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私は今、謁見の間で王様の前にいます。
精霊契約を結んだ者は国に届出を出す決まりがある。
なので、父が私の精霊契約の書類を国に提出した。
するとその書類を見た王様が私に会いたいと言い出したのだ。
実は精霊契約はある程度成長した年齢に達してから契約すること多く、私のような幼子が契約した事例はほとんど無いそうだ。
だから、三歳にして精霊契約を果たした私に興味を持ったそうだ。
苦虫を噛み潰したような表情をしながら、父はそう説明してくれた。
王様からの呼び出しなので、私は仕方がなく父に連れられて王城へとやって来た。
謁見の間には王様と……、王妃様かな?
三人の王子も勢揃いしているな~。
あとは大臣っぽい人とか、魔術師っぽい人とか、なんか偉そうな人が数名に護衛である近衛が数名。(そのうちの一人は騎士団長かな?)
結構、勢揃いしているな。
三歳の子供に会うメンバーにしては豪勢すぎるぞ。
「そなたがヴィクトリア嬢か。ヴィクター、お前に似なくて良かったな」
「リアは私の天使だからな。可愛いのは当たり前だ、エルントス」
おう……、父が親バカを発揮している。
しかも王様に対して凄い軽口。
確か父と王様は幼馴染みだったはずなのだが、普段からこんな態度なのだろうか?
父よ、プライベートはともかく、公式の場でその態度はいいのかい?
「おはちゅにおめにかかりましゅ。ヴィクター=エメラルドがまっし、ヴィクトリアともうちましゅ」
うん、やっぱり呂律が残念だ。
子供だから仕方がないか。
「……しっかりした娘だな」
「うむ。自慢の娘だ」
父、親バカはちょっと置いておこうや!
「さて、ヴィクトリア嬢。ヴィクターから君が精霊契約をしたと聞いたが、もしよかったら会わせてもらえるかね?」
あっ、王様が父の親バカ発言を普通にスルーした。
しかも若干、慣れを感じる。
もしかして、この父の態度はいつものことなのだろうか?
私本人の前だけじゃなくて、他でもこうだったらかなり恥ずかしいんだが……。
「いいでしゅよ。――ヒュー」
ヒュー――緑の精霊ヒューリーは私の呼びかけにすぐに応えてくれ、目の前に現れました。
《リア、なんだい?》
「おうしゃまが、ヒューにあいたいっちぇ」
《ふうん。あれが王様?》
「しょう」
ヒューリーは怪訝そうに王様を見据えています。
そして無言のまま私の肩に座りました。
ヒューリーってば、いつもと何か違います。
ちょっと不機嫌だったりする?
「本当に契約しているのだな。どうだ、ヴィクトリア嬢。王太子――サイラスの婚約者にならんかね?」
わぁお、さっそく婚約の話しになった。
もしかして、私が小さいから言質を取って婚約を整えようとしているのかな?
ちらりと父を見ると、しっかりと頷いているのが見えた。
これは私の好きにしていいという合図だろう。
「もうちわけございましぇん。おことわりいたちましゅ」
即答で断らせていただきます。
あっ、王様だけでなくて、謁見の間にいる人達全員が驚いている。
「親の私が言うのはあれだが、見目は整っているし優秀だぞ」
王様は尚も王太子を押してきます。
嫌です。
私は首を横に振っておきます。
「そうか、年が離れすぎているから嫌なのか? それなら第二王子でも第三王子でも構わぬよ」
「いいえ、おことわりいたちましゅ」
「なにっ!?」
王子の婚約者なら、喜んでなると思っていたようだ。
私は夢で見た悲惨な未来がなくたって、王子の嫁にはなりたくないぞ。
何でわざわざそんな重責のある身分になるか!
王妃、王子妃教育なんてやりたくないわ!
絶対に厳しいに決まっている!
玉の輿?
今現在、充分に身分もお金も揃っている。
なんせ私、公爵令嬢だしな。
「おとーしゃまが、およめにいかなくていーって」
「ヴィクター! なんてことを吹き込んでいるんだ。娘が行き遅れるぞ!」
「構わん」
「おいっ!?」
「リア、おとーしゃまのおよめしゃーん!」
ここは可愛くこう言っておこう。
「リア!」
父にがっちり抱きしめられた。
ふふふっ~。
父よ、チョロいな。
《あら~?》
父の甘さを再確認していると、突然目の前に金髪の美女が現れた。
精霊契約を結んだ者は国に届出を出す決まりがある。
なので、父が私の精霊契約の書類を国に提出した。
するとその書類を見た王様が私に会いたいと言い出したのだ。
実は精霊契約はある程度成長した年齢に達してから契約すること多く、私のような幼子が契約した事例はほとんど無いそうだ。
だから、三歳にして精霊契約を果たした私に興味を持ったそうだ。
苦虫を噛み潰したような表情をしながら、父はそう説明してくれた。
王様からの呼び出しなので、私は仕方がなく父に連れられて王城へとやって来た。
謁見の間には王様と……、王妃様かな?
三人の王子も勢揃いしているな~。
あとは大臣っぽい人とか、魔術師っぽい人とか、なんか偉そうな人が数名に護衛である近衛が数名。(そのうちの一人は騎士団長かな?)
結構、勢揃いしているな。
三歳の子供に会うメンバーにしては豪勢すぎるぞ。
「そなたがヴィクトリア嬢か。ヴィクター、お前に似なくて良かったな」
「リアは私の天使だからな。可愛いのは当たり前だ、エルントス」
おう……、父が親バカを発揮している。
しかも王様に対して凄い軽口。
確か父と王様は幼馴染みだったはずなのだが、普段からこんな態度なのだろうか?
父よ、プライベートはともかく、公式の場でその態度はいいのかい?
「おはちゅにおめにかかりましゅ。ヴィクター=エメラルドがまっし、ヴィクトリアともうちましゅ」
うん、やっぱり呂律が残念だ。
子供だから仕方がないか。
「……しっかりした娘だな」
「うむ。自慢の娘だ」
父、親バカはちょっと置いておこうや!
「さて、ヴィクトリア嬢。ヴィクターから君が精霊契約をしたと聞いたが、もしよかったら会わせてもらえるかね?」
あっ、王様が父の親バカ発言を普通にスルーした。
しかも若干、慣れを感じる。
もしかして、この父の態度はいつものことなのだろうか?
私本人の前だけじゃなくて、他でもこうだったらかなり恥ずかしいんだが……。
「いいでしゅよ。――ヒュー」
ヒュー――緑の精霊ヒューリーは私の呼びかけにすぐに応えてくれ、目の前に現れました。
《リア、なんだい?》
「おうしゃまが、ヒューにあいたいっちぇ」
《ふうん。あれが王様?》
「しょう」
ヒューリーは怪訝そうに王様を見据えています。
そして無言のまま私の肩に座りました。
ヒューリーってば、いつもと何か違います。
ちょっと不機嫌だったりする?
「本当に契約しているのだな。どうだ、ヴィクトリア嬢。王太子――サイラスの婚約者にならんかね?」
わぁお、さっそく婚約の話しになった。
もしかして、私が小さいから言質を取って婚約を整えようとしているのかな?
ちらりと父を見ると、しっかりと頷いているのが見えた。
これは私の好きにしていいという合図だろう。
「もうちわけございましぇん。おことわりいたちましゅ」
即答で断らせていただきます。
あっ、王様だけでなくて、謁見の間にいる人達全員が驚いている。
「親の私が言うのはあれだが、見目は整っているし優秀だぞ」
王様は尚も王太子を押してきます。
嫌です。
私は首を横に振っておきます。
「そうか、年が離れすぎているから嫌なのか? それなら第二王子でも第三王子でも構わぬよ」
「いいえ、おことわりいたちましゅ」
「なにっ!?」
王子の婚約者なら、喜んでなると思っていたようだ。
私は夢で見た悲惨な未来がなくたって、王子の嫁にはなりたくないぞ。
何でわざわざそんな重責のある身分になるか!
王妃、王子妃教育なんてやりたくないわ!
絶対に厳しいに決まっている!
玉の輿?
今現在、充分に身分もお金も揃っている。
なんせ私、公爵令嬢だしな。
「おとーしゃまが、およめにいかなくていーって」
「ヴィクター! なんてことを吹き込んでいるんだ。娘が行き遅れるぞ!」
「構わん」
「おいっ!?」
「リア、おとーしゃまのおよめしゃーん!」
ここは可愛くこう言っておこう。
「リア!」
父にがっちり抱きしめられた。
ふふふっ~。
父よ、チョロいな。
《あら~?》
父の甘さを再確認していると、突然目の前に金髪の美女が現れた。
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