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「唾液に気をつけろ! 溶けるぞ! 」
大声で指揮するクラックさんの声が響き渡る。一歩間違えると騎士団の人たちを怪我させてしまうため、魔法は慎重に使わないといけない。
双方戦い出してかれこれ三十分。流石の体力で、騎士たちの疲れはそこまで見えない。
そしてやはり訓練を積んだ騎士団、見事な連携で確実にダメージを与えている。だが、どうにも決定打がない状況だ。聞けば、普段こいつの討伐時には必ず専用の毒を持っていくらしい。それで弱らせてから一気に畳み掛けるのが本来の正攻法なんだとか。今回は事前の調査で情報がなかったため持ってきてないそうだ。
なんかないかな~。
そう思って視線を向けた先に大ヒントがあった。
ん? あれ生えたての木じゃない? 使える!
「クラックさん! ヒュド・・・ヒュド・・・なんだっけ、ヒュドル? があの小っちゃい木の真上に来るように誘導してほしい! 」
「あれですか!? 」
「そう! 押し潰さないように! 」
「わ、わかりました! 」
困惑しながらもクラックさんは引き受けてくれた。
「まだ! もう少し! 」
ゆっくりとでかい図体が狙い通りの場所に近づく。
「そこでいいよ! で、すぐそっから離れて! 巻き添え食らうよ! 」
「総員離脱しろ! 」
騎士たちがいなくなった瞬間、私は魔法を発動させた。
「育て」
ブワッと、瞬く間に木が急成長した。何百倍という大きさの大樹に。あたりに鮮緑の木の葉が舞い、大きな影ができる。同時に根がとんでもない勢いで地中に広がっていく振動で、ズズズ、と地面が揺れる。
つっかれた~・・・。本来なら何十年、下手すら百年単位で成長するはずだったのを、無理矢理数秒で伸ばしたのだから。
「なんという・・・」
「すげぇ・・・」
「見ろ! ヒュドラが! 」
そうだ、ヒュドルじゃなかった、ヒュドラだ。
一人の騎士が指差したところに、まさにそのヒュドラが大木に取り込まれて動けなくなっていた。必死に尻尾を振って抜け出そうとするも、気はびくともしない。
「よし! 仕留めろ! 」
クラックさんの号令で、一斉にわらわらと登り始める騎士たち。ものの数分で、ヒュドラは倒された。
「どうするの、あれ」
「魔結石だけ取り出して、このまま置いときましょう」
まけっせき?
「なにそれ」
「魔獣の体内から取れる、魔素の結晶のことよ! 魔獣の体内に魔素が溜まり過ぎると魔素が結晶化してしまうことがあるのよ。ほら、シエルいっぱい持ってたでしょう? 」
「ああ、あれ? 」
あのランダムに出てくる角ばった鉱石みたいな石。色とりどりで綺麗だなと思って保管していたやつ。
「そうよ。強い個体ほど体内の魔素も多くなるから、大きいものができるのよ。逆に弱いやつだとそもそも魔結石がなかったりもするわ」
「へえ~。それって紅羽たちもあるの? 」
紅羽たちめっちゃ強いじゃん。
「ないわ。そもそも魔獣に魔結石ができちゃうのは、体内の魔素がコントロールできずに一箇所に溜まっちゃうからなのよ。私たちはできちゃう前に魔素を循環させて溜まらないようにしてるわ」
「なるほど」
また豆知識が一個増えた。
「魔結石回収できました! 」
「ご苦労! 」
気づけばクラックさんたちの作業も終わり、私たちはまた進み出した。
大声で指揮するクラックさんの声が響き渡る。一歩間違えると騎士団の人たちを怪我させてしまうため、魔法は慎重に使わないといけない。
双方戦い出してかれこれ三十分。流石の体力で、騎士たちの疲れはそこまで見えない。
そしてやはり訓練を積んだ騎士団、見事な連携で確実にダメージを与えている。だが、どうにも決定打がない状況だ。聞けば、普段こいつの討伐時には必ず専用の毒を持っていくらしい。それで弱らせてから一気に畳み掛けるのが本来の正攻法なんだとか。今回は事前の調査で情報がなかったため持ってきてないそうだ。
なんかないかな~。
そう思って視線を向けた先に大ヒントがあった。
ん? あれ生えたての木じゃない? 使える!
「クラックさん! ヒュド・・・ヒュド・・・なんだっけ、ヒュドル? があの小っちゃい木の真上に来るように誘導してほしい! 」
「あれですか!? 」
「そう! 押し潰さないように! 」
「わ、わかりました! 」
困惑しながらもクラックさんは引き受けてくれた。
「まだ! もう少し! 」
ゆっくりとでかい図体が狙い通りの場所に近づく。
「そこでいいよ! で、すぐそっから離れて! 巻き添え食らうよ! 」
「総員離脱しろ! 」
騎士たちがいなくなった瞬間、私は魔法を発動させた。
「育て」
ブワッと、瞬く間に木が急成長した。何百倍という大きさの大樹に。あたりに鮮緑の木の葉が舞い、大きな影ができる。同時に根がとんでもない勢いで地中に広がっていく振動で、ズズズ、と地面が揺れる。
つっかれた~・・・。本来なら何十年、下手すら百年単位で成長するはずだったのを、無理矢理数秒で伸ばしたのだから。
「なんという・・・」
「すげぇ・・・」
「見ろ! ヒュドラが! 」
そうだ、ヒュドルじゃなかった、ヒュドラだ。
一人の騎士が指差したところに、まさにそのヒュドラが大木に取り込まれて動けなくなっていた。必死に尻尾を振って抜け出そうとするも、気はびくともしない。
「よし! 仕留めろ! 」
クラックさんの号令で、一斉にわらわらと登り始める騎士たち。ものの数分で、ヒュドラは倒された。
「どうするの、あれ」
「魔結石だけ取り出して、このまま置いときましょう」
まけっせき?
「なにそれ」
「魔獣の体内から取れる、魔素の結晶のことよ! 魔獣の体内に魔素が溜まり過ぎると魔素が結晶化してしまうことがあるのよ。ほら、シエルいっぱい持ってたでしょう? 」
「ああ、あれ? 」
あのランダムに出てくる角ばった鉱石みたいな石。色とりどりで綺麗だなと思って保管していたやつ。
「そうよ。強い個体ほど体内の魔素も多くなるから、大きいものができるのよ。逆に弱いやつだとそもそも魔結石がなかったりもするわ」
「へえ~。それって紅羽たちもあるの? 」
紅羽たちめっちゃ強いじゃん。
「ないわ。そもそも魔獣に魔結石ができちゃうのは、体内の魔素がコントロールできずに一箇所に溜まっちゃうからなのよ。私たちはできちゃう前に魔素を循環させて溜まらないようにしてるわ」
「なるほど」
また豆知識が一個増えた。
「魔結石回収できました! 」
「ご苦労! 」
気づけばクラックさんたちの作業も終わり、私たちはまた進み出した。
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