MMS ~メタル・モンキー・サーガ~

千両文士

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【第二章:エデン第二区画/旧関係者居住エリア】

【第10話】

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『ひぇぇぇぇ!!』
 重さにして1トンは下らない鉄塊である戦闘用アンドロイドメンテナンス用クレードルが頭上から降って来ると言う光景に腰を抜かしたコクフウカイは右足の激痛も忘れ、慌てて後ずさりしようとする。
『うぁ?』
 一方でコクフウカイ上で身をかがめていて何が起こっているのか分からず、頭上から落ちて来る機械鉄塊から逃げ遅れたスーパーミュータントアニマルはその直撃を食らい、地面にぐちゃぁと押し漬されて倒れる。

『ふっふっふ、お互い惜しかったですねえ……スーパーミュータントアニマル君がクッションになってくれなければ私を倒せたでしょうに』
 スーパーミュータントアニマルの体液まみれになりながらもその下から這い出し、その際に自然に引き抜けてしまったサン博士の電撃ナイフを握って威嚇しつつ、迷彩軍服の胸ポケットから取り出した葉巻を咥えたコクフウカイ。
「ええ、まさかあそこを見つけられたとは……どういう事なのかしら?」
『ああ、その通りだな……お前の冥途の置き土産に教えちゃくんねえかな? コクフウカイとやら』
 それに対峙する崩壊したフトウ博士のシークレットラボに隠れていて奇襲を仕掛けた張本人である銃口を向けるサン博士と鉄棒を構えたモンキーマン。
『ほほほ、この語に及んで私の置き土産とは……そこまでおっしゃるのであれば見せてあげましょう!! 
 この私、上位管理者アンドロイド・コクフウカイの固有戦闘機構にびっくりどっきりするがよいですぞ!!』
 ついに来た、サン博士とモンキーマンは何が来てもいいように身構える。
『噴き出せ!! ブラックウインドガス!!』
 自らの首を掴んで上に持ち上げた瞬間、スポッと抜けたコクフウカイの熊頭部。
 続くモーター震動音と共にその首穴からもわもわと出て来るのは真っ黒な煙である。
『!!』
 正体不明ながらもそれがただの煙ではない事を軍人のカンで察したサン博士はすぐにウェストポーチ内のガスマスクを装着して身を守る。

『博士!! ミュータントアニマル共の様子が……おかしいぜ!?』
 興奮のあまり目を真っ赤にし、全身の筋肉を痙攣させながら口からよだれを垂らして歯を剥き出しにし、揮猛な唸り声をあげだすミュータントアニマル軍団。
 主の命でスーパーミュータントアニマルがぶち抜いたクレーターを取り囲んで待機中のそれらは生身のサン博士のみならず頑強な機械のボデイを持つモンキーマンにも殺意を向ける。
『……あのガスは生物の脳と神経系統に作用し、極度の興奮状態をもたらす一種のドービング効果を持つようね。あんな生物兵器、私も初めて見るわ』
 ガスマスクである程度安全確保しているとは言え、一歩でも動こうものなら全方位から狂暴化ミュータントアニマルが一斉に襲い掛かって来る状況下で冷静に分析するサン博士 。
『ほほほ、その通りですよサン博士!! これが私の体型とこのミュータントアニマルファームの管理者として選抜された所以なのですぞ!!

 さぁ、この場であなた様に与えられた選択肢は4つ

(1) お2人とも五体満足で私に投降する。
(2)ミュータントアニマルに生きたまま食われて脳だけ確保。
(3)ブラックウインドガスで発狂自害。
(4)私に殺される。

 ……私といたしましては1番と言う賢い選択肢をお選びいただければ幸いなのですが」
 左脇におしゃべりな熊頭を抱えつつ、右手の拳銃でサン博士の右胸を狙うコクフウカイはニヤリとわらう。

『悪いわね、コクフウカイ。私達の選択は一つ。

 (5)お前を破壊し、 ミュータントアニマルも全滅させる

 ……そうでしょう、モンキーマン?』
 そう言いつつ相方の同意を求めるサン博士。
『ああ、そうだな……おそらくこの感じだと後者が先になりそうだがな』
 穴の縁で殺意MAXのミュータントアニマルを見回したモンキーマンもサン博士の言葉に同調する。
『ほほほ、この期に及んで減らず口を……死ねやクソアマァ!!』
 ブチ切れたコクフウカイはサン博士をミュータントアニマル軍団の餌として生きたまま踊り食いさせるべくスタンバイ中のミュータントアニマルに総攻撃指示を出す。

【MMS 第11話に続く】
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