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第九章:『闇神乃間/総員激突!! 解放と救済の最終決戦!!』
【第73話】
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「ぐっ!!」
「きゃっ!!」
最大加速状態でクラッシュして宙を舞う大戦扇から放り出されたタケルとエミ。
「イテテ……無事、なのか? 父さん、エミどこだ?」
「パパ、無事に滑り込めたよ……その声はお兄ちゃん? パパはどこにいるの?」
ツミレ師匠による体術修行&自分達よりも何倍も大きいマヨイガダンジョンの魔物との実戦で受け身の構えを体得していた雲隠家の双子はあまり柔らかくない床とは言え無事に軟落下。
真っ暗な空間で互いの声しか聞こえない状況で無事を確かめつつ、無言でどこかにいる父を探す。
『ふむ、まさかお前達が来るとは』
「その声は……」
「ヤミノミヤノミコト!!」
黒炎の和ろうそくが点々と灯り明るくなっていく空間。
2人が倒れていた黒木の板の間で一段高い上座の畳上に座る赤袴に黒着物、長い白髪に天冠を乗せた紅眼の少女。
『死』を司る奇跡の巫女であった少女が悲惨な最期と幾星霜もの苦しみの後、闇乃宮を統べる邪神と化した存在。
死巫女ルイは予期せぬ挑戦者に驚きの表情を浮かべる。
「ルイ!!」
父さんがいないのであれば自分達が戦うしかない。
エミとタケルは雲隠の血を継ぐマヨイガもののふとして大戦扇を構え、槍の穂先を敵に向ける。
『黙れ』
「ぐっ!!」
死巫女ルイの紅眼に脱まれる2人。
全身の痛覚神経と脳に高圧電流を流し込まれたかのような衝撃に2人は意識を失いそうになるものの、気合と根性で足を踏ん張りつつ各々の大型武器を杖にして耐える。
『ほお、驚いたのう……わらわは一瞬で失禁しながら気絶させるぐらいの闇魔力をそなたらに直接流し込んだのだが。
まさか膝をつく程度で耐えるとは、幼くともサンに仕えた二大氏族の末裔と言う事か』
「当たり前だ、俺らがいくつだと思ってるんだ?
来年は13で中学生にもなろうと言う俺が漏らすなんて……ありえねえだろ」
「そうね、あたしも来年からはセーラー服のお姉さんですもの……お兄ちゃん共々そんな黒歴史つくりたくないわ」
どうにか立ち上がった雲隠家の双子は再び死巫女ルイに武器を向ける。
『くくく、実に面白い……わらわの事を知りながら二度も武器を向け、そのような大見得を張れる者がいるとは。
どうしようもない愚者か己の力を知らぬ蛮勇かわらわがタメシてやろうではないか』
『七魂(セブンスソウル)』
そう言いつつ着物の懐に手を入れ、2つの涙滴型の闇魔力塊を取り出したルイ。
『ヒダマ!!』
『カゼダマ!!』
第二闘戯場で自身ももののふとして対時したミズネコに迷処七天賦奥義覚醒。
第一闘戯場では突如巨大化したヒネコによりトップレスされたツミレ師匠が嬲り遊び者に。
第五闘戯場ではナルカミノミヤ様を暴走巨人化させたそれを前に2人はすぐにマョイガエレメント遠隔攻撃で破壊しようとする。
『四災:戦』
それを動きもせず見えない壁で弾き反らした死巫女ルイはセブンスソウルを大きく開けた口に投入。
それを呑み込みつつ未知の神技を詠唱発動させる。
「お兄ちゃん、何か来るわ!!」
後方に広がる黒炎も灯らぬ暗闇から聞こえる大勢の人が叫ぶ声と重い物がガタガタと動く機械駆動音。
「うわあああああああ!!」
「うおおおおおおおお!!」
殺意剥き出しで2人に向かってくる大弓を撃ちまくってくる騎馬武者と槍を構えた足軽。
同じく殺意剥き出しで自動小銃を乱射しながら突撃して来る近代兵装ソルジャー達に無差別砲撃しながら前進しつづけるティーガーにT34、M26、レオパルドと言った戦車軍団。
「エミ、とにかく迎え撃つぞ!!」
「了解、お兄ちゃん!! ぶっ飛ばすわよ!!」
死巫女ルイが詠唱完了と同時に雲散霧消した事実からここが彼女の魔力で作り出された特殊空間だと理解していたタケル。
最近流行りのマルチバース物でも中々無い時代劇と戦争映画のごちゃ混ぜっぷりにそう言うお年頃の男の子として多少の興奮を覚えつつも雲隠家のマョイガもののふとしてタケルはエレメントプラス済み火槍を構え、エミは風をはらんだ大戦扇を広げる。
『パワード&爆風扇(ぼうふうせん)!!』
サポートスキルで攻撃力を上げつつ、風マョイガエレメント・プラス済み大戦扇を横に振るエミ。
それで生じた暴風は動く鉄塊にして兵士を機関銃から守る防壁となる戦車と幸運な軍用機以外の全てを薙ぎ倒し、吹き飛ばしてバラバラにする。
『エレメントプラス・クインテット!!』
ほぼ総崩れになりつつも無傷の戦車を壁にして殺意のままに突き進んでくる大量の歩兵&騎馬兵軍団と上空から機銃をこちらに向けた戦闘機の前に出たタケルは自身の槍に水を除く4つのマヨイガエレメントを同時付与。
火と電撃を帯び、砂磯を大量に含んだ小さくも強力な渦風を帯びる穂先を確かめたタケルはすぐに投郷の構えを取る。
『ハイパワード&人魚流槍術奥義・ゲイボルグ!!』
ツミレ師匠との実戦訓練でマョイガ魔物を倒す日々の中で少しずつ溜めて来たスキルポイントで習得した槍専用戦闘サポートスキル・ゲイボルグ。
タケルの奥の手と共に投郷され、敵の頭上に一直線に飛んで行ったソレは天空に留まり、縦回転による旋風と電撃&炎を帯びた無差別落石攻撃で地上の敵を繊滅する。
【第74話につづく】
「きゃっ!!」
最大加速状態でクラッシュして宙を舞う大戦扇から放り出されたタケルとエミ。
「イテテ……無事、なのか? 父さん、エミどこだ?」
「パパ、無事に滑り込めたよ……その声はお兄ちゃん? パパはどこにいるの?」
ツミレ師匠による体術修行&自分達よりも何倍も大きいマヨイガダンジョンの魔物との実戦で受け身の構えを体得していた雲隠家の双子はあまり柔らかくない床とは言え無事に軟落下。
真っ暗な空間で互いの声しか聞こえない状況で無事を確かめつつ、無言でどこかにいる父を探す。
『ふむ、まさかお前達が来るとは』
「その声は……」
「ヤミノミヤノミコト!!」
黒炎の和ろうそくが点々と灯り明るくなっていく空間。
2人が倒れていた黒木の板の間で一段高い上座の畳上に座る赤袴に黒着物、長い白髪に天冠を乗せた紅眼の少女。
『死』を司る奇跡の巫女であった少女が悲惨な最期と幾星霜もの苦しみの後、闇乃宮を統べる邪神と化した存在。
死巫女ルイは予期せぬ挑戦者に驚きの表情を浮かべる。
「ルイ!!」
父さんがいないのであれば自分達が戦うしかない。
エミとタケルは雲隠の血を継ぐマヨイガもののふとして大戦扇を構え、槍の穂先を敵に向ける。
『黙れ』
「ぐっ!!」
死巫女ルイの紅眼に脱まれる2人。
全身の痛覚神経と脳に高圧電流を流し込まれたかのような衝撃に2人は意識を失いそうになるものの、気合と根性で足を踏ん張りつつ各々の大型武器を杖にして耐える。
『ほお、驚いたのう……わらわは一瞬で失禁しながら気絶させるぐらいの闇魔力をそなたらに直接流し込んだのだが。
まさか膝をつく程度で耐えるとは、幼くともサンに仕えた二大氏族の末裔と言う事か』
「当たり前だ、俺らがいくつだと思ってるんだ?
来年は13で中学生にもなろうと言う俺が漏らすなんて……ありえねえだろ」
「そうね、あたしも来年からはセーラー服のお姉さんですもの……お兄ちゃん共々そんな黒歴史つくりたくないわ」
どうにか立ち上がった雲隠家の双子は再び死巫女ルイに武器を向ける。
『くくく、実に面白い……わらわの事を知りながら二度も武器を向け、そのような大見得を張れる者がいるとは。
どうしようもない愚者か己の力を知らぬ蛮勇かわらわがタメシてやろうではないか』
『七魂(セブンスソウル)』
そう言いつつ着物の懐に手を入れ、2つの涙滴型の闇魔力塊を取り出したルイ。
『ヒダマ!!』
『カゼダマ!!』
第二闘戯場で自身ももののふとして対時したミズネコに迷処七天賦奥義覚醒。
第一闘戯場では突如巨大化したヒネコによりトップレスされたツミレ師匠が嬲り遊び者に。
第五闘戯場ではナルカミノミヤ様を暴走巨人化させたそれを前に2人はすぐにマョイガエレメント遠隔攻撃で破壊しようとする。
『四災:戦』
それを動きもせず見えない壁で弾き反らした死巫女ルイはセブンスソウルを大きく開けた口に投入。
それを呑み込みつつ未知の神技を詠唱発動させる。
「お兄ちゃん、何か来るわ!!」
後方に広がる黒炎も灯らぬ暗闇から聞こえる大勢の人が叫ぶ声と重い物がガタガタと動く機械駆動音。
「うわあああああああ!!」
「うおおおおおおおお!!」
殺意剥き出しで2人に向かってくる大弓を撃ちまくってくる騎馬武者と槍を構えた足軽。
同じく殺意剥き出しで自動小銃を乱射しながら突撃して来る近代兵装ソルジャー達に無差別砲撃しながら前進しつづけるティーガーにT34、M26、レオパルドと言った戦車軍団。
「エミ、とにかく迎え撃つぞ!!」
「了解、お兄ちゃん!! ぶっ飛ばすわよ!!」
死巫女ルイが詠唱完了と同時に雲散霧消した事実からここが彼女の魔力で作り出された特殊空間だと理解していたタケル。
最近流行りのマルチバース物でも中々無い時代劇と戦争映画のごちゃ混ぜっぷりにそう言うお年頃の男の子として多少の興奮を覚えつつも雲隠家のマョイガもののふとしてタケルはエレメントプラス済み火槍を構え、エミは風をはらんだ大戦扇を広げる。
『パワード&爆風扇(ぼうふうせん)!!』
サポートスキルで攻撃力を上げつつ、風マョイガエレメント・プラス済み大戦扇を横に振るエミ。
それで生じた暴風は動く鉄塊にして兵士を機関銃から守る防壁となる戦車と幸運な軍用機以外の全てを薙ぎ倒し、吹き飛ばしてバラバラにする。
『エレメントプラス・クインテット!!』
ほぼ総崩れになりつつも無傷の戦車を壁にして殺意のままに突き進んでくる大量の歩兵&騎馬兵軍団と上空から機銃をこちらに向けた戦闘機の前に出たタケルは自身の槍に水を除く4つのマヨイガエレメントを同時付与。
火と電撃を帯び、砂磯を大量に含んだ小さくも強力な渦風を帯びる穂先を確かめたタケルはすぐに投郷の構えを取る。
『ハイパワード&人魚流槍術奥義・ゲイボルグ!!』
ツミレ師匠との実戦訓練でマョイガ魔物を倒す日々の中で少しずつ溜めて来たスキルポイントで習得した槍専用戦闘サポートスキル・ゲイボルグ。
タケルの奥の手と共に投郷され、敵の頭上に一直線に飛んで行ったソレは天空に留まり、縦回転による旋風と電撃&炎を帯びた無差別落石攻撃で地上の敵を繊滅する。
【第74話につづく】
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