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第5章 落穽下石
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しおりを挟む『弥桜っ‼︎ 大丈夫か⁉︎ 帝、頼む、弥桜にだけは何もしないでくれ』
帝自身が男たちに混ざることはなくまた離れていったことで、携帯から聞こえる静先輩の声も遠ざかる。
静先輩にはこんなやつらなんかに頭を下げてほしくないのに。
僕のせいで、こんな・・・、こんな・・・・・・。
「あーあ、泣き出しちゃって。はは、ざまあみろ」
「あっ、・・・んん、やっ、やだっ・・・」
与えられる感覚に怒りや悲しみも相まって、もう頭の中はぐちゃぐちゃだった。
怒りで少し戻っていた理性も静先輩の声を聞いたらまた崩れ去っていて、今度こそ思考が快楽に染められていく。
電話越しの静先輩の声はもちろん帝の声も、もうまともに聞こえてはいなかった。
帝が離れたことで完全に遠慮のなくなった男たちの手が、残っていた服を破り捨てるように剥ぎ取っていく。
「うわ・・・、なんだこの傷だらけの体。まあでもこれぐらいの方が余計手ぇ出しやすいよな」
発情期明けに自分でつけた傷は二週間程度でなんとか治っていたが、先輩たちにつけられたものは殴られた痣はもちろん、手持ち無沙汰だと振り回していた刃物で出来た切り傷から今時珍しい根性焼きまで、数ヶ月経っても未だに身体中に残っていた。
「・・・ぁん、・・・くぅ・・・はうっ」
「やっぱΩってやつはどうしようもない淫乱だな。たったこれだけでもうびちょびちょに濡らしてやがる」
男の言葉通りベタベタと乱暴に触られただけのはずなのに、僕の中心は完全に勃ち上がって先走りをぼたぼたとこぼしていた。
心は拒みたくてもこんな扱いになれた身体は、与えられる感覚を全部快感に変えて拾っていく。
目隠しをされたままだから視覚からの情報がない分、余計感覚が過敏になっていて、そんな状態の自身に容赦なく触ってくる。
「んあ・・・っ‼︎」
こんなにも快楽に弱い身体に、まともな思考はとっくに放棄していた。
無意識に腰が揺れ始めていることにも気づけず、口からは我慢出来ない喘ぎ声を漏らす。
「ケツに何か突っ込んでないと生きていけない身体にされたこいつを見て、あいつがどんな表情すんのか楽しみだぜ」
そう言った男の指が尻の形をなぞって僕の後孔に触れてきた。
「ひっ・・・・・・」
ぐりぐりと入口部分を弄られ、ついにはつぷりと中に入り込んでくる。
「はくぅ、・・・ぁんっ、は・・・んんっ」
「なんだこりゃ、初めてじゃねぇな。随分使い込まれてんじゃねぇか」
男はそう言いながら指を二本三本と一気に増やして、ぐちぐちと卑猥な音を立てながら掻き回してくる。
「マジかよ、救いようのない淫乱だな。・・・おい、口開けろ。歯立てんじゃねぇぞ」
「んぐっ、んっ、んっ、ゔゔ・・・おほっ」
それと同時に頬に別の男の熱塊を押し付けられ、無理矢理口の中に押し込まれた。
頭を掴まれ激しく出し入れされてうまく息が出来ない。
「んじゃ、そろそろ」
いくらか弄り回してキリが良くなったのか指を抜くと、今度は解れ切ったそこに男の肉棒があてがわれる。
散々弄られたそこは早くそれが欲しいと言わんばかりに、ひくひくとその先端に吸い付くような動きを繰り返していた。
「んんっ、んーっ」
静先輩じゃない感覚に直感的に抵抗しようとするが、口に突っ込まれたままでろくに動けなかった。
もう無理だ、と戻ってきた理性ですら自ら手放そうとした時だった。
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