ダンジョンマスター先輩!!(冒険に)付き合ってあげるからオカルト研究会の存続に協力してください 2!! ~闇乃宮と涙怨の巫女~

千両文士

文字の大きさ
56 / 79
第七章:『闇乃宮五ノ闘戯場/黒雷武神ナルカミノミヤ』

【第56話】

しおりを挟む
「御織院の娘よ、見事であったぞ!!」
 黒雷球を完全消失させ、『空』 でふんわりと地面に着地した茜を抱きしめるミズノミヤ様
「むぎゅう、うーっ!! うーっ!! (五武神様!! 息が、息が!!)」
 一息入れる間もなく超着痩せ系&隠れ巨乳な五武神様の胸に顔を押し込まれてしまい、圧で口を塞がれてもがく茜。
「須田丸おじさん、すごかったね!!」
 マョイガ探索サポートスキル『ラージドウエポン』 の上位互換スキル『ギガントウエポン』で超巨大化させたデストロイアームとヤミネコのダークホールで挟み撃ちすると言う大技に大感動のあまりジェットエンジン逆噴射しつつ着地するマョイガアーマーに駆け寄る双子。
「ヤミネコさんもナイスアシストだわ!!」
『うむ、私は……』
「はいはい、この場ではしょうがなかったんだろ!? とりあえず男と男の挨拶言うたらうだうだ言わずにコレー択だ、ほれ!!」
 マョイガアーマーを下りた須田丸はヤミネコの言葉に割り入り、大寵手を外して素手を差し出す。
『……うむ、それもそうだな。神雷のもののふ殿、まことにありがとうございます』
「おう、お前がいなけりやアレは出来なかった。こっちこそマジでサンキューだぜ!!」
 自身も鎧の寵手を外し、5本指の手袋でその手を握り返すヤミネコ。
 因縁の仇敵であるはずのタメシヤノミコト様とヤミノミヤノミコトの眷族が和解の握手に至ると言う展開に2人は胸が熱くなる。

(ナルカミノミヤ殿、お聞きしたい事がある)
 そんな勝利の歓びの中でナルカミノミヤに耳打ちする雲隠総大将。
(私でわかることならなんなりと)
(最後の試練を乗り越えた時点で残っている我々の仲間は11人……これで貴方のお姉さんを倒し、美香や囚われの仲間を救出できると思うか?)
「総大将様!!」
 探のストレートすぎる物言いに抗議するナルカミノミヤの治療にあたっていた式神ライ。
(式神、事実だから気にするな。そうだな……私の知っていた姉であれば勝機はゼロではない。だが、彼女の死巫女としての能力と我ら五武神が見て来た人類史から考えると……我々の勝機はゼロだと言い切っていいだろうな)
 (……ナルカミノミヤ様)
 ならば私達がここまで来た意味はなんだったのでしょうか? と言いかけたライ。
(式神、安心しろ。我々も神のはしくれ、無策でここに来たわけではない。
 最悪の場合……神紋もののふ様方とタケルにエミは無事で元の世界に戻せるようにはしてある。だが雲隠殿、我々にとってベストの選択肢はルイとその春属らを全て倒すことである……もののふの長たる総大将としてお忘れなきように)
 今は五武神でありながら従の立場にあるナルカミノミヤは探に念押しする。
「ああ、わかっているよ。 ヤミネコ!! これで我々は五つの闘戯場の主は倒した……約束通り妻とヤミノミヤノミコト殿の所に案内してもらうぞ」
『もちろんでございます、雲隠の総大将殿……開、門!!』
 闇乃宮討伐隊メンバー11人の前で九字切りし、闇渦で満たされた鳥居ゲートを召喚するヤミネコ。
『……主と水神紋のもののふ様はこの先でお待ちです。覚悟はお決まりですか?』
 最終決戦を前に重苦しい声で念押しするヤミネコ。
「……御織院、昔タメシヤノミコト様に挑んだ時みたいだな」
「ああ、そうだな蓑田。だが今回の目的は華咲を助ける事だからな……一筋縄ではいかぬぞ」
 長き戦いの末、ついに闇乃宮の主と対面する。
 その事実に文字通り武者震いする茜と須田丸。
「いずれにせよ我々は進むしかありませぬぞ、神紋のもののふ様方」
「そうね、もうここまで来たらやるしかないわね」
「総大将殿、参りましょうぞ」
 それに続く春属魔物・式神と言う立場でありながら同行を許されたゼド村長、式神ライ、小鬼タタラ。
『なあ、アニキ……成り行きで同行している俺らはどうすればいいんだ?』
『うむ、ワシも同じくこれからどうすればよろしいのか。ヤミネコ殿』
 闇渦鳥居の横に立つヤミネコに問うシネコとカゼネコ。
『2人共安心しろ、その件は主様とご連絡済みだ。とりあえず今回の件でお前達を罰する意思は無く、ひとまずは私が開いたゲートで闇神乃間に戻ってこいとの事だ』
 その言葉に&の息を吐く闇乃宮の主達。
「よし、皆……行こう。そして必ず生きて帰るぞ!!」
「おおつ!!」
 雲隠総大将殿の言葉に関の声で応じる10人の仲間。
 覚悟を決めた闇乃宮討伐隊は最終決戦となる場所に繋がる闇渦に入っていく。

【第57話につづく】
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

神は激怒した

まる
ファンタジー
おのれえええぇえぇぇぇ……人間どもめぇ。 めっちゃ面倒な事ばっかりして余計な仕事を増やしてくる人間に神様がキレました。 ふわっとした設定ですのでご了承下さいm(_ _)m 世界の設定やら背景はふわふわですので、ん?と思う部分が出てくるかもしれませんがいい感じに個人で補完していただけると幸いです。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

旧校舎の地下室

守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私 とうとうキレてしまいました なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが 飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした…… スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます

処理中です...