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『だっ、だいじょうぶ?す、すず。は、はい・・・』
のえるは吊るされている(それ)を視界に入れないよう、すずふみに恐怖で震えながらも、小さい手を差し伸べる。
(いったいなにがどうなってるのよ・・・もぅ、わたしこうゆうのダメなのにぃ・・・ほんとにもう、まじで夢だったら覚めてよぉ)
差しのべた手にすずふみの体温、人肌の温もりが伝わり、のえるは少し落ちつきを取り戻す。
『ありがとうのえる・・・』
親友であるのえるの手にひかれ、ゆっくりと立ち上がるすずふみ。
『す、すず、と、とりあえずここからで、でよう』
『うん・・・。』
今踏み入れたばかりの職員室を、二人は後にすべく背中を向ける。
ドンッ
小さな身体に何かがぶつかったような衝撃。のえるの心臓が飛び上がる。
『きゃっ、きゃああああああっっ!!』
そして間を置かず、耳をつんざくようなのえるの悲鳴。我慢していたものが一気に放出されたのだろう。
それは先ほどのすずふみとは比較にならないほどの大音量だった。
『のわあぁぁぁぁっ!!うるせえぇぇえっ!!』
『・・・へっ?』
聞き覚えのある声にのえるの悲鳴は終わりを迎える。しかし、その目には大きな涙をためていた。
『・・・れつ?』
のえるの身長は約百五十五センチ、れつと呼ばれた男子生徒は約百七十五センチ。大人と子供ぐらいの差があり、のえるは見上げる姿勢となる。
『ったく、死ぬかとおもったぜ・・・。』
れつは両耳を塞いでいた手を離すとそういった。
『のえる、すずふみ遅れてごめん』
『・・・ゆういちっ』
『ゆういちくんっ』
そしてもうひとり、ゆういちのすぐとなりにいる。ひとことも言葉を発しない、ちょっとぽっちゃり体型のごんぶと。
のえる、すずふみの待ち人達が、目の前にその姿を現した。たった三人、されど三人。性別は違うし、思いも人それぞれ。・・・恋人どおしでもない・・・ただのともだち。
・・・でも、いふ。じぇね。という名の少女達を救いたいと思う気持ちでここに集まったのだ。
『おそかったじゃんかよっ』
のえるは目にたまっていた涙を何気無い動作で拭き取ると、それを誤魔化すかのようにれつにつっかかる。
『ははっ、わりぃ、わりぃ・・・じつはさ』
『・・・なに?』
『・・・のえるがちいさくてみえなかったんだよ。いやぁ、さがした。さがした』
『なっ?うっ、うるさいなっ。ちっちゃいっていわないでよ』
顔を真っ赤にしてプリプリと怒るのえるは、低い身長も相まってほんとの子どものようだ。れつがからかいたくなるのも頷ける。
・・・が、こんかいはれつなりに場を和ませる為の配慮だった。
『まぁ、冗談はさておき、本題に入ろう・・・なんか、いふとじぇねが行方不明らしいな』
れつの表情が先ほどとはうってかわって、真面目な目つきで、のえるとすずふみを交互にみる。
『うん、そうなんだ。・・・血がいっぱいとか、校舎に入れないとか、そんなメールが二人からきて
・・・居場所だけでもわかればとおもってメール送ったんだけど、まだ返事こないんだ・・・』
『先生達にはもう話した?』
のえるの言葉にゆういちが口をはさむ。
『・・・それがね・・・みてもらったほうが早いとおもうんだけど・・・』
こんどはのえるのとなりにいるすずふみが答える。その声は震えていた。
『れつさん・・・』
『・・・あぁっ』
れつとゆういちはそんなすずふみの姿から何かを察したのだろう。頷きあっている。
だが、もう一人の男子生徒ごんぶとは、れつやゆういち達とは違い、自分は無関係であるかのように、下を向きながら太い指でスマホを弄っていた。
無言でごんぶとを睨み付けるれつ。その態度に苛立ちを覚えたのだろう。ごんぶとにスマホを握っている左手を強くはたいた。
カシャンッ、カッ、カッ
通路に打ちつけられ、数メートルほど転がる銀色のスマートフォン。
『なにすんだっ、おまえっ!!』
太い腕をおもいっきり振り上げるごんぶと。
バッシィーンッ
重量感のある音が通路に響きわたる。まさか反撃をされるとは思いもしなかったれつはまともにそれを顔にもらう。
『ってぇなぁっっ、このデブッ!!』
そして反射的にれつの右の足があがる。・・・まさに突発的といった感じだ。しかしれつは思うことがあったのだろう。
自発的に力をセーブしたのか、ごんぶとの脇腹に到着するまでには勢いはなきに等しかった。
バシッ
乾いた音がなる。れつは小さな声で一言。
『・・・わるかったな・・・』
れつという男子生徒は曲がったことが大嫌いで友情にアツい熱血漢だった。困っている者をほおっておくなどできないのだ。
しかしながら自分の考えを他人に押しつける傾向があり、そんな自分の意向とそぐわない相手にキレる。短期な面もあった。
今回のごんぶとの態度に苛立ちを覚えたのはそのためだ。そして、その短所が表に出てしまい、
自分の感情で暴力的行動を抑えたといったところだろう。そして、自分の非を自覚し謝ったのだ。
『・・・いいよ・・・俺もおまえのこと殴っちまったし・・・俺こそわるかったよ』
れつの怒りをかった理由は自分の態度にあったことに気づいたごんぶとは頭をさげる。
確かに人の生死がかかっているような状況でする行動ではないだろう。れつと同じく自分の非を認め謝ったのだ。
れつと違い、ごんぶとという男子生徒は、何に対してもいい加減で自己中心的。自分に何かメリットのようなものがないと行動を起こさないような性格。
そして自分に自信がなく、被害妄想がある。
・・・それは惚れっぽく、これまで何人もの女性に振られ、他の人たちに、体格のことを馬鹿にされたりしたからに他ならない。
・・・ごんぶとだけのせいではない。心ない言葉で追い込んでしまったまわりの者たちにも責任はあるのだ.
・・・ごんぶとは、一言謝ると、通路の端に落ちているスマホを拾い上げ、そして無言でズボンのポケットに押し込む。
のえるは吊るされている(それ)を視界に入れないよう、すずふみに恐怖で震えながらも、小さい手を差し伸べる。
(いったいなにがどうなってるのよ・・・もぅ、わたしこうゆうのダメなのにぃ・・・ほんとにもう、まじで夢だったら覚めてよぉ)
差しのべた手にすずふみの体温、人肌の温もりが伝わり、のえるは少し落ちつきを取り戻す。
『ありがとうのえる・・・』
親友であるのえるの手にひかれ、ゆっくりと立ち上がるすずふみ。
『す、すず、と、とりあえずここからで、でよう』
『うん・・・。』
今踏み入れたばかりの職員室を、二人は後にすべく背中を向ける。
ドンッ
小さな身体に何かがぶつかったような衝撃。のえるの心臓が飛び上がる。
『きゃっ、きゃああああああっっ!!』
そして間を置かず、耳をつんざくようなのえるの悲鳴。我慢していたものが一気に放出されたのだろう。
それは先ほどのすずふみとは比較にならないほどの大音量だった。
『のわあぁぁぁぁっ!!うるせえぇぇえっ!!』
『・・・へっ?』
聞き覚えのある声にのえるの悲鳴は終わりを迎える。しかし、その目には大きな涙をためていた。
『・・・れつ?』
のえるの身長は約百五十五センチ、れつと呼ばれた男子生徒は約百七十五センチ。大人と子供ぐらいの差があり、のえるは見上げる姿勢となる。
『ったく、死ぬかとおもったぜ・・・。』
れつは両耳を塞いでいた手を離すとそういった。
『のえる、すずふみ遅れてごめん』
『・・・ゆういちっ』
『ゆういちくんっ』
そしてもうひとり、ゆういちのすぐとなりにいる。ひとことも言葉を発しない、ちょっとぽっちゃり体型のごんぶと。
のえる、すずふみの待ち人達が、目の前にその姿を現した。たった三人、されど三人。性別は違うし、思いも人それぞれ。・・・恋人どおしでもない・・・ただのともだち。
・・・でも、いふ。じぇね。という名の少女達を救いたいと思う気持ちでここに集まったのだ。
『おそかったじゃんかよっ』
のえるは目にたまっていた涙を何気無い動作で拭き取ると、それを誤魔化すかのようにれつにつっかかる。
『ははっ、わりぃ、わりぃ・・・じつはさ』
『・・・なに?』
『・・・のえるがちいさくてみえなかったんだよ。いやぁ、さがした。さがした』
『なっ?うっ、うるさいなっ。ちっちゃいっていわないでよ』
顔を真っ赤にしてプリプリと怒るのえるは、低い身長も相まってほんとの子どものようだ。れつがからかいたくなるのも頷ける。
・・・が、こんかいはれつなりに場を和ませる為の配慮だった。
『まぁ、冗談はさておき、本題に入ろう・・・なんか、いふとじぇねが行方不明らしいな』
れつの表情が先ほどとはうってかわって、真面目な目つきで、のえるとすずふみを交互にみる。
『うん、そうなんだ。・・・血がいっぱいとか、校舎に入れないとか、そんなメールが二人からきて
・・・居場所だけでもわかればとおもってメール送ったんだけど、まだ返事こないんだ・・・』
『先生達にはもう話した?』
のえるの言葉にゆういちが口をはさむ。
『・・・それがね・・・みてもらったほうが早いとおもうんだけど・・・』
こんどはのえるのとなりにいるすずふみが答える。その声は震えていた。
『れつさん・・・』
『・・・あぁっ』
れつとゆういちはそんなすずふみの姿から何かを察したのだろう。頷きあっている。
だが、もう一人の男子生徒ごんぶとは、れつやゆういち達とは違い、自分は無関係であるかのように、下を向きながら太い指でスマホを弄っていた。
無言でごんぶとを睨み付けるれつ。その態度に苛立ちを覚えたのだろう。ごんぶとにスマホを握っている左手を強くはたいた。
カシャンッ、カッ、カッ
通路に打ちつけられ、数メートルほど転がる銀色のスマートフォン。
『なにすんだっ、おまえっ!!』
太い腕をおもいっきり振り上げるごんぶと。
バッシィーンッ
重量感のある音が通路に響きわたる。まさか反撃をされるとは思いもしなかったれつはまともにそれを顔にもらう。
『ってぇなぁっっ、このデブッ!!』
そして反射的にれつの右の足があがる。・・・まさに突発的といった感じだ。しかしれつは思うことがあったのだろう。
自発的に力をセーブしたのか、ごんぶとの脇腹に到着するまでには勢いはなきに等しかった。
バシッ
乾いた音がなる。れつは小さな声で一言。
『・・・わるかったな・・・』
れつという男子生徒は曲がったことが大嫌いで友情にアツい熱血漢だった。困っている者をほおっておくなどできないのだ。
しかしながら自分の考えを他人に押しつける傾向があり、そんな自分の意向とそぐわない相手にキレる。短期な面もあった。
今回のごんぶとの態度に苛立ちを覚えたのはそのためだ。そして、その短所が表に出てしまい、
自分の感情で暴力的行動を抑えたといったところだろう。そして、自分の非を自覚し謝ったのだ。
『・・・いいよ・・・俺もおまえのこと殴っちまったし・・・俺こそわるかったよ』
れつの怒りをかった理由は自分の態度にあったことに気づいたごんぶとは頭をさげる。
確かに人の生死がかかっているような状況でする行動ではないだろう。れつと同じく自分の非を認め謝ったのだ。
れつと違い、ごんぶとという男子生徒は、何に対してもいい加減で自己中心的。自分に何かメリットのようなものがないと行動を起こさないような性格。
そして自分に自信がなく、被害妄想がある。
・・・それは惚れっぽく、これまで何人もの女性に振られ、他の人たちに、体格のことを馬鹿にされたりしたからに他ならない。
・・・ごんぶとだけのせいではない。心ない言葉で追い込んでしまったまわりの者たちにも責任はあるのだ.
・・・ごんぶとは、一言謝ると、通路の端に落ちているスマホを拾い上げ、そして無言でズボンのポケットに押し込む。
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