が姿を現した。エースを先頭に、リヒトと続いて俺の姿をしたアイツは、手に武器を持ってもいなかった。
(俺が、あんなところに……)
先程までの乱戦を見たら、とてもあんな所に居たいなんて思わない。戦える術を持たないのに、なぜ出ようと思ったのだろう
戦闘が開始されるとエースやリヒトは俺の姿をしたアイツに被害が及ばぬよう守り、動いていた。
当然アイツは何もしないし、腕を組んでその場に立っているだけ
ああいったプレイの仕方が全くなかったわけじゃないが、今のアイツは丸腰であまり褒められたものではない
様子が気になって隣のレイルを見たその時だった。彼は強引に俺をかばうように抱き寄せ、魔術で何かから守られたことは分かった。
「なっ……に…?」
周辺が急に眩しくなって、しかしそれもすぐに収まった。会場もあれだけ騒がしかったのに、すっかり静まり返っている。
レイルは会場と俺を交互に見て、細剣の柄に手を添えた。何が起きたのだろう、理解出来ずに戸惑う
目が慣れてきたところで会場を見ると、エースとリヒトはアイツに向けて跪いていた。
「…な、に……?」
「ッは……!っは…はぁっ……はあっ…!」
急にレイルの荒々しい呼吸が聞こえて彼を見ると、大きな脂汗が出ていて過呼吸にでもなったかのような状態だった。
「お、おいっ… 大丈夫か?」
「…っ!…エー…スも……リヒ、ト…もっ……はあっ…!はっ…!」
エースもリヒトも訳が分からず、会場にいる2人を見ればレイルと同じように肩で大きく呼吸を繰り返しているようにも見えた。
(ど……どうしたらっ…!)
周囲を見渡しても、他の観覧者は意志がなくなったかのように呆然としている。
おそらくアイツが何かやったのだろう。レイル、そしてエースやリヒトの3人が同時に異常が起きるなんてあきらかに普通ではない
小刻みに震えるレイルの肩に手を起き、ゆっくりと座るように移動させた。まだ苦しそうなレイルは、目を見開いて俺を見ていた。
「…お、俺…… アイツと、話してみる… レイルは、落ち着くまで無理しちゃダメだからな」
「だっ……!はっ…!ダン…ナッ!はあッ…!」
彼にぐっと震える手で腕を掴まれるも、それはあまり強いものではなかった。その手を俺はゆっくりと離すようにした。
「…ありがとう、でも…俺、行ってくる」
俺は観覧席から離れ、会場に向かう道へと走り出した。少し距離はあった気はするけど、ゲームと同じなら場所は大体覚えている。
護身用の短剣に手を添えながら会場へ向かう。本当はレイルを置いてはいきたくなかった。単独行動もしたくなかった。
だけど、3人同時に状態異常のような症状が起きるのだとしたらアイツが何かしたに違いなかった。
(参加者か… お、筋肉すごい……こっちの人は亜人?す、透けてる…!)
種族による特性や武器など気になってしまいそうになるが、隣のレイルを一瞥すると目が合った。
「…手、握るのって変…だよな?他に離れない方法って―――」
「変じゃないです!!」
声がデカいって、と腕を軽く叩きながらも彼の手をぐっと握った。また離れて痛い目に遭いたくはない
「すみません…オレの手、離さないでくださいね…」
観覧料を支払って指定された席へと向かう。既にびっしりと埋まっていて、今か今かと次の戦を待ち焦がれていた。
元の世界では闘技場のみをピックアップした配信者も居たくらい、戦術を参考にしては魅せる場でもあった。
(こんな所に、俺が出てたのか…)
1回くらいは1位を取ってみたいと、まずはランキング上位を目指した。それまで何度も負けたりして悔しい思いをしたこともある。
念願叶ってついに1位を取れた時は思わず叫んだ。他のプレイヤーからも祝ってもらえて嬉しかった。
でも正直、気も張るし体力も削られる。さらにはプライベートにも影響が出ていたので2回目は勘弁したいなと思ったものだ。
「さあ!さあさあさあ… 次も張り切って逝っちゃおうか~!死にて~奴、出てきな~っ!」
司会も会場を煽ってさらに騒がしくなり、次の参戦者が出て来た。
その瞬間、目の前にはモニターのような表示が“NEW”という文字と共に現れた。どうやら参加メンバーの詳細がここで分かるらしい
そして対する魔物が続々と現れる度に踊るような動きで敵を殲滅していく
実際に見ればとんでもない事をしているのに、ゲーム視点が時々思い出される俺からすると上級者という訳でもない感じがした。
(どうやってあんな動きが出来るんだろう…)
武術や魔術を駆使しているのだから到底真似出来るようなものではないのだが、もし出来たら世界が変わりそうだ
そしてついに3人が姿を現した。エースを先頭に、リヒトと続いて俺の姿をしたアイツは、手に武器を持ってもいなかった。
(俺が、あんなところに……)
先程までの乱戦を見たら、とてもあんな所に居たいなんて思わない。戦える術を持たないのに、なぜ出ようと思ったのだろう
戦闘が開始されるとエースやリヒトは俺の姿をしたアイツに被害が及ばぬよう守り、動いていた。
当然アイツは何もしないし、腕を組んでその場に立っているだけ
ああいったプレイの仕方が全くなかったわけじゃないが、今のアイツは丸腰であまり褒められたものではない
様子が気になって隣のレイルを見たその時だった。彼は強引に俺をかばうように抱き寄せ、魔術で何かから守られたことは分かった。
「なっ……に…?」
周辺が急に眩しくなって、しかしそれもすぐに収まった。会場もあれだけ騒がしかったのに、すっかり静まり返っている。
レイルは会場と俺を交互に見て、細剣の柄に手を添えた。何が起きたのだろう、理解出来ずに戸惑う
目が慣れてきたところで会場を見ると、エースとリヒトはアイツに向けて跪いていた。
「…な、に……?」
「ッは……!っは…はぁっ……はあっ…!」
急にレイルの荒々しい呼吸が聞こえて彼を見ると、大きな脂汗が出ていて過呼吸にでもなったかのような状態だった。
「お、おいっ… 大丈夫か?」
「…っ!…エー…スも……リヒ、ト…もっ……はあっ…!はっ…!」
エースもリヒトも訳が分からず、会場にいる2人を見ればレイルと同じように肩で大きく呼吸を繰り返しているようにも見えた。
(ど……どうしたらっ…!)
周囲を見渡しても、他の観覧者は意志がなくなったかのように呆然としている。
おそらくアイツが何かやったのだろう。レイル、そしてエースやリヒトの3人が同時に異常が起きるなんてあきらかに普通ではない
小刻みに震えるレイルの肩に手を起き、ゆっくりと座るように移動させた。まだ苦しそうなレイルは、目を見開いて俺を見ていた。
「…お、俺…… アイツと、話してみる… レイルは、落ち着くまで無理しちゃダメだからな」
「だっ……!はっ…!ダン…ナッ!はあッ…!」
彼にぐっと震える手で腕を掴まれるも、それはあまり強いものではなかった。その手を俺はゆっくりと離すようにした。
「…ありがとう、でも…俺、行ってくる」
俺は観覧席から離れ、会場に向かう道へと走り出した。少し距離はあった気はするけど、ゲームと同じなら場所は大体覚えている。
護身用の短剣に手を添えながら会場へ向かう。本当はレイルを置いてはいきたくなかった。単独行動もしたくなかった。
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