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【第二章:エデン第二区画/旧関係者居住エリア】
【第15話】
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「なあ、さっきから何か聞こえなかいか?」
エデン旧居住区内某所、ミュータントアニマル開発ラボ内の地下室。
「……メシの時間はまだだと思うぞ?」
ミクラ・ブレインによる人類救済計画に抗うレジスタンス軍メンバーとして軍事作戦行動中に生け捕りにされて囚われの身となり、ここに連れて来られたソルジャー・オオノは同じく囚われの身となっていた仲間に話しかける。
「そうだぞオオノ、メシの時間はまだのはずだぞ」
皮膚片や毛髪、採血を含む一日一度の生体サンプル採取を拒否しなければ一日二食と二度のシャワー&清潔で快適な衣服とトランプ程度の娯楽もある冷暖房完備の室内で自由にしていられるとは言え、ここは敵地で自分達は血も涙もないアンドロイドに生殺与奪を握られた人質である。
金髪を後ろで縛ったスパッツハーフパンツとスポーツブラ姿の女性上官、コマンダー・ジャンヌはどこで監視されているか分からない状況下で不用心な発言に及んだ部下に黙るように命じる。
「失礼いたしました、ジャンヌ上官殿」
ジャンヌ上官の意図を察したオオノが黙って仮眠を取ろうとしたその時、電子ロックがかけられた扉が開錠される音がする。
「誰だ!?」
プシューと言う排気音とモーター駆動音と共に開いて行く扉。
同室内のレジスタンス軍メンバーは身構えてその動向を注視する。
「モンキーマン、この人たちはアンドロイドじゃないの?」
『ああ、有機物反応パターン分析からして間違いなく博士と同じ生身の人間だ。
そして俺のスキャン結果によると……こいつら全員消息不明になっていた第35部隊のレジスタンスソルジャー達だ』
電撃銃を構えたまま黒いピチピチ全身タイツで入って来る黒髪の女と2メートル近くあるツンツン金髪の大男。
「……いかにも。私達はレジスタンスソルジャー第35部隊。私はそれを率いる立場にあるコマンダー・ジャンヌだ。
お前たちこそレジスタンス関係者なのか? そしてまさかとは思うが我々の救出に来たとでも言うのか?」
金髪ツンツン頭の大男はとにかく、黒衣の女性は敵だとしても話が通じるタイプのようだ。
そう判断したジャンヌはコマンダーとしては部下達を下がらせ、部隊の代表者として2人に対時する。
「初めましてコマンダー殿、私はレジスタンス軍所属科学者にして特殊エージェントのサン・フトウ。
この人は私の相方にしてレジスタンス軍に所属する仲間の戦闘用アンドロイド。SYK-000のモンキーマンよ」
「あのモンキーマンにフトウ博士殿だと!? 我々のような前線ソルジャーとは無縁の上層部の方々にこのような形でお会いできるとは……総員、敬礼!!」
「イエッサー!!」
コマンダーに命じられた35部隊ソルジャー達はすぐに立ち上がり、指揮官と共に敬礼を取る。
「恐れながら35部隊を率いるコマンダーとしてお伺いしたいのですが……お二方は我々の救出に来て下さったと言う事なのでしょうか? そして牢の外は今どのような状況に?」
『ジャンヌちゃん、言い方が悪いが俺達は君達の救出でここに来たわけじゃないんだ。
それに話せばものすごく長くなってしまうが座って落ち着いて聞いてくれ。実は……』
モンキーマンの言葉に全員が座って耳を傾ける。
「なるほど、今はマスターブレインの一方的宣告による休戦状態。
それでこのエデンに来るように命じられた博士とモンキーマン殿はあと1週間以内に6体の上位管理者アンドロイドを破壊して中央制御塔のロックを解除してヤツを破壊しなければならない……と言う事でございますね」
「ええ、そうよ。それで今さっき私達が倒したのがこのミュータントアニマル研究施設の主である黒熊頭のコクフウカイ」
『俺達はヤツを倒しついでにこのミュータントアニマルラボを物理的に破壊して生産機能停止させていたんだが、ミュータントアニマルとは違う生体反応を見つけて確認しに来たと言うわけなんだ』
「……なるほど」
モンキーマンの説明に納得し、うなづくコマンダージャンヌ。
「消息不明になっていたあなた達が無事で生きていたのは嬉しいし、安全なレジスタンス本部に戻してあげたい……のはやまやまなんだけど。ねえモンキーマン、あの垂直離着陸機に全員乗ってもらうのは大丈夫だと思う?」
『積載重量的に無理だな。それにジャンヌちゃん含め誰でもいいからアレを操縦できる奴はいるのか?』
『……』
コマンダー含め全員無言で『ムリ』 と答えるソルジャー達。
「じゃあどうすれば……」
「博士、ご安心ください。仮に何らかの帰還手段があったとしても我々はお受けいたしません」
「えっ?」
コマンダージャンヌの予期せぬ言葉に驚くサン博士。
「ここで会ったも何かの縁……我々レジスタンス35部隊メンバー総員、貴女様の手足として憎っくき人類の宿敵、マスターブレインの破壊作戦にご協力いたします!!」
「エージェント・サン殿とモンキーマン殿に敬礼!!」
コマンダージャンヌと35部隊のレジスタンスソルジャー達は2人に恭順の総意を示す。
「……わかったわ、そこまで言うのであればレジスタンス軍本部所属特殊エージェントとして命じます。
まずは総員何があっても生還することを念頭に行動し、指令官代理たるコマンダージャンヌの命に従う事!! 命令は以上!!」
「イエス!!」
ピチピチ黒衣で降臨した自由の女神という新たな希望を前にソルジャー達は熱い声で応える。
【MMS 第16話に続く】
エデン旧居住区内某所、ミュータントアニマル開発ラボ内の地下室。
「……メシの時間はまだだと思うぞ?」
ミクラ・ブレインによる人類救済計画に抗うレジスタンス軍メンバーとして軍事作戦行動中に生け捕りにされて囚われの身となり、ここに連れて来られたソルジャー・オオノは同じく囚われの身となっていた仲間に話しかける。
「そうだぞオオノ、メシの時間はまだのはずだぞ」
皮膚片や毛髪、採血を含む一日一度の生体サンプル採取を拒否しなければ一日二食と二度のシャワー&清潔で快適な衣服とトランプ程度の娯楽もある冷暖房完備の室内で自由にしていられるとは言え、ここは敵地で自分達は血も涙もないアンドロイドに生殺与奪を握られた人質である。
金髪を後ろで縛ったスパッツハーフパンツとスポーツブラ姿の女性上官、コマンダー・ジャンヌはどこで監視されているか分からない状況下で不用心な発言に及んだ部下に黙るように命じる。
「失礼いたしました、ジャンヌ上官殿」
ジャンヌ上官の意図を察したオオノが黙って仮眠を取ろうとしたその時、電子ロックがかけられた扉が開錠される音がする。
「誰だ!?」
プシューと言う排気音とモーター駆動音と共に開いて行く扉。
同室内のレジスタンス軍メンバーは身構えてその動向を注視する。
「モンキーマン、この人たちはアンドロイドじゃないの?」
『ああ、有機物反応パターン分析からして間違いなく博士と同じ生身の人間だ。
そして俺のスキャン結果によると……こいつら全員消息不明になっていた第35部隊のレジスタンスソルジャー達だ』
電撃銃を構えたまま黒いピチピチ全身タイツで入って来る黒髪の女と2メートル近くあるツンツン金髪の大男。
「……いかにも。私達はレジスタンスソルジャー第35部隊。私はそれを率いる立場にあるコマンダー・ジャンヌだ。
お前たちこそレジスタンス関係者なのか? そしてまさかとは思うが我々の救出に来たとでも言うのか?」
金髪ツンツン頭の大男はとにかく、黒衣の女性は敵だとしても話が通じるタイプのようだ。
そう判断したジャンヌはコマンダーとしては部下達を下がらせ、部隊の代表者として2人に対時する。
「初めましてコマンダー殿、私はレジスタンス軍所属科学者にして特殊エージェントのサン・フトウ。
この人は私の相方にしてレジスタンス軍に所属する仲間の戦闘用アンドロイド。SYK-000のモンキーマンよ」
「あのモンキーマンにフトウ博士殿だと!? 我々のような前線ソルジャーとは無縁の上層部の方々にこのような形でお会いできるとは……総員、敬礼!!」
「イエッサー!!」
コマンダーに命じられた35部隊ソルジャー達はすぐに立ち上がり、指揮官と共に敬礼を取る。
「恐れながら35部隊を率いるコマンダーとしてお伺いしたいのですが……お二方は我々の救出に来て下さったと言う事なのでしょうか? そして牢の外は今どのような状況に?」
『ジャンヌちゃん、言い方が悪いが俺達は君達の救出でここに来たわけじゃないんだ。
それに話せばものすごく長くなってしまうが座って落ち着いて聞いてくれ。実は……』
モンキーマンの言葉に全員が座って耳を傾ける。
「なるほど、今はマスターブレインの一方的宣告による休戦状態。
それでこのエデンに来るように命じられた博士とモンキーマン殿はあと1週間以内に6体の上位管理者アンドロイドを破壊して中央制御塔のロックを解除してヤツを破壊しなければならない……と言う事でございますね」
「ええ、そうよ。それで今さっき私達が倒したのがこのミュータントアニマル研究施設の主である黒熊頭のコクフウカイ」
『俺達はヤツを倒しついでにこのミュータントアニマルラボを物理的に破壊して生産機能停止させていたんだが、ミュータントアニマルとは違う生体反応を見つけて確認しに来たと言うわけなんだ』
「……なるほど」
モンキーマンの説明に納得し、うなづくコマンダージャンヌ。
「消息不明になっていたあなた達が無事で生きていたのは嬉しいし、安全なレジスタンス本部に戻してあげたい……のはやまやまなんだけど。ねえモンキーマン、あの垂直離着陸機に全員乗ってもらうのは大丈夫だと思う?」
『積載重量的に無理だな。それにジャンヌちゃん含め誰でもいいからアレを操縦できる奴はいるのか?』
『……』
コマンダー含め全員無言で『ムリ』 と答えるソルジャー達。
「じゃあどうすれば……」
「博士、ご安心ください。仮に何らかの帰還手段があったとしても我々はお受けいたしません」
「えっ?」
コマンダージャンヌの予期せぬ言葉に驚くサン博士。
「ここで会ったも何かの縁……我々レジスタンス35部隊メンバー総員、貴女様の手足として憎っくき人類の宿敵、マスターブレインの破壊作戦にご協力いたします!!」
「エージェント・サン殿とモンキーマン殿に敬礼!!」
コマンダージャンヌと35部隊のレジスタンスソルジャー達は2人に恭順の総意を示す。
「……わかったわ、そこまで言うのであればレジスタンス軍本部所属特殊エージェントとして命じます。
まずは総員何があっても生還することを念頭に行動し、指令官代理たるコマンダージャンヌの命に従う事!! 命令は以上!!」
「イエス!!」
ピチピチ黒衣で降臨した自由の女神という新たな希望を前にソルジャー達は熱い声で応える。
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