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第七章:『闇乃宮五ノ闘戯場/黒雷武神ナルカミノミヤ』
【第46話】
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『ウガァァァァ!!』
『オラオラァアア!!』
巨大な天然石柱が倒れた樹海上空で幾重もぶつかり合う暴走ナルカミノミヤの巨剛拳と須田丸が搭乗した特殊搭乗型兵器・マヨイガアーマーの鉄塊拳。
雷マヨイガエレメント使いとしてお互いにエレメント技が無効化される事を理解していた2人の激突は必然的に近接肉弾戦化。
世界的アーティストとして大成功して名声のみならず『莫大な財力』と『自由な人生』と言うトンデモ災厄女に絶対に与えてはならないモノを獲得してしまった英里子がノリと勢いのままに建造した五武神にも匹敵する力を持つ特殊搭乗兵器は魔力暴走状態のナルカミノミヤと同じ土俵で殴り合う。
(コイツ……ツヨイ!!)
自身の姉にして死と破壊を司る死巫女の『闇』の魔力で身も心も破壊衝動に取り込まれ、須田丸の乗ったマヨイガアーマーをわぎわざホイホイと自分の目の前に壊されに来た何かとしか認識できていない魔力暴走ナルカミノミヤ。
今の肉体超強化状態に慣れていない事に加え鉄塊拳を何発も叩きこまれた事によるダメージでわずかながらも冷静になってきた今、目の前に現れたものすごく頑強で強い何かを破壊する術を思考し始める。
『どうだ、ちったあ落ち着いたかナルカミ?』
『ウガッ!?』
そんな思考を読まれたかのように投げかけられる言葉。
『お前が次にガオゥと言うのかシャギャーと言うのかは分からねぇが……ここからはアニキや皆も来るぜ。まあ今のお前が数の暴力で死ぬことは無いだろうが、悪く思うなよ?』
『ナニッ!?』
いつの間にか深霧に包まれていた第五闘戯場、箱庭世界。
じわじわと深くなるそれの危険性を察した魔力暴走ナルカミノミヤは目の前でファイトポーズのまま動かないマヨイガアーマーのみならず全方位に向けて防御の構えを取る。
『神討:乱旋ノ型』
遠く霧の中から響く茜の詠唱と共に背後から襲い掛かる風エレメント矢。
1本ずつが御鐵院流弓術奥義と同等の威力をもつ風エレメント塊矢が複数向ってくると言う奇襲に筋肉だけでは防ぎきれないと判断した暴走ナルカミノミヤは俊雷脚で横移動回避する。
『フレイムデストロォイ!!』
『ギャバチィ!! アジィィィ!!』
滑り込み停止地点を予測していたかのように飛来して背中に直撃爆裂した火球。
ノーガードでそれを背中に食らってしまった暴走ナルカミノミヤはその熱爆発とダメージに悲鳴をあげつつも背中にこびりついて燃えている魔力の黒炎塊を慌てて振り払う。
『ヲイ、ズダマ……ル?』
濃霧に紛れて攻撃を仕掛けてくる未知の敵と数秒前まで目の前にいたにも関わらず雲散霧消してしまったマヨイガアーマー。
このままではこの世界を全て消滅させる前に自分が消滅させられると察した暴走ナルカミノミヤはこの霧をどうにかする方法を考えつつ次の攻撃に備えて身構える。
ほぼ同時刻、第五闘戯場地下に設けられた安全地帯内。
ミズノミヤ様が設置した遠隔操作型マヨイガ神技・対水鏡(ついすいきょう)で舞空バトルフィールドと化した地上を見守る闇乃宮討伐隊総大将・雲隠 探。
『雲隠!! 神討、全弾ハズレだ!!』
『了解。 カゼネコ! 茜さんが二撃目を溜めている間に牽制攻撃してくれ!!』
セブンスソウルで魔力暴走中のナルカミノミヤを止めると言う共通の目的のため、タメシヤノミコト様・シノミヤノミコト様と言う枠組みを超えて共闘する事になった11人。
その総大将として作戦指揮を執る探は須田丸がマヨイガアーマーで一騎打ちの殴り合いをしている間に闘戯場全体に風マヨイガエレメントで濃霧を発生させ、再生成した仙雲で茜と共に第一別動隊として飛び立ったカゼネコに命じる。
『了解じゃ、マヨイガ総大将殿!! 『風球!!』』
『グォッ!! アァッ!?』
風エレメント塊とは思えぬ硬球の不意打ちを防御しつつ回避するナルカミノミヤを対水鏡で確かめた探は第二別動隊に通信開始する。
『シネコ、ライ!! そっちはどうだ!?』
『いい調子だぜ、スケコマシ!! このギター最高じゃねえかよ!! これから俺様の愛機としてずっと使ってやらぁねウリィィイイ!!』
『ウルセェゾ、チビ!! シキガミモヒトコトイッテヤレ!!』
ナルカミノミヤの一方的猛攻の最中、その懐からカゼネコが抜きとっていたシルバーデストロイコアに自身の雷エレメント魔力を注入して眷族魔物・シルバーデストロイメンを仮復活させ、自身の武器となるエレキギターにトランスフォームさせたシネコのシャウトコールにギターと化したデストロイメンはレスポンスする。
『安心してロックに身を任せるのよ、シネコさん!! 私が貴方をお守りしますわ!!』
『そう言う事だ、総大将殿!! 俺らの方は敵さんを攪乱しつつ発動準備OK次第連絡するぜ!!』
ブチッと切られる通信。
「ライさんって……ああいう系が好みだったんだんだな」
「意外ねぇ……」
シスコン式神のフウがこの場にいなくて良かった、エミとタケルの双子はそんな事を考えつつ顔を見合わせる。
「タケルにエミ、お前たちも準備しておくんだ……最後は出るぞ」
「了解!!」
父にして総大将の言葉に雲隠の双子は応える。
【第47話につづく】
『オラオラァアア!!』
巨大な天然石柱が倒れた樹海上空で幾重もぶつかり合う暴走ナルカミノミヤの巨剛拳と須田丸が搭乗した特殊搭乗型兵器・マヨイガアーマーの鉄塊拳。
雷マヨイガエレメント使いとしてお互いにエレメント技が無効化される事を理解していた2人の激突は必然的に近接肉弾戦化。
世界的アーティストとして大成功して名声のみならず『莫大な財力』と『自由な人生』と言うトンデモ災厄女に絶対に与えてはならないモノを獲得してしまった英里子がノリと勢いのままに建造した五武神にも匹敵する力を持つ特殊搭乗兵器は魔力暴走状態のナルカミノミヤと同じ土俵で殴り合う。
(コイツ……ツヨイ!!)
自身の姉にして死と破壊を司る死巫女の『闇』の魔力で身も心も破壊衝動に取り込まれ、須田丸の乗ったマヨイガアーマーをわぎわざホイホイと自分の目の前に壊されに来た何かとしか認識できていない魔力暴走ナルカミノミヤ。
今の肉体超強化状態に慣れていない事に加え鉄塊拳を何発も叩きこまれた事によるダメージでわずかながらも冷静になってきた今、目の前に現れたものすごく頑強で強い何かを破壊する術を思考し始める。
『どうだ、ちったあ落ち着いたかナルカミ?』
『ウガッ!?』
そんな思考を読まれたかのように投げかけられる言葉。
『お前が次にガオゥと言うのかシャギャーと言うのかは分からねぇが……ここからはアニキや皆も来るぜ。まあ今のお前が数の暴力で死ぬことは無いだろうが、悪く思うなよ?』
『ナニッ!?』
いつの間にか深霧に包まれていた第五闘戯場、箱庭世界。
じわじわと深くなるそれの危険性を察した魔力暴走ナルカミノミヤは目の前でファイトポーズのまま動かないマヨイガアーマーのみならず全方位に向けて防御の構えを取る。
『神討:乱旋ノ型』
遠く霧の中から響く茜の詠唱と共に背後から襲い掛かる風エレメント矢。
1本ずつが御鐵院流弓術奥義と同等の威力をもつ風エレメント塊矢が複数向ってくると言う奇襲に筋肉だけでは防ぎきれないと判断した暴走ナルカミノミヤは俊雷脚で横移動回避する。
『フレイムデストロォイ!!』
『ギャバチィ!! アジィィィ!!』
滑り込み停止地点を予測していたかのように飛来して背中に直撃爆裂した火球。
ノーガードでそれを背中に食らってしまった暴走ナルカミノミヤはその熱爆発とダメージに悲鳴をあげつつも背中にこびりついて燃えている魔力の黒炎塊を慌てて振り払う。
『ヲイ、ズダマ……ル?』
濃霧に紛れて攻撃を仕掛けてくる未知の敵と数秒前まで目の前にいたにも関わらず雲散霧消してしまったマヨイガアーマー。
このままではこの世界を全て消滅させる前に自分が消滅させられると察した暴走ナルカミノミヤはこの霧をどうにかする方法を考えつつ次の攻撃に備えて身構える。
ほぼ同時刻、第五闘戯場地下に設けられた安全地帯内。
ミズノミヤ様が設置した遠隔操作型マヨイガ神技・対水鏡(ついすいきょう)で舞空バトルフィールドと化した地上を見守る闇乃宮討伐隊総大将・雲隠 探。
『雲隠!! 神討、全弾ハズレだ!!』
『了解。 カゼネコ! 茜さんが二撃目を溜めている間に牽制攻撃してくれ!!』
セブンスソウルで魔力暴走中のナルカミノミヤを止めると言う共通の目的のため、タメシヤノミコト様・シノミヤノミコト様と言う枠組みを超えて共闘する事になった11人。
その総大将として作戦指揮を執る探は須田丸がマヨイガアーマーで一騎打ちの殴り合いをしている間に闘戯場全体に風マヨイガエレメントで濃霧を発生させ、再生成した仙雲で茜と共に第一別動隊として飛び立ったカゼネコに命じる。
『了解じゃ、マヨイガ総大将殿!! 『風球!!』』
『グォッ!! アァッ!?』
風エレメント塊とは思えぬ硬球の不意打ちを防御しつつ回避するナルカミノミヤを対水鏡で確かめた探は第二別動隊に通信開始する。
『シネコ、ライ!! そっちはどうだ!?』
『いい調子だぜ、スケコマシ!! このギター最高じゃねえかよ!! これから俺様の愛機としてずっと使ってやらぁねウリィィイイ!!』
『ウルセェゾ、チビ!! シキガミモヒトコトイッテヤレ!!』
ナルカミノミヤの一方的猛攻の最中、その懐からカゼネコが抜きとっていたシルバーデストロイコアに自身の雷エレメント魔力を注入して眷族魔物・シルバーデストロイメンを仮復活させ、自身の武器となるエレキギターにトランスフォームさせたシネコのシャウトコールにギターと化したデストロイメンはレスポンスする。
『安心してロックに身を任せるのよ、シネコさん!! 私が貴方をお守りしますわ!!』
『そう言う事だ、総大将殿!! 俺らの方は敵さんを攪乱しつつ発動準備OK次第連絡するぜ!!』
ブチッと切られる通信。
「ライさんって……ああいう系が好みだったんだんだな」
「意外ねぇ……」
シスコン式神のフウがこの場にいなくて良かった、エミとタケルの双子はそんな事を考えつつ顔を見合わせる。
「タケルにエミ、お前たちも準備しておくんだ……最後は出るぞ」
「了解!!」
父にして総大将の言葉に雲隠の双子は応える。
【第47話につづく】
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