Beyond the Soul ~第一話~ 唸れ風神剣っ!!悲しみを乗り越えてっ!!~第二話~ 邪を滅せよっ!!聖なる魂っ!!

ぐれおねP

文字の大きさ
9 / 20

スマートフォン

しおりを挟む
『ごんぶと、スマホ大丈夫だったか・・・?』

 れつが心配そうに言う。

『・・・さぁ・・・みてねぇから・・・』
『・・・そうか・・・』

 場に気まずい空気がながれる。誰一人として口を開かない。そんな沈黙をゆういちが破った。

『れつさんらしくないじゃないですか・・・今はじぇねちゃんといふちゃんをさがすのが先でしょ?』

『・・・あ・・・あぁっ、そうだね。わるいゆういち』
『ほらっ、すずふみものえるもっ』
『うん』
『ほんと、そのとおりだね』

 ここまで、笑顔を作ってきたゆういちだが、ごんぶとの方に振り返ると眉間にシワをよせる。

『・・・それからごんぶと』

 自分に対してだけ苛立ちをこめた、ゆういちの話し方に、内心ムッとするごんぶと。

『なんだよ?』
『・・・おまえ、協力する気がないなら来なくていいよ。』

 あっさり・・・それはあまりにもあっさりだった。ゆういちから、いきなり予想外の戦力外通告に、ごんぶとは目頭が熱くなるのを感じる。

 ・・・自分がいなくてもよいという悔しさや、切なさは、被害妄想の強いごんぶとの心に大きなダメージを与えたのだ。

そしてそれは、相手に対する怒りにかわる。

『ああ、そうかよっ!!』

 そう、ゆういちを睨み付けて踵を返すごんぶと。わざわざ大きな足音をたてながら。

 そして反撃をしてこない物。壁を蹴るとその場を後にした。残された四人は、それをただ静かに見つめている事しかできなかった。

 れつは静かに口を開く。

『・・・ゆういち・・・』

 その声に振り返るゆういち。のえるとすずふみも続いた。

『れつさん、甘いんだから。俺よりもずっと、あいつが他力本願だってことを知っていると思いますけどねっ、

 連れていっても足手まといになるだけですよ。・・・ごんぶとの場違いな態度に頭にきたんですよね?

 俺には、そんなれつさんの一直線な気持ちがよくわかります。だから、代わりに言ったまでです。

 ・・・ねぇ、れつさん?。相手を思いやる心がとり返しのつかないことになる場合だってあるんですよ。ひとりのやる気のない人間がまわりを危険にさらす。・・・俺はあんな奴のために自分を犠牲にしたくない。』

『・・・そうだな・・・俺はごんぶとにも協力して欲しかった。友達だから。・・・だけどそれは俺の理想のルールにのってほしかっただけなのかもしれないな・・・』

 そんなれつの心情からでる言葉をかみしめるとゆういちは言った。
 
『・・・れつさん、俺がなんでれつさんだけ(さん)づけで呼ぶかしってます?・・・生まれも半年しか違わない同い年なのに。

 それはれつさんを尊敬しているからですよ。俺のない部分をいっぱいもってるから

・・・か、勘違いしないでくださいよ。恋愛ってことじゃないですから。俺はノーマルなんでっ』

 ちょっとだけ赤みを帯びるゆういちの顔。その言葉にれつは笑いながら答える。

『ははっ、それはいわなくてもわかるよ・・・でもありがとうな』

 その言葉の後、れつは再び真剣な面持ちとなる。

『・・・話をもとに戻そう。すずふみさんの態度でわかったんだけど、職員室の先生達ってなにか見えないもので上から吊るされてたんじゃないのか?』

 すずふみとのえるの顔が驚きと困惑の表情にかわる。
 
『えっ、なんでしってんの?』
『わたしびっくりしました。』
『やっぱりね。・・・じつはさここにくる前に、

 この時間にみあわない静けさが気になって他の教室とかに探りをいれたんだよ。

・・・それでそんな光景を何度も目にしてたからさ。』

『ごんぶとのやつは信じないで、見もしなかったけどね』
『・・・ゆういち・・・もういいよ。あいつのことは』
『・・・そうですね・・・れつさんすいません』

 ゆういちは自分の過ちを認めたのかすぐに謝罪をした。そしてれつは話を続ける。

『話を戻すけど、いふ、じぇねからLINEの返事が来ないって言ってたよね?』
『うん、いったね』

 のえるがうなずく。

『でも、ゆういちからの返事は届いたんだよな?』
『うん、そうだね』

 すずふみはあいずちを打つ。のえるとすずふみは真剣な面持ちだ。

『俺たちは教室。すずふみさん達は食堂にいた。俺考えてみたんだよ。いふ、じぇね達は外にいるんじゃないかってねっ。確か二人はバレー部に向かったっていってたからさ。

・・・あくまでも推測の域はでてなかったんだけど、俺とゆういちでグランドにでて、LINEが届くか試してみたんだよ。

 そしたらとどいて・・・この意味わかるよね?』

 のえるとすずふみはそれぞれの姿勢で考えている。少し間をおき、すずふみがぽんっと手を叩くと答えを述べた。

『あっ、そうかっ、そういうことね・・・のえる、スマホだよ。』

 すずふみはのえるに振り向く。

『・・・スマホ?』
『うん、そう。校舎の外にでればじぇね達からのLINEが届くかもしれないってこと』
『・・・そういうことだ』

 れつは誰かの物真似をするような声色で格好よく決めた。のえるのもの難しそうな表情がぱぁっと明るくなる。

 ここにきて、やっと見えてきた一筋の光明にのえるはいてもたってもいられなくなる。すずふみも同じ気持ちだろう。

『すずっ!!』
『うんっ、外に行ってみよう』

 感情を抑えきれなくなった二人は可愛い後輩達の無事を心の中で祈りながら、踵を返すと校舎とグランドを繋ぐ下駄箱の方へと走りだした。

 ・・・しかし運動の得意なのえると苦手なすずふみの距離はだんだんと開いていく。職員室の距離にすると、約十メートル。

 のえるが下駄箱のある左側に曲がる頃にはもう、三十メートルほどの差が開いていた。

(はぁっ、はぁ、のえるはやいなぁ。それにしても、頑張って走ってるのに。

 私、なんでこんなに遅いんだろう。フォーム、フォームがいけないの?)

 やっとのことで下駄箱に着いたすずふみ。乱れた呼吸をゆっくりと整えながら、靴に履き替えると外にでる。そして、親友の姿を探す。

・・・いや、探すまでもなかった。すぐ眼前にのえるの姿。スマホを握っている。

『あっ、すず。これみてっ!!』

 すずふみに気づいたのえるが走りより自分のスマホを手渡す。

『あ、返信とどいたんだね、よかった。』

 すずふみの安心した表情とは対象的な面持ちでのえるは言う。

『・・・読んでみて』

 LINEの新着件数は二十数件、すずふみは、今必要ないふ、じぇねからのメッセージを確認する。

―血がいっぱい、たすけて―
―校舎に入れないよ―
―こわいよぅ、早く―
―みんな、死んじゃう―
―バレー部のみんなが風に・・・早く―
―ゆうなが・・・死んじゃうよっ―
―もぅ、やだぁ、お家帰りたいよー―
―なんで来てくれないの・・・生意気でごめんなさい・・・たすけて―

 すずふみの目から涙があふれでる。

『す・・・ず・・・うぅ、一番・・・新しい・・・更新をみ・・・て』

 隣から覗きこむようにして、自分のスマートフォンに視線をおとすのえるの目にも、声が震えてしまうほどの涙があふれでていた。

(いふ、じぇね、ごめん・・・ごめんね・・・私そばにいてあげられなくて・・・)

溢れでる涙を何度も拭いさりながらすずふみは最新の更新を開く。

・・・いふからだった。

―今、裏庭にいる。出られない助けて、痛い、痛いよ。身体中から赤いもの―
しおりを挟む
感想 8

あなたにおすすめの小説

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

チート魔力のせいで神レベルの連中に狙われましたが、守銭奴なので金稼ぎします

桜桃-サクランボ-
ファンタジー
――自由を手に入れるために、なにがあっても金は稼ぎます―― 金さえあれば人生はどうにでもなる―― そう信じている守銭奴、鏡谷知里(28)。 交通事故で死んだはずの彼が目を覚ますと、そこは剣と魔法の異世界。 しかもなぜか、規格外のチート魔力を手に入れていた。 だがその力は、本来存在してはいけないものだった。 知里の魔力は、封印されていた伝説の冒険者の魔力と重なったことで生まれた世界のバランスを崩す力。 その異常な魔力に目を付けたのは、この世界を裏から支配する存在―― 「世界を束ねる管理者」 神にも等しい力を持つ彼らは、知里を危険視し始める。 巻き込まれたくない。 戦いたくもない。 知里が望むのはただ一つ。 金を稼いで楽して生きること。 しかし純粋すぎる仲間に振り回され、事件に巻き込まれ、気付けば世界の管理者と敵対する羽目に――。 守銭奴のチート魔力持ち冒険者 VS 世界を支配する管理者。 金のために生きる男が、望まぬまま世界の頂点と戦うことになる 巻き込まれ系異世界ファンタジー。 ※小説家になろう・カクヨムでも更新中 ※表紙:あニキさん ※ ※がタイトルにある話に挿絵アリ ※月、水、金、更新予定!

掃除婦に追いやられた私、城のゴミ山から古代兵器を次々と発掘して国中、世界中?がざわつく

タマ マコト
ファンタジー
王立工房の魔導測量師見習いリーナは、誰にも測れない“失われた魔力波長”を感じ取れるせいで奇人扱いされ、派閥争いのスケープゴートにされて掃除婦として城のゴミ置き場に追いやられる。 最底辺の仕事に落ちた彼女は、ゴミ山の中から自分にだけ見える微かな光を見つけ、それを磨き上げた結果、朽ちた金属片が古代兵器アークレールとして完全復活し、世界の均衡を揺るがす存在としての第一歩を踏み出す。

追放されたので田舎でスローライフするはずが、いつの間にか最強領主になっていた件

言諮 アイ
ファンタジー
「お前のような無能はいらない!」 ──そう言われ、レオンは王都から盛大に追放された。 だが彼は思った。 「やった!最高のスローライフの始まりだ!!」 そして辺境の村に移住し、畑を耕し、温泉を掘り当て、牧場を開き、ついでに商売を始めたら…… 気づけば村が巨大都市になっていた。 農業改革を進めたら周囲の貴族が土下座し、交易を始めたら王国経済をぶっ壊し、温泉を作ったら各国の王族が観光に押し寄せる。 「俺はただ、のんびり暮らしたいだけなんだが……?」 一方、レオンを追放した王国は、バカ王のせいで経済崩壊&敵国に占領寸前! 慌てて「レオン様、助けてください!!」と泣きついてくるが…… 「ん? ちょっと待て。俺に無能って言ったの、どこのどいつだっけ?」 もはや世界最強の領主となったレオンは、 「好き勝手やった報い? しらんな」と華麗にスルーし、 今日ものんびり温泉につかるのだった。 ついでに「真の愛」まで手に入れて、レオンの楽園ライフは続く──!

地味な薬草師だった俺が、実は村の生命線でした

阿里
ファンタジー
恋人に裏切られ、村を追い出された青年エド。彼の地味な仕事は誰にも評価されず、ただの「役立たず」として切り捨てられた。だが、それは間違いだった。旅の魔術師エリーゼと出会った彼は、自分の能力が秘めていた真の価値を知る。魔術と薬草を組み合わせた彼の秘薬は、やがて王国を救うほどの力となり、エドは英雄として名を馳せていく。そして、彼が去った村は、彼がいた頃には気づかなかった「地味な薬」の恩恵を失い、静かに破滅へと向かっていくのだった。

追放された検品係、最弱の蛇に正しく聞いたら鉱脈を掘り当てた ~この世界は精霊の使い方を間違えている~

Lihito
ファンタジー
精霊に「やれ」と言えば動く。この世界の全員がそう信じている。 レイドだけが違った。範囲を絞り、条件を決め、段階的に聞く。それだけで最弱の蛇は誰より正確に答える。——誰にも理解されず、追放された。 たどり着いた鉱山町で、国が雇った上位精霊が鉱脈探査に失敗し続けていた。高性能の鷹が毎回違う答えを返す。 原因は鷹じゃない。聞き方だ。 レイドは蛇一体で名乗り出る。

大根令嬢の雑学無双、王弟殿下を添えて。~ 前世を思い出したので、許婚をほったらかして人助けしまくります!!

古森真朝
恋愛
気弱な伯爵令嬢のカレンは、自分勝手な婚約者レナートに振り回されていた。耐え続けていたある日、舞踏会で何者かに突き飛ばされ、階段から落ちてしまう。 その傷が元で儚く……なるかと思いきや。衝撃で前世を思い出したカレンは一転、かの『ド根性大根』みたいな超・ポジティブ人間になっていた。 『モラハラ婚約者の思惑なんぞ知るか!! 今度こそ好きなことやって、目いっぱい幸せに長生きするんだから!!!』 昔ひたすら読書に耽って身に着けた『雑学』を武器に、うっかり採れ過ぎた作物や、開墾しようとすると不幸に見舞われる土地、不治の病にかかった王族、等々の問題をどんどん解決。 領地の内外で心強い友人が出来たり、いつの間にかものすごく有名になっていたり、何かと協力してくれる王弟ヴィクトルから好意を寄せられたり(注:気付いてない)する中、温かい家族と共に仕事に励んでいく。 一方、前世から因縁のある人々もまた、こちらに転生していて――

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

処理中です...