異世界転移したのにテレパスしか使えない僕は、誰を信じればいいんだろう

ぐりとぐる

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四人

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第37話四人
雄二が、突然言った。

「僕は、エリナが好きだ!」

シーンと静まり返る。
雄二は、エリナを見つめながら赤面する。

一番最初に反応をしたのは、リィナだった。
だが、無粋な真似をするつもりはなかった。
心から嬉しそうな顔で、エリナを見つめた。

次に状況を理解したのは、年齢の高いオルゲンだった。
エリナが雄二とリィナに会いたくないと言っていたのも、恋愛感情のもつれだ。

それが今、解決に向かおうとしている。
カイウス様に良い報告が出来そうだ、などと考えていた。

そして、ずいぶん遅れてからエリナが顔を真っ赤にして言葉を胸に受け入れる。
オルゲンと話してから、エリナは雄二へのわだかまりを溶かしていた。

これからユージ様との関係を、少し後退してしまった関係を築き直していきましょう、と思っていた矢先だった。

だが、会えない日々が雄二の気持ちを膨れ上がらせていた。

「エリナを守りたいと思って、僕は体を鍛えたんだ。それなのに、その力で僕はエリナを傷つけてしまった。僕は、もう二度とこんな過ちを犯したくない。そして、君を不安な気持ちにもさせたくない。そのためにも、僕の魂を君に預けたいんだ」

「ユージの魂を預けたら、あんたの干渉を避けられるの?」とリィナが小声でオルゲンに聞く。
オルゲンも小声で「ここまで言われて、またユージ様を操ることなんてできませんよ」と答える。
オルゲンは微笑んだ。その表情がすべてを物語っていた。――もう誰も、彼を疑ってはいない。

そして、もう一度雄二は言葉を紡ぐ。

「エリナ、僕は、君が、好きだ」

一つ一つの言葉を、大事に、慈しむように雄二はエリナに自分の本心を告げた。
エリナは、雄二の瞳を真っすぐに見つめる。
だが、心の中では申し訳なさがいっぱいだった。

自分よりリィナと繋がっているのではないか、と考えていた。
躊躇なく自分を蹴ったのは、愛情がないからではないかなどと拗ねていた。

もし自分が一流の魔術師に操られたら、それに逆らうことができただろうか。
一流の魔術師たるオルゲンの治癒魔法を施された身としては、これを拒むことは超一流でないと無理だ。
私は、オルゲンの治癒魔法を拒絶しようとした。
それを乗り越えて、オルゲンの、優しい優しい治癒の心が流れ込んできた。

オルゲンの治癒の光は、心の奥にまで沁み込んでいた。拒むことなど、もうできはしなかった。。

それを感じた時、自分も素直になるべきだと理解した。
なぜ、私たちは自分の素直な気持ちを表すことを恐れるのだろう。
言葉にして伝えなければ、相手にわかってもらえるはずもない。

エリナは、幼い頃に両親を亡くしている。
仕事で遊びに行く約束を反故にされ、むくれていた時だった。

エリナの両親は、戦に巻き込まれて死んでしまった。
エリナは、泣き叫んだ。もっともっと「大好き」って伝えたかった。

もっともっと、笑顔でいたかった。
お父さんもお母さんも、私のふくれっ面が最後の……。

「ユージ様、私も大好きですわ!」

そう言って、エリナは雄二を抱き締めた。
雄二は一瞬恥ずかしさのあまりどうしていいかわからなくなった。
顔が赤くなるのを感じる。

でも。
こういうの、とても気持ち良いし幸せを感じる。
雄二も、エリナをしっかりと抱き締める。

「愛してるよ、エリナ」

少し頬を染めながら、雄二は勇気を振り絞って言う。

リィナは、それを見て心からの笑みと少しの寂しさをこぼす。
年上のオルゲンは、それを察することができた。

オルゲンは、リィナをそっと後ろから抱き締める。
「何だよお」
と言いながら、リィナもオルゲンの腕を抱く。
「エリナ様は、リィナ様のことをとても大事に想ってくださっていますよ」
「そんなこと知ってるよ……でも……」

リィナは、前世のことを思い出してしまった。
凍死する寸前の、涙以外温かいもののないベランダ。
その涙も枯れて、全てが凍える世界……。

そんなリィナの全身を、暖かい魂が覆う。

「オルゲン……」

その暖かさの主を、リィナは愛おし気に呼んだ。

「父上……」

「なんでやねん!」

オルゲンの頭をはたきつつ、リィナはオルゲンの暖かさに体を預けた。
「これがお父さんやお母さんの温もりなのかな……」

***

この二組の男女は、時に感情を交わり損ねてカイウス様を困らせながら、この町を発展させていった。
カイウス様の町は、この国で一番の発展と賑わいを見せるようになった。
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