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第4章 同甘共苦
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しおりを挟む「・・・好きです。付き合ってください」
「見るなっ」
結永先輩も気づいて見なくていいように視界を塞いでくれたが、もう遅かった。
静先輩の姿が見えたから嬉しくて走っていこうとしたが、1歩を踏み出す前に女性に告白されているのを見てしまった。
やっと一緒にいたいって思えるようになって、静先輩の隣にいられることが嬉しいって感じられるようになったばかりだったのに。
なんで・・・・・・。
こんな、ことって・・・・・・。
やっぱり僕は静先輩と一緒にいていい存在じゃないんだ。
僕自身が考え方を変えたところで、それだけでずっと一緒にいられるようになるわけがない。
あの日、雑貨屋で女性の店員さんに言われた言葉に、僕は目を背けた。
考えたくなかった。
だってこればっかりはどうすることも出来ないから。
静先輩に告白してる人。
少ししか見なかったけど、綺麗な人だった。
僕みたいなのが隣にいるより、あの女の人みたいな綺麗な人が隣にいる方が相応しいんだ。
喧嘩したせいでみんなに恐れられてるから、静先輩たちの周りには人が寄ってこなかった。
だから僕が独り占めしているみたいで、他の人なんて近寄ってこないと思ってた。
でも、こうやって静先輩を好きになる人がいる。
静先輩が本当は優しい人だってことを知っているのが、僕だけなはずがないことはわかってたんだ。
きっと、僕だけの静先輩だって、心のどこかで思ってたんだ。
だから他の人が静先輩の隣にいるなんて、考えたこともなかった。
静先輩・・・・・・。
静先輩っ・・・・・・。
「ごめんなさい、ごめんなさい・・・・・・」
一緒にいようって、言ってくれたのに。
僕が一緒にいられるようにいっぱい考えてくれたのに。
この現実を、僕は受け止めきれない。
「弥桜くん・・・・・・」
涙が止まらない。
立っていられなくてふらついた僕を、結永先輩が受け止めてくれた。
「どうする? 静の所に行く?」
その問いかけに首を横に振る。
「じゃあ、帰ろっか。静には俺から連絡入れとくから」
静先輩から逃げ出すことを、どうか許してください。
そのまま静先輩には会わずに、結永先輩に車で家まで送ってもらった。
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