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学園の王子様 柊
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「「「きゃ~! ひいらぎ様~!!」」
「おはよう 子猫ちゃんたち」
「けっ、なんだよまた王子様かよ。」
「けどすごい優しいんだよな~柊さん。この間なんか花壇の」
「はいはいもう聞き飽きたよそう言うの」
「なんだ、お前柊さん嫌いなのか」
「いや嫌いって訳じゃないけどよぉ……」
僕のクラスには王子様が居た。それはもう凄い王子様って感じで。中性的な顔立ち、高身長にモデル顔負けのルックス。演劇部の部長をやってるらしい。入学当初から王子様の降臨だと騒がれ、今じゃファンクラブまである始末だ。本人も乗り気なのか全校女子の中で唯一ズボン登校だ。もちろん昨今の情勢上、別に生物学上のおんなのこがズボンを制服に選ぼうが自由にしたら良いと思う。しかしまあそれが似合っているのだから、男である僕よりイケメンなのがどうしてもいけすかない。まあ、やっかみというやつだ。
「にしても相変わらず凄い人気だよな~。今週だけで5人から告白されたって噂だぜ」
「はぁ~すごいねぇ」
「誰にでも柊さんは優しいからなぁ~」
「お前も振られてたろ一年のとき」
「なんだろうなぁ、人を惹きつける大人の? 魅力ってやつなのかなぁ」
「何を呑気なこと言ってんだ。そんなことより一限英単語のテストだろ。大丈夫なのかい」
「前回俺より点が低かったやつに言われたかねぇよ。……すまん何ページだ今日」
「おま……ノータッチかよ……」
一瞬、ほんの一瞬だった。王子様がこちらをチラッと見た。あまりに自然な目の動きで。目が合ったような目が合わなかったような。最近王子様は何かを探しているような顔を時々する。今もそうだ。その中時々、一瞬目が合う。誰にも気づかれないような刹那の時間。
ある休日、僕は大切な日曜を部活のあとかだづけとして浪費する羽目になった。全く、なぜ生徒の僕が顧問の処理を手伝わされるのか、勘弁願いたいね。そのついでに机の教科書を整理しようと教室に向かうと、空き教室に一人、王子様が居た。
差す夕焼けが普段騒がしい教室を静かに真っ赤に燃やしていた。その中で、一つの白いワイシャツが夕焼けを向いていた。それは氷のような冷たさより、自然に溶け込んだ妖精の類と説明するのが良いかもしれない。まあつまり僕は僕らしからず見惚れてしまったという訳だった。その空間と、それを形成する一人のクラスメイトに。
「おや、君は」
何か僕の心の中に異様な好奇心が湧いてきた。何かこのファンタジーのような世界に触れられそうで、そんなワクワク感というか。少なくとも僕は王子様への気恥ずかしさと気後れより好奇心が勝ったというべきだろう。
「へぇ、珍しいもんですね、王子様が一人でいらっしゃる」
まさか僕が話すとは思わなかったのか、王子様は意外と怯んだようだった。たゞそれも一瞬だった。
「まさか、君がそんな軽口を叩ける人だとは思わなかったよ」
「おやおや王子様は僕をご存知であらせられるか。さすがなこった」
「やめてくれ。ただのクラスメイトだろう。同じクラスなら、知っていて当然だろう?」
僕は何かこの王子様のはなっつらをどうにか明かしてやろうかと思った。好奇心は攻撃性へと移り変わる。夕暮れの赤さがそうさせたのだろうか。自分でも何か不思議な、歯止めの効かない、効かせたくない何かだった。
「へぇ、さすが天下の王子様だ。随分と気疲れしそうだ。違うかい」
「……その王子様って言うの、やめてくれないか。私は君と今話しているんだ。違うかい」
「こりゃ意外だ、お、ああいや、うんと……」
まさかカウンターを喰らうとは。先にはなっつらを軽く小突かれたのは僕だったようだ。
「しっかし以外でっせ。すっかりそのキャラクターを好いてるものかと。ほらそのズボン」
「それで周囲が納得してくれるなら、私は幾らでもそうするさ。ただ、日曜のこの時間だけはいつも私でありたいんだ……」
「なんでぇあんたほどの人気者が日曜登校が趣味たぁびっくりだ」
少し彼女は寂しそうな目をしていたように見えた。
「いや、ごめんなんでもない。今日はたまたま日曜に部活があって来ただけ。だから私にそう言う趣味はない。」
唐突に彼女は捲し立てた。この一瞬を隠すかのように。
「何か君は勘違いをしているようだね」
隠そうとするなら、反抗したくなる。それが僕というものだ。うまく攻撃する隙を探る。
「なんでぇなんでぇ、するってぇと僕は踊らされたってのかい。日曜登校が趣味? 結構じゃねぇか。何を隠す必要があるってんだよ」
「なんだ、君は素直に引き下がってくれはしないのか」
「引き下がる? まったまった、僕はたゞ此処に居るだけだ。そこに引くも押すもあるかってんだ」
きょとんとさせてしまったようだ。
「……フッ、面白いね、君」
少しの沈黙が続く。なぜ此処まで彼女に僕が執着するのか、僕にもわからなかった。後になって思うが、この時のは恋やら愛やらなんてもんじゃなかった。もっと何かプライドのようなものだったと思う。
口を開いたのは彼女だった。
「私は孤独なんだ。人に囲まれてる分、私は王子でなければならない。すっかり周りは私を期待している。ファンクラブって一体なんなんだろうって私でも思う。そこに私の意思はない。その点君は自由だ。そして孤独には見えない。すごく羨ましいんだよ」
僕は彼女に近づいて空席の机に腰掛ける。
「へぇ、まさか全校中の憧れのあんたからこの僕が羨ましがられるたぁ、何があるか人生わからんもんだね」
「なあ、あんたはないだろう」
「じゃあなんて呼べばいいんだい」
「……柊、そう呼んでくれはしないか」
「かまいやしないが、ファンクラブの掟に反するんじゃないのかい」
柊は顔を顰めた
「あんなのを、今、気にする必要があるのか」
「やぁやぁ柊のファンクラブだろう。それの第一条とやらにでかでかと書いてあるじゃねぇか。ほれ」
僕は教室の後ろを指す。そこにはファンクラブの掟の貼り紙があった。
(第一条、必ず敬称をつけること)
「ありゃ抜け駆け禁止の条だろう。いいのかい」
「なぜ君なんだろうね」
「? それはなんだい返事かい。まぁ、偶然とやらじゃねぇのかい。僕が此処を通らなきゃ、今こう話すこたぁなかったろう」
「別に、私は誰とでも話せる自信はあるさ。それこそ、この場に誰が来ても」
「へぇ凄い自信だな」
「けど何か、君は私に好奇心を浮かばせた。なぜだろうね」
「へぇ奇遇だな。僕もそうさ」
また沈黙が流れる。その後攻撃性に移ったことなどは言わなくても互いにわかっていた。
「けど、この場所、意外にバレないと思ってたんだけど」
「そりゃ教室ならバレるだろ」
「そうかな。数ヶ月はバレてないよ」
「ありゃ、柊、お前さん数ヶ月も日曜登校してんのかい。体力どーなってんのさ」
「今が休まるんだよ」
「へぇ。まあ、休まってるならいいんだけどさ」
「なんだ、君、気遣ってくれてるのかい」
「そんなんじゃねぇやい」
「……フフッ、けど、ここがばれたなら、新しい場所を考えなきゃな」
「それなら、いいところがあるぜ」
「それは誘いかい?」
「なんでぇ、僕がそういう風に見えるかい。屋上だよ」
「屋上? あそこは閉まってるはずじゃ」
「何も学校の屋上ってのは一つじゃねぇ。僕ぁ園芸部なんだがよ。屋上で育てる方が太陽が近いって言って校長に直談判した先輩が居たらしくてよぉ。何故かそれが通って園芸部の花壇は屋上にあるんだよ。パンデミックでも想定してんのかね」
「じゃあ、そこの鍵を」
「ほれ、これだ」
「……行ってもいいかい。憧れだったんだ。学校の屋上」
「なに、任せなされよ。日曜に駆り出す部活の方が悪りぃや。それくらい許されるだろ」
「そんなに忙しいのか?」
「人手がすくねぇんだ。だから日曜まで作業する羽目になる」
丁度18時のチャイムが鳴る。
「ああもうこんな時間か。帰らなきゃいけない」
「じゃあ来週日曜、屋上に居るよ僕は。場所わかるかい。第四階段の上だ」
「あそこか……そりゃ気づかないもんだよ」
柊は小さく笑って立ち上がる。
「じゃあ、来週は少しお邪魔してもいいかな?」
「いいともーってか」
「?」
「いや、忘れてくれ」
「お、おう……」
空はすっかり暗くなっていた。
その日の夜はまともに眠れたか覚えてすらいなかった。とにかく目をこすりながら教室の椅子にどかっと座ったところまでは記憶にある。果たして昨日のは嘘だったのか、わからないほど柊は遠くにいるように見えた。それが眠気から来る睡魔の悪戯だったのかもわからない。相変わらず柊は囲まれていた。その対応も言葉も今までと変わらない。何かモゴモゴとした感情が湧くのを感じる前に僕は、机につっぷして寝落ちていた。
「……フッ」
その日の昼休みは異様な空気だった。中庭に大勢の野次馬が集まっていた。近くに知り合いの姿を見ると
「なんがあったんだ?」
「おっ、お前も見にきたか」
「いや、なんか賑わってるから」
「柊様だよ、ほら!」
野次馬の輪の中心には見覚えのある中性イケメンと高身長のガタイのいいイケメンがいた。
「あれって……」
「公開告白だよ。あれ、バスケ部キャプテンの高峰先輩だろ? ほら、柊様お似合いランキングの」
「なんだいその変なランキングは」
「しらねぇのか? ファンクラブで日々議論されてる恋バナさ。柊様にはどんな相手が恋人に相応しいかってさ」
「狂ってる」
「そうか? 高校生なんてそんなもんだろ」
「で、あのバスケ部の人が駆り出されたと」
「高峰先輩すげー優しいらしくてさ。でバスケ部のキャプテンでモテるだろ? ほら、高身長だし顔いいし」
「断る理由もないってか?」
「実際、高峰先輩の女子人気はもの凄いぞ。ただ今まで告白全部断ってんだってよ」
「あれか。バスケに打ち込みたいからってやつか」
「表向きはな。けど噂じゃずっと柊様一途なんだとよ。意外とウブなんだよ」
「へぇ。だからその狂ってるランキングの上位にいるってのか」
「らしいぜ。俺も聞いた話だけどよ」
柊は何かを語り掛けられていた。この中庭の空気は異様なものを孕んでいた。野次馬たちの「期待」とも呼べるようなもの。「お似合いだ」「断れないだろう」「空気を読め」。完全に逃げ場のない圧迫感。僕にもわかるくらいのプレッシャーだった。ひりつく空気。息を呑む緊張感。その中で柊は背筋をただ伸ばして語りを聞いていた。
昨日の柊の言葉を思い出す。
(すごく羨ましいんだよ)
あの時の寂しそうなあの顔が、脳裏によぎる。それは僕を締め上げるには十分だった。どうにか助けてあげたい。そういうエゴが湧いていた。
あそこに飛び込んで手を引いて逃げれば助けられるだろうか。
できるのか? 僕に?
……
無理だ。
ざっと見回して100、いや200はいるだろうか。もっとかもしらない。僕にはその勇気が出ない。
出ないんだ
この空気を壊す勇気が
この集団圧迫から柊を解放する勇気が
半ば悔しく、半ば祈りながら、何か起きますようにと祈りながら柊を見つめることしかできなかった。
結局
僕にはなにもできない
ただの平凡な僕には
できないんだ
……
柊がざっと周りを見渡した。
その一瞬だった。確かに目が合った。
それはなんとなくだった。しかしなんとなくいつもの柊の目線の合わせ方だったように思えた。確証なんてものはない。思い違いなのかもしれない。
次の瞬間、柊は一歩前に出た
一気にざわつく周囲
何かを小声で語りかけると。そのままスタスタと歩いて行ってしまった。
~
ギィイイ
屋上の扉が開く
「やあ……」
「おや、来ないと思ってた」
「こんなところがこの学校にあったなんてね」
「いいところだろう」
「ああ……」
「……この間は大変だったなぁ随分」
「今週、生きた心地がほとんどしなかったよ」
日曜の夕方、柊は来た。正直来ないだろうと思ってた。あの告白はというと、失敗に終わった。なかなかあの一件の余波は大きく、学校全体がなにか暗く重かったような気がする。大袈裟だとは思うが、狂信なんてそんなもんだ。
「どうだい。少しは自由になれたかい」
柊は僕の隣に腰を下ろす。
「さあ、どうだろう。いまいちピンと来ないね」
「けど、よかったのかい。周りの期待抜きにしても、あの人は一途ないい男じゃないか」
「私の恋人くらい、私に選ばせてくれよ。彼が私を知っていても、私は彼についてはほとんど知らない。しっかり話したのはあの時が初めてだと言ってもいい」
「まるでお見合い結婚だな」
「……フッ。的を射てる」
柊はまだ明るい空を見上げて、ホゥと息を吐いた
「なんだか、ようやく落ち着いた気がするよ」
「家じゃ落ちつかねぇのかい」
「……その……家でも王子様みたいなことに……」
「正気か?」
「そうすればみんな喜んでくれた。それが嬉しかったんだ。それから引き返せなくなって……」
「はぁ、大変なんだな」
「ほんとだよ。演劇だってお母さんに無理やり入れられた世界だし」
「あー、そうか」
深くは聞かないことにした。柊なりに折り合いはついているのだろう。
「けど、引き返せなくなって、今があるんだ。嫌になる」
視線を床に落とす
「他人の正解像を演る毎日。それがもたらしたのはしがらみだらけの私さ」
「けど、柊は自分の道を選んだ。違うかい」
柊は答えない。ただ壁をじっと見つめていた。
「……正解を壊してみたくなったんだ」
「へぇ」
「なんだろう。反抗心ってやつなのかな。これは自由なんて呼べないだろうけど」
「まるでバラエティの芸人だな」
「……ぷっ、なんだ、芸人扱いか。……けど言い得て妙かもしれないね。もしかしたら、そっちの方が面白いって思っちゃったのかもしれないね。不思議だ。悪いことをした気がするのに、何故か面白い」
「アハハッ、それが悪ガキってこった。楽しいんだよ、反抗ってのはさ」
「そんなものなのだろうか」
「そんなもんさ」
「今週は何人から告られたんだい」
「唐突だね。月曜、あんなことがあったから今週はあれっきりだね。先週でも5人かな」
「はぁーすごいね」
「あ、昨日1人いたなそういえば」
「忘れてやるなよ可哀想に」
「あのな、今月で25人だぞ。」
「25?! うぉっ……。すげえ……」
「だから、一々覚えてたらしょうがないだろう」
「それ他のやつに聞かれたら大変なことになるぞ」
「……ここだけの秘密にしておいてくれ」
「あいあい……」
「……恋には興味ねぇのかい」
「ない訳じゃないさ。私もそういう学生らしいことはしてみたいと思う。王子である前に、1人の女の子だからね」
「ただ……、好きになったら、きっと熱い思いは止められないんだろうね。けどそれは、私の恋でありたいんだ。王子様の恋じゃなくて、あの子たちの噂の種になるのが、嫌なんだ」
「条項も、ランキングもないような恋をね」
「随分とロマンチックじゃあねぇかい……。まるでロミオとジュリエットだな。駆け落ちの恋。周りのことを気にしなくてよ」
「ああ、その例は正しいと思う」
「周りに探せばいくらでも人はいるだろう。柊の特権なんて周りに沢山の人がいるとこじゃないかい」
「……選ぶのも、選ばれるのも同じだよ。全部王子の延長線。ロミオとジュリエットは互いにお見合いをした訳じゃない。出逢ってしまったんだ。沢山の中から選んだんじゃない」
「出逢う、か」
「……僕はロミオになれるかい」
風が吹く。耳を風の音が裂いていく。
柊は軽く息を吐いて僕をみた。茶化すことなく、真剣な目だった。
「……なれるか、じゃない。ロミオは名乗るものじゃない」
夕焼けが空を覆う。それはまた赤かった。2人の目線が合う。風が2人の間を抜ける。
「ジュリエットがいてこそのロミオだよ。それは物語が決めることだ。役者自らが決めるものじゃない。それが答えだ」
風の音
「しかし、私は君と物語を描くのは嫌いじゃないらしい」
「……なんだい、僕なりの一世一代の告白のつもりだったんだけどな。」
柊は困った顔をする。僕は一息吐く
「まあそれでも物語を紡げるんなら紡ぐさ。まかせろ」
「……まかせろなんて、……強がるな。私はわかってる。これは今私が出した答えだ。決断と呼べるほど大きなものでもないが、それでも私の意思だ」
「わかってる? 僕も一人の男だ。随分と複雑な気分になっちまうんだがな。特別扱いも困ったもんだぜ全く」
「……なぜ君なんだろうな」
「なんだ 僕がもっとバスケ上手かったらいいってのかい」
「ははっ、そうじゃないさ。けど、この出会いは私にとっても大切なものだ。それだけは勘違いしないでほしい」
「僕ぁバカだからよ、もっとわかりやすく言ってくれねぇかい」
柊はもう一度僕の目を、しっかりと、真っ直ぐ見て言った
「君はロミオじゃない。けど、今描いてるこの屋上の物語は、確かに好きだ。それがあの物語と似た話になるかはわからないけど、私はもう少し、この物語を見てみたい」
柊は赤く染まった空を見上げる
「もう少し、私の逃避行に付き合ってくれるか」
「もう少し? バカ言うなよ。せっかく面白いことになってんだ。できる限りは続けるぜ僕は」
「そうか。すまない」
「……あやまるなよ」
空が赤い
風は強く吹いている。しかし屋上の植物は、楽しそうに揺れていた。
「おはよう 子猫ちゃんたち」
「けっ、なんだよまた王子様かよ。」
「けどすごい優しいんだよな~柊さん。この間なんか花壇の」
「はいはいもう聞き飽きたよそう言うの」
「なんだ、お前柊さん嫌いなのか」
「いや嫌いって訳じゃないけどよぉ……」
僕のクラスには王子様が居た。それはもう凄い王子様って感じで。中性的な顔立ち、高身長にモデル顔負けのルックス。演劇部の部長をやってるらしい。入学当初から王子様の降臨だと騒がれ、今じゃファンクラブまである始末だ。本人も乗り気なのか全校女子の中で唯一ズボン登校だ。もちろん昨今の情勢上、別に生物学上のおんなのこがズボンを制服に選ぼうが自由にしたら良いと思う。しかしまあそれが似合っているのだから、男である僕よりイケメンなのがどうしてもいけすかない。まあ、やっかみというやつだ。
「にしても相変わらず凄い人気だよな~。今週だけで5人から告白されたって噂だぜ」
「はぁ~すごいねぇ」
「誰にでも柊さんは優しいからなぁ~」
「お前も振られてたろ一年のとき」
「なんだろうなぁ、人を惹きつける大人の? 魅力ってやつなのかなぁ」
「何を呑気なこと言ってんだ。そんなことより一限英単語のテストだろ。大丈夫なのかい」
「前回俺より点が低かったやつに言われたかねぇよ。……すまん何ページだ今日」
「おま……ノータッチかよ……」
一瞬、ほんの一瞬だった。王子様がこちらをチラッと見た。あまりに自然な目の動きで。目が合ったような目が合わなかったような。最近王子様は何かを探しているような顔を時々する。今もそうだ。その中時々、一瞬目が合う。誰にも気づかれないような刹那の時間。
ある休日、僕は大切な日曜を部活のあとかだづけとして浪費する羽目になった。全く、なぜ生徒の僕が顧問の処理を手伝わされるのか、勘弁願いたいね。そのついでに机の教科書を整理しようと教室に向かうと、空き教室に一人、王子様が居た。
差す夕焼けが普段騒がしい教室を静かに真っ赤に燃やしていた。その中で、一つの白いワイシャツが夕焼けを向いていた。それは氷のような冷たさより、自然に溶け込んだ妖精の類と説明するのが良いかもしれない。まあつまり僕は僕らしからず見惚れてしまったという訳だった。その空間と、それを形成する一人のクラスメイトに。
「おや、君は」
何か僕の心の中に異様な好奇心が湧いてきた。何かこのファンタジーのような世界に触れられそうで、そんなワクワク感というか。少なくとも僕は王子様への気恥ずかしさと気後れより好奇心が勝ったというべきだろう。
「へぇ、珍しいもんですね、王子様が一人でいらっしゃる」
まさか僕が話すとは思わなかったのか、王子様は意外と怯んだようだった。たゞそれも一瞬だった。
「まさか、君がそんな軽口を叩ける人だとは思わなかったよ」
「おやおや王子様は僕をご存知であらせられるか。さすがなこった」
「やめてくれ。ただのクラスメイトだろう。同じクラスなら、知っていて当然だろう?」
僕は何かこの王子様のはなっつらをどうにか明かしてやろうかと思った。好奇心は攻撃性へと移り変わる。夕暮れの赤さがそうさせたのだろうか。自分でも何か不思議な、歯止めの効かない、効かせたくない何かだった。
「へぇ、さすが天下の王子様だ。随分と気疲れしそうだ。違うかい」
「……その王子様って言うの、やめてくれないか。私は君と今話しているんだ。違うかい」
「こりゃ意外だ、お、ああいや、うんと……」
まさかカウンターを喰らうとは。先にはなっつらを軽く小突かれたのは僕だったようだ。
「しっかし以外でっせ。すっかりそのキャラクターを好いてるものかと。ほらそのズボン」
「それで周囲が納得してくれるなら、私は幾らでもそうするさ。ただ、日曜のこの時間だけはいつも私でありたいんだ……」
「なんでぇあんたほどの人気者が日曜登校が趣味たぁびっくりだ」
少し彼女は寂しそうな目をしていたように見えた。
「いや、ごめんなんでもない。今日はたまたま日曜に部活があって来ただけ。だから私にそう言う趣味はない。」
唐突に彼女は捲し立てた。この一瞬を隠すかのように。
「何か君は勘違いをしているようだね」
隠そうとするなら、反抗したくなる。それが僕というものだ。うまく攻撃する隙を探る。
「なんでぇなんでぇ、するってぇと僕は踊らされたってのかい。日曜登校が趣味? 結構じゃねぇか。何を隠す必要があるってんだよ」
「なんだ、君は素直に引き下がってくれはしないのか」
「引き下がる? まったまった、僕はたゞ此処に居るだけだ。そこに引くも押すもあるかってんだ」
きょとんとさせてしまったようだ。
「……フッ、面白いね、君」
少しの沈黙が続く。なぜ此処まで彼女に僕が執着するのか、僕にもわからなかった。後になって思うが、この時のは恋やら愛やらなんてもんじゃなかった。もっと何かプライドのようなものだったと思う。
口を開いたのは彼女だった。
「私は孤独なんだ。人に囲まれてる分、私は王子でなければならない。すっかり周りは私を期待している。ファンクラブって一体なんなんだろうって私でも思う。そこに私の意思はない。その点君は自由だ。そして孤独には見えない。すごく羨ましいんだよ」
僕は彼女に近づいて空席の机に腰掛ける。
「へぇ、まさか全校中の憧れのあんたからこの僕が羨ましがられるたぁ、何があるか人生わからんもんだね」
「なあ、あんたはないだろう」
「じゃあなんて呼べばいいんだい」
「……柊、そう呼んでくれはしないか」
「かまいやしないが、ファンクラブの掟に反するんじゃないのかい」
柊は顔を顰めた
「あんなのを、今、気にする必要があるのか」
「やぁやぁ柊のファンクラブだろう。それの第一条とやらにでかでかと書いてあるじゃねぇか。ほれ」
僕は教室の後ろを指す。そこにはファンクラブの掟の貼り紙があった。
(第一条、必ず敬称をつけること)
「ありゃ抜け駆け禁止の条だろう。いいのかい」
「なぜ君なんだろうね」
「? それはなんだい返事かい。まぁ、偶然とやらじゃねぇのかい。僕が此処を通らなきゃ、今こう話すこたぁなかったろう」
「別に、私は誰とでも話せる自信はあるさ。それこそ、この場に誰が来ても」
「へぇ凄い自信だな」
「けど何か、君は私に好奇心を浮かばせた。なぜだろうね」
「へぇ奇遇だな。僕もそうさ」
また沈黙が流れる。その後攻撃性に移ったことなどは言わなくても互いにわかっていた。
「けど、この場所、意外にバレないと思ってたんだけど」
「そりゃ教室ならバレるだろ」
「そうかな。数ヶ月はバレてないよ」
「ありゃ、柊、お前さん数ヶ月も日曜登校してんのかい。体力どーなってんのさ」
「今が休まるんだよ」
「へぇ。まあ、休まってるならいいんだけどさ」
「なんだ、君、気遣ってくれてるのかい」
「そんなんじゃねぇやい」
「……フフッ、けど、ここがばれたなら、新しい場所を考えなきゃな」
「それなら、いいところがあるぜ」
「それは誘いかい?」
「なんでぇ、僕がそういう風に見えるかい。屋上だよ」
「屋上? あそこは閉まってるはずじゃ」
「何も学校の屋上ってのは一つじゃねぇ。僕ぁ園芸部なんだがよ。屋上で育てる方が太陽が近いって言って校長に直談判した先輩が居たらしくてよぉ。何故かそれが通って園芸部の花壇は屋上にあるんだよ。パンデミックでも想定してんのかね」
「じゃあ、そこの鍵を」
「ほれ、これだ」
「……行ってもいいかい。憧れだったんだ。学校の屋上」
「なに、任せなされよ。日曜に駆り出す部活の方が悪りぃや。それくらい許されるだろ」
「そんなに忙しいのか?」
「人手がすくねぇんだ。だから日曜まで作業する羽目になる」
丁度18時のチャイムが鳴る。
「ああもうこんな時間か。帰らなきゃいけない」
「じゃあ来週日曜、屋上に居るよ僕は。場所わかるかい。第四階段の上だ」
「あそこか……そりゃ気づかないもんだよ」
柊は小さく笑って立ち上がる。
「じゃあ、来週は少しお邪魔してもいいかな?」
「いいともーってか」
「?」
「いや、忘れてくれ」
「お、おう……」
空はすっかり暗くなっていた。
その日の夜はまともに眠れたか覚えてすらいなかった。とにかく目をこすりながら教室の椅子にどかっと座ったところまでは記憶にある。果たして昨日のは嘘だったのか、わからないほど柊は遠くにいるように見えた。それが眠気から来る睡魔の悪戯だったのかもわからない。相変わらず柊は囲まれていた。その対応も言葉も今までと変わらない。何かモゴモゴとした感情が湧くのを感じる前に僕は、机につっぷして寝落ちていた。
「……フッ」
その日の昼休みは異様な空気だった。中庭に大勢の野次馬が集まっていた。近くに知り合いの姿を見ると
「なんがあったんだ?」
「おっ、お前も見にきたか」
「いや、なんか賑わってるから」
「柊様だよ、ほら!」
野次馬の輪の中心には見覚えのある中性イケメンと高身長のガタイのいいイケメンがいた。
「あれって……」
「公開告白だよ。あれ、バスケ部キャプテンの高峰先輩だろ? ほら、柊様お似合いランキングの」
「なんだいその変なランキングは」
「しらねぇのか? ファンクラブで日々議論されてる恋バナさ。柊様にはどんな相手が恋人に相応しいかってさ」
「狂ってる」
「そうか? 高校生なんてそんなもんだろ」
「で、あのバスケ部の人が駆り出されたと」
「高峰先輩すげー優しいらしくてさ。でバスケ部のキャプテンでモテるだろ? ほら、高身長だし顔いいし」
「断る理由もないってか?」
「実際、高峰先輩の女子人気はもの凄いぞ。ただ今まで告白全部断ってんだってよ」
「あれか。バスケに打ち込みたいからってやつか」
「表向きはな。けど噂じゃずっと柊様一途なんだとよ。意外とウブなんだよ」
「へぇ。だからその狂ってるランキングの上位にいるってのか」
「らしいぜ。俺も聞いた話だけどよ」
柊は何かを語り掛けられていた。この中庭の空気は異様なものを孕んでいた。野次馬たちの「期待」とも呼べるようなもの。「お似合いだ」「断れないだろう」「空気を読め」。完全に逃げ場のない圧迫感。僕にもわかるくらいのプレッシャーだった。ひりつく空気。息を呑む緊張感。その中で柊は背筋をただ伸ばして語りを聞いていた。
昨日の柊の言葉を思い出す。
(すごく羨ましいんだよ)
あの時の寂しそうなあの顔が、脳裏によぎる。それは僕を締め上げるには十分だった。どうにか助けてあげたい。そういうエゴが湧いていた。
あそこに飛び込んで手を引いて逃げれば助けられるだろうか。
できるのか? 僕に?
……
無理だ。
ざっと見回して100、いや200はいるだろうか。もっとかもしらない。僕にはその勇気が出ない。
出ないんだ
この空気を壊す勇気が
この集団圧迫から柊を解放する勇気が
半ば悔しく、半ば祈りながら、何か起きますようにと祈りながら柊を見つめることしかできなかった。
結局
僕にはなにもできない
ただの平凡な僕には
できないんだ
……
柊がざっと周りを見渡した。
その一瞬だった。確かに目が合った。
それはなんとなくだった。しかしなんとなくいつもの柊の目線の合わせ方だったように思えた。確証なんてものはない。思い違いなのかもしれない。
次の瞬間、柊は一歩前に出た
一気にざわつく周囲
何かを小声で語りかけると。そのままスタスタと歩いて行ってしまった。
~
ギィイイ
屋上の扉が開く
「やあ……」
「おや、来ないと思ってた」
「こんなところがこの学校にあったなんてね」
「いいところだろう」
「ああ……」
「……この間は大変だったなぁ随分」
「今週、生きた心地がほとんどしなかったよ」
日曜の夕方、柊は来た。正直来ないだろうと思ってた。あの告白はというと、失敗に終わった。なかなかあの一件の余波は大きく、学校全体がなにか暗く重かったような気がする。大袈裟だとは思うが、狂信なんてそんなもんだ。
「どうだい。少しは自由になれたかい」
柊は僕の隣に腰を下ろす。
「さあ、どうだろう。いまいちピンと来ないね」
「けど、よかったのかい。周りの期待抜きにしても、あの人は一途ないい男じゃないか」
「私の恋人くらい、私に選ばせてくれよ。彼が私を知っていても、私は彼についてはほとんど知らない。しっかり話したのはあの時が初めてだと言ってもいい」
「まるでお見合い結婚だな」
「……フッ。的を射てる」
柊はまだ明るい空を見上げて、ホゥと息を吐いた
「なんだか、ようやく落ち着いた気がするよ」
「家じゃ落ちつかねぇのかい」
「……その……家でも王子様みたいなことに……」
「正気か?」
「そうすればみんな喜んでくれた。それが嬉しかったんだ。それから引き返せなくなって……」
「はぁ、大変なんだな」
「ほんとだよ。演劇だってお母さんに無理やり入れられた世界だし」
「あー、そうか」
深くは聞かないことにした。柊なりに折り合いはついているのだろう。
「けど、引き返せなくなって、今があるんだ。嫌になる」
視線を床に落とす
「他人の正解像を演る毎日。それがもたらしたのはしがらみだらけの私さ」
「けど、柊は自分の道を選んだ。違うかい」
柊は答えない。ただ壁をじっと見つめていた。
「……正解を壊してみたくなったんだ」
「へぇ」
「なんだろう。反抗心ってやつなのかな。これは自由なんて呼べないだろうけど」
「まるでバラエティの芸人だな」
「……ぷっ、なんだ、芸人扱いか。……けど言い得て妙かもしれないね。もしかしたら、そっちの方が面白いって思っちゃったのかもしれないね。不思議だ。悪いことをした気がするのに、何故か面白い」
「アハハッ、それが悪ガキってこった。楽しいんだよ、反抗ってのはさ」
「そんなものなのだろうか」
「そんなもんさ」
「今週は何人から告られたんだい」
「唐突だね。月曜、あんなことがあったから今週はあれっきりだね。先週でも5人かな」
「はぁーすごいね」
「あ、昨日1人いたなそういえば」
「忘れてやるなよ可哀想に」
「あのな、今月で25人だぞ。」
「25?! うぉっ……。すげえ……」
「だから、一々覚えてたらしょうがないだろう」
「それ他のやつに聞かれたら大変なことになるぞ」
「……ここだけの秘密にしておいてくれ」
「あいあい……」
「……恋には興味ねぇのかい」
「ない訳じゃないさ。私もそういう学生らしいことはしてみたいと思う。王子である前に、1人の女の子だからね」
「ただ……、好きになったら、きっと熱い思いは止められないんだろうね。けどそれは、私の恋でありたいんだ。王子様の恋じゃなくて、あの子たちの噂の種になるのが、嫌なんだ」
「条項も、ランキングもないような恋をね」
「随分とロマンチックじゃあねぇかい……。まるでロミオとジュリエットだな。駆け落ちの恋。周りのことを気にしなくてよ」
「ああ、その例は正しいと思う」
「周りに探せばいくらでも人はいるだろう。柊の特権なんて周りに沢山の人がいるとこじゃないかい」
「……選ぶのも、選ばれるのも同じだよ。全部王子の延長線。ロミオとジュリエットは互いにお見合いをした訳じゃない。出逢ってしまったんだ。沢山の中から選んだんじゃない」
「出逢う、か」
「……僕はロミオになれるかい」
風が吹く。耳を風の音が裂いていく。
柊は軽く息を吐いて僕をみた。茶化すことなく、真剣な目だった。
「……なれるか、じゃない。ロミオは名乗るものじゃない」
夕焼けが空を覆う。それはまた赤かった。2人の目線が合う。風が2人の間を抜ける。
「ジュリエットがいてこそのロミオだよ。それは物語が決めることだ。役者自らが決めるものじゃない。それが答えだ」
風の音
「しかし、私は君と物語を描くのは嫌いじゃないらしい」
「……なんだい、僕なりの一世一代の告白のつもりだったんだけどな。」
柊は困った顔をする。僕は一息吐く
「まあそれでも物語を紡げるんなら紡ぐさ。まかせろ」
「……まかせろなんて、……強がるな。私はわかってる。これは今私が出した答えだ。決断と呼べるほど大きなものでもないが、それでも私の意思だ」
「わかってる? 僕も一人の男だ。随分と複雑な気分になっちまうんだがな。特別扱いも困ったもんだぜ全く」
「……なぜ君なんだろうな」
「なんだ 僕がもっとバスケ上手かったらいいってのかい」
「ははっ、そうじゃないさ。けど、この出会いは私にとっても大切なものだ。それだけは勘違いしないでほしい」
「僕ぁバカだからよ、もっとわかりやすく言ってくれねぇかい」
柊はもう一度僕の目を、しっかりと、真っ直ぐ見て言った
「君はロミオじゃない。けど、今描いてるこの屋上の物語は、確かに好きだ。それがあの物語と似た話になるかはわからないけど、私はもう少し、この物語を見てみたい」
柊は赤く染まった空を見上げる
「もう少し、私の逃避行に付き合ってくれるか」
「もう少し? バカ言うなよ。せっかく面白いことになってんだ。できる限りは続けるぜ僕は」
「そうか。すまない」
「……あやまるなよ」
空が赤い
風は強く吹いている。しかし屋上の植物は、楽しそうに揺れていた。
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