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第五章:『闇乃宮肆ノ闘戯場/雷獣シネコ』
【第26話】
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「ここは……?」
黒鳥居を抜け、闇乃宮第四闘戯場に入った討伐隊。
溶鉱炉、氷洞窟、古代のコロッセオに続く第四の戦いの場は大小様々なミラーボールが天丼から下げられ、ステージと思しき大きな段差が正面にある薄暗い空間。
「何だっけ、最近みたアニメで……動画サイトでギタークイーンとして超有名なんだけどリアルでは友達ゼロのコミュ障な女の子がバンドデビューしてライブハウスで、みたいなの。なんだったっけ、お兄ちゃん?」
最近見ていたアニメのタイトルをど忘れしてしまったエミは隣のタケルに問う。
「ええと……たしか」
『んなこたどうでもいい!! 俺の魂を聞けえぇぇ!!』
「!?」
突如真っ暗になる第四闘戯場。
その直後にスポットライトに照らされたステージにジャジャンと現れたのは鉄鋲だらけの革ジャンに革ジーンズ、つま先が長い皮ブーツ。そしてグレープ色に染めた頭髪(?)をモヒカンにしてギターを前に構えた猫だ。
『初めましてだなぁ、タメシヤノミコトのイヌ共!! 俺はヤミノミヤノミコト様にお仕えする稲妻の魔獣、シネコ様だあ!!』
ギターを激しくかき鳴らし、ロックンロールなシャウトで自己紹介する
『ちなみにシネコで安直なデス・キャットだと思った凡俗の愚民共お!!
シはシでもムラサキパーブルのシだ!! よく覚えとけえ!!』
「イェーィ!!」
色々言いたい事はあるのだろうがうるさい奴だな……アニメで見た憧れのライブハウスそのものな場所に来れて目がキラキラの雲隠家の双子とは対極的に大人達は複雑な表情を浮かべる。
『さて、今宵のORESAMAライブを共にするラッキーガイ・オア・ガールは……』
煽るような期待させるような前奏と共に頭上で点滅回転しだすミラーボール。
それが発する色とりどりのライトは床と闇乃宮討伐隊メンバーの頭上をはい回るように照らしだし、バラバラの群生だったそれは徐々に導かれるように一ヶ所に集約していく。
『ロックなお前らだぜ!! イエェェェェイ!!』
ジャーンと言う音と共に3つのスポットライトに照らし出されたのはシルバーデストロイメン、マーメイドウォーリアーのゼド、雲隠 愛美だ。
「エミ!?」
「まてっ、ならば……」
『おいおい、御鉄院とこの姐さんに雲隠の兄ちゃん……俺はキネコちゃんと違って変更は認めねえぞ?』
まさかの対戦相手指名に対し、代理を申し出ようとした茜と探に先手を打つシネコ。
『その子は俺のロックなソウルに導かれるぐらいにそのキュートな見た目に反するとんでもねぇ力を秘めてるんだぜ……つまりはオレちゃんの相手として申し分ないんよ?』
「くっ……」
同じ論破でも正論の一方で相手を口撃しつつも逃げ道を残しておく英里子とは全く違う一切の退路を断って徹底的に追い詰めるやり方に閉口する茜。
「風のもののふ様、いざという時には私が盾に……」
「ゼド、センユウ!! ダガ、ヒノモノサマノカワイイオジョウサンハオレガマモルゼ!! ソコダケハユズレン!!」
緊張でガチガチになるゼド村長とは真逆に何故かハッスル(?)してしまうシルバーデストロイメン。
「エミ、ツミレ先生やお兄ちゃんがいないからって……ゼドさんやシルバーさんに迷惑かけちゃだめだぞ?」
そんな2人をガン無視して中腰になり、愛娘の眼をじっと見ながら諭す探。
「うん、わかってる……あたし、我慢するわ。パパ」
その言葉に真剣な表情でうなずくエミ。
「おい、雲隠……それはどういう」
「ゼド村長、シルバーデストロイメンさん。ご迷惑をおかけするかもしれませんが……どうかよろしくお願いします」
「はい、ヒノモノ様……?」
「マカセロ、エミチャン、オレマモル!!」
総大将から真剣な言葉に目を白黒させる2人、これは何かあるのか……? と思いつつも聞ける雰囲気ではないが故に口を閉ざす。
「シネコとか言ったな……敵に塩を送るのは好みじゃないが一応言っておいてやる。
娘を敵に回すのはやめたほうがいいぞ?」
これはハッタリでは無くマジだ、おそらく雲隠父子はエミに関して何かとんでもない事を隠している。
そう察した闇乃宮討伐隊メンバーはミズノモノ美香に似てお淑やかで天然な少女をまじまじと見てしまう。
『ヒューッ!! そいつは参ったねぇ!! だが残念、俺ちゃんに二言はありません!!
だから早くこのステージに来てくださいなっと!!』
「……エミ、行きなさい」
「わかったわパパ」
「オレタチモイクゾ、マーメイドウォーリアー!!」
「ああ、行くぞ!!」
どんな事態になったとしても、とにかく死なない事。
その基本理念を胸に3人は第四闘戯場ステージへの階段を上り始める
【第27話につづく】
黒鳥居を抜け、闇乃宮第四闘戯場に入った討伐隊。
溶鉱炉、氷洞窟、古代のコロッセオに続く第四の戦いの場は大小様々なミラーボールが天丼から下げられ、ステージと思しき大きな段差が正面にある薄暗い空間。
「何だっけ、最近みたアニメで……動画サイトでギタークイーンとして超有名なんだけどリアルでは友達ゼロのコミュ障な女の子がバンドデビューしてライブハウスで、みたいなの。なんだったっけ、お兄ちゃん?」
最近見ていたアニメのタイトルをど忘れしてしまったエミは隣のタケルに問う。
「ええと……たしか」
『んなこたどうでもいい!! 俺の魂を聞けえぇぇ!!』
「!?」
突如真っ暗になる第四闘戯場。
その直後にスポットライトに照らされたステージにジャジャンと現れたのは鉄鋲だらけの革ジャンに革ジーンズ、つま先が長い皮ブーツ。そしてグレープ色に染めた頭髪(?)をモヒカンにしてギターを前に構えた猫だ。
『初めましてだなぁ、タメシヤノミコトのイヌ共!! 俺はヤミノミヤノミコト様にお仕えする稲妻の魔獣、シネコ様だあ!!』
ギターを激しくかき鳴らし、ロックンロールなシャウトで自己紹介する
『ちなみにシネコで安直なデス・キャットだと思った凡俗の愚民共お!!
シはシでもムラサキパーブルのシだ!! よく覚えとけえ!!』
「イェーィ!!」
色々言いたい事はあるのだろうがうるさい奴だな……アニメで見た憧れのライブハウスそのものな場所に来れて目がキラキラの雲隠家の双子とは対極的に大人達は複雑な表情を浮かべる。
『さて、今宵のORESAMAライブを共にするラッキーガイ・オア・ガールは……』
煽るような期待させるような前奏と共に頭上で点滅回転しだすミラーボール。
それが発する色とりどりのライトは床と闇乃宮討伐隊メンバーの頭上をはい回るように照らしだし、バラバラの群生だったそれは徐々に導かれるように一ヶ所に集約していく。
『ロックなお前らだぜ!! イエェェェェイ!!』
ジャーンと言う音と共に3つのスポットライトに照らし出されたのはシルバーデストロイメン、マーメイドウォーリアーのゼド、雲隠 愛美だ。
「エミ!?」
「まてっ、ならば……」
『おいおい、御鉄院とこの姐さんに雲隠の兄ちゃん……俺はキネコちゃんと違って変更は認めねえぞ?』
まさかの対戦相手指名に対し、代理を申し出ようとした茜と探に先手を打つシネコ。
『その子は俺のロックなソウルに導かれるぐらいにそのキュートな見た目に反するとんでもねぇ力を秘めてるんだぜ……つまりはオレちゃんの相手として申し分ないんよ?』
「くっ……」
同じ論破でも正論の一方で相手を口撃しつつも逃げ道を残しておく英里子とは全く違う一切の退路を断って徹底的に追い詰めるやり方に閉口する茜。
「風のもののふ様、いざという時には私が盾に……」
「ゼド、センユウ!! ダガ、ヒノモノサマノカワイイオジョウサンハオレガマモルゼ!! ソコダケハユズレン!!」
緊張でガチガチになるゼド村長とは真逆に何故かハッスル(?)してしまうシルバーデストロイメン。
「エミ、ツミレ先生やお兄ちゃんがいないからって……ゼドさんやシルバーさんに迷惑かけちゃだめだぞ?」
そんな2人をガン無視して中腰になり、愛娘の眼をじっと見ながら諭す探。
「うん、わかってる……あたし、我慢するわ。パパ」
その言葉に真剣な表情でうなずくエミ。
「おい、雲隠……それはどういう」
「ゼド村長、シルバーデストロイメンさん。ご迷惑をおかけするかもしれませんが……どうかよろしくお願いします」
「はい、ヒノモノ様……?」
「マカセロ、エミチャン、オレマモル!!」
総大将から真剣な言葉に目を白黒させる2人、これは何かあるのか……? と思いつつも聞ける雰囲気ではないが故に口を閉ざす。
「シネコとか言ったな……敵に塩を送るのは好みじゃないが一応言っておいてやる。
娘を敵に回すのはやめたほうがいいぞ?」
これはハッタリでは無くマジだ、おそらく雲隠父子はエミに関して何かとんでもない事を隠している。
そう察した闇乃宮討伐隊メンバーはミズノモノ美香に似てお淑やかで天然な少女をまじまじと見てしまう。
『ヒューッ!! そいつは参ったねぇ!! だが残念、俺ちゃんに二言はありません!!
だから早くこのステージに来てくださいなっと!!』
「……エミ、行きなさい」
「わかったわパパ」
「オレタチモイクゾ、マーメイドウォーリアー!!」
「ああ、行くぞ!!」
どんな事態になったとしても、とにかく死なない事。
その基本理念を胸に3人は第四闘戯場ステージへの階段を上り始める
【第27話につづく】
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